概要
沖縄県の最北端に位置する伊平屋村は、伊平屋島と野甫島の二つの有人島からなる、細長い地形が特徴的な村である。サンゴ礁の海と200メートル級の山々が共存するダイナミックな景観を持ち、古くから「美しい島」を意味する「てるしのの島」と称されてきた。琉球王国の第一尚氏王統の祖である鮫川大主の出身地として知られ、歴史的な史跡が数多く残る。産業は農業と漁業が盛んで、特に広大な水田で栽培される「伊平屋米」は、沖縄県内でも貴重なブランド米として高い評価を得ている。島内には、樹齢約300年を誇る国指定天然記念物の「念頭平松」や、巨大な鍾乳洞である「クマヤ洞窟」など、神秘的な名所が点在する。手つかずの自然と深い歴史が息づく静かな島情緒が魅力である。
基本情報
- 面積: 約21.84km2
- 人口: 約1,090人(2025年12月現在の推計)
- 人口密度: 約50人/km2(2025年12月現在の推計)
- 隣接市町村:伊是名村
観光情報
現地へのアクセス
船で
沖縄県北部の
今帰仁村にある運天港から伊平屋島前泊港の間に
伊平屋村
が「フェリーいへや」を運行している。所要時間は約1時間20分、運賃は大人片道2,480円、往復4,720円。1日2往復の運航である。事前予約も可能であるが、当日窓口でもチケットを購入できる。車を積載する場合は、事前の予約が必要である。
運天港までのアクセス
- 路線バス:やんばる急行バス
が那覇空港や県庁に近い「県庁北口」などから名護バスターミナルなどを経由して運天港まで直行する。那覇空港から約2時間30分~2時間40分、2000円。名護バスターミナルから約1時間、約670円である。1日2往復の船の時間に接続している。
- 車:那覇から沖縄自動車道・許田ICを経由して約1時間40分~2時間である。港の前には民間の有料駐車場が完備している。(駐車料金目安:1日1000円)
村内のアクセス
バスで
島内には
伊平屋村コミュニティバス
が運行されている。フェリーが発着する前泊港を中心に、北の田名方向と南の野甫方向に向かう路線があり、合計6便程度の運行である。運賃は一律100円。車がない人には貴重な移動手段であり、時刻を確認して利用すること。
車で
伊是名島は観光コースを一周すると約33kmで、レンタカーが島内を最も効率よく、天候に左右されずに移動できる手段である。島で一般向けのレンタカーを運営しているのは
そよかぜレンタカー
、
レンタルいへや
などである。台数に限りがあるため、繁忙期などはなるべく早く予約する必要がある。軽自動車のレンタル料金は1日6600円~が目安である。1人の場合は、レンタルの原付バイク(目安:1日3500円~)も有用である。
タクシーはハブタクシー(TEL:0980-46-2373)がある。
自転車で
島内にはレンタサイクルもあり、自転車で島内を巡ることもできる。集落内や、前泊港からほど近いスポットなどを巡るのに便利。ただし、島を一周する場合は原付バイクなどが重宝する。体力が必要であるが、値段はレンタカーよりも安い。自転車の1日レンタルは2000円程度(電動アシスト付きは3000円程度)が目安。先述の
そよかぜレンタカー
、
レンタルいへや
などでレンタサイクルを受け付けている。
歩いて
島の観光ルートを一周すると約33kmあるので、港周辺や宿泊施設の周辺などだけならよいが、島全体の観光スポットを歩いて巡るのは難しい。前述のレンタカーなどを活用してめぐるのがよい。
観光名所
クマヤ洞窟
(紹介P)
日本神話の「天の岩戸伝説」の最南端の地とされる、巨大な岩山の中腹に開いた鍾乳洞である。狭い入り口を抜けると約600平方メートルの広大な空間が広がり、神秘的な光が差し込む光景は国の天然記念物にも指定されている。古くから聖域として崇められてきた、島内屈指のパワースポットである。
念頭平松
(紹介P)
伊平屋島を象徴する、樹齢約300年を誇る国指定天然記念物のリュウキュウマツである。高さ約8メートルに対し、枝が地を這うように水平方向に約30メートルも広がる見事な傘状の姿は、日本一美しい松の一つと称される。その圧倒的な生命力と造形美は、訪れる人々を静かに魅了し続けている。
野甫大橋
(紹介P)
伊平屋島と野甫島を結ぶ全長320メートルの橋で、エメラルドグリーンの海の上を駆け抜けるような絶景ドライブが楽しめる。橋の上からは、光の加減で刻々と色を変える美しい海原や、運が良ければ泳ぐウミガメの姿を望むことができる。島を代表するフォトスポットであり、歩いて渡れば心地よい海風を全身で感じられる。
ヤヘー岩
(紹介P)
北部の沖合にそびえ立つ、約2億8000万年前の古い地層からなる巨大な奇岩である。かつて島を襲ってきた敵をここで防いだという伝説があり、岩のふもとには太古の築城跡とされる石積みも残されている。干潮時には海岸から歩いて渡ることができ、ダイナミックな岩肌と海のコントラストが冒険心をくすぐる場所である。
伊平屋灯台
(紹介P)
伊平屋島の最北端、久葉山付近の断崖に立つ真っ白な灯台である。周辺は視界を遮るもののない絶好の展望ポイントで、東シナ海の雄大なパノラマや、天候が良ければ鹿児島県の与論島まで見渡すことができる。荒々しい岩肌と紺碧の海に映える白亜の塔が、北端の地を象徴する静かな美しさを放っている。
虎頭岩(とらじりいわ)
(紹介P)
前泊港に近い我喜屋集落の背後にそびえる、虎がうずくまっている姿に見えることからその名が付いた巨大な奇岩である。岩の頂上付近までは遊歩道が整備されており、前泊港やエメラルドグリーンの海を一望できる島内屈指の展望スポットとなっている。夜には周囲に明かりが少ないため、星空を観測する場所としても非常に人気が高い。
田名のクバ山
(紹介P)
島の北部に位置する、クバ(ビロウ)の純林に覆われた標高約100メートルの山である。古くから神聖な山として崇められており、山の斜面を埋め尽くすほどのクバが自生する景観は国の天然記念物にも指定されている。手つかずの自然が残る神秘的な森であり、島特有の信仰と豊かな植物相を今に伝えている。
野甫島(のほじま)
(紹介P)
伊平屋島から野甫大橋を渡ってアクセスできる、周囲約5キロメートルの小島である。橋の周辺に広がる「野甫の海」は沖縄県内でもトップクラスの透明度を誇り、宝石のように輝くグラデーションを求めて多くの観光客が訪れる。島内には塩作りの体験施設やのどかな集落があり、伊平屋島よりもさらにゆったりとした時間が流れている。
体験スポット
米崎ビーチ
(紹介P)
島の南端に突き出した砂嘴に広がる、真っ白な砂浜と透明度抜群の「イヘヤブルー」の海が魅力のビーチである。遠浅で波が穏やかなため、シュノーケリングやカヤックなどのマリンアクティビティを安全に楽しむことができる。周辺にはモクマオウの林が続き、キャンプや海水浴を楽しむ人々で賑わう憩いの場である。
宿泊施設
いへや愛ランドよねざき
(紹介P)
米崎ビーチに隣接し、手つかずの自然の中で本格的なアウトドアを楽しめる村営のキャンプ場である。フリーサイトやオートキャンプサイトが整備されており、バーベキューセットやテントなどのレンタル品も充実している。夜には視界を遮るものがない満天の星空を堪能でき、島ならではのゆったりとした時間を過ごせる宿泊拠点である。(料金:オートサイト3,800円~)
イベント
伊平屋ムーンライトマラソン
満月の光を浴びながら夜の島路を駆け抜ける、日本でも珍しい夜間開催のマラソン大会である。夕暮れ時にスタートし、ゴール後には伝統芸能や牛汁などの振る舞いがある大宴会「後夜祭」が盛大に行われる。完走証にその日の月の写真が添えられるなど、島全体が一体となってランナーを歓迎する温かな雰囲気が魅力である。 (開催時期:毎年10月または11月の満月に近い土曜日)
最終更新:2026年01月21日 05:03