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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 機械仕掛けの使い魔-第09話

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

機械仕掛けの使い魔-第09話

最終更新:2010年11月18日 18:42

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機械仕掛けの使い魔 第9話


 トリステインの首都、王都トリスタニア。白い石造りの建物が立ち並ぶ下町の向こう側には、都市全体を分けるように大きな川が流れ、対岸には豪奢な貴族街が居を連ねている。
そして、それらを見下ろすように、最奥には王城が聳えていた。壮観な光景に、クロは舌を巻いた。

「ふぇー、でっけー街だなぁ」
基本的に桜町が行動範囲であるクロには、トリスタニアは非常に大きく、立派に見えた。そもそも、西洋風の城を見た事のないクロにとって、王城は最も目を引く建造物だった。
「ここが王都トリスタニア。立派な街でしょ?」
「私も久しぶりに来ましたが、ワクワクします!」
「説明はオメーの仕事じゃねーだろ…」
妙に胸を張るルイズと、しきりにキョロキョロするシエスタ。クロはといえば、腹から取り出した油入りビンの2本目を飲みながら、村人Aに該当しそうな人物を探していた。
やはり剣と魔法のファンタジーな世界には、到着した地が何という場所なのか、説明してくれる為だけに存在する人物が必須である。まぁ、実際にはいるわけがない。いたら極めて怪しいものだ。

 ルイズはクロとシエスタを引き連れ、人ごみをすり抜け、ある店を目指していた。ちなみに、財布はクロの腹の中に収めてある。
何だかんだでスリの出没するこの街において、最も安全な財布の隠し場所は、クロの腹の中である、とルイズが提案した為だ。
クロも、スリに遭って目的を達成できなくては元の木阿弥なので、特に反対する事もなく、素直に財布を預っていた。
「それでミス・ヴァリエール、どこに向かっているんですか?」
「まずは服よ! ストッキングも、いい加減ストックがなくなってきてるし…」
 そう、ルイズは度重なる魔法の失敗に、他ならぬ自分が一番被害を受けていたのだ。先日の教室での爆発騒ぎでもそうだが、ルイズが魔法を行使し、失敗するたびに、着ている服がボロボロになってしまう。
制服やマントは学院の支給物なので、ある程度の融通が利くが、しかしストッキングや下着はそうは行かない。自前で調達するしかないのだ。

 目的の服飾店に入った瞬間、ルイズとシエスタは、乙女になった。2人して飾ってある服を手に取り、鏡の前で身体に当ててみては、きゃあきゃあと騒いでいる。
クロも一通り店の中を見て回るが、さすがに猫である。何1つ興味をそそられない。これなら店の外で、王城や町並みを眺めていた方が幾分ましだったか、と思っていた。
 ふと、1枚の鏡が目に止まった。そこに映し出された姿を見て、溜息をつく。
(ちょいと汚れてるな…。今度の洗濯で、一緒に洗っちまうか)
以前ルイズから吹きかけられた紅茶だけのせいではない。ハルケギニアに来る前の騒ぎでも幾分汚れており、このままでは『薄汚れた黒猫』などと言われかねない。
幸い、換えの着ぐるみは腹の中に収納してあるが…クロとしては、あまり使いたくない代物であった。背に腹は代えられないが。

 ようやく買う物が決まった2人は、ほくほく顔で会計を済ませた。やはり服を買う、という行為は、女性にとっては大きなストレス解消の意味があるのだろう。
「女ってのは、何でこう、買い物に時間かけるかねー…」
 実際は一度も女性の買い物に付き合った経験などないクロだが、それでも知識として、得てして女性の買い物は時間がかかる、というのは知っていた。
実際体感してみて、それが事実である事、付き合わされる身としては退屈極まりない、と感想を得たわけだが。
「それが女ってものよ、クロ」
「そうです、ミス・ヴァリエールの言う通りです!」
乙女モードを引きずるシエスタは、手ぶらのルイズと違い、両手に袋を持っている。やはり貴族に奉公している身として、ルイズの荷物も持っているのだろう。

「それで、次はどこに行くんですか?」
「それはクロ次第ね。その前に、いい時間だからそろそろお昼ご飯にしようと思うけど、どこに行きたいの?」
 ちら、とクロを見やるルイズだが、ある程度の見当は付いていた。買い物の話を持ちかけた時、クロはなんでも斬れる剣を取り出した。
という事は、クロの求める行き先は1つだ。
「刃物を扱ってる店ってのは、ねーのか?」

    +     +     +     +     +     +

 服飾屋の主人から、武器を扱っている店の場所を聞いたルイズたちは、近くの店で少し遅めの昼食を済ませ、トリスタニア最大の街、ブルドンネ街に足を運んだ。
四辻に差し掛かった所で、辺りをきょろきょろと見渡す。
「えーっと、ピエモンの秘薬屋があそこだから…」
コルク栓をしたビンが描かれた銅の看板を掲げた店を指さすルイズ。
「あったわ、あそこよ」
その近所に佇む、交差した剣が描かれた看板の店を見つけ、ルイズは笑顔を見せた。
「なーんか、辛気くせー店だな…」
「ですが、あのお店の方が言うには、トリスタニアにはここしかないと…」
「売る物売ってれば、どこでも変わらないでしょ。さ、入るわよ」
特に意に介さないルイズを先頭に、クロとシエスタは、武器屋に入った。

 店の中は薄暗く、昼間だというのに、ランプの明かりがあってもなお、陰気であった。壁には所狭しと剣や槍が掛けられ、店の奥には甲冑も見える。
 中年の店主はカウンターの奥でパイプを吹かしていたが、魔法学院の制服を着たルイズの姿を認めると、慌てて佇まいを直した。
「貴族の旦那、ウチは真っ当な商売をしてまさぁ。貴族の方々に目を付けられるような事は…」「客よ」
手揉みする店主に傲然と言い放つルイズを尻目に、クロは壁に掛けられた剣を眺めていた。

 暗い店内で、剣に散りばめられた宝石が、ランプの光を反射して輝いている。目を細めながら、クロは独りごちた。
「…使い物になんねーな、こりゃ…」
クロの常備しているなんでも斬れる剣は、それこそ極上の剣と言える。あらゆる物を斬り裂き、どれほど乱雑に扱っても、手入れさえしていれば、3例を除き、折れた試しもない。
ゆえにクロは、並の剣では満足できないのだ。

 試しにクロは、シエスタに耳打ちして、店主に伝言を頼んだ。
「あ、あの、もっと丈夫で、大きくて、切れ味のいい剣はありませんか?」
見た目に凝った物ではなく、十分に実用に耐えうる、頑丈で鋭い剣。クロが求めるのはきらびやかな剣ではなく、なんでも斬れる剣の予備として使える剣だった。
「あるにゃあありやすが…」
そう言いながら店の奥に引っ込んだ店主は、程なく、一振りの剣を手に戻って来た。
「ウチの店で条件に合いそうなのって言やあ、コイツですかねぇ」
店主が持ってきたのは、壁に掛けられた剣とは違い、一切宝石による装飾がなされていない剣だった。飾りもほとんどなく、外見はクロの要望に見合うものだった。だが…
「…あれもダメだ」「え?」
 シエスタの耳元で、クロが呟く。一目見て、クロはその剣が、自分の戦い方に耐えられないと理解したのだ。

 幾度も戦いの中に身を置いてきたクロだからこそ、解った。確かに、あの剣はよく斬れるだろう。だが、よく斬れる“だけ”なのだ。何度も振り、斬り続けるには、圧倒的に強度が不足している。
無論、戦闘中に手入れをしている暇など、あるワケがない。仮にあの剣でギーシュのワルキューレたちと戦えば、2体目を斬った辺りで、剣はワルキューレと相打ちになるだろう。これでは話にならない。

「あちらの従者様が使えるかどうかは別ですがね、コイツが当店で一番斬れる剣でさ。貴族様が見栄で佩剣するモンじゃありやせん。何しろ、傭兵用に誂えた品ですからな」
「確かに、宝石の1つも付いてないわね…。これじゃ、見栄えしないわ」
「と言われましても、従者様の要求に応えられるのは、この剣くらいなもんでして…。貴族様のご要望に添う品なら、コイツがありやす」
 再び店の奥に引っ込み、今度は見目麗しい、きらびやかな剣を持って来た。幾つもの宝石が散りばめらたその剣に、ルイズは大きく頷く。
「うん、やっぱりこういうのよね!」
「コイツはゲルマニアの錬金魔術師、シュペー卿が鍛え上げた逸品でさ。剣身には固定化の魔法もかかってて、そう簡単には折れませんぜ」

 目線を落とし、クロの顔色を窺うシエスタ。クロは、話にならない、といった様子でそっぽを向いていた。しかし、続いて目線を移したルイズは、大層ご満悦な様子で、店主と値段の話を始めていた。
「それで、この剣は幾らなの?」
「シュペー興は剣の錬金じゃあ大層高名でしてね、お安くはありやせんぜ。エキュー金貨で2000、新金貨なら3000でさ」
値段を聞いて、ルイズが目を丸くした。クロにはハルケギニアの金銭価値など解らないが、貴族であるルイズの表情から、並大抵の額ではない事は理解した。
「ちょっと、それだけあれば立派な家と、森付きの庭が買えるじゃないの!」
「これでも勉強させて頂いてるんですぜ?」
 陰湿な笑みを浮かべる店主。貴族とは言え子供と、ルイズを完全に舐めていた。実際はこの剣、確かにシュペー卿が鍛えた剣なのだが、錬金と固定化に要する手間はそれ程ではなく、同等の剣は、安価かつ大量に出回っている。
しかし、そんな事にルイズが気付くはずもなく、ついにはシエスタが止める前に、財布の中身すら暴露してしまう始末であった。店側からすれば、完全に鴨である。

 そんな持ち金じゃ話にならない、と店主が肩を竦めたところで、クロの背後から声がした。
「けっ、どの道そんな細腕の嬢ちゃんじゃ、どんな剣だって振れやしねぇよ」
低い、男の声。ルイズとシエスタ、クロが振り返るが、そこには誰もいない。ただ、棚に乱雑に剣が積まれているだけだ。カウンターの奥で店主がこめかみを抑えるが、意に介さず、男の声は止まらない。
「身を守りてぇんなら、そこらに落ちてる棒っきれでも使うこったな。そっちのがよっぽど似合ってら!」
「やいデル公! お客様に失礼な口利くんじゃねぇ!」
「んー…?」
積まれた剣の上に飛び乗り、後ろ足で適当に蹴って床に叩き落すクロ。甲高い音を響かせて半分程度が床に散らばると、今度はそこから声がした。
「な、何しやがんだ、このイタズラ猫! 折れちまったらどーすんだよ!」
カチカチと、金属同士がぶつかり合う音が混じっている。クロは声と音の発生源を見定め、棚から飛び降りると、”1本の剣”を掴んだ。

 クロが掴んだ剣は、お世辞にも売り物とは呼べそうにない物だった。剣身は、なんでも斬れる剣とほぼ同等の長さだったが、その表面は完全に錆びて、ボロボロになっている。
形状は片刃で、幅はやや太いものの、さながら日本刀のような形をしている。
 2本足で着地し、背丈の倍はある剣を握るクロに驚き腰を抜かす店主を無視し、クロは軽くその剣を振ってみた。
「へぇ、悪くねーな…」
「それ、インテリジェンスソード? 珍しい物置いてるわね」
「いんてりじぇんすそーど? 何だそりゃ?」
「意思を持つ魔剣よ。誰が作り始めたかは定かじゃないけど、おいそれと目にする物じゃないわ」
 勤勉家のルイズは、そういった方面にも知識を有していたようだ。まじまじと剣を見据えるクロは、顎に手をやり、何かを考えている。
「喋る剣、ねぇ…。面白ぇじゃねーか」
「そう言うおめえは喋る猫だろがよ。…って、おでれーた」
普通なら喋らないモノ同士が言葉を交わす妙な光景だが、剣が、何かに気づいた。
「そこの嬢ちゃんが使うんかと思ってたが、てめ、『使い手』じゃねーか」
「『使い手』だぁ?」
 意味の解らない物言いにクロが問い返すが、剣は構わず続ける。
「『使い手』がいるんなら話はちげぇや。てめ、俺を買え」
「無視すんじゃねーよ!」
軽くイラっと来たクロだったが、冷静になって考えてみた。この店の剣は一通り見たが、この剣は違う。確かに見てくれは錆びてボロボロだが、実に扱いやすい。
軽く剣身を叩いてみて音を確認しても、妙な音は混じっていない。錆は表面のみで、その内側は、まだ生きている。この剣が、自身を売り込むのも肯けた。

 ルイズに向き直り、クロは剣を掲げて見せた。
「ルイズ、この剣にするぜ」
「この剣って…そんなボロっちいのを?」
「そうですよクロちゃん、もっといい剣があるかも知れないじゃないですか!」
「いーや、コイツに決めた。文句は言わせねーぜ」
「話の解るヤツで助かるぜ! 損はさせねーよ!」
 すっかり意気投合したクロと剣に、ルイズは渋々ながらも、ようやく立ち上がった店主に、購入の旨を伝えた。
「で、あのボロ剣はいくらなの? また2000エキューとか言うんじゃないでしょうね?」
「い、いえいえ、あの剣ならエキュー金貨100で結構でさ」
「100枚かぁ…、まぁ、いいわ」
服屋から預かったままの財布を取り出すルイズだったが、そこにシエスタが割って入った。
「ちょっと待って下さい」
「し、シエスタ?」
その背中に炎を見た気がして、ルイズは後ずさった。これから、平民同士の『戦争』が始まるらしい。

 まるでルイズを庇うかのように、シエスタは店主の前に立ちはだかった。その気迫に、店主はやや引き気味である。
「あんなに錆だらけの剣が、エキュー金貨100ですか?」
「へぇ、本来なら200枚なんですが、うちとしても厄介払いみたいなもんでして」
「つまり、あの剣が30本もあれば、庭付きの立派な家が変えるって事ですよね?」
「…まぁ、計算じゃそうなりまさぁ」
ダンッ、とカウンターに両掌を叩き付けるシエスタ。その剣幕に、店主はビクっと肩を震わせた。ついでにシエスタも、掌の痛みに指を震わせた。
「い、幾ら何でも、あの剣を高く見積もり過ぎじゃないんですか!?」
「ででですが、剣ってのは大体の相場が200枚でして…」
怯える店主に、シエスタは震える指1本を立てて見せた。
「エキュー金貨10枚!」
「それじゃ商売上がったりでさ! まけるにしても、せめて80枚はもらわねぇと!」
「話になりませんね! じゃあ、15枚!」
「こいつにゃ、鞘だって付いてるんですぜ!? 70枚!」
ひたすらに安く買い叩かれようとしている剣に同情の念を抱きつつも、クロが口を挟む。
「あー…、どうせ腹ン中に突っ込むから、鞘はいらねーよ」
「鞘なしで20枚ならどうです!?」
「オマケなしでもそんな額じゃ通りやせんぜ! 60枚!」
「なかなか引いてくれませんね…。25枚でどうです!?」
「それはこっちのセリフでさ! 50枚で手打ちにしましょうや!」
 シエスタと店主の間で繰り広げられる壮絶な舌戦をすぐ傍で聞いていたルイズは、発言する暇さえ与えられず、
あまりにもキャラが変わってしまった彼女に、ただドン引きするしかなかった。

    +     +     +     +     +     +

 平民の『戦争』は、シエスタの出した『停戦勧告』、エキュー金貨30枚に、半泣きでヤケクソになった店主が『調印』する事で、終戦をみた。
ルイズたちが出て行った後、店主は薄暗い店の中、カウンターの奥で本泣きに移行する事となったが、それは語る必要もないだろう。
と言うか、5枚刻みで交渉するシエスタ相手に、10枚刻みで対抗しようとしていた時点で、店主は自分の被害を拡大させるだけだったのだが、それはある種、ルイズを鴨にしようとした天罰なのかも知れない。

 店先に出たルイズは、予想より膨らんでいた財布の感触に、頬を緩ませていた。
エキュー金貨100枚と言われた時には、持ち金ピッタリだったのでそのまま支払うつもりだったが、シエスタの活躍により、その3割しか減らなかったのだ。
「ありがとう、シエスタ。お礼に、お茶でもどうかしら?」
「え、よろしいのですか?」
「えぇ、頑張ってくれたお礼よ」
「はいっ、ありがとうございます!」

 はしゃぐ二人をよそに、クロは剣と交流を深めていた。
「そう言えばオメー、店のオヤジには『デル公』なんて呼ばれてたけど、ホントはなんて名前なんだ?」
「よく聞いてくれたぜ、相棒!」
先程より激しく、金属音が鳴る。よく見ると、その音はハバキの金具が動いている音らしい。
「俺様の名前は『デルフリンガー』だ! よっく覚えておきな!」
「デルフリンガーか…、見た目の割にかっけー名前じゃねーか」
「見た目の割に、は余計だっての。そう言う相棒は、なんつー名前なんだよ?」
「オイラ、クロってんだ」
「おめえは見たまんまだな」「言ってろ」
ジロリとデルフリンガーを睨みつけ、そのまま腹に収納した。場所はやはり盲腸の辺り、なんでも斬れる剣のすぐ側だ。
いつかは、デルフリンガーの名前も、『盲腸ソード2』だの『盲腸ソードその2』だのと呼ばれる日が来るのだろうか。

 行き先がまとまったルイズとシエスタは、クロを連れて来た道を引き返していた。向かうは先程、昼食を摂った店。
シエスタがその店の紅茶を気に入っていたらしい。
「ところでクロ、どうしてあんな錆だらけの剣に決めちゃったのよ? 斬れそうにないし、すぐボキッと折れちゃいそうだし、何の役にも立ちそうにないじゃない」
デルフリンガーがクロの腹に収まっているのをいい事に、結構言いたい放題である。と、ここでクロの腹から、怒鳴り声が飛んだ。
「言ってくれるじゃねぇか娘っ子! 俺様を誰だと思ってやがる!」
「きゃっ! 聞こえてたの!?」
「あぁ、しっかりキッチリ全部な!」
外見上は完全に外界と遮断されているように見えるクロの腹だが、実際は防音仕様ではない。外部の音は、全てデルフリンガーに筒抜けだったりするのである。
「そう怒んなよ、デルフ。コイツは確かに高慢ちきでワガママで高飛車だけどよ、悪いヤツじゃないぜ?」
「誰が高慢ちきでワガママで高飛車で胸が小さいってのよ!?」
「最後のは誰も言ってねーよ!」
 なぜか胸に異常なコンプレックスを抱くルイズは、勝手に悪口を捏造して怒鳴りつけていた。筆者としては別に胸はあろうがなかろうが…ゲフンゲフン。

 閑話休題。
「ま、こいつを選んだ理由は、おもしれーからだな。喋る剣なんて見た事ねーしよ」
「面白い…って、それだけなの?」
喋る猫も大概見ないが、それは置いておこう。
「いや、それにコイツはまだ死んでねー。錆の裏側はしっかり生きてら」
「錆さえ落とせば、ちゃんと使えるって事ですか? マルトーさんに砥石か何か、用意してもらいましょうか」
「その必要はねーよ。オメーらは知らねーだろうけどよ…」
シエスタの提案に首を横に振るクロ。そしてお得意の邪悪な笑みを見せた。
「…錆びた剣で斬られると、ノコギリで斬られるみてぇに、死ぬほど痛ぇんだぜ…?」
物騒すぎる物言いに、ルイズとシエスタ、腹の中のデルフまでもが、身を震わせた。

    +     +     +     +     +     +

 街道を歩いていると、突然頭上に影が射した。遅れて突風が、2人と1匹を襲う。
「な、何よいきなり!?」「す、砂煙が目に…!」
顔とスカートの裾を押さえるルイズとシエスタ。クロはその場に軽く踏ん張って、その突風に耐えた。そして、自分たちの目の前にゆっくりと着地する、大きな生物を認めた。
「誰かと思えば…キュルケとタバサじゃねーか」
その生物――風竜シルフィードの背に乗っていたのは、ルイズのクラスメイト、キュルケとタバサだった。心なしか、2人とも顔が青い。
「つ、ツェルプストー!? それにミス・タバサ…。何でここにいるのよ!」
「風竜の目は、伊達じゃない」
要するに、「学院上空からルイズとクロをシルフィードに探させ、追いかけた」となる。

シルフィードの背から降りたタバサがルイズの問いに答えるが、それを押しのけるように、キュルケがルイズとクロに詰め寄った。
「それどころじゃないのよ! あ、あなたたちの部屋に…!」
褐色の肌が青ざめるとこうなるのか、と妙に感心するクロだったが、その様子はただ事ではない。ルイズが息を呑んだ。
「私たちの部屋が…どうしたってのよ?」
一呼吸置き、キュルケが叫んだ。
「幽霊が出たのよッ!!」
「…はぁ?」「ゆ、幽霊、ですか?」「…ふぅ…」「へぇ…」
 何を言っているんだこの色ボケ淫乱ゲルマニア人は、と言いたげなルイズ。幽霊と聞いて明らかな動揺を見せるシエスタ。
改めて突き付けられた現実に意識を手放すタバサ。ロボ○ッチに見える剛の姿を思い出すクロ。
 三者三様の反応を示すが、現実はそんな物に関係なく、徐々にその動きを加速させていくのだった。


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