SF百科図鑑
Connie Willis "Impossible Things"
最終更新:
匿名ユーザー
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October 13, 2005
Connie Willis "Impossible Things"
すごいねむい&&。コニーウィリスは眠り誘う作家~~♪ 出会った頃はこんな日が来るとは思わずにいた~ MakingSF
better いいえすんだこと~♪
サイエンスフィクションと銘打っているけど、SFじゃないのが半分以上だぞ。なんだこれは。そういえば『わが愛しき娘たちよ』もそうだったなあ。だじゃれ小説やパスティース小説や科学メタファー普通小説だらけ。奇をてらって文豪ぶってる分、読む方が退屈で忍耐を強いられる。
「ウィネバーゴの最後」★★★★1/2 これはいいね。SFマガジンに去年ぐらい訳されていたと思う。ウィネバーゴというのはRV車の銘柄で、元はインディアンの部族名。死滅してゆく動物、動物保護法制の過剰な強化、RV車の法規制&&。環境汚染や乱獲で動物が死滅し、人間の文明も静かに死んでいく未来社会の一こま(現在におけるジャッカル轢殺犯人捜しと、過去の犬轢殺事件をオーバーラップさせて描いている)を、落ち着いた筆致で描いた哀切な中編。
「女王様でも」★★★1/2 「生理」と「自転車」をかけただじゃれとおぼしき、「サイクリスト」という奇妙な未来の女権団体の話。読んだのかなり昔なので内容忘れてるが、確か「生理」が薬品か何かで抑制されている未来社会で、「生理」の復活をもくろむ団体だったようなおぼろな記憶。くだらないけど、結構面白かった。
Schwarzshild Radius★★1/2 シュワルツシルトの障壁とはいうまでもなく、ブラックホールから何物も抜け出せなくなる地点のこと。その内部と交信する方法の有無について議論している戦時中の学者たち。アインシュタインと通信しようとする無線担当員がシュワルツシルト障壁よろしくなかなか情報を伝えられず右往左往するというような話で、「リアルト・ホテルで」と同系の科学メタファーの普通小説。
Ado★1/2 何でもかんでも検閲しまくる未来の大学で、原形をとどめないまでに改竄されたシェイクスピアを教えようと奮闘する教師の話。ブラックユーモア。
SpicePogrom ★★★★ おいおい、また駄洒落ものだよ。この題名何? 「香辛料の虐殺」? はぁ?って思って読むと、この題名要するにSpaceProgramの聞き間違いの一例に過ぎなかった。英語の理解力がないことを装っているエイリアンとの商談をネタにしたユーモアSF。主人公の女は酷薄な婚約者に利用され、自分のマンションにエイリアンを泊まらせたあげく、マンションを追い出されそうになり、権利を保持するために言語学者と無理矢理結婚させられる。しかしすべてはエイリアンのさしがねだったらしい。要するにこのエイリアンはSpaceProgramを「空間に関する番組」って解釈してたってことか? 超怪作。
Winter's Tale★1/2 シェイクスピアのパスティーシュ。シェイクスピアは読んでいないし嫌いなので、わからないしつまらなかった。ハムレットをもじったような人物だの、いろんな作品をつぎはぎしているようだが、よくわからない。しょせんはマニア向け。それに、SFじゃないじゃん。
Chance ★★ 偶然が重なって夫との関係に亀裂が走る三角関係の話だったかな。SFじゃなくて、つまらなくてとばし読みした。
「後期白亜紀にて」★ だめだ、さっぱり覚えていない。もっとも眠かったときに読んでいた。恐竜の反映と絶滅について講義する学者の話だったが、メインのネタは何だったか忘れた。多分面白くなかったのだろう。SFマガジンに訳されていたはずだが探すのがめんどくさい。
TimeOut ★★ タイムマシンを研究している大学で伝染病が流行する話。やたら脱線が多く冗長で、つまらんかった。
Jack★★ これも退屈。戦時中のロンドンで見張りを交代でする人々の中に語り手と同じ名のジャックという人物が紛れ込む。こいつ、瓦礫の下にいる人を次々かぎつけて助け出すが、その正体は&&という話。要するに吸血鬼ってこと? くだらねえ。
「リアルト・ホテルで」★★1/2 ネビュラ賞受賞作だけど、その割につまらんね。量子力学をネタにした科学メタファーものの普通小説。SFじゃないです。20世紀SFに訳されている。
総合 ★★1/2
悪夢のように眠い本だった。変に文学に色気を出して奇を衒って「読者を選ぶ」マイナーな方向へ行こうとしている感じがするのが不愉快。SFならではのよさが全く感じられないいやな作家だと思う。才能はあるんだろうけど、こんな人がメインストリームになっちゃいけない。こんな人が第一人者では、アメリカSFに未来はないと断言する。
サイエンスフィクションと銘打っているけど、SFじゃないのが半分以上だぞ。なんだこれは。そういえば『わが愛しき娘たちよ』もそうだったなあ。だじゃれ小説やパスティース小説や科学メタファー普通小説だらけ。奇をてらって文豪ぶってる分、読む方が退屈で忍耐を強いられる。
「ウィネバーゴの最後」★★★★1/2 これはいいね。SFマガジンに去年ぐらい訳されていたと思う。ウィネバーゴというのはRV車の銘柄で、元はインディアンの部族名。死滅してゆく動物、動物保護法制の過剰な強化、RV車の法規制&&。環境汚染や乱獲で動物が死滅し、人間の文明も静かに死んでいく未来社会の一こま(現在におけるジャッカル轢殺犯人捜しと、過去の犬轢殺事件をオーバーラップさせて描いている)を、落ち着いた筆致で描いた哀切な中編。
「女王様でも」★★★1/2 「生理」と「自転車」をかけただじゃれとおぼしき、「サイクリスト」という奇妙な未来の女権団体の話。読んだのかなり昔なので内容忘れてるが、確か「生理」が薬品か何かで抑制されている未来社会で、「生理」の復活をもくろむ団体だったようなおぼろな記憶。くだらないけど、結構面白かった。
Schwarzshild Radius★★1/2 シュワルツシルトの障壁とはいうまでもなく、ブラックホールから何物も抜け出せなくなる地点のこと。その内部と交信する方法の有無について議論している戦時中の学者たち。アインシュタインと通信しようとする無線担当員がシュワルツシルト障壁よろしくなかなか情報を伝えられず右往左往するというような話で、「リアルト・ホテルで」と同系の科学メタファーの普通小説。
Ado★1/2 何でもかんでも検閲しまくる未来の大学で、原形をとどめないまでに改竄されたシェイクスピアを教えようと奮闘する教師の話。ブラックユーモア。
SpicePogrom ★★★★ おいおい、また駄洒落ものだよ。この題名何? 「香辛料の虐殺」? はぁ?って思って読むと、この題名要するにSpaceProgramの聞き間違いの一例に過ぎなかった。英語の理解力がないことを装っているエイリアンとの商談をネタにしたユーモアSF。主人公の女は酷薄な婚約者に利用され、自分のマンションにエイリアンを泊まらせたあげく、マンションを追い出されそうになり、権利を保持するために言語学者と無理矢理結婚させられる。しかしすべてはエイリアンのさしがねだったらしい。要するにこのエイリアンはSpaceProgramを「空間に関する番組」って解釈してたってことか? 超怪作。
Winter's Tale★1/2 シェイクスピアのパスティーシュ。シェイクスピアは読んでいないし嫌いなので、わからないしつまらなかった。ハムレットをもじったような人物だの、いろんな作品をつぎはぎしているようだが、よくわからない。しょせんはマニア向け。それに、SFじゃないじゃん。
Chance ★★ 偶然が重なって夫との関係に亀裂が走る三角関係の話だったかな。SFじゃなくて、つまらなくてとばし読みした。
「後期白亜紀にて」★ だめだ、さっぱり覚えていない。もっとも眠かったときに読んでいた。恐竜の反映と絶滅について講義する学者の話だったが、メインのネタは何だったか忘れた。多分面白くなかったのだろう。SFマガジンに訳されていたはずだが探すのがめんどくさい。
TimeOut ★★ タイムマシンを研究している大学で伝染病が流行する話。やたら脱線が多く冗長で、つまらんかった。
Jack★★ これも退屈。戦時中のロンドンで見張りを交代でする人々の中に語り手と同じ名のジャックという人物が紛れ込む。こいつ、瓦礫の下にいる人を次々かぎつけて助け出すが、その正体は&&という話。要するに吸血鬼ってこと? くだらねえ。
「リアルト・ホテルで」★★1/2 ネビュラ賞受賞作だけど、その割につまらんね。量子力学をネタにした科学メタファーものの普通小説。SFじゃないです。20世紀SFに訳されている。
総合 ★★1/2
悪夢のように眠い本だった。変に文学に色気を出して奇を衒って「読者を選ぶ」マイナーな方向へ行こうとしている感じがするのが不愉快。SFならではのよさが全く感じられないいやな作家だと思う。才能はあるんだろうけど、こんな人がメインストリームになっちゃいけない。こんな人が第一人者では、アメリカSFに未来はないと断言する。
silvering at 04:29 │Comments(2)│読書
この記事へのコメント
1. Posted by slg October 13,
200504:43
本書を持って 積ん読解消計画第1期 を終了いたしました。
最後の方の本はどれも先を急ぐあまりいい加減に読んだけど、全然反省する気にならない。
バイバイ。またあう日まで。
最後の方の本はどれも先を急ぐあまりいい加減に読んだけど、全然反省する気にならない。
バイバイ。またあう日まで。
2. Posted by SLG October 14,
200500:42
英語以外のSFめちゃくちゃ読みてえ。ハァハァ。とりあえずドイツSFを攻略する。
2000年
3/15
ウィリス「女王様でも」一気読み。★★★★。やはり下ネタになるとウィリスの筆は冴える。これは、ホルモン調節等により女性の月経がなくなった未来で、月経の復活を唱える婦人団体をめぐるドタバタコメディ。野村左千代みたいな主人公の義母の描写が笑える。また、「月経の恐ろしさ」を議論しあう後半のくだりも爆笑もの。主人公に無理矢理連れ出されて、野村サッチ-に「孫の新しい同棲相手」と決めつけられる裁判所書記官の男の滑稽ぶりも小ネタが効いていて、絶品。文句なく面白かったっす。
未訳作品等を集めて、「世界SF大賞傑作選」編集計画スタート。講談社文庫に入っていない50年代と76年以後の作品を冊子にまとめるという目論見だ。雑誌等に訳が出たものについては、手に入ればスキャナで読み込んで使うが、なければ原文入手し新訳を施す。これと並行して長編読みも再開、今度は第一回の「分解された男」から順番に読んでいくことにした。長編もスキャナで読み込もうかな。
ウィリス「女王様でも」一気読み。★★★★。やはり下ネタになるとウィリスの筆は冴える。これは、ホルモン調節等により女性の月経がなくなった未来で、月経の復活を唱える婦人団体をめぐるドタバタコメディ。野村左千代みたいな主人公の義母の描写が笑える。また、「月経の恐ろしさ」を議論しあう後半のくだりも爆笑もの。主人公に無理矢理連れ出されて、野村サッチ-に「孫の新しい同棲相手」と決めつけられる裁判所書記官の男の滑稽ぶりも小ネタが効いていて、絶品。文句なく面白かったっす。
未訳作品等を集めて、「世界SF大賞傑作選」編集計画スタート。講談社文庫に入っていない50年代と76年以後の作品を冊子にまとめるという目論見だ。雑誌等に訳が出たものについては、手に入ればスキャナで読み込んで使うが、なければ原文入手し新訳を施す。これと並行して長編読みも再開、今度は第一回の「分解された男」から順番に読んでいくことにした。長編もスキャナで読み込もうかな。