概要
日本最西端に位置する与那国町は、隣接する台湾まで約111kmという国境の島、与那国島一島からなる自治体である。断崖絶壁に囲まれた荒々しい地形が特徴で、日本で最後に夕日が沈む場所としても知られている。独自の生態系を保持しており、日本最大の蛾であるヨナグニサンや、小柄な在来馬の与那国馬が島のシンボルとなっている。海底には「海底地形」と呼ばれる巨大な岩礁群があり、ダイビングスポットとして世界的に有名である。また、人気ドラマ『Dr.コトー診療所』のロケ地としても名高く、今も多くのファンが訪れる。特産品には日本唯一のアルコール度数60度の泡盛「花酒」があり、独特の文化を形成している。近年は自衛隊駐屯地の開設により、国防の要石としての役割も強まっている。
基本情報
- 面積: 約28.90km2
- 人口: 約1,640人(2025年12月現在の推計)
- 人口密度: 約54.7人/km2(2025年12月現在の推計)
- 隣接市町村:
観光情報
観光案内所
- 与那国空港到着ロビー案内所(与那国空港内):年中無休/9:00~19:00(飛行機離発着時のみ)
現地へのアクセス
飛行機で
町内にある
与那国空港(よなぐにくうこう、Yonaguni Airport、IATA:OGN)を利用する。日本航空(JAL)系列の
琉球エアコミューター(RAC)
が以下の便を運航している。早くて快適であるが値段は高い。
- 沖縄(那覇)~与那国:所要1時間10分~1時間30分、目安運賃(片道)25,000~30,000円。1日2往復運行。
- 石垣~与那国:所要30~40分、目安運賃(片道)10,000~18,000円。1日3往復運行。
船で
石垣~与那国の間に
福山海運
が「フェリーよなくに」を運行している。石垣発、与那国発とも10:00発→14:00頃着。運賃は大人片道3610円、往復6860円(往復券は有効期限14日間)。石垣発は火・金曜、与那国発は水・土曜の週2往復。石垣島のフェリー乗り場は、他の島に向かう離島ターミナルとは異なり、その南側にある八島ターミナルであることに注意すること。外洋を運行する船であるため、船酔いに注意が必要である。また、車両を載せる場合は事前の予約が必要である。
町内のアクセス
バスで
与那国町生活路線バスが、島内の主要な3つの集落(祖納・久部良・比川)と空港を結んでいる。運賃は無料で誰でも利用でき、1日9便(1~2時間に1便程度)。集落を結ぶ路線なので、東崎などへは行かず、バス停から少し歩いて向かわなければいけないので、注意が必要である。詳しくは
与那国町のアクセスについて
を参照のこと。
車で
与那国島は周囲約27kmと比較的大きな島で、島内の道路もアップダウンがあるため、レンタカーが最も推奨される移動手段である。ただし、レンタカーの台数が非常に限られるため、早めの予約が必要である。24時間で11,000円前後が目安。主なレンタカー業者は以下の通り。
- 最西端観光
:空港の目の前にあり、タクシーや観光バスも運営している島内大手のひとつ。
- 米浜レンタカー
:空港や祖納集落に拠点があり、老舗の安心感がある。
- 与那国ホンダ
:祖納にあり、バイクや自転車のレンタルも手掛けている。
- ミミズレンタカー
:久部良集落にあり、バイクや電動アシスト自転車のレンタルも可能である。
自転車で
島内にはレンタサイクルもあり、自転車で島内を巡ることもできる。坂道が多いため、電動アシスト付きの自転車が推奨される。電動アシスト自転車の1日レンタルは3500円が目安。主なレンタサイクル業者は以下の通り。
歩いて
島を1周する道路は距離が約27kmあるので、歩いて巡るのは難しい。前述のレンタカーやレンタサイクルなどを活用してめぐるのがよい。
観光名所
文化景観・資料館
志木那島診療所(Dr.コトー診療所)
(紹介P)
人気ドラマや映画の舞台となった「志木那島診療所」をそのまま展示しており、実在の診療所のような臨場感がある。20年以上の歳月を経てなお、細部まで作り込まれたセット内を見学でき、ファンにはたまらない聖地となっている。年中無休で営業しており、15歳以上の入場料は300円である。
アヤミハビル館
(紹介P)
世界最大の蛾であるヨナグニサン(方言名:アヤミハビル)の生態を詳しく紹介する、体験学習機能を備えた施設である。展示室では貴重な標本や島の動植物、絶滅危惧種の紹介が行われており、亜熱帯の自然の豊かさを学べる。営業時間は10時から16時で、火曜日と祝日が休館日となっている。入館料は大人500円。
与那国町伝統工芸館
(紹介P)
約500年の歴史を持つ「与那国織」の制作過程を見学できるほか、貴重な資料も展示されている施設である。熟練の技術で織り上げられた色鮮やかな織物や、それらを用いた小物類も販売されている。平日の午前・午後に営業しており、島の文化と手仕事のぬくもりに直接触れることができる。
DiDi与那国交流館
(入場料大人200円)
与那国島の歴史や文化、台湾との交流を伝える施設であり、入館料は大人200円である。館内は「風ラボ(歴史)」「唄ラボ(芸能)」「食ラボ(食文化)」の3つのコーナーで構成されており、島の暮らしを多角的に学ぶことができる。月曜日が休館日となっており、空港から車で約10分の祖納集落内に位置している。
自然景観
東崎(あがりざき)
(紹介P)
海面から約100mの断崖絶壁が続く岬で、先端には灯台があり、晴れた日には遠く西表島を望むことができる。岬周辺のなだらかな牧草地では、与那国馬や牛が放牧されるのどかな風景が広がっている。島内で最も早く朝日を拝める絶景スポットとしても人気がある。
西崎(いりざき)・日本最西端の碑
(紹介P)
日本の西の端に位置する岬で、「日本最西端の碑」や展望台が整備されており、日本で一番最後に沈む夕日を鑑賞できる。台湾まではわずか111kmの距離にあり、気象条件が良ければ台湾の山々を肉眼で確認できる。国境の海を間近に感じられる、島を象徴する観光拠点である。
ティンダバナ(ティンダハナタ)
(紹介P)
祖納集落やナンタ浜を一望できる標高85mの天然の展望台で、国指定名勝にも選ばれている。15世紀末の女酋長サンアイ・イソバにまつわる伝説の洞窟があるほか、現在も祭祀に使われる聖なる湧き水が流れている。珊瑚の隆起と侵食により形成された独特の景観が特徴である。
立神岩(たちがみいわ)
(紹介P)
島の南東部の海岸にそびえ立つ巨大な奇岩であり、与那国島のシンボルとして親しまれている。岩に登り降りられなくなった若者が神に祈って救われたという伝説があり、信仰の対象にもなっている。サンニヌ台付近の展望台など計2か所から、その雄大な姿を眺めることができる。
久部良(くぶら)バリ
(紹介P)
久部良港の近くにある巨大な岩の割れ目であり、かつて過酷な人頭税に苦しんだ時代、人減らしのために妊婦にここを跳ばせたという悲しい歴史が語り継がれている。現在はその歴史を伝えるとともに、ダイナミックな断崖絶壁を望む景勝地となっている。日本最西端の碑がある西崎からもほど近い場所にある。
軍艦岩
(紹介P)
サンニヌ台から望むことができる海上の巨岩であり、荒波に耐えるその威風堂々とした姿が軍艦に似ていることからその名がついた。サンゴ礁が隆起して形成された荒々しい断崖絶壁と、エメラルドグリーンの海が織りなす力強い景観は、島の東側を代表する絶景スポットの一つである。付近一帯は複雑な地層が露出しており、軍艦岩だけでなく周辺の独特な地形が作り出す雄大な自然の造形美を間近に感じることができる(現在はサンニヌ台は立ち入り禁止である)。
与那国島海底地形
(紹介P)
人工的な遺跡か自然の造形か、今なお謎に包まれている巨大な海底の岩礁群である。半潜水型観光船「ジャックス・ドルフィン号」に乗れば、服を着たまま船内の窓からその全貌を鑑賞できる。世界屈指の透明度を誇る海中に沈む、階段状のテラスや巨大な壁面は圧倒的な迫力である。
体験スポット
ビーチ
ナンタ浜
(紹介P)
祖納集落に隣接する白砂が美しいビーチであり、かつては島の中心的な港として賑わっていた歴史を持つ。エメラルドグリーンの穏やかな海が広がり、波打ち際での散策や海水浴、シュノーケリングに適している。シャワーなどの設備はないが、集落から徒歩圏内というアクセスの良さが魅力である。
ナーマ浜
(紹介P)
久部良港のすぐ隣に位置する日本最西端のビーチであり、夕日の名所としても知られている。サンゴ礁に囲まれた遠浅の海は非常に穏やかで、家族連れでも安心して水遊びを楽しむことができる。近くには「日本最西端の碑」がある西崎(いりざき)があり、観光の合間のリフレッシュに最適である。
比川浜(ひがわはま)
(紹介P)
島の南部に位置する三日月形の穏やかな砂浜であり、テレビドラマ『Dr.コトー診療所』のロケ地としても有名である。サンゴの欠片が混じる白い砂浜と透き通った青い海のコントラストが美しく、静かな時間を過ごすことができる。浜のすぐ近くにはドラマで使用された診療所のオープンセットが保存・公開されている。
体験施設
サーフェス与那国(海底遺跡観光船)
海底遺跡の第一発見者が運営するショップであり、半潜水型観光船「ドルフィン号」で神秘的な海底地形を案内している。船内の窓から座ったまま遺跡を鑑賞できるため、海に入らずに謎の巨石群や熱帯魚を楽しむことが可能である。料金は大人7,000円で、天候や海況により欠航する場合があるため事前の確認が推奨される。
カジキ釣り船「勝丸」
日本最西端の与那国島を拠点とするカジキ釣り専門の漁船・遊漁船であり、大阪出身の経験豊富な船長が操船するチャーター船である。初心者や子供でも楽しめる「体験フィッシング」から熟練者向けの本格的な「カジキトローリング」まで幅広く対応し、黒潮が流れる絶好の漁場で巨大魚とのファイトをサポートしている。毎年開催される日本最西端与那国島国際カジキ釣り大会にも参加するなど、島のスポーツフィッシング文化を牽引する存在として、全国のアングラーから高い信頼を得ている。
ちまんま広場
在来種のヨナグニウマと触れ合える牧場であり、現在は久部良地区の「海牧場」を拠点に営業している。馬に乗って海に入る「海馬遊び」やトレッキングなど、与那国ならではの乗馬体験メニューが充実している。不定休のため予約や空き状況の確認が必要であり、夕方には馬のお世話を見学することもできる。
南牧場
(紹介P)
久部良から比川へ続く海岸沿いに広がる広大な放牧地であり、ヨナグニウマや牛が自由に過ごす姿を見ることができる。道路には家畜の脱走を防ぐ「テキサスゲート」が設置されており、馬が道を塞ぐこともあるなど島独自の光景が楽しめる。東シナ海を望むダイナミックな景観と、のどかな牧歌的風景が共存するドライブコースである。
買い物スポット
雑貨さくら
与那国島の自然や文化をモチーフにしたオリジナル雑貨を取り扱う、祖納集落にあるセレクトショップである。島特産の「長命草」を使用したお菓子や、ヨナグニウマをデザインした可愛い小物、手仕事の温もりを感じる民芸品などが揃っている。お土産探しに最適なスポットであり、店主の温かい人柄に触れられるのも魅力の一つである。
てぃぬ花工房
(紹介P)
与那国島に古くから伝わる伝統的な織物「与那国織」を、現代的な感性でアレンジした小物やバッグを制作・販売している。ひとつひとつ丁寧に手織りされた作品は、独特の色使いと幾何学模様が美しく、日常使いしやすいデザインが特徴である。島の伝統文化を身近に感じられるとともに、旅の思い出に残る一品に出会える工房である。
one mahina(オネ マヒナ)
与那国島の豊かな自然から着想を得た、オリジナルデザインのTシャツやハンドメイドアクセサリーを扱うショップである。島の地形や動植物をスタイリッシュに描いたアパレル商品は、旅の記念としてはもちろん、日常のファッションにも馴染みやすい。久部良エリアに位置し、海を感じさせる明るい店内でこだわりのアイテムをじっくり選べる。
グルメ・琉球泡盛
手作りパン&カフェ パネス
日本最西端のパン屋として知られ、島独自の素材を活かした焼き立てパンを種類豊富に提供している。特に「長命草」や島の黒糖を使用したパンが人気で、地元の住民から観光客まで幅広く親しまれている。カフェスペースを併設しており、ゆったりとした時間の流れる店内で軽食やコーヒーを楽しむことができる。
崎元酒造所
1927年創業の歴史ある酒造所で、伝統的な「古式地釜蒸留」を守り続け、濃厚で香ばしい泡盛を造り上げている。代表銘柄の『与那国』や、日本で唯一与那国島でのみ製造が許可されているアルコール度数60度の「花酒」が有名である。工場見学が可能なほか、売店では限定ラベルのボトルや酒造所オリジナルのグッズも販売している。
どなん酒造(旧:国泉泡盛)
与那国島を代表する銘酒『どなん』を製造しており、伝統的な手法による力強い味わいと華やかな香りが特徴である。特に60度の花酒は、かつて台湾との交易で栄えた歴史を背景に持つ、島を象徴するスピリッツとして知られている。事前予約による工場見学も可能で、島の酒造り文化とその歴史を深く知ることができる。
与那国海塩
黒潮の源流から汲み上げた海水を、木薪を使って平釜でじっくりと炊き上げる伝統製法で塩を生産している。ミネラルを豊富に含み、雑味のないまろやかな甘みが特徴の「黒潮源流塩」は、料理人からも高く評価されている。製塩所では製造風景を見学できるほか、塩を用いた石鹸などの加工品も販売されており、高い人気を誇る。
レストラン
ビヤガーデン国境(ハテ)
(紹介P)
祖納集落の中心部に位置し、開放感のあるテラス席や広々とした店内で島料理を楽しめる名店である。名物のカジキの唐揚げや刺身、ボリューム満点の定食メニューが豊富で、昼夜問わず地元の住民や観光客で賑わいを見せている。夜には東シナ海の心地よい風を感じながら、冷えたビールと共に島の夜を満喫できる。 (目安:ランチ 1,000円〜 / ディナー 3,000円〜)
島料理 海響(いすん)
久部良港の近くにあり、店主自らが厳選した新鮮なカジキや島野菜をふんだんに使用した創作料理が自慢である。長命草の天ぷらやカジキのガーリックバター焼きなど、素材の味を活かしたこだわりの逸品を落ち着いた空間で堪能できる。夜のみの営業で人気が高いため、事前の電話予約をしてから訪れるのが確実である。 (目安:ディナー 3,500円〜)
居食家どぅぐいわり
祖納地区にあるアットホームな居酒屋で、島魚のバター焼きや自家製ピザなど、和洋織り交ぜた多彩なメニューが揃っている。オリオンビールや地元の泡盛「どなん」に合う一品料理が充実しており、地元の常連客と観光客が交流する温かい雰囲気が魅力である。18時から深夜まで営業しており、島の夜をゆっくりと過ごすのに最適なスポットである。 (目安:ディナー 3,000円〜)
わかなそば
(紹介P)
比川集落にひっそりと佇む、行列ができることも多い人気の与那国そば専門店である。メニューはシンプルに「わかなそば」のみで、こだわりの豚骨出汁ベースのスープと細めのストレート麺が絶妙に絡み合う。営業時間は11時30分から14時までとなっているが、スープがなくなり次第終了となるため、早めの訪問が推奨される。 (目安:そば 800円〜1,000円程度)
宿泊施設
ぐまぁ~ぐまぁ~ぬ入船
久部良地区に位置する清潔感のある宿で、全室アウトバスタイプのツインルームを提供している。共用キッチンやテラスなどの設備が充実しており、トーストとゆで卵の軽朝食サービスが含まれるのが特徴である。ダイビングショップ「サーウェス与那国」の向かいにあり、マリンレジャーの拠点としても非常に便利である。 (目安:1名1室利用 7,700円〜 / 2名1室利用 6,600円〜(1名あたり))
ペンション ディーパ
空港から車で約5分、祖納集落の高台に位置し、アットホームな雰囲気が魅力の宿泊施設である。全室バス・トイレ付きの個室でプライバシーが守られており、無線LANも完備されているため長期滞在やワーケーションにも適している。バルコニーからは祖納の街並みや海を一望でき、島の心地よい風を感じながらゆったりと過ごせる。 (目安:素泊まり 6,000円〜)
民宿よしまる荘
久部良(くぶら)港を一望する高台に建ち、ダイビングショップを併設しているため、ダイビング目的の旅行者に広く利用されている。施設内には海が見える食堂や大浴場があり、和室の個室のほか、より安価なドミトリー(相部屋)形式の客室も選択可能である。宿泊・食事・ダイビングを一つの拠点で完結させたい場合に非常に適した宿である。(予算目安:1泊2食付 10,450円〜(和個室) / 8,800円〜(ドミトリー))
はいどなん
日本最西端の碑がある西崎(いりざき)にほど近い、まさに「国境の宿」と呼ぶにふさわしい立地の民宿である。本館と新館があり、予算に合わせてバス・トイレの有無や海側の部屋などを選択できる柔軟なプラン設定が魅力である。久部良港から徒歩圏内にあり、周辺の飲食店へのアクセスも良く、自由度の高い島旅を楽しめる。 (目安:本館素泊まり 3,500円〜 / 新館海側素泊まり 8,800円〜)
イベント
日本最西端与那国島国際カジキ釣り大会
黒潮が流れる絶好の漁場を舞台に、全国から腕自慢のアングラーが集結する島最大の夏祭りである。トローリングのほか、親子釣りや磯釣りの部門もあり、巨大なカジキが次々と水揚げされる光景は圧巻の迫力である。夜にはライブや郷土芸能が披露され、最終日にはカジキの丸焼きが振る舞われるなど、島全体が熱狂に包まれる。 (開催時期:7月(例年第1金・土・日曜日))
日本最西端与那国島一周マラソン大会
「日本最西端国境の町を走ろう」を合言葉に、起伏に富んだ絶景の島内周回コースを駆け抜ける大会である。種目は25kmと10kmがあり、日本最西端の碑や牧場の中を通り抜けるコースは、厳しいアップダウンがありながらもランナーから高い人気を誇る。完走後の「ふれあいパーティー」では、島酒や伝統芸能を楽しみながら島民との深い交流ができる。 (開催時期:11月(例年第2土曜日頃))
最終更新:2026年01月15日 12:11