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しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82氏 - (2006/04/21 (金) 10:04:56) の編集履歴(バックアップ)


553名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 21:55:22.21 ID:b7gTns5D0
JST(日本標準時) 0940時 2006/04/14

「そして、マスコミの反応は?」
「一部メディアは記事に載せているが大して注目はされていません」
「そうか・・・。NASAは?」
「危険性はないとの公表を・・・。しかしあくまでも表向きの話です」
「・・・つまり、脅威としているのは事実であり、国の混乱を防ぐ措置として情報操作を行うと?」
「はい。おっしゃる通りです。しかし、申しました通り情報の操作にも限度があります。しかし、私どもはこちらに関しては専門外なので・・・。」
緑色のスーツの男が話しに詰まり、ようやく出番が回ってきたかのように次に一人の男が話を始める
「我々はその期限を1週間と見ております、その間に混乱を防ぐ為等に必要な法整備、及びアメリカへの協力体制を・・・。」
「しかしだね、混乱に対する法整備が・・・。戒厳令などと言うとまたうるさくなるぞ」
また、緑の男が話し始める
「ええ。しかし、混乱が発生しては協力どころではございません。衝突までの間に国家が火消しに走る事になります。例のオプション、これは我々が現時点で考え得る最良の方法です。」
「・・・実際の死人は出すな。それが条件だ。統幕議長・・・いや、今は統幕長か。」
「ご英断感謝します、首相」
556名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 21:59:07.26 ID:b7gTns5D0
JST 1130時 2006/04/17

「──先日の爆弾テロ、依然として続くゲリラの潜伏において今朝緊急閣議が開かれ、
国家非常事態宣言に関する要項を有事法制関連法に──・・・政府はあくまでも非常事態宣言において
自衛隊は治安維持のみに係り、戒厳令とは別とする認識を示しておりますが・・・」
朝、俺は遅く目が覚めた。つけっぱなしのテレビと蛍光灯が昨夜にそのまま寝てしまった事を物語っている。
本当なら今日から学校があったのだが、急な休みになった。
その理由についてテレビがずっと似たような事に関して報道している。
自衛官の親父は昨日は休みだというのに電話に慌てて飛び出していった。
母は昔に他界したため、家で一人だった。
俺は官舎に住んでいるので、他の家も似たようなものでみんな飛び出していった。

何でも、テロが起こり多数のゲリラが警察と戦闘を起こし散らばったと言うのだ。
558名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 22:01:25.34 ID:b7gTns5D0
体を起こしたところで電話が鳴る。きっと親父だ。
とりあえず、寝ぼけてぐうたらになっているのを知られると怒りそうなので気をつけて電話に出る。
「おお弘之、俺だ俺。俺俺。飯は食べたか?そうか。なるべく外へは出るんじゃないぞ
 ・・・とは言っても殆どどこも開いてないだろうし、職質も食らうぞ。
学校が再開したら大丈夫だろうけどな。ところで、もう冷蔵庫の中身無いだろ」
母が死んでからはいちいち毎日買い物に出かけず、親父と一緒に日曜に買い出しに行くのが日曜の日課だった。
「うん、買い物でかけようとしたら親父出て行っちゃったじゃん」
「悪いな、でも駐屯地のPX(売店)来てもいいが野菜とかはないからなぁ・・・ちょっと待って」
俺はいやな予感がした。
「おい、親父・・・別にいいよ」
「いやぁ、よかったなぁ!佐々木君が是非うちで食べてくれとさ!!」
「ちょwwwwwwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwwwwwwwwwww。別にいいよ、親父のくれたパック飯あるし」
「ばかも~ん、この甲斐性無し!それに、そんなもん自衛隊に入ったら腐るほど食える!」
「勝手に決めるな!俺は自衛隊に入るかなんて考えてねえよ!とりあえず、PX行く!迎えに来いよ!」
強引に切ってソファから身を起こし服を着る。
財布を持って靴を履き扉を開ける。すると・・・。
「・・・・・・。」
──ピンポ~ン
「おい」
──ピンポ~ン
「押さなくていいっつうの」
ドアを開けるとインターホンの前に一人の女の子。いわゆる佐々木さんの娘こと由利江だ。
「お、おはようヒロ君」
「おはよう」俺はぶっきらぼうに答える。

[>>550少しヒロインの名前変えた、スマソ]
562名前: 529投稿日: 2006/04/18(火) 22:09:34.62 ID:b7gTns5D0
「で、私の家でお昼ご飯食べてもいいわよ」
「なんだそりゃ」俺は呆れる。
「だ~か~ら!おじさんがッ!ヒロ君にッ!ご飯食べさせてねッ・・・て頼まれたんだもの」
「別にお前が作る訳じゃないだろ。それに、親父がくれたパック飯あるからいいし。」
俺は外に出てドアを閉めて鍵をかける。
「ッ!なによ!別にヒロ君なんかと私は食べたくなんかないのよ!」
「あっそ。俺もそう思うんだよ、じゃあな!」
俺は官舎の出口へと向かう。
「ちょっと!どこに行くの!!」
「PX。親父が門で待ってる」
「私も行くッ!」

[>>559wwwwwwwwww 乙]
650名前: 529投稿日: 2006/04/19(水) 00:13:39.92 ID:i0koHTQJ0
次出来たよ

同時刻、駐屯地

私は息子と別れた後すぐに連隊長の元へと向かっていた。
いずれ都心に配備された際に関する何らかのミーティングだと思っていたが様子は違った。

「そういうわけ桐生君には明日すぐに習志野に戻ってもらう」
「しかし、何故今更?それに私は特戦群から外された人間ですよ?」
「しかし、君が優秀なのは誰もが認めている。君が殴った当時の上官、山崎3佐と言ったね」
「ええ、彼が何か?」私は連隊長の前ながらも少しいやな顔をする。
「原隊復帰。今日中に28普連(28普通科連隊、函館)にとんぼ返りだ」
「彼が何か?」
「何もしないよ。しかし、隊員達の評判は元から良くなかった。慎重を要する今は
規律よりも不安定な要素を排除する方が先決だ。それに今回の状況は至上もっとも最悪だ。」
「ええ、沢山の箇所で発生した爆弾テロ、そしてゲリラが都心に限らず各都市で行動。
最悪というのがぴったりです。」
本当に忌々しい。情報本部は何をやっているのかと腹が立つ。
「ああ。最悪だ。しかし、事実は君が思い描く最悪よりも重い。」
「連隊長、それは」
質問を連隊長は指で制する。そしてゆっくりと立ち上がり私に穏やかに話しかける
652名前: 529投稿日: 2006/04/19(水) 00:14:33.98 ID:i0koHTQJ0
質問を連隊長は指で制する。そしてゆっくりと立ち上がり私に穏やかに話しかける
「誰もいないから連隊長などと堅く呼ばないでくれ。『和田陸将補』と言うのも無しだ。」
「・・・はい。お義父さん」義父は連隊長としての顔つきではなかった。
「桐生君、弘之は連れて行くのか?」
「いいえ、それが何か?」
「賢明な判断だ。練馬においていった方がよい。責任持って私が面倒を見る」
「お義父さん?賢明とは一体どういう・・・」
「それ以上は言えんよ。とりあえず、孫を持つ爺の感情には勝てないから『有楽町線』とだけ私は呟くよ」
「ーッ!!まさか、核テロ!?」私はとっさに理解した。
一種の都市伝説とされているが、有楽町線は実際に一部が核シェルターとなっている。
もちろん極秘であり、非常時の緊急展開用に一部施設が練馬駐屯地の地下まで延長されている。
「・・・。まだその方が良かったかもしれんのう。これ以上はまだ話せない。さてと、桐生3等陸佐。」
義父は背筋を伸ばし、「連隊長の顔」に戻る。私も背筋を伸ばす。
「ただいまを持って2等陸佐となり、明日からの習志野での任に備えよ」
「桐生2佐、明日よりの習志野での任に備えます」
テッパチ(鉄帽,ヘルメットの事)をかぶり、挙手の敬礼。
「よろしい、行ってよし」

[元々、軍事っぽい小説を書こうとしていた物だからみんなの口にあわんかもしれんなぁ・・・]
[とりあえず、堪忍ね。>>1氏のには足下にも及ばんかも・・・。                   ]
[それと、平然と萌えキャラを作ってしまう>>1氏や>>78氏,そこに痺れる憧れるぅ!       ]
8名前: 529  とりあえず続き投稿日: 2006/04/20(木) 01:40:13.50 ID:AoRM/dDX0
JST 1708時 2006/04/17

官舎

国旗降下のラッパが風に乗って聞こえてきたかと思うと、すぐに親父が家まで戻ってくる。
「どうしたんだよ?待機解除?」
「その方がよかったよ」
制服姿の親父はいろいろと荷物を抱えていた。肩をよく見ると、いつもと違っていた。
「あれ、桜増えた?」肩の階級章の桜印が一つ増えていた。
「ああ、異例の早さ。この緊急時で優秀な人材が欲しくなったようだ。ほれ、おみやげだ」
上着を脱いだ親父が袋を渡す。中を開けると・・・缶メシやパックメシ。
「よく言うよ・・・・・それにこんなもんお土産で持ってくるなよ・・・。」といいつつも素直に受け取る俺。
「でだ、父さんは出張が決まったよ」
「どこに?」
「習志野。向こう1ヶ月程家を空けるかもしれん」
習志野?昔いたところか。・・・って空挺かよ
「また急だね。いつから?」
「明日。急ぎだからヘリが駐屯地に迎えに来る」
「まぁ、家の中は任せてよ。ちゃんと勉強もヤリマス」
「だがね、弘之君のその言葉は信用ならん。そこでだ、佐々木君が面倒を見てくれるそうだ」
「ちょっと待てよ、それに佐々木さん今も駐屯地で待機中でしょ」
「父さんは佐々木1尉の事を言っているわけでは無いでござる」
この親父の笑い、いやな予感がする。
「奥さんとユリちゃんが見てくれるそうだ」
「orz。佐々木のおばさんならいいけど、由利江もかよ」
「不満そうだな、俺が若い頃なら喜んで状況を開始してしまう」
「どんな状況だよ」

9名前: 529投稿日: 2006/04/20(木) 01:40:52.01 ID:AoRM/dDX0
「まぁいい、それよりも大事な話だ」親父の口調が少し変わる。
「あ、ああ」
「何かあったら佐々木君が面倒を見てくれるが、危険な時はすぐ爺ちゃんも頼るんだぞ。いいな」
「何でまた?」
「俺の職業を考えろ。質問はしないでくれ」
「・・・わ、わかった」
ものすごく真剣な親父の顔。ただならぬ物を感じた。

次の日、駐屯地から起床ラッパが聞こえるよりも早く親父は家を出て行った。
何故かもう会えないような気がした・・・。
454 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/21(金) 06:10:23.63 ID:FIYyAlx20
EST(アメリカ東部標準時) 1724時 2006/04/17
KSC(ケネディ宇宙センター) 発射パッド39B/スペースシャトル・アトランティス(STS-150)

アメリカ、東海岸のケネディ宇宙センター。ここで、今まさに一つのシャトルが発射しようとしている。
「10…」
発射10秒前にさしかかり、大きな音がしてエンジンノズルの下方から火花が吹き出す。
「9…8…7、メインエンジンスタート」
発射6.6秒前にメインエンジンが始動する。そして、シャトルが外部タンク側に少し傾く。
「…5…4…3…2…1」
発射直前、シャトルがまた垂直に戻る。
「ブーストイグニッション、アンドリフトオフ!」
シャトルを固定していたボルトが爆薬で吹き飛ばされて、掴まれるものを失ったシャトルは力強く天へと吸い込まれて行く。
約一ヶ月前に隕石の衝突を予見したNASA。それから急遽作成された今回のSTS-150ミッションは予定されていた
ISS(国際宇宙センター)の建設ミッションを押しのけて決定された。
向かう先は同じISS。しかし、今回は一部技術に軍事からの転用を行っているため非公開のミッションとするとの
理由をつけて隕石衝突対策用の機材の建設を行う事となった。
そして今、人類の滅亡をもたらす隕石に対して人類の反抗が始まった。
471 名前: しいたけ飯 ◆yL2Gn75g82 投稿日: 2006/04/21(金) 07:20:51.58 ID:FIYyAlx20
18秒後、シャトル「アトランティス」はロールをして背面姿勢での飛行を始める。
「──Roger that Atlantis.Atlantis start Roll(了解アトランティス。アトランティスはロールを開始)」
ヒューストンからの交信が聞こえる。ものすごいGが掛かっているのに船長はきちんと交信を行う。
改めて凄いと思ったが、自分にもきちんとした訓練期間があれば本当はここまで辛くはないだろう。
「Go and throttle up(推力上昇)」
クソ、まるで初めてファントムに乗らされてコンバット・マニューバ(戦闘機動)を
体験させられたときの様子まんまじゃないか!なめられてたまるか・・・。
「──I see good OMS systs.And Performance Normanial(OMSシステムの作動は良好。そして効率は正常)」
ISS行きの命令が下ったとき、隕石に対する恐怖とともに宇宙へ行く事が出来るという事に喜んだ。
しかし、俺は今明らかに今恐怖を抱いている。
そりゃ、宇宙へいく事が出来るなんて願ってもいないすばらしい事だ。
「Performance Norminal,good OMS systs.(効率正常、OMS作動良好了解)」
多くの人間が志望しても狭き門をくぐるのはほんの一握りのエリートのはず。
「──2 Engine MoronAFB(エンジン一基故障の際はモロン空軍基地へ帰還せよ)」
それに今回は人類の滅亡を救うための大切なフライトだ。
「2 Engine Moron(2エンジン、モロン了解)」
だからこそ、今回は短い間しか訓練させられなかった俺が行くべきでは無かったのではないか?
装置を熟知しているからと言って俺を行かせるよりも、彼らに装置について熟知させる方が手っ取り早い筈だ。
「──Atlantis,You're Negative Return.(アトランティス、KSCへの帰還は以降不能)」
ネガティブ・リターン・・・来た。これでもう引き返す事は出来ない。
願わくば装置が壊れていない事を祈るのみ・・・。いかん、少し漏らしてしまった。
「WILCO,Negative Return.(帰還不能了解)」
隕石が来たらどっちにしろ死ぬ。
結果が早くなるか遅くなるかの違いしかない。もう腹を括るしかないな・・・。
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