麒麟立志伝⑤
エルセリア暦X54年――
時の流れは恐ろしいもので、KIRINは立派な盗賊となっていた。
相変わらず取り分は少なく、仮眠室暮らしも抜け出せずにいたが、顔つきが変わり、田舎農夫の面影は消えていた。
国内外の情勢にも詳しくなり、大陸のあちこちで戦争の火種が燻っている事を知った。
相変わらず取り分は少なく、仮眠室暮らしも抜け出せずにいたが、顔つきが変わり、田舎農夫の面影は消えていた。
国内外の情勢にも詳しくなり、大陸のあちこちで戦争の火種が燻っている事を知った。
アルティス・イディア両国の和解は難航していた。
帝国側は"KC"、共和国側は"ブラック"などが中心となって交渉を進めていたが、事実関係がはっきりしない為か、お互いの主張がかみ合わず、依然平行線のままであった。
そんな中、王国が第三者の仲介人を立てることを進言したが、帝国側の強い批判を受けて棄却。火に油を注ぐ結果となる。
(無論、王国は帝国への挑発が目的である。)
帝国側は"KC"、共和国側は"ブラック"などが中心となって交渉を進めていたが、事実関係がはっきりしない為か、お互いの主張がかみ合わず、依然平行線のままであった。
そんな中、王国が第三者の仲介人を立てることを進言したが、帝国側の強い批判を受けて棄却。火に油を注ぐ結果となる。
(無論、王国は帝国への挑発が目的である。)
三国の緊張が続く中、近隣するシェアルース聖騎士団は――
「申し上げます。このままいけば騎士団領西部で戦争が勃発するかと思われます。」
「巻き込まれる可能性も無きにしも非ず。今のうちに立場を明確にしておくべきでは……」
「そのような事より先に自国の安定が先であろうが。郷士共への対応はどうするつもりだ。」
「巻き込まれる可能性も無きにしも非ず。今のうちに立場を明確にしておくべきでは……」
「そのような事より先に自国の安定が先であろうが。郷士共への対応はどうするつもりだ。」
シェアルース元老院本部。しかめ面をした老人たちの中にその男はいた。
実力でなりあがったこの男は、若くして伯爵号を獲得。議員の地位も手に入れていた。
しかし、この出口の見えない議論に辟易していたのか、出るものはあくびばかりである。
実力でなりあがったこの男は、若くして伯爵号を獲得。議員の地位も手に入れていた。
しかし、この出口の見えない議論に辟易していたのか、出るものはあくびばかりである。
「おい、君は議論に集中しているのかね。あまり成り上がりが尊大な態度をとるものではないぞ。」
「はーい。」
男は生返事で答えたものの、すでに覚悟は決まっていた。
「はーい。」
男は生返事で答えたものの、すでに覚悟は決まっていた。
(もはや元老院のジジイどもは凝り固まったものの見方しかできないクズの集まりだな……。
このままでは国の方針が曖昧な内に乱世に飲まれ、騎士団は生き残れまい。来るその時の為……。)
このままでは国の方針が曖昧な内に乱世に飲まれ、騎士団は生き残れまい。来るその時の為……。)
男の名は"α"。同年、「聖騎士革命」を起こした張本人である。
麒麟立志伝⑤ (3/6 20:02)
文章:KIRIN
文章:KIRIN