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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロの使い魔BW-02

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの使い魔BW-02

最終更新:2012年07月10日 10:41

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  • ゼロの使い魔BW


 身体を揺さぶられて、目が覚めた。
 目を開いたら、見慣れぬ格好の少年がこちらを見下ろしていて、思わず叫んだ。
「だ、誰よあんた!」
「……ツカイマだよ、ゴシュジンサマ」
「ああ、使い魔ね。そうね、昨日召喚したんだっけ」
 窓から朝の日差しがさんさんと降り注いでいる。ルイズは寝台の上でうーんと伸びをすると、椅子にかけてあった服を指して命じた。
「取ってくれる?」
 使い魔の少年は無言で頷くと、服を取ってルイズに手渡した。
 寝起きのけだるさのままネグリジェに手をかける。途端にくるりと背を向ける辺り、この使い魔にも一応年頃の少年らしい部分もあるらしい。
「後、下着も――そこのクローゼットの一番下に入ってるから、取って」
 彼はクローゼットを開けると、ぎくしゃくとした動きで下着を取り出す。と、そこで完全に停止した。
 なにを考えて止まったのかが分かって、ルイズは呆れた。別に、使い魔に見られたところでどうということもないのだが、彼は動きそうにもない。
「……投げてくれていいわよ」
 飛んできた下着は、過たずルイズの手元に納まった。見えてるんじゃないかと思うようなコントロールである。むしろ見てるんじゃないかと思って使い魔に目をやるが、完璧に背を向けていた。
 服を着させるところまでやらせようと思っていたが、やめた。無駄に時間がかかるのは分かりきっている。下手をすれば、朝食を食べそこなうことにすらなりかねない。
 壁を向いて硬直している使い魔を横目に、ルイズはこれまでのように着替え始めた。


 身支度を済ませたルイズたちが廊下へ出ると、ちょうど近くの扉が開くところだった。
 中から出てきたのは、燃え上る炎のような赤い髪の女の子だ。
 ルイズよりも背が高く、スタイルも良い。彫りの深い美貌に、突き出た胸元、健康的な褐色の肌、と街を歩けば十人が十人振り返るような容姿だった。
 だが、その顔を見た途端、ルイズは不機嫌そうな顔になる。赤い髪の少女がにやりと笑った。
「おはよう、ルイズ」
「おはよう、キュルケ」
 むっつりとした表情のまま、ルイズは挨拶を返す。
「あなたの使い魔って、それ?」
「そうよ」
 寡黙に控えている少年を指さしての問いに、ルイズは短く答えた。
「あっはっは! 本当に人間なのね! さっすが、ゼロのルイズ」
「うっさいわね」
 無愛想に返答するルイズを横目に、キュルケは少年を観察する。
「中々可愛らしい顔してるじゃない。あなた、お名前は?」
「なに色惚けたこと言ってんのよ。あと、名前を聞いても無駄よ。そいつ、記憶喪失だから」
「それは残念。……だけど、記憶喪失、ねぇ。それは元から? それとも、ルイズのせいかしら?」
 その指摘に、目の前の勝気な少女が言葉に詰まったのを見て、キュルケは頷いた。
「なるほどねえ。――それじゃ、あたしも使い魔を紹介しようかしら。フレイムー」
 キュルケが呼ぶと、背後の扉の中から赤い巨大なトカゲが現れた。大型の獣並みの体躯に、真紅の鱗。尻尾の先は燃え盛る炎となっていて、口からもチロチロと赤い火が洩れている。
「……リザード?」
 熱気を物ともせずにそれに見入っていたルイズの使い魔が、ここで初めて声を上げた。
「りざーど? これは火トカゲよ」
「ヒトカゲ?」
 首を傾げて言ったルイズの使い魔に、キュルケは微笑みかける。
「なんか発音がおかしい気がするけど、そうよー。火トカゲよー? しかも見て、この大きくて鮮やかな炎の尻尾。間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ? 好事家に見せたら値段なんてつかないわ」
「そりゃよかったわね」
 ルイズが無愛想に答えた。
「素敵でしょ? もう、あたしにぴったりよね」
「あんた、『火』属性だしね」
「そう。あたしは微熱のキュルケですもの。ささやかに燃える情熱は微熱。でも、男の子はそれでイチコロなのですわ。あなたと違ってね?」
 キュルケは得意げに、その男であれば視線を釘付けにされそうな胸を張った。
 ルイズも負けじと胸を張るが、残念ながらボリュームの違いは明白だった。それでもキュルケを睨みつける辺り、かなりの負けず嫌いらしい。
「あんたみたいにむやみやたらと色気を振りまくほど、暇じゃないだけよ」
 キュルケは余裕の笑みを浮かべて、その言葉を受け流す。そして颯爽とこの場を後にしようとして、使い魔のサラマンダーが居ないことに気づいた。
「あら? フレイムー?」
「わたしの使い魔も居ないわ。……まさか、あんたのサラマンダーに食べられちゃったんじゃ」
「失礼ね。あたしが命令しなきゃ、そんなことしないわ。……あ、居た」
 ルイズとキュルケが言い争っていた場所から少し離れたところに、二人の使い魔は揃っていた。二人が喧嘩している間に、使い魔は使い魔で親睦を深めていたらしい。
 少年は、慣れた手つきでサラマンダーを撫でてやっている。撫でられているほうも、妙に落ち着いた様子で彼の手のひらを受け入れていた。
 キュルケが目を丸くする。
「あらま。確かに、誰彼構わず襲うような子じゃないけど、誰彼構わず懐く子でもないのに」
「あんたのことを見習ったんじゃないの?」
「どういう意味よそれ。……まあ良いわ。それじゃ、お先に失礼。行くわよフレイムー」
 呼ばれて、サラマンダーが動き出す。図体に似合わないちょこちょことした足取りでキュルケの後を追うが、少し行った先で少年のほうを向くと、ぴこぴこと尻尾を振った。
 少年も微笑んで、手を振って返す。
 一連の流れを見ていたルイズが、少年の頬をつねりあげた。
「……いふぁい」
「いーい? あの女はフォン・ツェルプストー。わたしたちヴァリエール家にとっての、不倶戴天の敵なの。だから、ツェルプストーの使い魔なんかと仲良くしちゃダ、メ、よ?」
「ふぁい」
 一音ごとに頬をねじり上げるようにして確認され、少年は涙目で答えた。


 トリステイン魔法学院の食堂は、学園の敷地内で一番背の高い、真ん中の本塔の中にあった。食堂の中にはやたらと長いテーブルが三つ並んでいて、それぞれに少年少女が座っている。
 ルイズは、黒いマントをつけた生徒が並ぶ真ん中のテーブルへと向かった。
 ここに使い魔を連れてくるのには非常に苦労した。なんせ他の使い魔を見るたびに、吸い寄せられるようにそっちに行こうとするのである。首輪と縄が必要かしら、とルイズは思った。
 その使い魔は、豪華な食事が並べられたテーブルや、絢爛な食堂をきょろきょろと見回している。その顔に少なからぬ驚きを見て取って、ルイズは得意げに指を立てて言った。
「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけじゃないのよ。昨日も説明した通り、メイジのほとんどは貴族。だから、『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーのもと、貴族たるべき教育を受けるの。この食堂も、その一環ね」
「すごいね」
 素直に驚きを示す使い魔に、椅子を引くように促す。本来なら「気が利かないわね」ぐらいは言ってやりたいところだが、記憶喪失では致し方ない。
 椅子についてから、ルイズは考えた。この使い魔がもう少し反抗的であれば、床ででも食べさせるつもりであったが、今のところは特にそういった気配はない。
 現在も自分が座るべき席ではないと理解しているためか、脇にじっと佇んだままである。
 しばらく逡巡した後、ルイズは近くに居た使用人の一人を呼びとめた。
「ちょっと、そこのあなた」
「はい、なんでしょうか。ミス・ヴァリエール」
 呼びとめられた黒髪のメイドに、脇の使い魔を指して見せる。
「こいつに、なにか食べさせてやって頂戴」
「分かりました。では、こちらにいらしてください」
「食べ終わったら戻ってくるように」
 ルイズの言葉にやはり頷くと、使い魔は促されるままにメイドについて行った。


「もしかしてあなた、ミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう……」
 行きがてらにそう問われて、少年は頷いた。目下のところは、彼の唯一の身分である。
「知ってるの?」
「ええ。なんでも、召喚の魔法で平民を呼んでしまったって噂になっていますわ」
 にっこりと笑って、黒髪のメイドは答えた。屈託のない、野の花のような笑顔だ。
「君もメイジ?」
「いいえ。私はあなたと同じ平民ですわ。貴族の方々をお世話するために、ここで御奉公させていただいているんです」
 どうやら自分と同じような立場らしい。納得すると、彼は黙り込んでしまった。
 記憶がないというのは、話題がないというのに等しい。訊きたいことは山ほどあったが、彼女は仕事中だったようだし、あまり時間を取らせるわけにもいかないだろう。
 そんな考えからなる沈黙だったが、どうやらそれは少年を気難しく見せていたらしい。しばらくは静かだった黒髪のメイドが、いかにも恐る恐るといった様子で口を開いた。
「……えっと、私はシエスタです。あなたのお名前を訊いても良いですか?」
 少年はそれに黙ったまま首を振る。しかし、不味いことでも訊いてしまったのだろうかと狼狽するシエスタを見て、言葉を続けた。
「名前は分からないんだ。記憶喪失だから」
「キオクソウシツ……って、あの、記憶がなくなっちゃうあれですか?」
 頷くと、シエスタの視線が途端に同情的になった。少年を上から下まで眺めまわして、はう、とせつなげな溜息を洩らす。
「大変だったんですね……」
 そうだったんだろうか。そうだった気もするが、今のところは大したことがない気もする。だが少年がなにか答える前に、彼女はいきなり彼の手をギュッと掴むと、引っ張り始めた。

「なるほど、そいつは大変だ」
 コック長のマルトー親父は、シエスタの話(学園内で出回っている噂を少し盛った上で、記憶喪失であるという事実を付け加えたもの)を聞くとうんうんと頷いた。
「やっぱりそうですよね、マルトーさん!」
「記憶を失くした上に、あの高慢ちきな貴族どもの下働きだろ? しかも、こういう仕事を選んでやってる俺たちと違って、強制的にだって話じゃねえか。いやあ、災難だな、お前さん」
 二人で完全に盛り上がってしまっている。展開について行けず途方に暮れそうになったところで、少年のお腹がぐう、と鳴った。
「おっと、悪かったな。シエスタ、賄いのシチューを持ってきてやれ。俺は戻らにゃならん」
「はい、わかりました!」
 少年を厨房の片隅に置かれた椅子に座らせると、シエスタは小走りで厨房の奥へと消えた。
 マルトーもまた、背を向けて調理場へと向かう。が、ふと振り向くとニッと笑った。
「同じ平民のよしみだ、なにか困ったことがあったらいつでも相談してくれ」
「ありがとう。いざって時には頼りにさせてもらいます」
 少年が礼を言うと、マルトーは「良いってことよ」と大笑いして去って行く。
 入れ違うように、シエスタがシチューの入った皿を持って戻ってきた。目の前に置かれたそれをスプーンで掬って、口に運ぶ。思わず顔がほころんだ。
「おいしい」
「よかった。おかわりもありますから、ごゆっくり」
 思った以上に空腹だったことに気づく。丸一日ばかり食べていないような、そんな感じだ。
 夢中になって食べる少年を、シエスタはニコニコしながら見ている。
 仕事中だったのに大丈夫なんだろうか、なんて思うが、食堂には彼女のようなメイドが沢山いたし、一人ぐらい抜けても問題ないのかもしれない。
「ごちそうさま。おいしかったよ」
「ふふ。ぜひ、マルトーさんにも言ってあげてください。喜びますから」
 食べ終わって皿を返すと、シエスタは微笑んでそう言った。そして皿を片づけるために立ち上がりざま、そういえば、と彼の顔を見る。
「えっと、なにか分からなくて困ってることとかあります?」
「……それなら、洗濯物のことなんだけど」
 なるほど、とシエスタが頷く。
「ああ、そうですよね。水汲み場とか分かりませんよね」
「それもあるんだけど、ここでのやり方もイマイチ分からないから、教えてもらえると助かる」
 彼の常識は、洗濯物には洗濯機を使え、と言っている。使い方も分かる。しかし同時に、それがここにはないだろうということもなんとなく分かっている。
 昨晩のルイズとの会話と、今日見て回った学内の様子から、自分の常識の欠落は記憶喪失から来るものではないことに、少年はうすうす感づいていた。
「洗濯のやり方なんて何処でも同じ気がしますけど、わかりました。今からご案内しても良いんですが、ミス・ヴァリエールに『戻ってくるように』って言われてましたよね」
 確かに、「食べ終わったら戻ってくるように」と言っていた。
「それじゃ、お昼もまたこちらで取られるでしょうし、その際にでも」
「よろしくお願いします」
 心からの感謝をこめてお辞儀をすると、シエスタはウインクして答える。
「マルトーさんも言ってましたけど、同じ平民のよしみ、です。いつでも頼ってくださいね」


 魔法学院の教室は、石造りのやはり巨大な部屋だった。生徒が座る席は階段状に配置されており、その中央最下段に教師が立つ教壇がある。
 二人が入ると、先に教室に来ていた生徒たちが一斉に振り向いた。そしてくすくすと笑い始める。
 だが、ルイズにそれを気にしている余裕はなかった。今日は学年最初の授業ということで、大抵の生徒が使い魔を連れている。そんな場所に少年を放りこんだらどうなるか。
 早くもふらふらと引き寄せられそうになった彼の襟元を、がっしと掴んで引きずりつつ、ルイズは席の一つへ向かった。本格的に、首輪と縄が必要かもしれない。
 席の近くの床に少年を座らせる。机があって窮屈なのは気にならないらしいが、周囲の使い魔を見てそわそわしている。
 ふと、少年が使い魔のうちの一体――浮かんだ巨大な目の玉を指さして言った。
「アンノーン?」
「違うわ。バグベアーよ」
「チョロネコ?」
「あれは単なる猫じゃない。チョロってなによ」
「アーボ?」
「あれは大ヘビ……一体、その名前は何処から出てきてるのよ」
 ルイズが呆れたように言ったところで、教室の扉が開いて一人の魔法使いが入ってきた。
 ふくよかな頬が優しげな雰囲気を漂わせている、中年の女性だ。紫色のローブに、帽子を被っている。
 彼女は教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
 ルイズは俯いた。
「おや? ミス・ヴァリエール、使い魔はどうしました?」
 床に座った少年は、教壇からはちょうど死角になっていて、彼女からは見えないらしい。
 シュヴルーズが問いかけると、ルイズの近くに座っていた少年が声を上げた。
「ゼロのルイズ! 召喚出来ずにその辺の平民連れてきたからって、恥ずかしがって隠すなよ!」
 その言葉に、教室中がどっと笑いに包まれた。
 ルイズは椅子を蹴って立ち上がった。長い髪を揺らし、可愛らしく澄んだ声で怒鳴る。
「違うわ。ちゃんと召喚したもの! こいつが来ちゃっただけよ!」
「嘘つくな! 『サモン・サーヴァント』に失敗したんだろう?」
 ゲラゲラと教室中が笑う。
「ミセス・シュヴルーズ! 侮辱されました! 『かぜっぴき』のマリコルヌが私を侮辱したわ!」
「かぜっぴきだと? 俺は『風上』のマリコルヌだ! 風邪なんか引いてないぞ!」
 同じく椅子を蹴って立ち上がったマリコルヌに向けて、ルイズが追撃を放つ。
「あんたのガラガラ声は、まるで風邪でも引いてるみたいなのよ!」
 次の瞬間、立ち上がった二人は揃って糸の切れた人形のようにすとんと席へ落ちた。
「ミス・ヴァリエール。ミスタ・マリコルヌ。みっともない口論はおやめなさい」
 席に座ったルイズは、先ほどの剣幕が嘘のようにしゅんとしてうなだれている。
「お友達をゼロだのかぜっぴきだのと呼んではいけません。わかりましたか?」
「ミセス・シュヴルーズ。僕の『かぜっぴき』は中傷ですが、ルイズの『ゼロ』は事実です」
 教室にくすくす笑いが広がった。
 シュヴルーズは厳しい顔をすると、ぐるりと教室を見回し一つ杖を振った。するとどこから現れたものか、笑っていた生徒の口元に赤土の粘度が貼り付いた。
「あなたたちは、その格好で授業を受けなさい」
 くすくす笑いがおさまった。
「それでは、授業を始めますよ」


 少年は授業にはあまり興味がなかった。彼の注意はもっぱら他の使い魔に向けられていたが、属性の話が出た時は少しだけ耳をすませた。
 現在は失われた『虚無』の魔法を含めて、魔法の属性は五種類あるらしい。彼の感覚からすると、五つの属性――タイプというのは、酷く少なく思えた。
 もっとこう『はがね』だとか『エスパー』だとか『あく』だとかがあって良い気がする。もっとも、単に彼の感覚の方が細分化されている、というだけのことかもしれないが。
 そんなことを考えたり、周囲の使い魔を観察していたりすると――。
「それでは、この『錬金』を誰かにやってもらいましょう。そうですね……ミス・ヴァリエール」
 不意に指名されたルイズは、びくっと肩を跳ねさせると、シュヴルーズに問い返した。
「えっと、私……ですか?」
「そうです。ここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」
 そうやって教壇を指し示されても、ルイズは動かない。痺れを切らしたシュヴルーズが更に促そうとしたところで、キュルケが困った声で言った。
「先生」
「なんです?」
「やめといた方が良いと思いますけど……」
「どうしてですか?」
「危険です」
 キュルケが言い切った。ほとんどの生徒もそれに頷く。
「危険? 一体、なにがですか」
「先生は、ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。ですが、彼女が努力家であるという事は聞いています。さぁ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやってごらんなさい。失敗を恐れていては、なにもできませんよ?」
「ルイズ。やめて」
 キュルケが蒼白な顔で言う。しかし、ルイズは立ち上がった。
「やります」
 言って、若干硬い動きで教壇へと向かう。通路に乗り出すようにして、少年はその背中を見送った。
 教壇に上ったルイズに、シュヴルーズが隣に立って微笑みかけた。
「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を強く心に思い浮かべるのです」
 ルイズはこくりと可愛らしく頷く。そして緊張した面持ちで小石を睨みつけると、神経を集中した。
 同時に、少年は周囲の生徒たちが、彼と同じように机の影に隠れるのに気付いた。なんでだろうと思う間もなく、短いルーンと共に、ルイズが杖を振り下ろす。
 瞬間、小石は机もろとも爆発した。
 爆風をもろに受けて、ルイズとシュヴルーズは黒板に叩きつけられた。悲鳴が上がる。
 驚いた使い魔たちが暴れ始めた。
 眠りを妨げられたキュルケのサラマンダーが火を吹き、尻尾をあぶられたマンティコアが窓を突き破って外へ逃げ、その穴から巨大な蛇が顔を出して誰かのカラスを飲みこんだ。
 教室が阿鼻叫喚の大騒ぎになる。髪を乱したキュルケが、ルイズを指して叫んだ。
「だから言ったのよ! あいつにやらせるなって!」
「もう! ヴァリエールは退学にしてくれよ!」
「ラッキーが! 俺のラッキーがヘビに食われた!」
 黒板の前にシュヴルーズが倒れている。時々痙攣しているので、死んではいないようだ。
 煤で真っ黒になったルイズが起き上がった。服装は悲惨極まりない。上も下もところどころ破れていて、隙間から下着が覗いている。
 だが、ルイズは自身の惨状も教室の阿鼻叫喚も気にしない様子で、淡々とした声で言った。
「ちょっと失敗したみたいね」
 当然、他の生徒から猛然と反撃を喰らう。
「ちょっとじゃないだろ! ゼロのルイズ!」
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないか!」
 爆風で吹き飛ばされた帽子を拾いつつ、少年は一人、すごい『だいばくはつ』だったなと頷いていた。


「おふっ……ミス・ロ……ング、ビル……やめて、やめ……お、おち、る……」 
 ルイズが教壇を吹き飛ばし、それの罰として掃除を命じられている頃。
 この魔法学院の学園長であるオールド・オスマンは、秘書にいつもよりも酷いセクハラ行為――尻を両手でじっくり三十秒ほど捏ねまわすように揉んだ――に及び、いつもよりも苛烈な報復を受けていた。
 首を絞められ、今にも気を失いそうなオールド・オスマンに対し、ミス・ロングビルは無表情でチョークスリーパーをかけ続けている。
 そんなちょっとした命の危険は、突然の闖入者によって破られた。
「オールド・オスマン!」
 荒っぽいノックに続いて、髪の薄い中年教師――コルベールが部屋に入ってくる。
 その時には既に、オールド・オスマンもロングビルも自分の席へと戻っていた。早業である。もっとも、オスマン氏は酸欠気味で、頭をふらふらと揺らしていたが。
「なん、じゃね?」
「たた、大変です! ここ、これを見てください!」
 ようやく脳に酸素が戻ってきたらしきオスマン氏は、コルベールの焦りに鼻を鳴らした。
「大変なことなどあるものか。全ては些事じゃ。……ふむ、これは『始祖ブリミルの使い魔たち』ではないか。こんな古臭い文献など漁りおって。そんなものを持ちだしている暇があったら、たるんだ貴族たちから学費を上手く徴収する術でも考えたまえ。ミスタ……なんじゃっけ?」
「コルベールです! お忘れですか!」
「おうおう、そんな名前じゃったな。君はどうも早口でいかん。……で、この書物がどうしたのかね?」
「これも見てください!」
 コルベールが取りだしたのは、少年の右手にあったルーンのスケッチであった。
 それを見た瞬間、オールド・オスマンの表情が一気に引き締まり、目が鋭い光を放つ。
「ミス・ロングビル。席を外しなさい」
 ロングビルが席を立ち、部屋を出ていく。それを見届けると、オスマン氏は口を開いた。
「詳しく説明するんじゃ。ミスタ・コルベール」


 ルイズが滅茶苦茶にした教室の掃除が終わったのは、昼休みの前だった。
 罰として魔法を使うことが禁じられていたため、時間がかかったのである。といってもルイズはほとんど魔法が使えないから、余り変わらなかったが。
 ミセス・シュヴルーズは二時間後に目を覚ましたが、その日一日錬金の授業を行わなかった。どうやらトラウマになってしまったらしい。
 片づけを終えたルイズと少年は、食堂に向かった。昼食を取るためである。
 道すがら、少年は先ほどの光景を思い返していた。何故か、『わるあがき』という言葉が浮かんで消える。
 次にちょっと間抜けな顔をした大きな魚が出てきて、最後に巨大な龍が脳裏をよぎった。
 その余りの脈絡のなさに、自然と苦笑が漏れる。それを見とがめたルイズが、少年を睨みつけた。
「……あんたも」
「?」
「あんたもわたしを馬鹿にしてるんでしょ!? 貴族だなんだと散々言っておいて、その実はなにも出来ない、『ゼロ』であるわたしを!」
 そんな叫びは、少年のきょとんとした表情によって迎えられた。作ったものではない。心の底から、なにを言われているか分からない、と思っている顔だ。
 それを見た瞬間、毒気も怒りも、全て雲散霧消してしまった。
 沈黙したルイズを見て、少年はしばらく考え込んだ後、ゆっくりと口を開いた。
「……使い手と『わざ』には相性がある」
「ふえ?」
「どれだけ強い力を持っていても、相性の悪い『わざ』は使えない。今のゴシュジンサマは、相性の良い『わざ』がない状態なんじゃないかと思う。だから、『わるあがき』しかできない。……けど、それでもあれだけの力があるんだから、適正のある『わざ』ならすごい威力になるんじゃないかな」
 突然饒舌になった使い魔に、ルイズはしばらくぽかんとしていたが、それが彼の不器用な慰めだと気づくと、くすりと笑った。
 それに、こいつの考え方は面白い。これまで失敗してきた『わざ』――魔法を使えるように努力するのではなく、相性の良い魔法を探す。
 今までも色々な魔法を試してはきたが、もっと色々と、それこそ普通は思いもしないようなものまでやってみるのも悪くないかもしれない。
 ただ、今は――。
「……『わるあがき』ってなによ」
「えっ? ええと、うんと……なんなんだろう」
「ご主人様にそういうこと言う使い魔は、お昼ご飯抜きにしちゃうわよ?」
 慌てる少年にルイズはくすくすと笑うと、先ほどより明らかに軽い足取りで、食堂へと向かった。

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