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  • ゼロの花嫁-19 B

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの花嫁-19 B

最終更新:2009年05月20日 03:37

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  • ゼロの花嫁


「爵位の大きさで人の能力が決まる訳ではない。より優秀な人間こそ生き残るべきだし、
 それを阻害するような命令を私は下す気はない。それに……」
眼光は鋭さを保ったまま、頬を上げて笑みを形作る。
「君はそのまま私が率いるアルビオン奇襲部隊に合流しなさい。
 死ぬのならそこでだ。華々しい戦場で死ぬのと、子供のおもりで死ぬのでは雲泥の差があろう」
婚約者より部下を優先するワルドの言葉に、アニエスはただただ頭を下げる事しか出来なかった。



タバサが漸く船長と話を付けて宿に辿り着いたのは、軍人がケンカを怒鳴りつけて止めた所であった。
見ただけでは状況が把握出来ない。
キュルケと軍人は仲良さそうに話をしているが、ルイズはそんな軍人にがなり、燦はぶすーっとした顔でルイズの後ろについている。
「どうしたのよ、しばらく音沙汰無かったけど。仕事忙しかったの?」
「すまぬな、目が回りそうな程に忙しかったせいで礼も遅れてしまった。キュルケとの訓練のおかげで、何とか生き残る事が出来たぞ」
「あら、それは重畳。メイジの一人でも叩っ斬ったの?」
「そんな所だ。おかげでシュバリエの叙勲を受ける程の武勲を立てる事が出来た。今はワルド様の捜査部所属だ」
「まあ、それはめでたいわ。今晩は私もここで一泊するみたいだし、貴女は? 良ければご一緒しない?」
「嬉しいお誘いだが、ちと先約があってな……ああ、さっきから隣でぎゃーぎゃー喚いてる騒々しいの絡みなのだが」
「ルイズ? ああっ、もう、うるさいわねえ少し静かに出来ないの? 今私コレの連れだから、ルイズも今晩はここで休む事になりそうよ」

「アンタ達何さっきから延々延々延々延々延々延々人の事無視してくれてんのよおおおおおおおおおおお!!」

「アンタがうるさいからよ」
「貴様がやかましいからだ」

ロングビルが以前アニエスに紹介した炎のメイジとは、キュルケの事であった。
アニエスが炎のメイジが嫌いだという話を聞き、それはいけないとロングビルに諭されたのだ。
嫌いならば尚の事、きちっと炎の魔法を理解していた方が良いとの説得に、渋々だがアニエスは折れる。
そして紹介されたキュルケだが、キュルケもまた剣を使う人間との訓練機会を欲していたので渡りに船であった。
最初こそ硬い表情を崩さぬアニエスであったが、キュルケはゲルマニア出身で身分云々に余り拘らぬ人間であり、
何よりアニエスの素晴らしい剣技と体術に敬意を払ってくれたので、徐々に態度を軟化させる。
その訓練の中、アニエスはメイジ殺しに最も重要な要素に気付いた。
メイジを殺すには、魔法への理解が不可欠である。
魔法を使えぬ人間が魔法を学ぶ機会は無い。だから魔法の効果や能力を過大や過少に評価し、結局実戦でしてやられてしまう。
ところが世間では、例え軍であろうと、対魔法の訓練など行われていない。
そもそも必要とされる体術のレベルが一定以上でなくば効果は望めぬし、自分が不利になるような事をわざわざするメイジも居ないだろう。
魔法を使えぬ者がメイジを殺すなど、絵空事でしかないと思われている風潮も影響している。
しかし、こうしてキュルケから様々な魔法を学んだアニエスは、決してそれが夢物語ではないと知っている。
キュルケ自身も、仮想敵をメイジだけではなく剣士にも置いている部分があり、それも良い方向に作用した。
向上心の強い二人であり、双方の実力を認め合える程の度量を持っている為、両者の仲は、もう一方に比べ大層円満なのであった。

「ふむ、キュルケとそこのタバサというのがルイズに付き合ってここまで来ているという事か」
アニエスはアテが外れて少々落胆していた。これでは最悪の場合でもルイズだけ斬って終わりとは出来ない。
「でも、私もタバサもどういう理由でルイズがアルビオンに行くのかまでは聞いて無いのよ。アニエスは知ってるんでしょ?」
「…………」
まさかそれを話す訳にもいかず、沈黙するアニエスであったが、キュルケは手をぶらぶらと振って自らの言葉を打ち消す。
「ああ、違う違う。別に話さなくてもいいわよ。今回の私達はおまけだから、事情を聞く気はないわ」
「いいのか?」
「今のアルビオンに向かうのが危ないって事ぐらいはわかるわ。でも、私達はルイズがそこに行くのなら付き合う。そういう仲なのよ」
冗談めかして言ってはいるが、その言葉に真実の響きを感じたアニエスはそれ以上は何も言わなかった。

ルイズを斬るのならこの二人も斬らなければならない。そんな覚悟を胸にしつつ。



出陣準備を指示するワルドは、忙しなく書類の山をチェックする。
ひっきりなしに執務室を出入りする部下達。
彼らはいかな凶悪犯罪者をも恐れぬトリスタニア最恐部隊である捜査部の面々であったが、そんな彼等がたった一人の女性に道を空ける。
その気配に気付いたワルドは書類に落としていた視線を上げると、憤怒の表情のエレオノール女史の姿を認めた。
「……子爵、お人払いを」
体裁を取り繕う程度の自制心は働いている模様。
そんな暇など欠片も無いのだが、婚約者殿の実家の長女を無碍にも出来ない。
手を一振りすると、報告待ちであった部下達は部屋を後にする。
エレオノールは、一言一言はっきりと口にする。
「ルイズは、何処に、行ったのかしら」
「ルイズがどうかしました……」
ワルドとエレオノールを隔てる机を、エレオノールは全力でぶっ叩く。
「返答如何によってはルイズの婚約者とて容赦はしません。ヴァリエール全てを敵に回す覚悟で返事なさい。ルイズは、何処?」
職業柄、見せ札、ハッタリを見抜く術に長けたワルドは、この愛すべき婚約者殿の姉上が、正気を疑うが、本気であるらしいとわかる。
「申し訳ありませんが、それはお話出来ません」
「……そう」
子爵ごときにコケにされる言われなど無い。そんな感情が体中から噴出している。
「わかりました。貴方を……」
「ミス・ヴァリエール、どうか落ち着いて下さい。隣国アルビオンが未曾有の混乱にある中、国内での騒乱は国の寿命を縮めるだけです」
突如激昂したエレオノールはワルドを怒鳴りつける。
「無礼者! たかが子爵ごときがこの私に国家の行く末を語るなど百年早い!
 家の名を出した以上こちらにも逃げ道は無い事ぐらい察しなさい!」
当人にそのつもりがあっても、実際動かせるヴァリエールの軍がどれほどなのか、そこが判断の鍵だ。
しかし、いずれの場合においても現状でヴァリエール家を敵に回すのは得策ではない。
一度エレオノールの覚悟が見えぬフリをし、拒否して様子を見てみようとした所、この女速攻で攻め上る覚悟を決めてきた。
公爵位を持つ一族の長女がやる事ではない。
「我が一族の者を危機に陥れんとする者は、例え王家であろうと許しはしません!」
だったらあんな危険物を表に出すなと。
マザリーニの話では、ラ・ヴァリエール公爵も同じ事を言ってきたらしい。
一族揃って発狂してるとしか思えん。
ここまで言い切るからには、ワルドがその情報を握っていると確信あっての事だろう。
古くからある公爵家だ、何処かしらからか情報を入手する術を持っていても不思議ではない。
さしものワルドにも、狂人を説得する術は無い。
「……アルビオン王都ロンディニウムに向かいました」
ここで折れねば、出陣しすっからかんになった王都にヴァリエールの軍勢が押し寄せてくるなんて事になりかねない。
「わかりました。子爵の協力に感謝します」
「エレオノール様、この後どうされるおつもりかお聞きしてよろしいでしょうか」
「貴方が知る必要はありません。それと私の邪魔をせぬというのであれば、王軍出陣の件、父に良きよう取り計らっておきます」
狂った狸であった。妹も妹だが姉も姉でタチが悪い事この上無い。
ヴァリエール公爵が王家の味方についてくれれば、他の諸侯への事後承諾も遙かに楽な作業となろう。
ラ・ヴァリエール公はモット伯との対決中なので、下手な動きは見せぬだろうが、この親父も平然と軍を動かして来た辺りもうどうなっているんだと。
この程度の情報と一人が好きに動ける程度の事で、ヴァリエール家が味方してくれるなら安いものだが、どうにも不安が残る。
微妙な今の時期に、こんな狂人を二人も野放しにしていいものか。
ワルドは、今更ながらに神ならぬ我が身の不足を痛感した。

「エレオノールさん!」
捜査部の建物から出てきたエレオノールに、グラモン家三男、鉄壁スマイリーことミスタ・グラモンが駆け寄る。
「ルイズはアルビオン王都ロンディニウムに向かったとの事です。すぐに追いますよ」
「……やはりアルビオンですか。方角がそうでしたのでまさかとは思ったのですが……」
何故かつき合わされているミスタ・グラモンは、厩舎に向かおうとするエレオノールの手を取って止める。
「飛竜に乗ってという事でしたら、既にラ・ロシェールに着いている頃です。間に合いません」
「間に合わないで済みますか! 何としてでも連れ戻さねばならないのですよ!?」

僅かに考え込んだ後、ミスタ・グラモンは一つの案を提示する。
「父に相談しましょう。一緒に来ていただけますか」
「グラモン元帥に? そんな事をしている暇など……」
険のある表情のエレオノールに、ミスタ・グラモンはぴしゃっと言い放つ。
「ただアルビオンに行きさえすればいい訳ではないでしょう。ロンディニウムに乗り込むというのであれば、それなりの手段が必要です」

老齢のグラモン元帥は、無言のまま三番目の息子の言葉を聞いている。
かつてこれほどまでに息子が、熱意を持って何かをせんとした事があっただろうか。
今までやる気が無かった、そういう話ではない。
より大きな情熱に突き動かされ、息子は熱弁を奮った。
一緒についてきているエレオノールも呆気に取られている。
こんな彼の姿など見た事もないのだから。
そして遂に彼の熱意が通じたのか、グラモン元帥は首を縦に振った。
歓喜に飛びあがるかと思いきや、礼の言葉もそこそこにエレオノールを連れ部屋を飛び出して行くミスタ・グラモン。
それを見守った父は、執事を呼び外出する旨を伝える。
息子がうまく功を挙げたとて、その後の援護無しでは生きて戻る事も出来まい。
「それには王軍を動かすしか無いか……ワルドめの策がこんな所にまで効いてきよるわ」



ルイズは散々文句を並べ立てるも、ワルドからのお声がかりでこうしてルイズの護衛に付くという話を無視する事も出来ず。
「ふん、何処まで話が漏れてるんだか」
「馬鹿が。少なくともマザリーニ卿やワルド様はご存知だ。このお二方の目を欺けるはずが無かろう」
「はいはい、勝手にしなさい。途中でアンタがのたれ死んでも私は知らんぷりするからよろしくね」
「こちらは任務で来ている。貴様のような未熟者でも面倒見てやるからありがたく思え」
仲は最悪のままだが。
タバサが話を纏めて来たおかげで、アニエスを加えた一行は夜半過ぎに出航する貨物船に何とか乗り込む事が出来た。
船に乗り込む際、タバサはアニエスにだけ聞こえるように呟く。
「このメンバー、一度事が起こったら冷静に動けるのは私と貴女だけ。
 サンも普段は大人しいけど、火が付くとルイズより暴れる。注意して」
「キュルケもか? 彼女も充分冷静だと思うが……」
「モット伯を尖塔に吊るそうと言い出したのは彼女。
 魔法の火力が高すぎるから濫用出来ないだけで、沸点の低さと無茶な発想はルイズと同レベル」
「気をつけよう……しかし、下手に魔法やら腕っ節がある分、そこらのヤクザよりタチが悪いな」
「だから苦労している。軍人である貴女が加わってくれるのは正直ありがたい、期待している」
「了解した」
とても失礼な話し合いにより、新規参入メンバーアニエスとの最低限のコンビネーションは確保された模様。
船員達は女性ばかりの乗員とあって少々期待する部分もあったのだが、乗り込んで来た面々の眼光の鋭さに恐れをなし、声をかける者も居ない。
しばらくの間は平穏無事な船旅を楽しめたのだが、事件は皆が寝静まった頃に起きた。

「空賊だーーーーーー!!」
そんな怒鳴り声に叩き起こされた一行は、即座に甲板に飛び出す。
船員に状況を説明させる(腕を捻り上げ無理矢理話させたとも言う)と、どうやら賊の船が接近している模様。
ただの輸送船には大砲も積んでおらず、相手側からの一斉射であっさりと船長達は抵抗を諦める。
その腰抜けっぷりに、ルイズが激怒する。
「下賎な空賊風情に、何でこの私が降伏しなきゃならないのよ!?」
船長をどやしつけるルイズに、アニエスは嘆息しつつタバサに漏らす。
「……さっきの言葉に、無駄なプライドを付け加えておいてくれ」
「反撃のチャンスはある。捕まったら終わりだし、手は打つべき」
「確かにな」
ルイズが素晴らしいアイディアがあると言って、自分の荷物を引っ張り出して船長に指示を下す。
指示の内容を聞いていたタバサもアニエスもほっそい目でそれを聞いている。

「あの馬鹿あれで本当に突破出来るつもりか?」
「一応可能性はある。それと、一つ言い忘れてた」
「何だ?」
「アレと付き合う以上、事ある毎にため息が出てしまうのはもう諦めるしかない」
「……らしいわね」
ルイズ発案の迎撃作戦はこうして発動された。



輸送船に雄々しくはためくはヴァリエールの家紋。
ルイズは輸送船の旗を、何処から持って来たのかヴァリエール家の旗に変えさせていた。
通常こうした旗が使用出来るのは、当然それが許された者のみ。
ルイズはこの船にヴァリエールの人間が乗っていると誇示する事で、ケンカを売れるものなら売ってみろと言っているわけである。
当然のごとく文句を言ってきた船長達は腕づくで黙らせ、現在は下の船室で大人しくさせている。
しかし、空賊達はそもそも暗闇の中で旗が見えなかったか、はたまたヴァリエールの紋を知らなかったか、
隣接すると、ロープを引っ掛け次々輸送船に乗り込んでくる。
手に手に武器を持った彼等が最初に見つけた人間は、甲板から中に通じる正面扉の前に集まった五人の女達であった。
かがり火に照らされた彼女達は、殺到する空賊達に怯える風もなく、武器すら抜かず悠然と待ち構えている。
その中央に、でーんと置かれた豪勢な椅子があり、ふんぞり返って座るは、
我等がルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールその人であった。
ぼそぼそっとキュルケはタバサに問う。
「ねえ、あの椅子何処から持ってきたのよ」
「船長の私室にあったの運ばせてた」
アニエスは眩暈がしそうなのを懸命に堪える。
「……意味があるのかそれ」
タバサは、もう動じる事すらなく淡々と告げる。
「こういうのはハッタリが大事、だって」
「馬鹿丸出しなだけじゃないのか、どう考えても……」
一定の距離を置いて周囲を取り囲む空賊に、ルイズは足を組んで座ったまま言い放つ。
「で、何処の山猿かしら? 旗が見えた上で乗り込んだ以上、覚悟は出来てるのよね?」
中年の男が前に出てくる。
「生憎そんなハッタリで引っ込んでるようじゃ空賊は務まらんのでね、お前達こそ大丈夫か?
 何処で手に入れたか知らんが、それはトリステインの大貴族の旗だぞ」
爵位の詐称は大罪である。例え緊急時であろうと許される行為ではない。
「三女のルイズ・フランソワーズよ。貴方は……ふん、軍人崩れって所かしら。賊をやるには品が良すぎよ」
素性が一目でバレた事に、中年男は少し驚いたようだ。
「それが解っているのなら、逆らっても無駄だと理解してもらえるかな。杖を捨て道を空けろ、二度は言わんぞ」
椅子に深く腰掛けたまま、ルイズは俯き、含むように笑う。
「クックックックック……サン、身の程を教えてあげなさい」
兵達が緊張に身を固くするや、キュルケは床を踏み鳴らし一歩前に出る。

どんっと音がして、気が付いた時には終わっていた。

ルイズ達を包囲していた左側の十人、彼らが呻き声と共に倒れ臥していた。
その中心には、抜き身の剣を下げたサンが居る。
かっこつけて中年男を睨みつけるサンであったが、
『ルイズちゃん無茶振りしすぎじゃ! キュルケちゃんのフォロー無かったら危なかったて!』とか内心冷や冷やしてたのは秘密である。
まあ危ない橋を渡った効果はあったようで、残る男達は目に見えて動揺している。
底意地の悪いにやにや笑いを隠そうともせず、ルイズは中年男を見据えている。
「無駄? そうね、極めつけの無駄よ。だからせめて私を楽しませるぐらいはしてちょうだい」
尊大極まる態度、信じられぬ手練の存在が、船に掲げた旗の真実味を増す。
中年男は、彼我の状況を考え判断を下す。
「……わかった、我々はこのまま引き上げよう。それがお互いの為だろう」

軍人であるはずの十人の兵を一瞬で、しかも誰一人殺す事すらせず黙らせたサン。
これでは残る三人もどれ程の腕を持つかわかったものではない。
ただの賊ではない中年男達は、無意味に戦力を浪費している余裕なぞないのだ。
引き上げの合図を出そうとする中年男に、待ったをかけたのはサンであった。
「おうおうおうおう! 何調子の良い事ぬかしてんじゃ! ヴァリエールの旗に唾吐いといて落とし前も付けず済む思うてんのか!」
ぎょっとした顔になるタバサとアニエスであったが、ルイズは何故かうんうんと頷いている。
キュルケは楽しそうににやにや笑っているだけだ。
「アンタ等もカタギじゃない極道言うんじゃったら筋目はきっちり付けんかい!」
ハルケギニアで燦の極道論理が通用するはずもないのだが、それを平然と強要する辺り、無茶振りは主人似らしい。
表情が引きつっている中年男、小娘が調子に乗ってんじゃねえぞ的な気配がふんぷんと漂う甲板で、兵達を掻き分け一人の青年が前へと進み出て来た。
「では私が頭を下げれば、許してもらえるだろうか」
美々しい青年がそう言うと、兵達は口々に止めに入る。
そんな真似をさせるぐらいならこいつら皆殺しにしてやります、などと皆が言うのを青年は厳しい表情で怒鳴りつける。
「我等が目的を忘れるな! お前達の死に場所はこんな所ではないはずだ!」
無念の表情で青年を見やる中年男の隣を通り過ぎ、ルイズの前に立つ青年。
偉そうに座っていたルイズは、立ち上がって姿勢を正す。
「一つ答えなさい。貴方はどちらの軍から崩れたの?」
「…………」
「部下を正す態度、部下に任せず自らが前に出て恥を受け入れる度量、いずれ名のある貴族とお見受けしましたが?」
「答える事は出来ない」
「ならばそのままで構いません。私はこれよりロンディニウムに乗り込み、ウェールズ殿下にお会いします。言伝があれば聞きますが」
ルイズはこの青年を王党派の貴族と断じていた。立派な態度を取れる勝っている軍が空賊をやる理由は無いのだから。
兵達の間にどよめきが走り、青年の表情に深い険が刻まれる。
「……トリステインの貴族が何故?」
「それを貴方が知る必要は無い」
青年は改めてルイズを見直す。すると、急にその表情が驚愕に歪む。
「そ、その指輪は!?」
ルイズの視線が鋭くなる。
指輪をはめた手を、青年に見えやすい位置にまで持ち上げる。
「この指輪が何なのかわかるというのですか?」
「水のルビー……まさか……本当に……」
青年は自らも身につけていた指輪をかざす。
すると、二つの指輪の間で輝きが行き交い、青白く周囲を照らし出す。
「おおっ、これぞ正しく水のルビー……もしや貴女は、アンリエッタ女王の使いの者では?」
アニエスの殺気が突如膨れ上がる。青年はそれに気付きながら動じず語る。
「非礼を詫びます、私の名はウェールズ・テューダー。アルビオンの皇太子です」
馬鹿な、と一笑に付すような内容でありながら、ルイズは深く頷いた。
アンリエッタ女王から皇太子の持つ風のルビーとの効果を聞いていた事が幸いした。
即座に跪くルイズ。
「そうとは知らず大変なご無礼を。本来ならば到底許される事ではありませんが、
 どうぞ我が主よりの言葉をお伝えするまでの猶予をお与え下さい」
「お顔を上げられよ。お互い事情あっての事、双方に死者が出る前で本当に良かった。
 これより我が船にて王都までお送りさせていただきます」
状況に全くついていけてない燦は、とことことキュルケ達の側に歩み寄って小声で訊ねる。
「なあなあ、どういう話なん?」
それにはタバサが、やはり動じた様子もなく答えてくれた。
「……ルイズは悪運が強すぎるって話」
「はぁ、んじゃもうケンカせんでええん?」
「絶対やっちゃダメ。失礼な態度も取っちゃダメ」
「ん、よーわからんけどタバサちゃんがそう言うんならそーする」
キュルケとアニエスは、半ば呆然としながらこれを見ていた。
「ねえアニエス、ルイズって何かすんごい守護霊とか憑いてるんじゃない?」

「……こんなデタラメが通っていいのか。神よ、貴方が公平という言葉を知るのなら、どうぞそこのピンク頭に裁きの雷を降らせたまえ」

空賊達は五人の女のクソ度胸が気に入り、客人として迎える事にした。
そう空賊から聞かされた輸送船の船長は、はあ、と答えるより他無い。
結局積荷全部奪われてしまうのは一緒であるし、正直あの無法女五人が何処でのたれ死のうと知った事ではなかったからだ。
彼に出来る事は、奪われた物資の補填が貴族派から少しでも出てくれるよう祈るだけだ。

ルイズとウェールズの二人は船長室で二人っきりの密談中。
その間に残った四人は、アルビオンの状況を船員達から聞いていた。
王族はジェームズ1世とウェールズ皇太子を残し全て死に絶えた事。
王党派の兵はもう残す所三百人程しかおらず、王都ロンディニウムは五万の大軍に包囲されている事。
それでも秘密の抜け道を使い、船は外に出る事が出来る事。
キュルケが、ならば全員逃げられるのでは、と聞くと、残った面々は逃げる気など無く、女子供を逃がした後、王都を枕に討ち死にするつもりであると。
何と声をかけたものか言葉も無い一行に、しかし船員達は陽気に笑う。
良く来てくれた、おそらく最後の客人になるだろう貴女達を心から歓迎すると。



捜査部を出てから、全てが整うまでに半日もかからなかった。
軍を知らぬエレオノールには、口を挟む事すら出来ぬ。
ミスタ・グラモンは鬼気迫る勢いで指示を出し続け、遂に出航の時を迎える。
「後はお任せ下さい。私が必ずやルイズ様をお連れしますから」
多分ダメだろうなあとか思いながらそんな事を言ってみたが、やっぱりダメだった。
猛烈な勢いで言い返され、渋々エレオノールも乗せる事になる。
高速揚陸艦、グラモン家が個人所有する艦船で、数は少ないが大砲も備えたこの船をミスタ・グラモンは父より借り受けたのだ。
乗組員は40名、空海軍所属経験のある命知らずばかりを、ミスタ・グラモンは自らの持つツテのみを頼りに集めていた。
「何せ急に集まってもらったメンバーですから、少々品性に欠けるのはご容赦いただきたく」
むさ苦しいの極みのような面々が船に乗り込むのを、苦々しい顔で見やるエレオノールに、ミスタ・グラモンは苦笑しながらそう断る。
出港準備を整えながら、下品に笑う彼らの声が聞こえてくる。
「よーう、おめえカミさんを間男ごと叩き斬ってブタ箱行ってたんじゃねえのかよ」
「恩赦だ恩赦。てめえこそ上官ぶん殴って空軍クビになって以来じゃねえか」
「……ボクのミクちゃんがあんな男に……ミクちゃんはあの男に騙されてるんだ。ちょっと顔が良くて背が高いからって……モテ男なんてみんな死ねばいいのに……」
「今宵のコテツブレードは血に餓えておる……」
ドン引きするエレオノールに、艦長ミスタ・グラモンは訳知り顔で語った。
「だから言ったでしょう。軍の話など、エレオノールさんのようなお美しい方に話すような内容ではないんですよ」
「にしたって限度ってあるでしょう」
「はははっ、まあそうおっしゃらず。全員腕は確かですから」
艦橋にてそんな話をしつつ、艦長たる威厳を持って宣言する。
「これより我が艦はアルビオン王都ロンディニウムに向かう! 目的はヴァリエール家三女ルイズ・フランソワーズの保護! 出航せよ!」
三度の飯より戦好き、そんな連中に相応しい威勢の良い返事と共に、高速揚陸艦はトリスタニアを飛び立って行った。

「せ、狭いっ!」
高速揚陸艦の酒樽の中で、もごもごと蠢く人影がある。
既に出航しているのは揺れに揺れる樽の中に居てもわかったので、蓋を開いて顔を出す。
「見てろよルイズ、キュルケ、タバサ。僕だってやる時はやるんだ……ここで男を見せてやるっ!」
ギーシュ・ド・グラモンは決意に拳を握り締めつつ、とりあえず兄への勝手に乗り込んでしまった言い訳はどうしたものかと小首を傾げるのであった。



軍敷地内の広場に、トリステインが誇る精鋭達が集う。
千人の兵は皆トリステインの職業軍人であり、常日頃から訓練を重ねてきた彼等は、規律正しく整然と並んでいる。

演台に上がったワルドが声を上げる。
「聞け! 忠勇無双トリステインの有志達よ! 我等は本隊に先駆けアルビオンへと向かう!
 同胞の危機を捨ておけぬ女王陛下のお心を無にするな! 王家を不要などとぬかす不貞の輩を我等忠義の徒は決して許さぬ!
 野盗同然に国を盗まんとする奴等に我等が鉄槌を! 今こそトリステインの力をハルケギニア全土に知らしめる時!」
トリステイン万歳の言葉に、千人分の歓声が応える。
割れんばかりの大絶叫は、出撃の号令と共にぴたりと止まり、各員が割り当てられた船へと駆け出す。
その移動の様を壇上から見たワルドは、彼等ならば例え万の兵が相手であろうと恐るるに足らずと結論付ける。
見よ、誰もが秩序を乱す事無く効率良く乗船していく様を、寄せ集めの兵など歯牙にもかけぬ整然とした行進を。
後は指揮官が彼等を正しく導く事が出来るかどうかだ。
演台を降り、旗艦に乗り込むワルドは、高鳴る鼓動と震えの来る足を悟られぬよう雄々しく胸を張る。

『恐れるな! 私はいつもそうして来たように、唯一重に自分の力を信じるのみだ!』



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