SF百科図鑑
ゴードン・ディクスン『ドルセイの決断』
最終更新:
匿名ユーザー
2001年
次は、「ドルセイの決断」。しかし、ミリタリーものばっかりだなあ、80年代って。
「ドルセイの決断」だが、どうも理屈っぽくていけない。「兵士よ問うなかれ」もそうだったけど、あれに輪をかけて。ストーリーが全然進まず、蜿蜒と悩みを打ち明ける会話の場面が続く。何なのこれ? という感じ。ほんとにこれがヒューゴー賞かよ。面白くないなあ。
(略)でレンズマン7巻揃いと人類皆殺し購入。
シンザン記念、買っていれば3万馬券取れていたが(ビッグゴールドから流す予想)、懲罰として当分、G1以外買わないことに決めているので我慢我慢。たかが予想が当たっていたというぐらいで誘惑に負けるようでは大した人間になれない。一度腹かいたらおれは最後まで意地を張り通すのだということを見せつけてやる。ふん、競馬なんかくだらん。来週も買わないからな。見てろよ。おれは一度嫌いになったら、とことん嫌い抜くんだ。
「ドルセイの決断」★★★★1/2
最後まで読んでよかった。やや気取り過ぎという気はするが、このオチは見事。軍人の道やモラルを問いかけて終る終わり方もディクスン節だ。SFの手法を用いたモラルの書、という<チャイルド・サイクル>の特徴が如実に表れた一編。SFでなくてもできる、ともいえるが、<軍人><信教者>といった職業に特化された人類の物語を通じて、よりいっそうテーマを鮮明に浮き彫りにできるという効果もあることは確かだ。成功しているかどうかはともかく、その野心は評価できる。同じくモラルを追究する作家であるカードあたりにも、直接間接の影響はありそうだ。
「戦士」★★★★
短いながらも印象的な一編。60年代の初期作ながら、やはり戦士の<道><モラル>といったものを問いかけている点で一貫しているところが興味深い。
本全体としては★★★★。長中編、短編1ずつに、ファンの論文と、「最終百科事典」の抜粋という雑然とした構成では、寄せ集めの印象が強い。表題作の出来をもってしても、全体の印象は、やや雑。