「ああ、行っちゃった……」
「おい、泣いてたぜ、あの子」
「ふん、思い通りならないからって、癇癪起して。子供はこれだから嫌だよね」
「……神山、いくら何でもそれは無いと思うぞ」
「なんだよ、林田君。僕はただ子供に現実というものを教えてやっただけだよ」
「それにしたって、言い方ってもんがあるだろう。どうしたんだ、お前らしくない」
「そうだな、今日のお前はおかしいぞ」
「な、何だよ、皆して。全く、面白くないな……オヤジさん、お酒!もっと
強い酒を持って来て!」
「へい、ただいま!」
「おい、おい、まだ飲むのかよ。いい加減にしとけよ」
「そうだぜ、飲み過ぎは体に毒だぞ。あと、いい加減、俺のカツラ返せ」
「もう、皆、うるさいなあ……オヤジさん、お酒まだ?」
「へい!今、お持ちします。はい、どうぞ!」
「お、来た来た」
「いや~、すいませんね。ウチのバイトがお騒がせしちゃって」
「まったくだよ、ちゃんと教育しておいてよ」
「はい、注意しておきます……でも、あの子も可哀想な奴なんですよ。
いやね、あいつは両親を早くに亡くしまして、ずっと祖父に育てられていたんです。その
祖父ってのがどうやら日本人らしく、何でも桜の花を見たいという理由で水を引いて
オアシスを作ったようなんですわ。おそらく、赤ん坊の頃から、ずっとサムライの話を
聞かせられてたのでしょうなあ。それで、お客さんにあんなことを……」
「そんな理由があったのか……」
「桜の花を見るためにわざわざオアシスを作るとは恐れ入るな。で、その
おじいさんとやらは?」
「つい最近に亡くなりました。あの子にとっちゃ、あのオアシスや桜の樹は
形見代わりなんでしょう。しかし、オアシスを守ろうにも周りの人間は皆、
買収されて、あの子一人ではどうにも……。今ではガラの悪い連中に毎日、
立ち退きを迫られている始末です」
「むう、弱肉強食が世のならいとは言え、やりきれん話だ……」
「ですね。あんな小さな子なのに……」
「オイ、オイ、どうしたの、辛気臭いな。いくら可哀想でも僕らが責任感じる話
じゃないでしょ」
「まあ、それはそうなんだけどさ……」
「おい、泣いてたぜ、あの子」
「ふん、思い通りならないからって、癇癪起して。子供はこれだから嫌だよね」
「……神山、いくら何でもそれは無いと思うぞ」
「なんだよ、林田君。僕はただ子供に現実というものを教えてやっただけだよ」
「それにしたって、言い方ってもんがあるだろう。どうしたんだ、お前らしくない」
「そうだな、今日のお前はおかしいぞ」
「な、何だよ、皆して。全く、面白くないな……オヤジさん、お酒!もっと
強い酒を持って来て!」
「へい、ただいま!」
「おい、おい、まだ飲むのかよ。いい加減にしとけよ」
「そうだぜ、飲み過ぎは体に毒だぞ。あと、いい加減、俺のカツラ返せ」
「もう、皆、うるさいなあ……オヤジさん、お酒まだ?」
「へい!今、お持ちします。はい、どうぞ!」
「お、来た来た」
「いや~、すいませんね。ウチのバイトがお騒がせしちゃって」
「まったくだよ、ちゃんと教育しておいてよ」
「はい、注意しておきます……でも、あの子も可哀想な奴なんですよ。
いやね、あいつは両親を早くに亡くしまして、ずっと祖父に育てられていたんです。その
祖父ってのがどうやら日本人らしく、何でも桜の花を見たいという理由で水を引いて
オアシスを作ったようなんですわ。おそらく、赤ん坊の頃から、ずっとサムライの話を
聞かせられてたのでしょうなあ。それで、お客さんにあんなことを……」
「そんな理由があったのか……」
「桜の花を見るためにわざわざオアシスを作るとは恐れ入るな。で、その
おじいさんとやらは?」
「つい最近に亡くなりました。あの子にとっちゃ、あのオアシスや桜の樹は
形見代わりなんでしょう。しかし、オアシスを守ろうにも周りの人間は皆、
買収されて、あの子一人ではどうにも……。今ではガラの悪い連中に毎日、
立ち退きを迫られている始末です」
「むう、弱肉強食が世のならいとは言え、やりきれん話だ……」
「ですね。あんな小さな子なのに……」
「オイ、オイ、どうしたの、辛気臭いな。いくら可哀想でも僕らが責任感じる話
じゃないでしょ」
「まあ、それはそうなんだけどさ……」
プルルルルル
「お、何だ?メカ沢から音が出てるぞ」
「ガチャン、はい、もしもし……うん、うん……あ、そうなのか。分かったぜ。
皆、メカ沢βから連絡だ。なんでも俺らは手違いで京都とは違う駅に着いて
しまったらしい。状況を把握次第、発車する予定だから、皆、新幹線に戻れとさ」
「ああ、分かったぜ……しかし、一体、何をどう間違ったら、京都行きの新幹線が
砂漠に漂着するんだ?」
「なんかな、俺らの新幹線は国外逃亡を目論んだ逃亡犯にトレインジャックされて
いたらしいぞ」
「え、マジで?全然気付かなかった……しかし、どうやって電車で砂漠まで?」
「知らん。まあ、『線路は続くよ、どこまでも』と歌にもあるからな、ノリで
来れちゃったんだろ」
「いや、いくらなんでも無理あるだろ、それ……」
「まあ、何にしても、ここでクダを巻いていてちゃ仕方ないしな。さっさと
戻るとするか」
「ああ、そうしようぜ。おい、神山、行くぞ」
「…………………………ウィ~」
「神山ってば!」
「……ヒック……僕のことは放っておいてくれないか」
「あ?一体、何だってんだよ。今日のお前は本当におかしいぜ」
「……フン、僕だってお酒を飲んでいたいときもあるさ。お気楽な不良さんには
分からないだろうけど」
「何だよ、その言い草は。ああ、そうかよ。だったら一人で好きなだけ飲んで
たらいい。おい、皆、行くぞ!」
「いいのか、あいつ一人、置いていって?」
「俺の知ったことか!放って置けよ」
「……神山、出来るだけ早く帰ってこいよ」
「ウム、皆、待ってるからな。ガチャン、カランカラン……」
「…………………………」
「…………………………」
「ガチャン、はい、もしもし……うん、うん……あ、そうなのか。分かったぜ。
皆、メカ沢βから連絡だ。なんでも俺らは手違いで京都とは違う駅に着いて
しまったらしい。状況を把握次第、発車する予定だから、皆、新幹線に戻れとさ」
「ああ、分かったぜ……しかし、一体、何をどう間違ったら、京都行きの新幹線が
砂漠に漂着するんだ?」
「なんかな、俺らの新幹線は国外逃亡を目論んだ逃亡犯にトレインジャックされて
いたらしいぞ」
「え、マジで?全然気付かなかった……しかし、どうやって電車で砂漠まで?」
「知らん。まあ、『線路は続くよ、どこまでも』と歌にもあるからな、ノリで
来れちゃったんだろ」
「いや、いくらなんでも無理あるだろ、それ……」
「まあ、何にしても、ここでクダを巻いていてちゃ仕方ないしな。さっさと
戻るとするか」
「ああ、そうしようぜ。おい、神山、行くぞ」
「…………………………ウィ~」
「神山ってば!」
「……ヒック……僕のことは放っておいてくれないか」
「あ?一体、何だってんだよ。今日のお前は本当におかしいぜ」
「……フン、僕だってお酒を飲んでいたいときもあるさ。お気楽な不良さんには
分からないだろうけど」
「何だよ、その言い草は。ああ、そうかよ。だったら一人で好きなだけ飲んで
たらいい。おい、皆、行くぞ!」
「いいのか、あいつ一人、置いていって?」
「俺の知ったことか!放って置けよ」
「……神山、出来るだけ早く帰ってこいよ」
「ウム、皆、待ってるからな。ガチャン、カランカラン……」
「…………………………」
「…………………………」
~BGM~
♪Baby, do you understand me now
Sometimes I feel a little mad
Well don't you know that no-one alive
Can always be an angel
When things go wrong I seem to be bad
I'm just a soul who's intentions are good
Oh Lord, please don't let me be misunderstood
「…………………………」
「…………………………」
「……ウップ……お酒って……まずいな」
「そりゃ、初めての酒はまずいさ」
「林田君……!」
「おまけに一人で陰気に飲んでれば、悪酔いするのも当然だ」
「……何で戻ってきたの?」
「おっと、勘違いするなよ。俺はただカツラを返してもらうために戻ってきた
だけだ。悪酔いしたダチとウダウダやる趣味はねえ」
「そう……」
「まあ、たまには落ち込んで飲むのも悪かねえけどな。適当にしておけよ」
♪Baby, do you understand me now
Sometimes I feel a little mad
Well don't you know that no-one alive
Can always be an angel
When things go wrong I seem to be bad
I'm just a soul who's intentions are good
Oh Lord, please don't let me be misunderstood
「…………………………」
「…………………………」
「……ウップ……お酒って……まずいな」
「そりゃ、初めての酒はまずいさ」
「林田君……!」
「おまけに一人で陰気に飲んでれば、悪酔いするのも当然だ」
「……何で戻ってきたの?」
「おっと、勘違いするなよ。俺はただカツラを返してもらうために戻ってきた
だけだ。悪酔いしたダチとウダウダやる趣味はねえ」
「そう……」
「まあ、たまには落ち込んで飲むのも悪かねえけどな。適当にしておけよ」
『~♪I'm just a soul who's intentions are good
Oh Lord, please don't let me be misunderstood」
Oh Lord, please don't let me be misunderstood」
「お、アニマルズが流れているなんて、砂漠の店にしちゃ、気が利いているぜ。
『私は善良なだけの人。どうか、誤解しないで』か……」
「……何かの皮肉かい?」
「ハ、そんなつもりはねえ。ただ、もし、お前がいらついているのなら、
溜め込むのはもう止めにしとけばいいのにな、と思ってな」
「…………………………」
「なあ、いい加減吐いちまえよ。俺なんかが相手でも、ちっとは楽になるぞ。
少なくとも酒に逃げるよりはマシなはずだ」
「……うん、ありがとう。悪いね、林田君」
「まあ、いいってことよ。気にするな」
「じゃあ、お言葉に甘えて……ウッゲェェェェェェェ」
「え!?」
『私は善良なだけの人。どうか、誤解しないで』か……」
「……何かの皮肉かい?」
「ハ、そんなつもりはねえ。ただ、もし、お前がいらついているのなら、
溜め込むのはもう止めにしとけばいいのにな、と思ってな」
「…………………………」
「なあ、いい加減吐いちまえよ。俺なんかが相手でも、ちっとは楽になるぞ。
少なくとも酒に逃げるよりはマシなはずだ」
「……うん、ありがとう。悪いね、林田君」
「まあ、いいってことよ。気にするな」
「じゃあ、お言葉に甘えて……ウッゲェェェェェェェ」
「え!?」