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フィリップ・ホセ・ファーマー『果しなき河よ我を誘え』ハヤカワ文庫SF

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9/9
(略)

年代順読み、少し変則するかも。続き物や同一作者の物はできるだけ纏めて読んだ方が良いからだ。
例えば70年代ではクラーク、ルグィン、ティプトリーといった複数受賞作家は、最後に気合い入れて纏めて読んだ方がよいのでは。但し、「宇宙のランデヴー」だけは既に半分ぐらい読んでいるので、先に読む。
要するに、単発受賞作家を先に一気読みするということ。そのほうが幅も早く広がる。

で、基本的に長篇優先で、短編は後回しというスタンスも同じ。

今ファーマーだが、次は「ランデヴー」と「リングワールド」、ルグィンを後に回してアシモフ、ウィルヘルム、マッキンタイア、ポール、クラーク、ルグインの順かな。
但し、クラークに入る前に、短編群は(ルグィン、ティプトリーを除き)読み潰す。
また、その間に適当なところで60年代残り(ライバー、ブラナー、ハインライン)を入れる。

ファーマーリバーワールド1巻、20年ぶりに最初から読みはじめる。前は半分ぐらい中学の時に読んでいたが、忘れてしまったので。
中学の時は、期待した程面白くなく(幻想的なアイデアと単純な冒険活劇風の内容のギャップに失望した覚えがある)、途中で挫折したのだったが、読み直してみて、今度はあまり期待せずに、所詮アメリカ人に受ける作品だからとタカをくくって読み始めたので、今のところけっこう楽しめている。しかし、しょせん単なる娯楽読み物であり、一部短編に見られるような思弁の深み、凄みは片鱗も見られない。
この過激な思弁小説と娯楽的な冒険小説の落差が、ファーマーの幅の広さであると同時に評価を定めにくくしていている要因でもあろう。ただ、内容の下品さはいずれにも共通しており、これがファーマーらしさを醸し出しているのは皮肉なところである。
また、改めて読んでみると、いろんな世代、国の人が一堂に会してコミュニケーションするネタは(内容は粗雑でありきたりではあるにせよ)それなりに面白く、下らないとは思うがいちおうこの作品の魅力のある程度の部分を占めている。
しかし、基本的には、単なる原始人のサヴァイバルと冒険の物語であり、これだけいいアイデアを単なるハックルベリー・フィンとロビンソン・クルーソーの混合物にしてしまったのはもったいない気がする。着想自体、ハックルベリーから得たのではないかという感じだし。第2巻の主人公はマークトウェインだし(笑)。好きなんでしょうね、冒険物が。ターザンの研究書を出しているぐらいだしね。
むしろ「階層宇宙」シリーズの方が、個人的には興味をそそられるなあ。
しかし、もっと読みたいのはやはり短編。創元の「奇妙な関係」とか手に入れたい。あと「恋人たち」と、プリングルが代表作と誉める未訳の「不合理の仮面」。「不合理」は世代?宇宙船の話と形而上学的というか超宇宙的アイデアを組み合わせた作品ということでむちゃくちゃ面白そうだ。

ヒューゴー賞発表。

best novel
* A Deepness in the Sky,
                    Vernor Vinge (Tor)
best novella
* "The Winds of Marble Arch",
                    Connie Willis (Asimov's  Oct/Nov 1999)
best novelette
* "1016 to 1", James Patrick
                    Kelly (Asimov's June 1999)
best short story
* "Scherzo with Tyrannosaur",
                    Michael Swanwick (Asimov's
             July 1999)
best related book
* Science Fiction of the 20th
                    Century, Frank M. Robinson
                    (Collectors Press)
best dramatic presentation
* Galaxy Quest (Dreamworks
                    SKG; directed by Dean
                    Parisot; screenplay by David
                    Howard & Robert Gordon;
                    story by David Howard)
best professional editor
* Gardner Dozois
best professional artist
* Michael Whelan
best semi-prozine
* Locus, edited by Charles N.
                    Brown
best fanzine
* File 770, edited by Mike
                    Glyer
best fan writer
* Dave Langford
best fan artist
* Joe Mayhew
ヴァーナー・ヴィンジ続編がローカス賞とWクラウンか。前作も名作だっただけに、当然か。我が国では今一人気がないが、寡作なせいだろう。前作は個人的にもオールタイムベスト級と思っているだけに続編受賞は嬉しい。
それと個人的にファンのスワンウィックが2年連続短編王。邦訳はまだ長篇1冊だけにこれで短編集も出るか?と期待。最近の翻訳SFは特定の翻訳家、評論家の贔屓の作家ばかりが訳され、不当に無視されている作家がたくさんいるが、スワンウィックなどその代表。ネビュラ賞のみでヒューゴーを取れないということは、かつてはマニア受けの色彩が濃かったといえるが、ようやく大衆的人気を得てきたということか。本国でも短編集が新たに3冊程出ており、ペーパーバック化が待たれる。少なくともジョン・クロウリー程度の扱いは受けてよい作家と思う。斬新な着想と特異な幻想性は、一度はまったら抜けられない。
しかし、ことしもアシモフ誌が独占。今や、アシモフ誌を読んでいれば受賞作は全部カバーできるということか。

9/13
ふひぃ疲れた。今週はことのほか疲労度が濃い。今日も濃厚なのが(略)

「果てしなき河」面白かった! 単なる冒険だけかと思ったら後半謎解き話になってるじゃん。★★★★★。死んでも何度も生き返って、復活回数新記録を樹立したことにより主人公が目立ち過ぎて捕まる、というのも笑える。面白い! こりゃあ終わらせるのが惜しくてだらだら書きのばしたくなるのもわかる(笑)。こんなネタを本気で小説にしてしまったこと自体がほとんど奇跡なんだし。ところで、このシリーズに手を出してしまったからには、ワトスンの「黒き流れ」にも手を出さないわけにはいかないんでしょうね、やっぱり。
しかし、山田風太郎の「神曲崩壊」って、完全にぱくりじゃん(笑)。

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