霊銀結社

国の垣根を越えて魔法の秘奥を探求すべく魔術師たちによって結成された研究機関。
アルメリア王国北方のバルディア自治領を拠点に日夜魔法の研究に明け暮れている。
その歴史は古く、300年以上前の資料にも結社についての記述が見られるという。

この世界における魔法の総元締めという立ち位置であり、物語の動線に様々な形で登場する謎多き組織。
単なる狂言回しなのかはたまた黒幕なのか、どうにも底の見えない存在である。

ゲーム上における彼らは、たびたび変なモノを作っては世界に騒動を撒き散らす。
魔術の達人揃いの癖に、よく分からない魔法生物を生み出して暴走させたり、
強い魔剣を作ったらやっぱり暴走させて付近一帯を永久凍土に変えたりと、
魔法に秀でた知恵者集団というよりかは、マッドサイエンティストの組織といった印象が強い。

大陸のそこかしこに霊銀結社がもたらした恩恵が見られるが、同じくらいの割合でどう使うのか謎なアイテムもある。
悪い魔法使いを取り締まったかと思えば、そいつと一緒に最強魔法の開発に夜な夜な取り組んでいたりする。
雑に言ってしまえば変人偏屈の巣窟であり、世界にとって神にも悪魔にもなり得る社会不適合者の集まりである。

以下、真面目な解説。

魔法技術の開拓と発展、普及を目的とした魔術師たちによる国際機関。
本拠地はアルメリアに置いているが、特定の国家に所属しない独立した組織であり、
事実上アルフヘイム全体における「魔法」と名のつくもの全ての総本山となっている。
各国の宮廷魔術師クラスの人材が出向という形で参加し、逆に結社の魔術師を食客に迎えることも多い。

技術屋集団からなる組織らしく、内部には実力によるヒエラルキーが厳然と存在する。
ほんの一握りの頂点を中心に、強烈なトップダウンによる統制が敷かれている。
結社の魔術師の最高位は『大達人(アデプタス・メジャー)』と呼ばれ、
他ならぬゴッさんこと十二階梯の継承者筆頭『黎明の』ゴットリープがこれにあたる。

位階は下から順に、
▽新参者(ニオファイト)
▽練習生(アプレンティス)
▽実践者(プラクティアス)
▽習熟者(エキスパート)
▽魔術師(メイガス)
▽小達人(アデプタス・マイナー)
▽大達人(アデプタス・メジャー)
の七つ存在し、最高位の大達人は十二階梯の継承者の現リーダーも兼任するゴットリープしか存在しない。
そのため、実務に携わる者としての最上位階は小達人ということになる。

研究理念は「魔法で夜を克服する」。
ここで言う"夜"には単純な夜間の暗闇のほか、外敵に対する恐怖、未知の領域など様々な意味がある。

主に既存の魔法の改良、新型魔法の開発・実用化、遺失魔法の解析・再現といった、
魔法に関するあらゆる分野で幅広く活動している。
さらに在野の魔術師の統括監理および育成、禁呪やその生成物の規制なども彼らの仕事。
研究を目的とする組織だが、実質的に魔法という界隈の統治を担う最高意思決定機関と言える。

魔導書古代遺物、高位の魔物の遺骸といった特に危険な被呪物品については、
メイレス魔導書庫をはじめこれを管理収容する専門の出先機関を設けている。

杖や魔剣などに代表される、魔法を付与した道具や装置の研究開発も手掛けており、
例えば大陸の主要交通機関である魔法機関車の実用化には結社が大きく寄与した。

また、アルメリアから魔力の集まりやすい地脈の結節点を土地ごと買い取り、
自治権の認められた都市として運営する行政機関の側面も備える。
魔術結社が所管する土地のため、バルディア自治領の住人にはやはり魔術師が多い。

アルメリアだけでなく大陸国家に分け隔てなく魔法技術を提供し、
対価として各国の貴重な魔力資源や素材、国特有の術式に関する知識などを集めている。


自治領の中心部に在する結社の拠点『錬術宮』は幾重にも魔術的防護が張り巡らされ、
許可なき者の立ち入りはおろか千里眼による遠隔視や通信魔術などあらゆる窃視盗聴を遮断する。
使い魔を撃退する対空迎撃網も完備しており、許可証なくして入ることは叶わない。
なんなら自治領から生きて帰ることすら不可能だろう。

一国の政府高官や国家元首でさえも無許可で立ち入れば手痛い歓迎を受けるうえに、
結社と対立すれば技術供与を受けられなくなるだけでなく、結社と懇意にしている他国からも非難の対象となる。


そんな、国際社会において非常に大きな存在感を持つ霊銀結社であるが、
元々ははみ出し者の偏屈魔術師が相互扶助のために身を寄せ集めた寄り合い組織に過ぎなかった。
風向きが変わったのは今から200年ほど前のことである。

当時大国として成長過渡にあったアルメリア王国は、人口の急増に耐えうる生活基盤が不足していた。
増え続ける人の数に対して食料の供給が追い付いておらず、国の存亡に関わる飢饉に陥ったのである。
アルメリア王家はこの緊急事態に対して食糧生産増大の妙案を急募。
これに手を挙げたのが、まだ無名の魔術師集団に過ぎなかった霊銀結社だった。

結社は当時何もない平原だった土地に太い地脈が通っていることを発見し、
地脈から噴き出す豊富な魔力を作物の成長に活かす精霊を利用したシステムを考案した。

わずか半年で平原は肥沃な土地へと変わり、作物収穫量は数百倍にまで跳ね上がり、
広大な平野を開墾して大陸最大規模の穀倉地帯を築き上げるに至った。

これが現在の穀倉都市デリンドブルグの成り立ちであり、
大国を飢えによる滅亡から救った霊銀結社は英雄として崇め奉られ、
王家に対する強大な発言力を裏付ける確かな実績となったのである。


戦いを目的としない技術畑の組織であることから武力では各国軍に劣ると思われがちだが、
多くの魔術師は技術を極める過程で攻撃魔法にも通じるため、結社の構成員は各人が高い戦闘能力を誇る。
一人一人が大砲を持ち歩いているようなものであり、半端な軍隊では返り討ちに遭うことだろう。

加えて、結社には新型の魔法や魔導武器の実戦テストを行う若手魔術師の私兵隊が存在する。
先行開発技術試験部隊『星々の到達点』、通称『デスティネイトスターズ』である。
最新の武器と魔法を装備した彼女たちは、若年ゆえに練度こそ不安があるものの、
いわば最新レイド報酬の装備で全身を固めているに等しく、その火力は言うまでもない。


ゲーム上ではアクセス至悪なヘイズフォッグ霧煙街道を抜けてバルディア自治領に行く理由の9割を占める。
魔法のスキル上げにおいてこの上なく適した場所はなく、入手できる貴重なアイテムや装備は戦力の増強には欠かせない。
なによりも、ゴッさんの『業魔錬成』は彼がガチャで加入するまで結社以外に行える場所がなく、
多くのプレイヤーが運営に怨嗟を垂れながら霧深い街道を何往復もする羽目となった。

また、プレイヤーが霊銀結社に所属し、さらには『小達人』にまで上り詰めることもできる。
『小達人の証』はゲームのストーリーモードにあるイベント『魔剣奪還作戦』をクリアすると、
霊銀結社から謝礼のひとつとして貰える、いわゆるクエストクリア認定のトロフィー代わりである。
いわば、霊銀結社が多大な功績のあった外部の人間に対して発行する名誉称号のようなもの――と考えればいいだろうか。

仮に業魔錬成に用がなくとも、結社由来のサブクエストは報酬・シナリオともに評価の高いものが多い。
ブレイブ&モンスターズ!を語るうえでやはり切っては離せぬ場所と言えるだろう。

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最終更新:2021年03月17日 01:55