麒麟立志伝④
KIRINが男たちに連れてこられた場所は、"盗賊ギルド"であった。
KIRINは自分の無用心さを後悔していた。しかし、ここで下手に断れば何をされるかも分からない。
……もともと、働く場所は探していたのだ。ここで面倒を見てもらえるなら、それでも良いか。
KIRINは顔を上げずつぶやく。
……もともと、働く場所は探していたのだ。ここで面倒を見てもらえるなら、それでも良いか。
KIRINは顔を上げずつぶやく。
「……分かっただ、好きに使ってくれや。」
「そう来ねえとな、兄弟!」
「そう来ねえとな、兄弟!」
――一度仲間になってしまえば、案外盗賊たちは優しかった。しかし農民生まれのKIRINは、盗みそのものへの抵抗が拭えなかった。
毎日、盗賊たちはこの家で騒いだり喧嘩をしたりしていた。
また夜になると、持ったこともない剣を片手に王都に出て、仲間たちと民家や家を襲う日々が続いた。
そうした日常の中で、孤立感や嫌悪感に蝕まれていった。
毎日、盗賊たちはこの家で騒いだり喧嘩をしたりしていた。
また夜になると、持ったこともない剣を片手に王都に出て、仲間たちと民家や家を襲う日々が続いた。
そうした日常の中で、孤立感や嫌悪感に蝕まれていった。
下っ端のKIRINには、取り分も申し訳程度にしかなく、自分を食べさせていくのがやっとであった。
寝る場所もギルド2階の仮眠室を借り、自分の家を持つことなど到底不可能に思えた。
そして何より、故郷への仕送りはまだ一銭もできていなかった。
寝る場所もギルド2階の仮眠室を借り、自分の家を持つことなど到底不可能に思えた。
そして何より、故郷への仕送りはまだ一銭もできていなかった。
同じ時期、大陸はある事件を境に緊張が走る。
大陸中央部アルティス・イディア国境付近"グリーンヒル"で突如武力衝突が勃発、双方に死者を出す事態となった。
イディア当局はこの事件を「帝国の一方的な領土侵害に対する制裁措置」としたが、この発言に帝国側が猛反発。
さらに、以前から反帝国を掲げていたファーレン王国が紛糾。一方的に帝国を「ファシズム国家」となじり、批判した。
イディア当局はこの事件を「帝国の一方的な領土侵害に対する制裁措置」としたが、この発言に帝国側が猛反発。
さらに、以前から反帝国を掲げていたファーレン王国が紛糾。一方的に帝国を「ファシズム国家」となじり、批判した。
この王国の介入(一方的な肩入れ)が問題さらに複雑化させ、列強国同士の対立構造が浮き彫りとなった事により、大陸は再び少しずつ混沌へと傾いていく。
エルセリア暦X53年、木の葉が散り始めた時期の事である。
麒麟立志伝④ (2/29 00:30)
文章:KIRIN
文章:KIRIN