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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • The Legendary Dark Zero 31c

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

The Legendary Dark Zero 31c

最終更新:2012年10月12日 00:31

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
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  • The Legendary Dark Zero



「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
夜のチクトンネ街の通りをティファニアは全力で駆けていた。
ウェストウッドの森の中で暮らしてきたとはいえ華奢な体である上に元々体力があるわけではないし、おまけにこの修道服では思うように走ることができない。
走っては止まり、走っては止まり、と何度も繰り返していた彼女の体力はもう限界に近づいていた。
喉の奥からは荒い呼吸が絶えず吐き出され続けている。胸を押さえればはっきりと心臓が激しく動いているのが分かるくらいだ。
だが、ここで足を止めるわけにはいかなかった。
(スパーダさん……)
自分は決して、彼の力にはなれないのだろう。
戦う力もない自分が悪魔を倒すことはおろか、まともに相手をすることすらできないのだろう。
それでも、せめてその戦いだけは見届けなければならなかった。

……だが、あの三人は一体どこにいるのだろう。
裏通りは危ないとスパーダやマチルダは言っていたために人が多い通りを走り続けているのだが、
悪魔と争っているのであればどこかが騒然とした状態になっているはず……。
「悪魔だ!」
「魔女だ!」
「化け物だああぁっ!」
何度目か分からぬ小休止を行なっていた時、通りにいくつもの悲鳴が上がった。
何十人という男達が血相を変えて逃げ惑っている姿が道行く人はもちろん、ティファニアの目にも映っていた。
その騒ぎに酒場からは何事かと僅かな客が顔を出し、外の様子を窺いだす。
相当混乱しているのか、勢いあまって倒れてしまう者まで出る始末だ。
「邪魔だっ! どけぃ!」
その中には貴族の人間もおり、他の平民の男達を押し退けていた。
(悪魔……)
やがて、最後の一人と思われる男が足をもつれさせながら地べたを這うようにして逃げてくるのを見届けた。
ティファニアはまだ少し息を切らしてはいたものの、ゆっくりと歩いて前へ進むことにする。
どうやら彼らが逃げてきたお店に例の悪魔がいるらしい。彼らが逃げてきた跡にはうっかり靴や帽子などといった小物が落ちている。
胸元で重ねた手を、母の形見の指輪と共にぎゅっと握り締める。
未だ心臓は呼吸と共にいつもより強く高鳴っていた


〝妖雷婦〟ネヴァンはその二つ名の通り、強力な稲妻の力を操る上級悪魔である。
格の上では中の上といった所であり、同じ稲妻使いだったアラストルとは同等の地位と力を持っていた。
身に纏うドレスや従えているコウモリ達は彼女の魔力から生み出されているものであり、主にこのコウモリ達を介して
自らの稲妻を相手にぶつけたり己を守る盾や鎧、武器はおろか移動手段にも利用するという変幻自在な扱いができるのであった。
事実、今のネヴァンが纏うドレスはコウモリ達をさらに集めることによって3メイル近い高さにまで大きくなっており、
コウモリの群れによって運ばれて浮かんでいるネヴァンは酒場の中を素早く流れるように動き回っていた。
その軌跡を、アニエスの砲銃から放たれた砲弾が縫っていく。
「ちょこまかと!」
外れた砲弾は床に転がる椅子やテーブルを粉砕し吹き飛ばす。
アニエスは次の弾を込めようとせず、ネヴァンが腕を振るってコウモリ達と共に放ってきた無数の雷弾をかわしていった。

その稲妻の弾丸はアニエスだけでなく、舞台上にいるルイズ達にも向けられて放たれていた。
「How's this?(これはどうかしら?)」
さらにネヴァンがその美しい手を伸ばすと掌から轟音と共に稲妻の嵐が吹き荒れ、ルイズとスパーダに襲い掛かる。
ルイズの前に立つスパーダは正面で閻魔刀をクルクルと回転させてコウモリ達を弾き返し、ネヴァン自身が放った稲妻さえも受け止めていた。
背後ではルイズが杖を頭上に掲げたまま呪文を唱えている。
「――バーストっ!」
唱えたのはキュルケも使うライン・スペルのフレイム・ボールであったが、その呪文によって起こされた爆発はネヴァンをコウモリ達もろとも包み込んでいた。
爆風によってテーブルも椅子も豪快に吹き飛ばされ、四方に飛び散った残骸は三人に襲い掛かる。
スパーダはそのまま閻魔刀で防御を続け、アニエスはアラストルを振り回して叩き斬った。
煙が晴れると、そこにはあれだけネヴァンに従えられていたコウモリの群れはほとんどいなくなり、ドレスも小さくなっていつもの大きさに戻っていた。

(あの小娘……)
ネヴァンとしては攻防一体である己のしもべ達があんな小娘ごときに一瞬で全滅させられたことに驚いていた。
「はあああっ!」
そこにアニエスがアラストルを高く振り上げ、ルイズ達の方に注意が向いているネヴァンに斬りかかる。
まるで急襲を仕掛けた獣のごとき気迫と勢いであったものの、ネヴァンはアニエスの方を振り向こうともせずにショールを振り上げて弾き返し、
さらに振るった手を捻るようにして突き出すと、掌から雷光が迸った。
攻撃を弾かれたばかりのアニエスは咄嗟に態勢を立て直そうとするが、間に合わない。

――ブゥンッ。

不気味な唸りと共にアニエスとネヴァンを挟んだ空間が大きく歪み、ネヴァンの放った雷撃がその歪みの中で刻まれた無数の斬撃によって阻まれていた。
その斬撃にネヴァンは感嘆とし、ちらりと舞台上で閻魔刀による居合いの構えを取っているスパーダを見やった。
千年以上も昔にも目にした、冷徹な魔剣士としての面構え。普段から冷たい表情しか浮かべなかったスパーダであるが、戦いとなれば冷たさはさらに力を増すのである。
その瞳は彼が手にする剣のように研ぎ澄まされ、目の前に立ち塞がる者は全て斬り伏せると言わんばかりの信念がありありと感じられていた。
(変わってないわねぇ……)
思わずぞくりと背筋を震わせてしまったネヴァンは、斬りかかってくるアニエスの猛攻を余裕の動作で避け続けると黒い影と無数のコウモリへと姿を変えて離脱した。

「何よ。やっぱり平民じゃ駄目ね」
アニエスの後方に姿を現したネヴァンを見てルイズが溜め息を吐く。
あのアラストルとかいう剣は先刻のスパーダとの会話からして、どうやらマジックアイテムか何かのようだがあれを使ってもあんなザマとは。
ここはやはり、メイジである自分の力を持ってあの悪魔を倒してやるしかないだろう。
ルイズは初めて直接、悪魔と戦うことになるわけだがスパーダがいてくれるだけで、恐れを感じずとても安心することができていた。
スパーダが一緒にいてくれれば負ける要素など何もないように感じてしまうのである。
杖を振り上げたルイズが、再び呪文を詠唱しようとしたその時だった。

ネヴァンが両腕を広げ高笑いを響かせながら、その身に稲妻を収束させてきたのだ。
何をやろうとしているか知らないが、すぐにでも吹き飛ばしてやれば良いだけのことである。
「きゃあっ! ちょっと、何をするのよ!」
ルイズは構わずに集中して呪文を唱えていたがスパーダが咄嗟に体を抱え上げてきたため、詠唱を邪魔されたルイズはスパーダの胸を叩きながら文句を言った。
その直後、ネヴァンの頭上から凄まじい轟音と共に巨大な稲妻が降り注いできたのだ。
まるで巨大な鉄槌が叩き込まれたような一閃は一瞬にして床一面に広がり、地上に転がる全てのものを焼き焦がしていた。
テーブルも椅子も黒焦げにされ、客が飲み残していった酒などは一瞬で蒸発してしまった。
スパーダはルイズを抱えつつ宙に飛び上がっていたために問題はなかったが、アニエスは地上に足を付けたままであった。
「……ぐっ」
膝をつくアニエスの体には、それほど大きなダメージはなかった。
床に突き立てられたアラストルが稲妻の力を吸い取り、彼女へのダメージを和らげてくれたのである。
ネヴァンが技を繰り出す直前、アラストルがアニエスに〝我を突き立てよ〟と語りかけてきたため、その言に従ったおかげで重傷を負うのは間逃れていた。
もっとも相手はアラストルと同格の上級悪魔であるため、それでも軽く火傷は負ってしまったのだが。
「まだ、まだだっ……!」
全身から僅かに煙を吹かせ、アニエスはよろめきつつも立ち上がっていた。

「ふぅん。平民にしては根性あるのね」
着地したスパーダに降ろされていたルイズは再びコウモリを纏ったネヴァンに斬りかかるアニエスを見て嘆息した。
ネヴァンが次々と放ってくる雷弾をアニエスはアラストルで叩き落しつつ一気に駆け寄り、ネヴァンを守るコウモリ達を斬り伏せていく。
女なのに男顔負けの気迫を発揮しながら繰り出す怒涛の猛攻はスパーダが愛剣のリベリオンを棒切れのように軽々と振り回すのに匹敵するほどの勢いであった。
一振りする度にコウモリ達は赤い血飛沫を散らせながら霧散し、徐々にネヴァンの防御を崩していく。
「お痛は駄目よ」
もちろん、ネヴァンも黙っているわけではなくその場でクルクルと回転すると、纏っているドレスの一部が巨大な刃となってアニエスを斬り刻もうとする。
アニエスは咄嗟に後ろに跳び退ってかわし、すぐにまたネヴァンへの攻撃を再開した。
ああして諦めずに戦い続けるのは賞賛すべきだろうが、やはり平民では悪魔を倒せないのだ。
メイジである自分と、頼れるパートナーにして伝説の悪魔であるスパーダに全てを任せておけばあんな淫乱な悪魔など一捻りである。
……というか、どうあっても自分の手で叩きのめしてやらないと気が済まない。スパーダとあんなに親しげにしていたのがそもそも気に入らない。
スパーダが悪魔である以上、色々な悪魔と出会っていたのだろうが……よりによってあんな淫乱女と知り合いだなんて!
「スパーダ! あいつのコウモリをひっぺがしてちょうだい!」
「いや、それは君の役目だ」
杖を振り上げ再び呪文を詠唱しようとしたルイズであったが、スパーダはこちらにも飛ばされてきた雷弾を閻魔刀を回転させて防御しながら言った。
アニエスから逃げ回るネヴァンはこちらとアニエスの両方に向けて次々と同時に攻撃を仕掛けてきている。
「奴の防御を崩すのは君の爆発の方が効率が良い。奴への直接攻撃はアニエスに任せろ」
そのスパーダの言葉に、ルイズは顔を顰めた。
スパーダは自分よりもアニエスにあの悪魔を倒させようとしている。それが気に入らない。
(何よ。何であんな平民の女なんか信頼するのよ!)
平民であるアニエスはあんなに苦戦していて倒せそうにないというのに、何故彼女に任せようというのか。
パートナーである自分に任せないなんて、どういうことなのだ。

「どうしたの? 前みたいに大胆に攻めてきてちょうだい」
ネヴァンが雷弾を放ちながらスパーダの方を見やってきた。
スパーダとしては自分が前に出るとルイズがネヴァンの攻撃の餌食になってしまうので、傍に付いて守ってやらねばならないのだ。
そのために攻撃をアニエスに任せ、ルイズにはそのための援護、スパーダはそのルイズを守るというポジションに付いているのである。
本来、使い魔という存在はこうした状況で主を守るとされているそうだが、今まさにそうした状況なのだ。
もっとも、ルイズが主でなかろがスパーダは彼女を守るのだが。
「そこの小娘が足手まといになってるのかしら?」
そのネヴァンの言葉に、苛ついていたルイズが溜めていた怒りが爆発する。
「な、何ですってぇ!? もう一度言ってごらんなさいよ!」
「何の因果でスパーダと一緒にいるのか知らないけど……スパーダが全然、攻めてこないんだもの。
私はスパーダと刺激を味わい合いたいのに……。そんなザマじゃ、小娘が足手まといになっているものだわ」
つまらなさそうに呟くネヴァンは攻撃の合間を縫って斬りかかってきたアニエスの斬撃をショールで弾いていた。
「相手にするな」
スパーダがルイズの怒りを静めようと語りかけるが、あんな淫乱女にここまで馬鹿にされて黙っていられるわけがなかった。

パートナーである自分が役立たず?

パートナーの足手まとい?

スパーダはメイジでパートナーの自分より平民のアニエスを信頼している?

……冗談じゃない。
自分は、役立たずなんかじゃない!
あんな平民なんかに舐められてたまるものか!
「……落ち着け、ミス・ヴァリエール」
プルプルと肩を震わせているルイズをスパーダが再度抑えようとしたが……。
「うるさい、うるさい、うるさい! うるさいぃっ!!」
「待て、前へ出るな」
けたたましい憤怒の叫びを上げたルイズはスパーダの制止も聞かずにずんずんと前へ出て舞台から下りていった。
「あたしはスパーダのパートナーよ! 足手まといなんかじゃ、役立たずなんかじゃないわっ!」
叫びながら杖を突きつけ、呪文を唱えようとするルイズ。
ネヴァンは横2メイルほどの長さをした帯状の稲妻を両端に二匹のコウモリ達を付け、ルイズに向けて飛ばしてきた。
縦に三つほど並べられた稲妻の帯は上から順に放たれる。

「伏せろ!」
同じように舞台から下りたスパーダが素早く駆け寄りルイズを抱えて共に床に倒れるように伏せ、稲妻の帯をかわした。
ネヴァンの稲妻はスパーダ達の頭上をすれすれで通り過ぎていった。
「離してよ! このままあんな悪魔に……平民なんかに舐められるわけにはいかないのよっ!」
完全に頭に血が昇り我を忘れてしまっているルイズはスパーダの腕を振り払って立ち上がり、アニエスと交戦しているネヴァンへ近づいた。
「待て。奴に近づくなっ」
起き上がったスパーダが呼び止めるも、突如足元が光りだしたのを目にし、即座に横転を行なった。
ネヴァンがスパーダがいた場所に轟音と共に巨大な稲妻を落とし、床を砕いてきたのである。
空間転移を使っても、避けたスパーダの移動先にも的確に落雷を発生させてくるため、中々ルイズの元へと行くことができなかった。

「平民っ! そこをどきなさいっ! そいつはあたしが仕留めるわ!」
ネヴァンを守るコウモリの群れはアニエスの猛攻によって大分剥がされている。これならば自分の爆発を直接叩き込むこともできるはずだ。
これまでスパーダの指導の下、自分の新しい魔法として特訓を続けてきた〝バースト(炸裂)〟は、
唱える魔法の呪文の長さによって爆発の規模が変わるということが判明していた。
系統魔法は下から順にドット、ライン、トライアングル、スクウェアと分かれており、高位のランクほど呪文の詠唱が長くなる。
つまり高ランクの呪文ほど威力が増すので、今度はトライアングルクラスの魔法の呪文を唱えることにした。もちろん、その分精神力の消耗も大きくなってしまうが……。
「ヴァリエール殿! 待て! ……ちっ!」
アラストルの加護により身体能力が強化されていたアニエスはネヴァンの頭上を身を翻しながら飛び越えた。
当然、ネヴァンは頭上のアニエスに稲妻を放ってきたが、不安定な体勢であるにも関わらずアニエスは巧みにアラストルを振るって攻撃を逸らす。
反対側に着地したアニエスはルイズの前に立ち、スパーダの代わりに盾になろうとする。
「ヴァリエール殿。前に出ては危険だ」
「平民が貴族に命令するんじゃないわ! 黙ってなさい!」
だがルイズは貴族としてのプライドと意地を露にし、アニエスを威圧すると杖を振り上げ、呪文を詠唱しようとする。
「くっ! おのれっ……!」
アニエスはネヴァンが右手の掌から放ち続けている稲妻の嵐をアラストルで防御するので手一杯だった。
おまけにまるで獲物をいたぶるかのように徐々にその力を上げつつ一点に集中させてきており、先ほどのダメージで消耗していたのが祟って押されている。
ネヴァンは冷たいしたり顔を浮かべながら二人を見下ろしていた。
ちらりとスパーダの方を見ると、未だ落とし続けている落雷をかわしながらこちらへ向かってきている。
「ぐっ……ぬぬっ……くぅ……!」
吹き飛ばされぬように全身に力を込めるアニエスであったが、もはや限界だ。


「うあっ!」
「バース――」
ルイズが呪文の詠唱を終え、いざ爆発を叩き込もうと杖を振り下ろそうとした時、閃光と共に巨大な轟音が鳴り響いた。
喉からそれ以上の声が出ることはなく、漏れてきたのは呻きのみ。全身に、この世のものとも思えぬ激痛が駆け巡る。
ネヴァンがさらに力を上げて放った稲妻がアニエスの体を弾き飛ばし、盾が無くなったことでルイズにも襲い掛かったのだ。
風系統の魔法にも存在する電撃で相手を攻撃するライトニング・クラウドは直撃すれば人間の命を奪うことなど容易いものである。
だが、ネヴァンの放った稲妻の嵐はそれを遥かに超える威力であり、一瞬にしてルイズの全身に浸透し、その身を内側まで焼き焦がしていく。
稲妻に打たれたルイズは苦痛の悲鳴を上げることはおろか、自分の体が稲妻に焼かれていることすら認識できなかった。
やがて、その華奢な体がビシャンッ、という鋭い音と共に豪快に吹き飛ばされた。
舞台の上に無残に叩きつけられ、鞠のように跳ね、転げまわった。
アニエスはアラストルの加護により耐えることができた一撃が、何の加護も受けていない、平民となんら変わらない人間の肉体であるルイズが耐えられるはずもなかった。
仰向けに力なく横たわるルイズは服もマントも杖さえも焦がされ、それを握っていた右手は指先から腕までほとんどが炭化していた。
生気の失せた虚ろな目を開けたままのルイズの体は、弱々しくピクピクと痙攣している。
その小さな口からは、既に虫の息一つ漏れてはいなかった。

「This's the end.(これでおしまい)」
突き出していた手を下ろし、ネヴァンは呟いた。
生意気な小娘はこれで仕留めた。女剣士の方も生きてはいるが、あれではもう戦えまい。
吹き飛ばされたアニエスは崩れたテーブルと椅子の残骸に突っ込み、気絶している。手放されたアラストルは壁に突き刺さっていた。
「さあ、これで二人きり……っ!」
邪魔者を排除し、いざスパーダと刺激を味わい合おうと顔を向けた途端、ネヴァンは珍しく吃驚した。
いつの間にか目前に迫っていたスパーダが閻魔刀の柄頭をネヴァンの腹に打ち据えてきた。
「……!!」
ドコンッ、と音を立てて繰り出された一撃は上級悪魔であるネヴァンでさえ苦悶の呻きを漏らすほどに強烈だった。
以前はスパーダに剣で叩き斬られたり、貫いたりされたものだが、これも中々に堪える。
「……っ。ふふっ、その小娘は大事だったみたいね……」
後ろによろめき体を折りながらもネヴァンはスパーダの顔を見上げる。
千年以上も前のあの時、スパーダは何を思ったか人間達を守るために魔界を裏切り、剣を振るった。
その際、彼が浮かべていた時と同じ強い信念と戦意が込められている。

そして、今回はさらにもう一つの感情がその気迫ある冷徹な顔に刻まれていた。
……守るべきものを傷つけられた〝怒り〟という感情を。

スパーダが瞬時にコートの中の背中腰に手を回し取り出してきた二丁の短銃。
ネヴァンに突きつけるなりスパーダの両腕には赤黒いオーラが湧き出て、握っている銃を包み込んでいった。

――バウンッ!

まるで大砲を撃ったような凄まじい銃声と共に、二つの銃口から通常より大きな魔力の弾丸が放たれた。
その反動と衝撃に耐えられず、スパーダの腕と共に跳ね上がった銃は粉々に砕け散ってしまう。
「はぐっ!!」
スパーダ魔力の全力を持って作られた弾丸は赤い光の尾を引きながらネヴァンの腹に直撃し、爆ぜた。
爆風に包まれるネヴァンはその強烈な一撃に耐えられず、床に倒れこんでしまう。
「……ああ、すごい。刺激的だわ……。前より力は衰えているはずなのに……」
その口から出てきた快感の呻きを漏らすネヴァンであったが、壊れた銃を投げ捨てるスパーダは静かに閻魔刀を鞘から抜き出し、歩み寄ってきていた。
ふと気付けば、朧げにスパーダの姿と共に彼本来の悪魔の姿が浮かび上がっている。
「っ……」
倒れこんでいるネヴァンの首を掴み上げ、無理矢理立たせたスパーダは閻魔刀を無造作に垂らしたまま冷たい目付きで睨みつけている。
何の感情も窺えない、だが見る者をゾッとさせる恐ろしさで満ちていた。
(ああ……素敵……)
思わず、ネヴァンは酔い痴れたように目付きをトロンとさせる。
『これ以上、他の人間達を傷つけてみろ。……三度は無い』
悪魔としての本性を露にした冷酷な声に、ネヴァンは更なる愉悦を感じていた。


ティファニアがある路地の近くまで来た時、凄まじい轟音が鳴り響いていた。
それは地の底から響いてくるような不気味な轟きであり思わず足を止めてしまったが、同時にそれが路地の奥から聞こえてくるものであることを察していた。
路地の奥で見つけた地下の扉を開け、恐る恐る中を覗き込んでみると、そこは地獄のような場所だった。
酒場とは思えない広さの空間には焼け焦げた椅子やテーブルが無残に転がっているのだから。
やはりこの中でスパーダ達は戦っていたことを確信するが、それにしてはとても静まり返っている。
(どうしたのかな……)
不安を感じ、そっと静かに扉を開けていく……。
そして、思わず目にしてしまった光景に絶句してしまった。
(ス、スパーダさん!?)
そこにいたのは紛れもなく、スパーダであった。
右手に持つ刀で土気色の肌をしている女の腹を容赦なく串刺しにしていたのだ。
ボタボタと刀からは体を仰け反らせている女の血が滴り落ちている。
(あれが、悪魔……なの……?)
悪魔というと、ティファニアも目にしたあのおぞましい姿ばかりなのかと思ったのに、今スパーダが貫いている悪魔は息を呑んでしまいそうに美しい姿をしていた。
その妖しい美貌を持つものであろうと、スパーダは容赦なくその身を手にする剣で貫いている。
悪魔を睨みつけるスパーダの表情は、一見するとどんな感情を抱いているのか窺うことができない。
だが、ティファニアは察していた。スパーダは……怒っている。
あれだけ自分に優しく接して父性を見せてくれた人が、今まさに悪魔らしい冷酷な姿を見せていることにティファニアは思わず恐怖を感じてしまった。
(大丈夫……。スパーダさんは、悪魔なんかじゃない……)
緊張で高鳴る胸を押さえ、ティファニアは店内へと足を踏み入れていた。

「ふふ、ふっ……。やっぱり、スパーダはスパーダね……。何一つ変わってないわ……」
その身を閻魔刀で刺し貫かれているにも関わらず、ネヴァンは妖しく笑いながら呟いて体を起こしスパーダの背と首に手を回していた。
スパーダはネヴァンを抱こうとはせず、閻魔刀を握る手を離さない。
「いいわ……。また一緒に付き合ってあげる……。これからも刺激を味わい合いましょう……ダーリン」
そう呟き、ネヴァンはスパーダの首を擦るとその頬にそっと口付けをした。
ネヴァンの体は雷光と共に眩い光に包まれ、消え去った。
代わりにスパーダの腕に抱えられていたのは、一振りの装飾を施された大鎌だった。
およそ140サントほどの長さで、鎌というだけあってその先端には鋭く弧を描く刃は備えられている。

〝電刃ネヴァン〟

上級悪魔ネヴァンの魂が肉体と共に姿を変えた魔具の一つであった。
スパーダがネヴァンの大鎌をじっと見つめて細く溜め息を吐くと、その手の中で淡い光に包まれながら小さくなっていく。
小さな光球へと姿を変えたネヴァンはそのまま透けるようにして消え、スパーダの魔力の一部となっていた。

(スパーダさんの、知り合い……?)
ティファニアはずいぶんとスパーダと親しげにしていたあの悪魔が鎌に変わってしまった光景に呆気にとられていた。
「付いてきたのか。もう終わったがな」
「あ、あの……ごめんなさい」
閻魔刀を鞘に収めつつ振り向いてきたスパーダにティファニアは思わず謝ってしまう。
「構わん。気にするな」
特に責めることもせず、スパーダは急いで舞台の方へと駆けていった。
「……ルイズさん!」
ティファニアは舞台の上で倒れているルイズの姿を目の当たりにすると、自分も思わず舞台へと駆け上がって行った。
全身を焼き焦がされたルイズの凄惨な姿に、悲痛な顔を浮かべる。
スパーダはルイズの体を抱え上げ、その顔に耳を近づけ、胸に手を触れた。
(呼吸が止まっている)
それどころか心臓さえも止まってしまっていることにスパーダは深刻そうに顔を顰めた。
バイタルスターは持ってきてはいるものの、これでは体の傷を治すことはできても助かる可能性は著しく低い。
肉体の外傷は治せても、蘇生させることはできないのだ。
「Damn it!(くそっ!)」
拳を床に思い切り叩き付け、スパーダは呻いた。


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