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シベリアトラ
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asaahingaeaw
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捕食対象はイノシシ、アカシカ、ノロジカ、ジャコウジカ、ヘラジカ、ツキノワグマ、ヒグマなど。狩りは待ち伏せ型で、背丈の高い草や、低木や灌木のような場所に身を潜めて獲物が通りかかるのを待ち、獲物が間合いに近付いた際に襲いかかる。狩りの成功率は高くはなく、20%以下だといわれ、ヒグマ相手の場合では、失敗したら深傷を負ったり、逆に殺されたりするリスクも伴う。キジ科やカモ科などの大型鳥類、水辺ではカワカマスやソウギョのような大型魚類を狙うこともある。
夏場は水辺を好み、そこで水浴びや泳いで体温を下げたり、寄生虫や吸血昆虫から身を守ったりする。冬場は雪と林の中に紛れて獲物を待ち伏せる。メスは自分の夫となるオスの隣接する縄張り部分を住処とし、オスは単独生活で付かず離れずで妻と子供を守り、子育てはもっぱらメスだけが行う。オスは自分の子供には寛容だが、他の個体や、その子供には容赦なく攻撃し、殺してしまうこともある。これはメスにも度々起こるが、メスは体格差からオスとの争いは避ける傾向にある。
子供が成長して独り立ちするのに約2年かかる。子離れはベンガルトラと同様にメスの方が早い。成獣は人間以外に天敵は殆どいないが、獲物を競合する関係では、タイリクオオカミやアムールヒョウがいる。飼育下での寿命は約15〜20年。近年、アムールトラの個体数は500頭程度にまで落ち込んでいると推測され絶滅が危惧されている。一時期は自然破壊のために絶滅寸前まで追い込まれていたものの、冷戦終結後にアメリカ合衆国を中心とした西側諸国の動物保護団体による保護活動が進み生息環境も改善されつつあるため、徐々にではあるが個体数は回復傾向にある。しかし、今度は逆にアムールトラの生息域拡大が、アムールヒョウを脅かすという事態も起きており、新たな課題となっている。
また、後述するような、人間の自然開発による人里への接近や、人や家畜を襲う事件もまた、昔から避けられない無視出来ない問題である。