麒麟立志伝⑭
大陸西部の貿易港、海上都市"バルフェルム"。
大陸最大の、いわば労働組合による共同国家の本拠地がそこに存在した。
大陸最大の、いわば労働組合による共同国家の本拠地がそこに存在した。
「社長、あんたに客人だ。」
バルフェルム貿易公社の海軍提督"ヘイルダム"が奥にいた"社長"を呼び出す。
「ったく、呼び出す際はノックをしろと言ったはずだぞ。
それで、お相手はどちら様だ?」
それで、お相手はどちら様だ?」
「"ファントム"って言ってたが……」
「おお彼か!分かった、中に案内してあげてくれ。」
外套姿の男が社長室に現れる。
「いやぁ、よく来てくれたねファントム君。大陸の情勢はどうだい?」
「帝国と連合軍が各地で戦いを繰り広げていることはご存知だと思われますが、レフィリア・聖騎士領をはじめとした大陸東部でも、戦争が起きました。
御社の武器を売りさばくには、これ以上の機会はないかと。」
御社の武器を売りさばくには、これ以上の機会はないかと。」
「とはいえ、我々もイディアの相手をしなくてはならないからね。
いつこちらにも兵を差し向けてくるか分からないよ、金のありがたみを知らない胸糞悪い連中さ。」
いつこちらにも兵を差し向けてくるか分からないよ、金のありがたみを知らない胸糞悪い連中さ。」
「今大戦の勝ち馬は帝国です。御社は彼らと同盟を取り付けておりますね。
そして彼らは、力の誇示を目的とした野蛮人共の集まりです。要請さえ出せばいくらでも応えてくれるでしょう。」
そして彼らは、力の誇示を目的とした野蛮人共の集まりです。要請さえ出せばいくらでも応えてくれるでしょう。」
「ハハハ、そうだな。我々は既に勝ち馬にのっている。何も心配することはなかったな。
あとは幾らでも儲けさせてもらう事にしよう。
今日はありがとう、また情勢について教えてくれ。」
あとは幾らでも儲けさせてもらう事にしよう。
今日はありがとう、また情勢について教えてくれ。」
"社長"の案内で丁重に見送られた男は、去り際にポツリとつぶやいた。
「新しい時代の到来のため、あなたにも責務を負ってもらわなければなりませんからね。
……"社長"殿。」
……"社長"殿。」
男はニヤリと笑みを浮かべたが、それに気付く者は誰もいなかった。
麒麟立志伝⑭ (7/18 03:12)
文章:KIRIN
文章:KIRIN