SF百科図鑑

イアン・M・バンクス「ゲーム・プレイヤー」(角川文庫)

最終更新:

匿名ユーザー

- view
管理者のみ編集可

September 12, 2004

イアン・M・バンクス「ゲーム・プレイヤー」(角川文庫)

ゲームプレイヤー
現在EXCESSIONを読んでいるバンクスのスペースオペラシリーズである〈カルチャー〉シリーズ、唯一の邦訳である。平行して読むことにしたのでそのためのスレッド。
正直、表紙の松本零士起用は失敗だが、内容は面白そうだ。
silvering at 03:31 │Comments(8)TrackBack(0)読書

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by silvering   September 13, 2004 06:26
100ページまで来た。ヤバい。こっちもおもしろい。
世界設定がとても魅力的。そして重要サブキャラである「人間より人間らしいロボット」=ドローンがカワイイ。
主人公は<カルチャー>世界に名を馳せる天才ゲーマーにしてゲーム学者、グルゲー。次々と若年者の挑戦を受けつつも勝ち続けるが、いつ地位をおびやかされるかとヒヤヒヤし始めている。ある日、<コンタクト>からドローンの訪問を受け、仕事の依頼をする場合どれぐらいの期間なら大丈夫かときかれ、半年と答えるが、何の説明もなくドローンは還ってしまう。その後、グルゲーはストリクンの天才少女オルズ・ハップと対戦し、モフリン・スケルというコンタクトを首になったドローンの助力で辛勝するが、その後、モフリンからイカサマをばらすと脅され、「自分をコンタクトに復職するよう進言してくれ」と懇請される──。

「エクセション」と世界設定が共通しているので、並行して読むと非常に読みやすい。特にドローンは気に入りました。それと話の核に「コンタクト」という調査機関があって、ここが主人公に旅を伴う何らかの課題を与える、という物語の基本パターンがあるようだ。

結局グルゲーはモフリンの脅迫を契機にコンタクトの仕事を引き受けることになるのだろうが、どんな課題なのだろうか&&?
「エクセション」も気になるけどこちらも気になってきました。

それぞれ1日100ページずつ読む予定。
2. Posted by silvering   September 14, 2004 09:51
第1部読了。

グルゲーはコンタクトの仕事を引き受けることになり出発。5年間の旅。ゲームが文化と政治の中心を占める、<カルチャー>への危険因子であるアザド帝国の調査がその任務である。<制限因子>号から<いたずらっ子>に途中で乗り換える。

「エクセション」でも炸裂する冗談めかした船の名前は、本作でも健在で嬉しい。

浅倉氏の訳がとても読みやすい。原文は長文が多いはずだが、それを短い読みやすい日本語に噛み砕いて訳している。専門的な造語もとても分かり易い。やはり神様である。
3. Posted by silvering   September 15, 2004 14:41
「蜂工場」いとうで見つけて買ってしまいますた。200円
4. Posted by 手下X22   September 16, 2004 00:11
> 浅倉氏の訳がとても読みやすい。原文は長文が多いはずだが、それを短い読みやすい日本語に噛み砕いて訳している。専門的な造語もとても分かり易い。やはり神様である。

そう、こう来なくちゃ行けない。何故名人なのか、それが語れないといかんのだ。
かくあれかしだ。

それはそうと相変わらずSF系の表紙のセンスは&&
いや、松本氏に限ったことではなく。
5. Posted by silvering   September 16, 2004 02:22
>それはそうと相変わらずSF系の表紙のセンスは&&
>いや、松本氏に限ったことではなく。

ほんとっすよ。この表紙で誰が買うんだろう&&。売れるわけないじゃん。
ちなみにスタージョンスレで、「人間以上」の新表紙の趣味の悪さが話題になっていました。
後は、ティプトリーの「たったひとつの冴えたやり方」の川原由美子表紙も賛否両論ありましたね。僕はあの表紙は好きでしたが、羞恥心のある高齢男性読者には少女漫画の表紙はレジに持っていくの恥ずかしいだろうなあ、と理解できました。僕は少女漫画の絵は全然平気だが、アニメ系の絵は恥ずかしい。こういうのって、知らず知らずのうちにその人のコンプレックスがわかるもんですね。
6. Posted by silvering   September 17, 2004 04:24
こっちはやっと200ページ、遅れている。ただストーリー展開は単純でひねりがないため、読みやすい。
遂にアザド星に着いた。
7. Posted by SILVERING   September 18, 2004 03:24
400ページまで一気読み。面白いです。政治、経済、社会の基本にゲームがあるという冗談のような設定の異星社会の様子がけっこうもっともらしく構築されていて。ストーリーも、主人公グルゲーが、敵地のゲーム大会を勝ち上がりながら、この歪んだ社会の実態を次第に知っていく&&つまり、一定の克服すべき課題、困難に対する挑戦という、比較的単純な構成であるため、万人受けしそうだし、キャラもけっこう多彩で飽きさせない。逆に、ストーリーラインが単純でまとまりが良すぎるのが欠点ともいえようが、そこは読む人の趣味の問題だろう。

さて、グルゲーが決勝リーグまで勝ち残り、さていよいよ皇帝の座をかけた勝負が近づく&&と同時に、〈カルチャー〉がグルゲーをここへ派遣した理由も未だに謎。残り100ページどういう展開になるのか?

ここで寸止めし、「エクセション」の方に戻ります。
8. Posted by silvering   September 18, 2004 18:30
読了。
「エンダーのゲーム」と同じようなオチだったが、あれよりもディテールが練り込まれてグレードアップした感じの作品だった。また本作の魅力はメインにあるスケールの大きな<ゲーム>の攻防の迫力もさることながら、船やドローンといったサブキャラの魅力にも負うところが大きい。
そして、本作品の必ずしも本筋というわけではないが、隠し味として全体に大きな叙述トリックが仕掛けられています。本作を読む際、常に「本書の真の語り手は誰なのか?」を考えながら読むと、本筋の上ではさして意味がないように思えたディテールに重要な手がかりがあって、興味が持続するし、本作を2倍楽しむことができます。

テーマ性★★
奇想性 ★
物語性 ★★★★
一般性 ★★★★
平均  2.75点
記事メニュー
ウィキ募集バナー