サフォー「ついに私は神の体を手に入れた」
メハネス・セオスから聞こえるサフォーの声。
ディック「まさかサフォーなのか?」
サフォー「そうだ。
ニコロの肉体は滅び、私の魂は神の器へと受け入れられた」
結利「そんなことありえるの!?」
きゅっぱ「いくらあいつの力が体を乗り移れるものだとしても人間外にまで使えるとは…」
にろく「人知を超えた能力…」
サフォー「メハネス・セオスに搭載した因子の力。それが私の能力を極限まで高める」
十也「因子の力?」
サフォー「そう。私の持つ『慈愛の嫉魚(じあいのしつぎょ)』が私が神となることを可能とした」
アポロン「起源の
オリジンが言っていた太極の因子というものか」
サフォー「数百年の年月を重ね私は積年の思いを今果たす。私こそが地縛神。神の力を行使するもの」
もうサフォーの耳にはアポロンたちの声は届いてはいない。
サフォー「この地に迫害された地縛民の歴史はここで終わる。」
キュィン!
メハネス・セオスの目が光る。
ボコボコボコ!!
地縛民たちの体を地面から生えた石が包んでいく。次第に石鬼へと姿を変える地縛民たち。
ウルズ「地縛民たちが!」
キノ「石鬼へと変わった!」
アポロン「これも地縛神とやらの力か」
サフォー「いでよ神の従者」
ゴゴゴゴ!!
ツバメ「なに!?」
ドゴン!
地面を突き破り現れたのは…
カルマート・カラン「…」
カルマート・アニマ「…」
カルマート・アマービレ「…」
アポロン「征獣か」
サフォー「地縛征獣と私が民と共にこの世界のすべての武力を消滅させる。神による絶対平和を…恒久の安らぎをこの星にもたらしましょう」
昴「それがこいつの目的?」
ゲイン「そんなことができると思っているのか?」
サフォー「神の力は絶対。不可能などありはしません」
バッ!
メハネス・セオスが両手を組む。
サフォー「『プリオミーレ』」
バッ!
両掌を開き十也たちへ向けるメハネス・セオス。
バシュン!
その十本の指から無数の光が放たれる。
ドドドド!!
大地を破壊し、十也たちへ放たれる光。
十也「うわぁぁ!!」
激しい光が当たりを包み込む。
~~
十也「うっ…」
シャカイナの搭からだいぶ吹き飛ばされた位置で目を覚ます十也たち。
サフォー「これが神の力」
サフォーの声が当たりに響く。
ボコボコ!!
地面から無数の石鬼が出現する。その数は数千はくだらないほどだ。
ディック「数が違いすぎる!」
リョウガ「あいつのちからがこれほどとはな」
結利「それにあの地縛神もとんでもない力だよ」
にろく「さすがに今回ばかりは分が悪いな」
きゅっぱ「あたしたちだけでこれだけの敵を抜けてあの地縛神と戦うのは不可能ってもんだね」
昴「どうするんだい?」
エミス「僕たちでこれだけの敵に勝てるんでしょうか…」
圧倒的な戦力差に絶望する一同。
アポロン「この数の石鬼たちと征獣を抜け、地縛神のもとへたどり着くのも容易ではない」
キノ「引くしかない…のかな」
ゲイン「命あってのものだねだ(へレティス6…)」
十也「それでもあきらめるわけには…」
ウルズ「じゃあどうするんだ?根性論だけでは勝てる相手ではないぞ」
十也「くそっ…」
十也にはいい案が思い浮かばない。この状況を打開するにはどうすれば…
ツバメ「くっ…まだなの…」
石鬼「がぉぉ!!」
石鬼たちが十也たちに襲い掛かる。
十也「どうしようも…ないのか」
バシュン!
石鬼「ぎゃ!」
石鬼が吹き飛ばされる。
バシュン!バシュン!
次々と放たれる銃弾に吹き飛ばされていく石鬼たち。
ツバメ「来たのね!」
十也「なにが?」
カレン「またせたな!」
十也たちが後ろを見るとそこには…。
カレン「Earth Guardians Order(アース・ガーディアンズ・オーダー)。ただいま参上だ!」
結利「カレン長官!?」
カレンを始めとしたEGOの部隊がそこにはいた。
ツバメ「なんとか間に合ったってとこかしら」
カレン「あぁ。ツバメの連絡のおかげだ。こちらは部隊を再編して持てる全戦力を投入した。臨時部隊長として私カレン・ネティスが指揮を執る!各員!敵は石鬼とそれを操る地縛神だ!全力で奴らを叩け!」
EGO隊員たち「はい!!」
ババババ!!
石鬼たちと戦闘に入るEGO隊員たち。
十也「カレン長官!」
カレン「我々EGOもこの戦いを援護する。十也!お前たちはあの地縛神とかいうやつを叩け!その道は私たちが切り開く!」
ゲイン「だが敵もそう軟(やわ)ではないぞ」
カレン「私が言ったことを忘れたか。持てる全戦力といっただろう」
にろく「ということは?」
カレンの背後にある大型トレーラーに目をやるにろく。
カレン「彼女たちも来ている」
~トレーラー~
マードック「全スパーダユニット、着装!」
ガキン!ガキン!
各員に駆動鎧のアーマーが装着されていく。
マードック「全駆動鎧。異常なし」
リオル「スパーダ5(ファイブ)。どうかしら?」
ヴァイス「おっけー!全然問題ないわ」
リオル「では全スパーダ!出撃!」
モニカ「スパーダ1。ラピッド・コニリアでます!」
リヴァーレ「スパーダ3。シェリング・マーノ出撃する!」
ボルドー「スパーダ4。ソルダート・プーニョ出るぞ」
レイジ「スパーダ2カスタム。リベルタ出る!」
ヴァイス「スパーダ5。ニーヴェ・ティーロ行きます!」
~~
バシュッ!
大型トレーラーから発進する5体の駆動鎧。
十也「あれはモニカさんたちか!」
モニカ「各スパーダユニット。石鬼たちとの戦闘に入ります」
リオル「戦況の把握はこちらで行います。モニカ長官たちは戦闘に集中を」
モニカ「了解しました。では各員!散開!」
バッ!
それぞれに石鬼たちと戦闘に入るスパーダシリーズ。
結利「これならいけるかも!」
石鬼「がぉぉ!!」
結利に襲い掛かる石鬼。
十也「結利!」
「朱雀天翔拳!」
ゴォォォ!!
巨大な炎の翼が石鬼を燃えつくす。
十也「あなたは!」
龍静(ロンジン)「久しぶりだな十也」
カレン「モゴラ大陸から応援に来てもらった。少しでも戦力は多いほうがいいからな」
結利「ありがとう」
龍静「礼には及ばん。僕は僕のすべきことを成しただけだ。では」
構えをとる龍静。
龍静「君たちの道を切り開く!」
右手の指2本を立てて印を結ぶ龍静。
龍静「臨(りん)・兵(びょう)・闘(とう)・者(しゃ)・ 皆(かい)・陣(じん)・列(れつ)・前(ぜん)・行(ぎょう)!!」
バシュゥゥ!!
龍静の体を覆うように炎が沸き立つ。
龍静「六壬秘呪(りくじんひじゅ)・天神昇華(てんじんしょうか)!!」
龍静の体を炎が包み込む。
龍静「黄龍爆拳(おうりゅうぼうけん)!!」
ドゴォォォ!!
龍静の手から放たれた炎が龍の形を成し、石鬼たちを燃えつくしていく。
昴「す、すごい」
炎の龍が通った後は石鬼たちが消し去り、
シャカイナの搭へと向かう一本道ができる。
龍静「いけ十也!」
十也「あぁ!いくぞみんな!」
龍静が切り開いた道を十也たちはシャカイナの搭へと進んでいくのであった。
龍静「僕は他の隊員たちの援護に入る」
カレン「頼む」
石鬼たちとの戦闘に入る龍静。
カレン「さて…」
眼前には無数の石鬼。
カレン「これだけの数…十也たちが地縛神を倒すまで私たちで耐えきることができるか」
いくらEGOの現戦力をすべて投入したといっても敵の数は数千。戦力差はあまりに大きい。
「カレンさんらしくないな」
何者かがカレンの元に現れる。
カレン「おまえたちは!」
「おまたせしました。僕たちも戦線に加わります」
「十也たちは先に行ったみたいだな。俺たちも急ぐぞ」
カレン「国のほうは大丈夫なのか?」
「石鬼も消滅して問題ないさ。あとこんな事態だからな。うちのほうからも増援を呼んできた」
「あのふたりならもう戦線に加わってると思います。なんでもEGOにやられた分の鬱憤をここで晴らしてやるとか…」
カレン「そ、そうか。そいつらはたった二人で大丈夫なのか」
「はい!なんていっても今日は…」
空を見上げる二人。
「あいつにとって最強の日だからな!ってわけで俺たちも十也たちを追うぞ」
「はい!」
2人は十也たちの後を追うように先へとと進んでいった。
カレン「彼らも来てくれたか。あとは…」
バシュン!
カレンの眼前に突如現れる3人。
カレン「おわっ!」
「すいません。おどろかせてしまいましたね。転移魔導を使うときは場所を正確に使わないと」
「申し訳ないです!」
「国の石鬼たちが消えたとおもったらこっちはだいぶ大変なことになってるみたいだな」
カレン「いや来てくれたことに感謝だ。ツバメからの連絡か?」
「はい。この事態を予測していたみたいで事前に連絡をもらっていました」
「そうなんです。早めに連絡をもらったおかげでいろいろと準備ができたんですよね!」
カレン「準備か」
「モゴラ大陸の各所を回って助力を得てきました。彼らももう戦場に到着していると思います」
「転移魔導を使いまくって私はへろへろです~」
「俺もあいつらと連絡を取ることになるとはな…まぁこんな事態じゃ仕方がないな」
カレン「お前たちはどう動く?」
「
にろくたちと合流します。あの巨大な石像を倒すのに戦力は多いほうがいいでしょうから」
カレン「わかった。たのむぞ」
「はい」
「いきましょう!」
「おっしゃー!燃えるぜ!」
3人は先へと進んでいった。
カレン「これで役者はそろった!」
コォォォ!!
カレンの周囲の空気が冷気を帯びる。
バキバキバキバキ!!
カレンの背後の地面から無数の氷の壁が出現する。それは国境線のように大地を遮るように展開される。
カレン「ここが最終防衛線だ。ここから先は通さない。私とEGOが命に代えてもな!」
地縛神メハネス・セオスとその従者たちとの最終決戦。その火蓋は今切って落とされた。
十也たちは地縛神を倒すことができるのか。この星の未来はこの戦いにかかっている。
顕現した神とそれに抗う人類。その構図は数百年前のシャカイナとの戦いを想起させる戦い。
始まりの戦いの再現が今始まる。
to be continued
最終更新:2020年04月25日 20:25