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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロのドリフターズ-04

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのドリフターズ-04

最終更新:2013年02月21日 23:55

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 使い魔品評会を明日に控え、シャルロットとルイズとキッドとブッチは練習に――ルイズのみ――余念がなかった。
言いだしっぺのルイズが主導しステージの上を想定して、最終リハーサルをシャルロットですらウンザリするほど繰り返す。

 あれから説得に次ぐ交渉の末に、四人セットでやることになった。
ブッチが執念のルイズに根負けし、されど一人では嫌だということで巻き込まれる形となった。
やることは単なる射的。ルイズは変に凝ったことを要求したが、そこはシャルロットが説き伏せた。

 ルイズの格式張った無駄に長い口上もこれで何度目になるのか。
――ノックが鳴った。いつぞやの殴り込みのようなルイズとは対照的に控えめな扉を叩く音。
夜も更けてきて、しかも漂流者がいる部屋を訪問する人間など――今この場にいるシャルロットとルイズ以外にはまずいない。

「こちらにルイズ・ド・ラ・ヴァリエールはいらっしゃいますか?」
「誰?」
名を呼ばれたルイズが部屋の主ではないのに返事をする。
すると扉が静かにだが素早く開けられ、フードで顔を隠した人物が忍ぶように入ってきた。
あからさまな不審者は扉を静かに閉めると、フードをとって顔を見せる。

 ルイズは呆気にとられ、シャルロットは両眼を細める。
「ルイズ・フランソワーズ・・・・・・」
「姫・・・・・・さま?」
シャルロットの目が見開かれる・・・・・・ルイズの口から漏れた言葉によって。

 そうだ、どこかで見た顔と思った。薄明かりでわかりにくかった。こんなところに来るわけもないという固定観念。
しかし改めて認識してから見れば間違いない。トリステイン王国のアンリエッタ王女殿下その人であった。
ルイズが片膝をついて跪くのにワンテンポ遅れて、シャルロットも同じように頭を垂れる。
状況を把握しきれていないブッチとキッドに、ルイズが口出しするよりも先んじてアンリエッタが発する。

「皆さん普段通りのように楽にして下さい。・・・・・・これは命令ですよ」
ニッコリとアンリエッタは笑う。トリステインの至宝たるその美しさ。
それはルイズやシャルロットとさほど年も変わらぬというのに、口に出来ない艶やかさが滲み出ていた。
彼女が微笑みながら出した命令もまた、無邪気さと親しみやすさを感じさせる。
「あらためましてこんばんは、突然の無作法をお許し下さい。わたくしはアンリエッタ・ド・トリステイン。
 一応この国の王女ですが・・・・・・先程も言ったように、今は肩肘張らずに楽にして下さいね皆さん」

「そんな・・・・・・姫さま!!」
「いいのよルイズ、今は一人のアンリエッタとして居るの。命令とは言ったけれど、わたくしからのお願い・・・・・・ね?」
「ぅ・・・・・・うぅ・・・・・・わかりました」
ルイズが折れるのを見た後に、アンリエッタはシャルロットの方へと体を向ける。
するとシャルロットは先んじ、改めて一礼してからアンリエッタと目を重ねる。
「アンリエッタ王女殿下、お初にお目にかかります。私は元ガリア王族のシャルロットと申します。
 トリステイン王家には一族共々お世話になっております。どうかお見知りおきを」

 再度頭を下げる。仮にガリアが存続していれば、きっと同じ王女でも立場はこちらが上であったろう。
それほどまでにガリアは国土が広く、人口も多く、国力も高く、軍も精強だった。
しかしもはやガリア王族の血筋は残れど既に国は滅亡し、トリステインの庇護下である以上立場の差は天地のほどである。
それにシャルロット自身に拘りもない、そもそも王族と言われてもピンとこない。

「そうですか、あなたが・・・・・・――なるほどわかりました。なればこそわたくしの友となって下さいますか?」
滅びたとはいえ始祖ブリミルの三人の子孫と一人の弟子を起源とする、ハルケギニアに三つある王家の血族。
トリステイン、アルビオン、ガリアの王族は、6000年前の兄弟祖先から連なる親戚だ。
最も遠いが・・・・・・ある意味最も近く、そして最も貴い王族同士。

「畏れ多いことですが・・・・・・喜んで」
アンリエッタの人となりは、先刻までの僅かなやり取りでも充分に理解出来た。
王族としての気苦労。わざわざ訪ねてきた理由。品評会にわざわざ足を運んだこと。ルイズとの関係。
慮れない筈がない。アンリエッタ本人も言うように、ここは畏まらずに対等に接することこそ最も嬉しいことなのだ。

「・・・・・・お姫さん? この国の?」
「ちょっとブッチ!!」
「ルイズ」
失礼な態度のブッチを諌めようとしたルイズを、さらにアンリエッタが名を呼ぶ抑揚だけで嗜める。
ルイズは再三言われることにバツが悪そうに俯く。
「そうです、わたくしがこの国の王女です」
「ふ~ん・・・・・・で、気楽にしていいと?」
「はい」
「う~ん、そう言われてもなぁ・・・・・・」
「いいじゃねえかキッド、話が早くてわかりやすい。俺は好きだぜ」
「まぁそれもそうか」
元々堅苦しいことに慣れぬ二人の気質、ブッチとキッドもそれぞれに自己紹介をする。
そしてルイズから使い魔であること、漂流者であることがアンリエッタに告げられた。

「そんな事情が・・・・・・わたくしまで伝わってこないので知りませんでした。ですが頼もしそうで何よりです。
 未知の世界で慣れぬことも多いと思います。何か困ったことがあればいつでも仰って下さい。
 些少ながらお力添えくらいは出来ると思いますので」
「お、おう・・・・・・」
「ああ・・・・・・」
きっと言えば本当に力を貸してくれるのだろうとキッドとブッチは素直に感じた。
権力を笠に着ただけの、いけ好かない偉ぶった人種とは程遠い。
貴賤なく、別け隔てなく接し、人々の規範たる姿がそこにあった。

「それとルイズ。あなたに近々お願いすることがあると思います」
「なんなりと御命じ下さい。わたしは姫さまと王家に忠誠を誓う・・・・・・――」
ルイズは一泊溜めを作ってゆっくりと微笑んだ。
「――友ですから」
「はい」
アンリエッタも呼応するようにそれに笑顔で返す。

 なるほど、二人の関係がありありと感じられた。
ルイズのラ・ヴァリエール家は、王家と血縁関係のある公爵家でありトリステインでも最も力を持つ貴族の一つ。
年齢が近いのならなおのこと、幼馴染というのも特段珍しいということはない。
しかし思った以上に、二人の間にはかけがえのない絆が存在しているのだ。

「シャルロットさん」
「・・・・・・? 何でしょうか、姫殿下」
「不便なことはありませんか?」
「・・・・・・はい。双子の妹と従姉妹の姉共に、学院で健やかに勉学に励んでいます。
 父と伯父も王家の為に日夜粉骨砕身――その恩に報いる為にそれぞれ働いております。
 母と伯母も首都トリスタニアの方で平穏無事に何不自由なく・・・・・・。
 それもこれも寛大なトリステイン王家のおかげです、本当にいくら感謝しても足りません」
「お気になさらず。困った時はお互い様ですし、もしかしたら立場が逆になっていたかも知れませんしね」
「・・・・・・恐縮です。もし何か困ったことがおいででしたら、微力な身なれどご助力いたします」

「あらあらそうですか・・・・・・では早速相談にのってくれる?」
「えっ・・・・・・はい、どうぞ」
するとアンリエッタはイタズラな笑顔で少女のように言う。
「ついさっき友達になった人がいるのだけれど、まだどこかよそよそしいというか他人行儀と言うか。
 どこか一線を引いている感じがあるの。どうすればもっと仲良くなれるのかしら・・・・・・?」

「うっ・・・・・・それは・・・・・・その人は幼少期から堅物でして・・・・・・あの、慣れるまでは相応の時間が必要と言いますか・・・・・・」
「ではある程度砕けてくれるまでお話しすることにするわ、皆も一緒に」
アンリエッタはシャルロットの手を取り、全員を見回しながら微笑む。

「・・・・・・はい」
「ふふっ」
「・・・・・・ふっ」
「ははっ」
珍しく狼狽えるシャルロットを見て三人も笑い、品評会前夜は更けていく――

†

 魔法学院の一室で机に向かう一人の老人。それはもう真剣な表情で本気で考え込んでいた。
(アンリエッタ王女は一体どんな下着なのか・・・・・・)
彼にとって、事は深刻であった。老いてなお滾り衰えぬオールド・オスマン学院長にとって。
この国で最も貴い女性の肌に密着する布――一体どんなデザインで、どんな色をしているのか。
それを追い求めずして、死んでも死に切れないだろうとすら思う。
されど冗談では済まされないことはやはりこの世には存在する。
己だけのことではない・・・・・・立場もある。様々な葛藤が板挟みとなってオスマンを悩ませた。

「夜分遅く失礼します」
一人の女性がノックもせずに無遠慮に学院長室へとズカズカと入ってくる。
「おぉ~ミス・ロングビル。夜のお誘いかね?」
ロングビルと呼ばれた女性は、いつものジジイの戯言とあっさり聞き流し用件だけを伝える。
「明日の使い魔品評会のことなんですが――」
「そうじゃのぉ・・・・・・明日までがチャンスじゃのう」
「は?」
「いやいや何でもない、続けてくれい」

 ロングビルは特に気にした風もなく中断された話をし始める。
「・・・・・・はい、アンリエッタ王女殿下の訪問にあたり――」
「もう来とるぞい」
「そうですか・・・・・・。――は?」
「じゃから、アンリエッタ王女はもう学院に来ておるんじゃよ」

 ロングビルは開いた口が塞がらないようであった。
既に漏れているところには漏れているものの、一応王女はサプライズゲストという扱いであった。
「ッ・・・・・・そうでしたか、今はどちらに?」
「旧友に会うらしいでの、まあ問題なかろうて」
ロングビルは頭を抱える気分である。色々と考えなしにも程があった。

「わかりました。それで・・・・・・護衛も?」
「んむ、一人お付きがいたかの」
「たったの一人だけ・・・・・・ですか?」
おいそれと信じられない。仮にも一国の王女が無警戒過ぎるのではないか。
「お忍びじゃし・・・・・・明日には正式に来るじゃろ」

「・・・・・・如何ほどか聞いておりますか? 場合によっては警備体制を改める必要があるのですが――」
「何でも新造の銃士隊を一個小隊30人程だそうじゃ」
「銃士?」
竜騎士隊や、それぞれ三体の幻獣――マンティコア、グリフォン、ヒポグリフ――を駆るトリステイン王家近衛の魔法衛士隊でもなく。
「王女様たっての希望で設立された、王女直属の隊らしい。
 全員平民のみで構成されていて銃を扱うとか。何か実験的な意味合いも兼ねているのかも知れん。
 今一人だけ来ておるというのがその隊長さんじゃ、彼女は彼女で凛としていて美しかったのぉ」

(平民の・・・・・・銃士・・・・・・)
ロングビルの目がほんの僅かにだけ細まる。
「我々教師達と生徒達、メイジばかりの学び舎であれば安全じゃろう」
「・・・・・・それもそうですね、ですが一応王女の周囲に警備を集中させるよう手配しておきましょう」
「んむ、頼んだぞミス・ロングビル、ところで今夜――」
「では失礼します」
ロングビルはオスマンの続く言葉を待たずに早々と出ていく。

 そして足早に自室の方へと向かうのだった。

†

 晴朗な天気とは対照的に「う~・・・・・・」と呻く少女。
品評会が始まってルイズは極度な緊張の中にあった。
他の生徒達が思い思いに使い魔と様々な芸や絆の深さなどを見せている。
「なんでよりによってトリなのよ・・・・・・」
単純なクジ運の問題、しかも引いたのがルイズ本人だから己を責めるしかない。

「あれだけ暗唱したんだから大丈夫」
(・・・・・・私まで覚えるくらい聞かされたし)
と、シャルロットは後に続く言葉を切って励ます。

「ホントいつまでウジウジやってんのよ、みっともない」
手慣れたようにキュルケが毒づく。
「そんなこと言ったって、わたしの口上もだけど・・・・・・今思えば平凡過ぎるのよ・・・・・・単なる的当てなんて――」
「でも今更演目を変えるわけにはいかない、ぶっつけでやろうとしても失敗する」

 シャルロットが説く。どうせ凝ったことをやろうとしてもたかが知れている。
演出の為に魔法でも使うなんて言い出したら是が非でも止めなければならない。
未だに二人共に系統魔法は使えない。拙いコモン・マジックではいまいち華もない。
今更ジタバタしても遅いのだ、これもまたルイズの不運で自業自得。

「別にいいじゃないの的当て。男前二人なんだし」
「アンタねぇ・・・・・・"あれ"を見てもそう言えるの!?」
ルイズは空を指差す。そこには風竜を華麗に駆る少女。
空中を縦横無尽に舞い、キラキラとした雪の結晶で華やかな模様までも作っている。

 『雪風』の二つ名に恥じぬ、美しい演舞。
「・・・・・・ホントあの子の前にやっといて良かったわ、わたし」
キュルケも舌を巻くしかない。魔法を演出に使うのは珍しくないが、完成度の次元が違っていた。
美麗な炎で魅せたキュルケとサラマンダーのフレイムもなかなかのものだった。
が、晴れ空に現在進行形で展開されているものに比べれば見劣りしてしまう。

「妹は・・・・・・ジョゼットは、こういうお祭り騒ぎ大好きだから・・・・・・」
姉であるシャルロットもどんなことをやるのか知らなかった。恐らく誰も見えない空の上で練習したに違いない。
アンリエッタ王女も見に来る噂を聞いて、なおのこと張り切ったのだろうことも容易に想像出来る。
こういうところで潜在的に派手好きなところが垣間見える。ジョゼットの目立ちたがり屋な側面。

「誰がどう考えたってあの子がトリもトリ、大トリをやるべきでしょ!? わたし達だけじゃないわ、あれの後にやる人みんな悲惨よ・・・・・・」
「あ・・・・・・ははっ」
ルイズは行き場のないもどかしさを訴え、シャルロットは苦笑いするしかなかった。

 『氷嵐』<アイス・ストーム>で、氷の粒を空間に彩らせる。
複数の『氷矢』<ウィンディ・アイシクル>を軌道制御してアクロバット飛行を披露する――
トライアングルメイジとしての実力を――その本領を、遺憾なく発揮し魅せつけていた。
「まっ王女様もその他も、空気読んで察して無理にでも盛り上げてくれるでしょ。逆にハードルが下がっていいんじゃない?」
「ぐっ・・・・・・自分は終えたからって無責任なことを――」

 アンリエッタ王女殿下でも、あれほどのものは滅多に見られないだろうと思う。
その周囲を固めている銃士隊。教師や生徒達。雑用の為の平民。皆が皆揃って空へと釘付けになっている。
他の場所で警備している、他の銃士隊員達などが見られないことを可哀想と思うほど。


(銃士隊・・・・・・)
シャルロットは空を眺めながらついつい考え事を始める。
てっきり魔法衛士隊が来ていると思っていたが、メイジの一人も含まない部隊のみを護衛にやって来たと昨夜聞いた時は驚いた。
命令系統としてはアンリエッタ王女の下に属する設立されて新しい――平民だけで構成された部隊。
異世界からもたらされ、少しずつではあるが進歩の一途を辿る武器・兵器類。

 "オルテ"や"黒王軍"への対抗の為にも、トリステインでも研究に力が入るようになってきたという。
そしてそれらにスムーズに対応する為に訓練を積み、新たな戦術を確立させる。
時には試作兵器を実際に使って、あらゆる実戦強度を調べるような仕事を担うことも検討されている。

 そういったことは魔法が使えず、何ら抵抗ない平民の方が向いているということ。
また貴族・平民問わず、実力ある者を相応に出世させるというアンリエッタの主義。
様々な意味合いを兼ねて、アンリエッタの強い推進によって試験的に作られた新進気鋭の部隊。
既得権益を貪り、平民を蔑む貴族達には評判は悪い。
それでもアンリエッタはちょっとずつでも、意識改革から始めているのだ。

(きっと・・・・・・)
――それはいずれ、とても大きな力になるだろう。
キッドやブッチから直に色々な話を聞いていると、より確信出来る。
地面に鉄で道を作り、その上で蒸気を使って車輪を回して走る"蒸気機関車"。
そんな鉄道がキッドやブッチ達の住んでいた場所で人や物資を運んでいたという。

 実際に見ずとも話を聞いているだけで、既存の常識がぶち壊される心地。
銃を実際に持って、撃って、その技術力に驚かされてもいる。
ハルケギニアでも、いつかは芽吹いていく可能性が大いにある文明と利器。
漂流物の存在はキッカケを与え、発展を加速させているだけ。
今後は生活も大きく様変わっていくことだろう。

(魔法を使えることが一つのステータスでしかなくなる時代・・・・・・)
今はまだ魔法は第一であり、使える者と使えない者の差は絶対的だ。
"メイジ殺し"と呼ばれる卓越した人間もいるが、基本的に戦力も権力も大きな差が存在する。
だけどいつか・・・・・・そうでなくなる日が来るかも知れない。
アンリエッタの望む――誰しもにチャンスがあり、誰もが台頭出来る世界。

 進化の先に一体何が待つのか――
始祖ブリミルが降臨してからおよそ6000年。
非常に緩やかな速度で発展してきた世界が、ここに来て急激に変わりつつある。
歴史という大きな流れで見るならば、ここが分水嶺と言えるかも知れないとすら感じてしまう。


 ――沸き上がる大喝采。ステージ上で竜と共に一礼するジョゼット。拍手はいつまで経っても鳴り止まない。
ルイズ、シャルロット、キュルケ、誰であっても称賛の拍手をせざるを得ないほど凄絶で素晴らしいものだった。

 しかしその時――喝采と同等の大きな衝撃音が、広場にまで響き渡った。

†

 ――キッドとブッチは、メイジの控え室とステージを挟んで反対側の使い魔の控え室の方にいた。
獣臭かったものの、珍しい生物を間近で見られるのは単純に面白い。
それは使い魔ゆえなのか・・・・・・人懐っこい多種多様な生物達。
好奇の視線に晒される主人メイジ側の控え天幕よりは遥かにマシであった。

「綺麗だな」
「ああ、綺麗だ」
陽光に乱反射する氷の粒が、水分と共に虹を作っている。
「凄えな」
「ああ、凄い」
まるで生物さながらに動き回るツララのようなものが複雑に絡み合い、さらにそこに少女が乗る竜が加わる。

 漂流者の自分達にも物怖じしなかった活発な少女。姉の方と違って随分と明るく全体的にノリが軽い。
優秀とは聞いていた。異世界出身の自分達には魔法使いの実力なんてよくわからない。
それでも目の前の光景は、なるほど。口にせずとも圧倒的な実力を理解させてくれる。
あんなものの後に早撃ちや精密射撃を見せるなんてちょっと逃げたくなる。
が、最初からそこまで気負ってないのでどうでもいいっちゃどうでもいい。
今はただ空を舞台に描かれる芸術を心から楽しむ。

 竜から軽やかにステージへと飛び降りて一礼するジョゼットに惜しみない拍手を送った。

 そしてその時――まるで列車同士が正面衝突でもしたかのような轟音が、会場に響き渡ったのだった。

†

 当然の反射――本能的な行動。誰しもが音のした方向へと向き、驚きを禁じ得ない。
誰しもが思考を止めてしまう。ついさっきまでは品評会の出し物に沸いていた。
突如として起こった非日常的衝撃音。"それ"もまた品評会の催しの一つなのかとも錯覚してしまうほどの異常。
目を向ける方向には、縮尺のおかしい"巨人"が遠く塔に並ぶように立っていた。

 トリステインの王女もいらしているこの魔法学院を襲撃するという暴挙。
平和ボケした学院が、敵意に対して大した備えもなく曝されている状況。実際に目に見えている凶悪な存在。
そこにいる全員が呆気に取られてしまうのも――無理はなかった。

 ――それゆえに最も早く動いたのは、漂流者にしてシャルロットとルイズの使い魔たるキッドとブッチの二人であった。
この世界に来る少し前まで、現役の鉄火の中を命を剥き出しに走り抜けてきていたのだ。
平和ボケもなく、見たこともない存在への力量も認知出来ない。
何より巨人に対する好奇心が、その心と体を動かしていた。
どうせ自分達の順番は最後で時間にも余裕はある。それにさっきの空中舞踊以上のものもないだろうと。

 次いでその二人が駆け出すのを視界の端に捉えたシャルロット。
いつだってこういった危機的状況に・・・・・・不明瞭な状態にも対応出来るよう――対処出来るよう鍛錬してきたのだ。
流されず、乱されず、常在戦場の心得を培う為に、考えることを止めないようにしてきたのだ。
今動けずして、いつ動くというのか――気付けば冷静にどう動くべきか、瞬時に思考を回転させる。

「ジョゼット!! 殿下を!!!
答えを出したらすぐさま妹の名を叫んだ。今は様々な人間が密集している。
この状態でパニックが起きれば、王女殿下の御身に危害が及ぶ可能性がある。
己の名前を姉に呼ばれたジョゼットは早かった。何故かなどは考えない。
伊達に双子でずっと一緒に育ってきたわけじゃない。兎にも角にも間髪入れずに行動に移す。

「イルククゥ!!」
連鎖するように使い魔の名を呼んで、低空に一直線で姫殿下を拾い上げて上昇する。
パニックに際しても、敵襲に際しても、まずは空が一番安全だ。広い視点での取り巻く状況確認が第一。

 そしてジョゼットはシャルロットの意図を改めて解す。
己はさっきまで飛行演舞を披露していた。ゆえにこそ、直近一帯の状況は自分が一番わかっている。
だからこそわたしに頼んだのだ、最も大事なアンリエッタ姫殿下の身を守るということを――

 ジョゼットが動く頃、シャルロットも駆け出していた。もちろん使い魔二人を止める為に。
そしてルイズも後を追うように――姫さまが空へ上がるのを見届けてから――走り出す。
特に何も考えてはいなかった。ただ追わなければならないと感覚的に思ったのだった。
そして大地を蹴りながら考える。そうだ、姫さまだけは何としても――危険も、負い目すらもあわせるわけにはいかない。
姫さまの安全が確保されたなら・・・・・・次は敵性戦力の排撃だ。

 系統魔法も使えない自分は役に立たないかも知れない。
それどころか足手まといになるかも知れない。それでも囮くらいにはなる。
少しでも姫さまにのしかかる負担を軽くしてあげたい。重圧を取り除いてあげたい――
ルイズの一念は無理を通して道理を蹴っ飛ばす。当たり前の理屈を壊して押し広げようとする。

 あんな"ゴーレム"くらい自分の手で撃退してやると。

†

「見ろよキッド、デケー」
「嫌でも見えてるって・・・・・・それにしても巨大過ぎる」
走りながら近付けば近付くほど実感する。その常軌を逸したスケール。何度も塔の一角に向かって拳を叩き付けている異形。
その度に学院全体が揺れるような地響きを残す。あんな化物が動いているなんて面白くないわけがない。
「キッドさん!! ブッチさん!!」
立ち止まり、振り返れば、シャルロットが全速で追い付いていた。
「なんだ嬢ちゃん」
「どうした? シャルロット」
「なんだどうしたじゃないです、明らかに異常事態、危険です」

 ザックリと見ても20メイル以上はあるゴーレム、下手すると30メイルにも及ぶだろう。
あれほどのシロモノを創り出せるとなれば相当優秀な土メイジ。
最低でもトライアングルクラス――スクウェアクラスでもおかしくはない。
何が目的なのかまでは判然としない。まさか黒王軍ということもあるまいが、オルテからの刺客などの可能性は考えられる。
いずれにせよ無用心に近付いたり、迂闊に手を出すような相手ではない。

「大丈夫だって、もうちょっとだけ」
「ブッチさん!!」
「ッッ・・・・・・っと、わかった。無茶はしねえって、ここから見てるだけ」
シャルロットの凄みにやや気圧されながら、ブッチは両手を上げて降参だといった風なポーズを見せる。
「危険と言ったけどシャルロット・・・・・・あれは敵なのかい?」
「少なくとも味方ではありませんし、それに――」

 フッとシャルロットのポニーテールが靡く。
「あっ」
「おっ」
「・・・・・・!?」
三人で話している中で、ルイズが目もくれずに走り向かっていく。
「ルイズ!!」
シャルロットが叫ぶも振り向かない。
まずい。ルイズは頭に血でものぼっているのか、冷静ではない・・・・・・間違いなく。

「あ~あ~」
シャルロットは「くっ・・・・・・」と歯噛みする。
ブッチはからかい半分でニヤニヤとこちらを見ている。キッドも次の言葉を待っているようだった。
「・・・・・・どうするんだい?」
「力を貸してもらえますか」
「おうよ」
「了解」
迷う要素はない、ルイズを見捨てるわけにはいかない。
二人は戦力としても頼りになる。何よりきっと、学院で誰よりも修羅場を経験している。
そして自分だけが追って二人からひとたび目を離せば、大人しく待っている気質ではないだろう。
二人を監督しつつルイズを止めに行くのが最善であろう。

「ブッチさん!! "ガンダールヴ"を!」
「ん? あぁ・・・・・・」
ブッチは左手でコルトパーカッションリボルバー"コルトM1860"を右腰の皮ホルスターから抜く。
すると左手のルーンが輝き、キッドとシャルロットをあっという間に置き去りにした。

 ハルケギニアにおいて特別な意味を持つルーン。メイジの始祖ブリミルの使い魔が宿したとされる伝説のルーン。
以降6000年にも及ぶ長い歴史の中で確認されず、存在そのものが眉唾ものの使い魔。
『ガンダールヴ』を左手に刻む者、古今東西あらゆる武器を使いこなし、その躯は超人と化して主人を守る。


「ヒャハハハーッ」
肉体で風を切り裂いていく感覚にブッチのテンションが踊る。
出遅れたもののすぐにルイズへと追いつくだろう。
大義名分も出来たことだし、存分に楽しみ暴れてやろうとブッチは高らかに笑った。


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