麒麟立志伝⑪
用兵家という観点において、少なくとも王国内において、"ランベルト"に勝る人物はいないだろう。
彼は早くから銃兵の弱点に気づいていたが、歩兵と魔法兵を中心とした王国軍では対処法を見出すことは難しく、旧来の魔導崇拝主義も相まって軍改革もままならない状態にあった。
大戦前の軍事再編の時は、騎兵の大規模導入に着手した。
(銃歩兵の導入は、憎き帝国の象徴であるとして議会で却下されてしまった。)
しかし、彼の戦術論を理解出来ない指揮官たちは、彼が訓練した重騎兵を悪戯な突撃で減らしていった。
(銃歩兵の導入は、憎き帝国の象徴であるとして議会で却下されてしまった。)
しかし、彼の戦術論を理解出来ない指揮官たちは、彼が訓練した重騎兵を悪戯な突撃で減らしていった。
今回、彼が直々に陣頭で指揮をとったのには、二つ理由がある。
ひとつは、これ以上自ら育て上げた重騎兵を失わないため。
もう一つは、次世代の戦術理論を彼の門下生に叩き込むためである。
ひとつは、これ以上自ら育て上げた重騎兵を失わないため。
もう一つは、次世代の戦術理論を彼の門下生に叩き込むためである。
帝国銃士隊との距離が50歩まで近づいた時、帝国のアルケブス銃が火を噴いた。
しかし、雨の影響もあってか、火薬が湿って思うように距離が伸びない。
そうこうしているうちに、傭兵たちを先頭とした王国の重歩兵隊が近づいてくる。
しかし、雨の影響もあってか、火薬が湿って思うように距離が伸びない。
そうこうしているうちに、傭兵たちを先頭とした王国の重歩兵隊が近づいてくる。
帝国の指揮官は困惑していた。
地形も前回の戦いの時と何か違う。遮蔽物となるものが極端に少ない。
今この手に持っている地形図が、クソの役にも立たない。
地形も前回の戦いの時と何か違う。遮蔽物となるものが極端に少ない。
今この手に持っている地形図が、クソの役にも立たない。
無論、遮蔽物が取り除かれているのも王国の工作部隊によるものである。
焦った指揮官は一度銃士隊を下げ、後ろに控えていたパイク部隊に突撃を命じた。
焦った指揮官は一度銃士隊を下げ、後ろに控えていたパイク部隊に突撃を命じた。
KIRINたちの眼前にパイクが迫り来る。
傭兵たちが慣れた様子で、帝国のパイクを剣で根元から斬り折っていく。KIRINもぎこちなくそれを行なってはいるが、傍から見ても形にはなっていない。
今度は槍をつがえた王国重兵が、帝国兵と派手にぶつかる。もう乱戦同然である。
先程まで戦列射撃を行っていた帝国銃士隊は、軍刀を抜いて応戦しているが、傭兵たちの持つ巨剣の前に次々となぎ倒されていく。
傭兵たちが慣れた様子で、帝国のパイクを剣で根元から斬り折っていく。KIRINもぎこちなくそれを行なってはいるが、傍から見ても形にはなっていない。
今度は槍をつがえた王国重兵が、帝国兵と派手にぶつかる。もう乱戦同然である。
先程まで戦列射撃を行っていた帝国銃士隊は、軍刀を抜いて応戦しているが、傭兵たちの持つ巨剣の前に次々となぎ倒されていく。
頃合を見ていたランベルトは、突如声を張り上げた。
「騎兵隊、突撃せよ!勝機は今ぞ!!」
「騎兵隊、突撃せよ!勝機は今ぞ!!」
KIRINは途中で武器を落としてしまったらしく、先程から帝国兵にショルダータックルをかましている。
そこへ傭兵団長が駆け寄る。
「KIRIN、撤収だ!俺たちの仕事は終わりだ!
もたもたしてると、味方に轢き殺されちまうぞ~!!」
そこへ傭兵団長が駆け寄る。
「KIRIN、撤収だ!俺たちの仕事は終わりだ!
もたもたしてると、味方に轢き殺されちまうぞ~!!」
慌てて戦線の側方へ退避する。
そこで見た景色は、前回と様相が明らかに異なっていた。
そこで見た景色は、前回と様相が明らかに異なっていた。
王国の紋章旗が悠然となびき、兵士たちが勝どきの声を上げている。
充満する血の臭いで卒倒しそうな中、その歓声がやけに印象に残った。
その横では、武器を捨てた帝国兵が、王国兵に連れて行かれる姿が見える。
充満する血の臭いで卒倒しそうな中、その歓声がやけに印象に残った。
その横では、武器を捨てた帝国兵が、王国兵に連れて行かれる姿が見える。
「さあて、もろもろ終わったし武器でも拾いに行くかな。」
団長がつぶやく。
KIRINも黙って頷く。この行為そのものは、盗賊時代に嫌というほど経験している。
団長がつぶやく。
KIRINも黙って頷く。この行為そのものは、盗賊時代に嫌というほど経験している。
「俺たちも銃士隊なんて組んでみたいと思わないか?」
「火薬の管理が大変そうですが……」
「なんだよお前、夢がねえなあ。」
「火薬の管理が大変そうですが……」
「なんだよお前、夢がねえなあ。」
麒麟立志伝⑪ (6/9 06:19)
文章:KIRIN
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