バトルROワイアル@Wiki

2-280

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280. 迷走 [3日目午前]

「ふはは、俺様復・活!」
眼を覚ました♂プリはとりあえず大見得を切りながら登場してみた。
自他共に認める悪人顔の彼を治療してくれたのだ。そこで戦ってるのはきっと知り合いに違いない。
仲間の危機に颯爽と登場。俺様かっちょいー。
などと妄想していたのだが。
そこにいたのは♀マジに♀アコ、♂スパノビと逃げてゆく♀アルケミ。
全部知らない顔だった。
「・・・えーと。お前ら、誰?」
さすがにちょっと恥ずかしくなって頬をかきながらたずねたりしてみる。
もっとも答えが返ってくるとはあんまり期待してなかった。
「それどころじゃないっ!手伝えーっ!」
「むぐ~~~~~~っ!!」
♀アルケミを諦めた♀アコが♂スパノビの腕を引っぱりながら怒鳴り、顔を上げられない♀マジは地面をバンバン叩いて抗議する。
「ま、そうだよな」
なんとなく納得しながら彼は三人に歩み寄った。
♀アコの反対側から♂スパノビの肩を押し、♀マジの上からどけようとする。
「うお。なんだ?えらい馬鹿力だな」
♂スパノビの体はびくともしなかった。
いくら本調子ではないと言っても殴りアコプリ2人がかり(プラス♂スパノビの靴に噛み付いて引っ張る子デザ)で動かすこともできないというのは相当に非常識な力だ。
「図体もでけえし、巨人族の血でも引いてんのかね」
「のん気なこと言ってないで、もっとが・ん・ば・れーっ!」
思わずつぶやいた彼を、♀アコは顔を真っ赤にして力を振り絞りながら非難する。
だが♂プリは♂スパノビから手を離して一歩下がった。
「ちょっと!」
「まー言いたいことは分かるがちょっとまて。こういうときはな」
抗議する♀アコにニヤリと笑って見せて♂スパノビの正面へ回った。
そして軽い掛け声一発。
「おらよっと」
♂スパノビのひじの内側、やや上の辺りを思い切り蹴り上げた。
曲がる方向へ力を加えられた関節がカクンと折れる。
突っ張っていた腕を曲げられて♂スパノビのバランスが崩れた。そうなってはさすがに♀アコの力に抵抗しきれない。
♂スパノビの巨体が横倒しになり、その下から♀マジが這い出した。
「っぷは~っ、鼻が潰れるかと思った」
「そこかよ」
「随分余裕じゃない」
♂プリと♀アコは思わずツッコむ。
「だってさ、ボクの鼻がぺちゃんこになったら世界の損失じゃないか」
地面に押し付けられてよほど痛かったのか、♀マジは赤くなった鼻をさする。
♀アコはジト目を向けた。
「つぶれるほど高くないでしょ」
「キミよりは高い!ってどこ見ながら言ってんだよっ」
「胸」
「ソコの話はしてないっ!」
「・・・あー、ちょっといいか」
救出が終わった途端口げんかを始めた少女達に頭痛を覚えながら♂プリは仲裁に入った。
なんだかこの島に来て以来こんな役ばっかりの気がする。
「とりあえずお前らとこいつが何者か教えてくれ」
彼はそう言って♂スパノビを見下ろした。
♀アルケミが無事逃げ切ったと確認したためか、♂スパノビは倒れたままそれ以上暴れる様子を見せずにおとなしくしていた。
ただし今度は♂プリと♀アコの足首をしっかり握っていたりする。
「んーとあたしはカピトーリナ修道院行こうとしたら、白服の奴に今すぐモンクになる方法があるって誘われて」
「ソレ信じたのかキミ。て言うかどっから説明する気だよ」
島に来たところから自己紹介を始めようとする♀アコを相方が止める。
「んじゃお願い。あたし説明って苦手」
「キミね」
あっさり投げ出した相棒に呆れ顔を見せつつも♀マジは♂プリに向きなおった。
「・・・このおつむの鍛え方が不足してる子が♀アコ、ボクは♀マジ。とりあえずキミの敵じゃない。んで逃げてったのが♀アルケミでボク達をだまそうとした敵。こいつはそのツレで♂スパノビ」
「む。あたしの頭突きは結構効くのに」
「・・・なるほどな」
ぶつぶつ言う♀アコをちらりと見た♂プリは妙に納得顔でうなずく。
「けどよ、どうして俺が敵じゃないって分かった?正直俺のツラ見たら身構えるか逃げるかする奴の方が多いんだが」
「さっきまでキミの仲間が居たからだよ」
「仲間?」
オウム返しに聞き返したとき背後から足音が近付いてきた。
素早く向き直ろうとするが♂スパノビに足首をしっかり握られたままではうまく行かない。
「ちょ、おいコラ放せ」
慌てていると足音の方向、つまりは彼の背後を♀マジがひょいと覗いて
「噂をすれば帰ってきたみたい」
安心したように手を振った。
「帰ってきた?」
「だからキミの仲間」
♀マジのセリフに背後からハスキーな声が続けた。
「♂セージさんはまだですけどね」
やっと知り合いの名が出た、と♂プリは警戒を解く。
足首をつかんでいた♂スパノビの力もなぜかゆるみ、新たな人物を茫洋とした目で見つめる。
♂プリは不思議に思いながらも振り返り、そして想像もしてなかった美人を見つけて驚いた。
「あんたは?」
「淫徒プリと申します。あなたのあとで仲間に加えていただきました」
「そ、そうか。よろしくな」
淫徒プリが微笑みながら会釈すると彼は実に嬉しそうに挨拶を返した。
♀マジたちに対するのとは明らかに態度が違う。
美人と見て精一杯の笑顔を作った・・・のだが彼の場合それがかなりコワい。
「よ、よろしく」
淫徒プリの腰が引ける。
それを押しのけるようにしてサングラスを掛けた少女が早口に問いただした。
「そんなことよりっ。♀アルケミどーした?」
「逃げられた」
「追い払ったよ」
♀マジと♀アコはそれぞれの表現で答える。
悪ケミは、あちゃーとでも言いたげに天を仰いだ。
「やっぱりやっちゃったか」
「犠牲者が出てないだけよしとするべきでしょう」
とりなすように淫徒プリが言った。
思いがけない反応に♀マジ達は不思議そうな顔をする。
「何かまずかった?」
「さっきのお菓子、毒は入ってなかったんだって」
「ええっ!?」
♀アコは驚きの声を上げて問題の♀商人を探す。
そして首をかしげた。
「じゃあ、あの子どうしたの?いないけど」

◇◇◇◇

♀商人はいつしか♂セージ達のあとを追っていた。
♀アルケミ達のところへ戻らなくちゃいけないとは思う。でもそれはあまりに怖かった。
そう。ただ怖かったのだ。
♂セージが行ってしまった時から。
不安と恐怖はこの島に送られてからずっとつきまとっていた。
当たり前だ。何の覚悟もなしにこんな場所へ送り込まれたのだから。
だけど♂セージと一緒にいる間はそれを忘れていられた。
彼はいつでも道を示してくれたから。
彼はいつでもマイペースを崩さなかったから。
その♂セージがいなくなって、不安に襲われてみて初めてどれほど頼っていたかが分かった。
もちろん彼はそうした方が安全だと思うからこそ置いていったのだろう。
でも。
♂セージは言っていた。
♀アルケミの行動には少々疑問がある。と。
具体的に聞く時間はなかったけど、♀マジや♂モンクも同意してるようだった。
その二人にしても♀アルケミをパピヨンからかばっていた。グルじゃない保証はない。
一度疑いだすと疑念はどんどんふくれあがり、しまいには淫徒プリまで信じられなくなってきた。
不安を打ち消すには敵味方をはっきりさせるしかなかった。
そして毒に当たったふりをすることを思いついた。
そうすれば全部解決する気がした。
少なくとも怪しいお菓子は食べないで済むし、みんなの反応を見ればたぶん誰が敵で誰が味方か分かる。敵だらけならそのまま♂セージが戻ってくるまで死んだ振りしてればいい。
それにどう転んでも♀アルケミとは別れることになる。
彼女が悪人だとはっきりすれば追い払うことになるし、そうじゃなければ気まずくなって別れることになるはずだから。
どっちにしても不安を抱えたまま一緒にいなくてすむ。
それはとてもいい思いつきに思えた。
うまく行ったときどういうことになるか、きちんと考える余裕などなかった。
悪ケミが自分を助けようと必死になり、♀アルケミが本気で驚いた顔を見せたときになってやっと自分のしたことに気が付いた。
それがどれほど卑怯でひどいことだったか。
どうしてと聞かれても説明なんてできるはずがなかった。

思い悩みながらとぼとぼ歩む♀商人はやがて異様な叫び声を耳にした。
びくりと身をすくませ、あたりを見回す。
息を殺して耳を澄ますと騒々しい気配を感じた。
戦いの気配。
♂セージが戦っているのだろうか。
そう思っても足は進まない。
違ったらどうしよう。
違わなくても今出て行けば邪魔になるかもしれない。
してしまったばかりの失敗の記憶が体を縛る。
どうしよう。
進むか引くか迷っていると足音が近付いてきた。
息を殺していなければ気付かなかったかもしれないほど静かな足音。
下生えを踏み分ける音も、風に茂みのざわめく音とほとんど区別がつかない。
よほど山歩きに慣れた人か。
なんだかとても怖くなって♀商人は藪に身を隠した。
そしてそれは正解だった。
たいして間を置かずに恐ろしいモノが姿を見せる。
♀商人は悲鳴を漏らさないようにするだけで精一杯だった。
焼け爛れたような姿の・・・人間なのだろう。
左手に弓を握り、獣じみたしぐさで周囲を見回しては素早く歩を進める。
来ないで。来ちゃだめ。来るな。
心の中で呪文のように唱える。
バクバクと高鳴る心臓の音がうるさい。
相手に聞こえてしまいそうな気がして体を丸め胸を抱きしめる。
早く。早く行って。
ただひたすらに願った。
だが願いもむなしく、足音は突然ぴたりと止まった。
心臓が跳ね上がる。
気付かれた?
逃げなきゃ。そう思っても四肢は動かない。
時間の感覚が間延びし、数秒が数時間にも感じられた。そして
カサッ
草を踏む音。
♀商人は全身を石にする。
しかし歩み寄って来るかと思ったそれは進む方向を変えて離れていった。
彼女は全身が激しく震えだすのを止められなかった。


<♂プリースト>
現在地:E-6
所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ
外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔
備考:殴りプリ
状態:HPSP共にレッドゾーン 意識回復

<♂スパノビ>
現在地:E-6
所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖 食料二食
スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒
外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い
備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている 仲間を襲う奴を止める
状 態:HPレッドゾーン脱出?

<悪ケミ>
現在地:E-6
所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 馬牌×1 食料二食
容 姿:ケミデフォ、目の色は赤
備 考:サバイバル・危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る
状 態:寄生虫ロシアンルーレット状態
したぼく:グラサンモンク
参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目

<♀アコライト&子犬>
現在地:E-6
容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042
所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食
スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング
備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る
状 態:多少の傷 SPほぼ枯渇 寄生虫ロシアンルーレット状態 毒状態

<♀マジシャン>
現在位置:E-6
所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食
容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート)
備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。
    首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀アルケミは敵?冤罪?
状 態:軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し 寄生虫ロシアンルーレット状態

<淫徒プリ>
現在地:E-6
所持品:女装用変身セット一式 未開封青箱 食料二食
容 姿:女性プリーストの姿(csf:4h0l0b2) 美人
備 考:策略家。Int>Dexの支援型 ♀WIZに話したことで少し楽になる
    ♀マジ達の所へ戻る ♀ケミを信じるべきか?
状 態:寄生虫ロシアンルーレット状態 SPほぼ枯渇

<♀商人>
現在地:E-6
所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万以上のゼニー 食料二食
容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ)
備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が?
    嘘が大騒ぎになり自己嫌悪中


<残り15名>

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