SF百科図鑑
鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』創元推理文庫
最終更新:
匿名ユーザー
1999年
3/29
鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」読み終える。面白い! 小説としては何のひねりもないのに、アイデアだけでここまで読ませるとは。しかも、単なるほら話にしては考証がわりかししっかりしているように見え、門外漢が読むとすっかり信じ込んでしまう。「小気味よい」という言葉がぴったりだ。読んでいて、自分も原典にあたってみたくなるほどだ。
不安なのは、これだけ惜しげもなくアイデアを出してしまうとすぐにネタ切れになってしまうのではということだが、まあ、歴史に関しては何誌も専門誌が出ているほどだし、意外にネタは豊富なのかもしれない。とにかく、「日本書紀」解釈もやったからには、「古事記」解釈も読みたいし、ほかにもとりあげてほしいネタはいっぱい......旧約聖書のネタとか。それにしても、歴史ってやっぱり面白いね。
ヤマタイで息抜きをした上で再度「失楽」にチャレンジ。作中作の合わせ鏡というとんでもない展開になってきて、わくわく。中井英夫がかった文体もたまらん。多分、もう1、2日で読み終わる。
また、FFの影響か、最近ファンタジーが読みたくてしようがなく、手始めにとアンソニイのザンスシリーズ第1巻を入手。幻獣図鑑でも入手して座右に置きつつ読もうかと目論んでいる。