あくあのたび:そうさくめもその2
アクアの旅:創作メモその2
爆発の衝撃で破片が迫る。
ルリはそのカバンの中のドラゴンを抱きしめぎゅっと目を閉じた。
ずぶ、と破片が何か柔らかい物に突き刺さるような音。びしゃりと顔にかかった暖か
な感覚。
いつまでも襲ってこない衝撃にルリが目を開けると、そこには両手を横に広げたアク
アの顔があった。
「だから中に隠れて……って」
「あんた……なんでっ!」
アクアのピンクの唇から赤い血がつうと流れあごから落ちる。
「さぁ……なんで……でしょうか。なんとなく……こうすればいいのかな……って」
破片は背中からアクアの身体を貫き、胸からその凶器を突き出している。
かくりとアクアの膝が床に降りる。
「だい……じょうぶです……わたし……は」
「大丈夫って………そんなわけ無いでしょ! むっ……むねっささってっ……血
が……ちがっ……っ!」
アクアはきょとんとしてルリの顔を見つめる。
「ルリは……わたしたち……を殺すために……来た……んでしょ? なら……」
「だ、だからって刺さってたら死んじゃうのよ!?」
ルリの言葉にアクアは首を傾げる、理解不能。
「だいじょーぶ……です……んぅ」
広げていた腕を下ろし、胸から飛び出たその破片をぐっとにぎった。
「んっ……」
しかし直ぐ離し、言った。
「すみません……ルリ。ちょっとコレ抜いてもらえますか?」
「えっ? えっ? ぬ、抜くって……えっ?」
アクアの言っている意味がわからない。
「ちょっと、わたし今力が……入らなくて……あの二人はいないから……おねが
い……します」
じっと見つめ返してくるアクアの青い瞳。ルリはごくりとツバを飲み込む音をやけに
大きく聞いた。
そしてそっと破片に手を伸ばし、ぎゅっとにぎる。
アクアの血で染まり、ぬるりとした粘り気と独特な暖かさがルリの手のひらから全身
に走った。
ヌルヌルとしてしっかりと掴めない、反対のても飛ばして両手でしっかりと掴んだ。
ズル、とひっぱった瞬間、破片からアクアの身体の中を通る感覚が伝わる。
「ひっ」
背中に怖気が走って思わず離す。
「おねがい……します」
もう一度ツバを飲み込み、意を決して破片を掴み………
最終更新:2017年08月21日 16:26