23話 BRANCH ROAD
山を下りた
劉恵晶は森の中にいた。
長時間山道を歩いて流石に疲れたので、適当な樹木の根元に座り休息していた。
「〈……今何時かな〉」
時計を取り出し時刻を確認する。
午前3時45分。
この殺し合いが始まってから3時間45分経過したと言う意味にもなる。
この時間の経過を「まだ」と取るか「もう」と取るかは人それぞれだろうが、恵晶は「もう」を選ぶ。
「〈もう3時間45分、か……どれだけ死んでるんだろう〉」
どのくらいこの殺し合いを「やる気」になっている者がいるかは不明だが、
それなりの数の死者が出ている事だろう。
自分はあの山岳地帯で一人の参加者を死に追い込んだが、
それ以降は現在に至るまで誰とも会っていない。
「〈まあ会ったら会ったで、武器「譲って」貰うか、「寝て」貰うかなんだけど……〉」
そう思いながら恵晶はふぅと息を吐き、無理矢理寛ぐ。
◆◆◆
バーテンダーの男、
七塚史雄は疲れていた。
殺し合いが始まって3時間45分程。
一応、今の所誰にも襲われていないが、様々な所を歩いていたせいで、
足が棒のようになっていた。
「もう嫌だ、動けん。無理。しばらく休もう」
樹木の根元に座り込む史雄。
傍に自分のデイパックと支給武器である自動拳銃、
ノリンコNP-40を置く。
このノリンコNP-40は、チェコスロヴァキア製の自動拳銃、Cz85の使用弾薬を、
.40S&W弾に変更した上でコピーした物である。
「誰もいないよな……?」
一応周囲を警戒するが、まだ暗く、数十メートル先に誰かがいても分かり難い状況。
それでも人工的な物音はしない(と判断した)ので、
恐らく周囲には誰もいないと、史雄は判断を付ける。
不安ではあったが。
「……」
何にせよ、足に疲労が蓄積し切っており、動けそうに無い。
襲われたら、手元にある拳銃で応戦するしか無いだろう。
安全装置は外してありいつでも撃てる状態にしてある。
暴発の危険も孕んでいたが史雄はそこまで考えてはいなかった。
空を見上げると、少しずつではあるが白んできているのが見えた。
【黎明/D-4/森】
【劉恵晶】
[状態]疲労(大)
[装備]S&W M1(5/7)
[持物]基本支給品一式、.22ショート弾(14)、S&W M2(6/6)、.32リムファイア弾(12)
[思考]1:自分が生き残る事を優先する。
2:弱そうな参加者は脅して装備を奪うか、場合によっては殺害してしまおう。
[備考]※七塚史雄から離れた場所にいます。
【黎明/D-4/森】
【七塚史雄】
[状態]疲労(大)
[装備]ノリンコNP-40(10/10)
[持物]基本支給品一式、ノリンコNP-40の弾倉(3)
[思考]1:死にたくない。
2:足の疲れが取れるまで休みたい。
3:殺し合いに乗っている奴とは会いたくない。
[備考]※劉恵晶から離れた場所にいます。
《参加者紹介》
【名前】七塚史雄(ななつか ふみお)
【年齢】27歳
【性別】男
【職業】バーテンダー
【性格】善人ではあるが、テンパり癖がやや酷い
【身体的特徴】金髪(自毛)、切れ目のイケメン。中肉中背
【服装】バーテンダーの服
【趣味】釣り
【特技】カクテル作り
【経歴】中学、高校と陸上部に所属していた
【備考】彼女はいるが結婚話までは行っていない模様。
陸上部に所属していたためか走るのが早い(とは言っても常人より少し早いレベル)
最終更新:2013年10月20日 21:45