「いつきちゃん・・・?」
いつきはお梅の胸に頭を預けたまま顔を上げようとせず肩を震わせている。
暫くして、胸から布越しに濡れた感触を感じたお梅は
何も言わずにいつきを抱きしめ、その小さな後頭部を撫でたのだった。
いつきはお梅の胸に頭を預けたまま顔を上げようとせず肩を震わせている。
暫くして、胸から布越しに濡れた感触を感じたお梅は
何も言わずにいつきを抱きしめ、その小さな後頭部を撫でたのだった。
次郎はいつきに政宗からの文を渡すと何度も頭を下げながら帰っていった。
いつきは岩に腰掛けながら改めて政宗の文を読んだ。
それはいつもの文と違い間接に予定が変わり行けなくなったという旨だけが書かれていた。
おそらく、じっくり文を書く時間も無かったような急用が
できてしまったのだろうといつきはぼんやりと考えた。
そんないつきの様子を隣で心配そうに見つめるお梅の視線に気付き
いつきは下瞼の腫れた顔で笑う。
「しかたねぇべ。蒼いお侍だって大切な事があるだ。
オラが我が儘言ってちゃなんねぇべ」
政宗の背中には奥州に住む人々の全てがある。
そんな護るべき人々が大変な時にそれらを放置して
此処まで来るようならいつきは政宗の頬をひっぱたくところだ。
でも、寂しいのも本当だ。
特に今回は楽しみが大きかった分落胆も大きかった。
お梅は強がるいつきの頭をまた撫でるとふわりと微笑む。
いつきは岩に腰掛けながら改めて政宗の文を読んだ。
それはいつもの文と違い間接に予定が変わり行けなくなったという旨だけが書かれていた。
おそらく、じっくり文を書く時間も無かったような急用が
できてしまったのだろうといつきはぼんやりと考えた。
そんないつきの様子を隣で心配そうに見つめるお梅の視線に気付き
いつきは下瞼の腫れた顔で笑う。
「しかたねぇべ。蒼いお侍だって大切な事があるだ。
オラが我が儘言ってちゃなんねぇべ」
政宗の背中には奥州に住む人々の全てがある。
そんな護るべき人々が大変な時にそれらを放置して
此処まで来るようならいつきは政宗の頬をひっぱたくところだ。
でも、寂しいのも本当だ。
特に今回は楽しみが大きかった分落胆も大きかった。
お梅は強がるいつきの頭をまた撫でるとふわりと微笑む。
「いつきちゃんは伊達様に恋してるんね」
「・・・・・・へ?」
いつきの心臓がどきりと跳ね上がった。
(・・・恋?)
政宗に好意を抱いているのは確かだが、明確にこの感情に名前を付けた事はなかった。
ただ兄を尊敬するのと同じ感情だと思い込んでいたがそれともどこか違う感情に
こうして一度気付いてしまえばあとは感情の泉が溢れ出す。
いつきは頬を赤く染め、両手で顔を覆う。
「で、でも、歳だって離れとるし、
そ、それよりもオラ農民だべ。相手なんかされる訳・・・」
自分で言っておきながら改めてて現実を思い知らされいつきは悲しくなってきてしまった。
相手は奥州一帯を掌握する日本に名を連ねる名武将。
それがただの農民の娘をそのような恋愛対象に見るだろうか。
「・・・・・・へ?」
いつきの心臓がどきりと跳ね上がった。
(・・・恋?)
政宗に好意を抱いているのは確かだが、明確にこの感情に名前を付けた事はなかった。
ただ兄を尊敬するのと同じ感情だと思い込んでいたがそれともどこか違う感情に
こうして一度気付いてしまえばあとは感情の泉が溢れ出す。
いつきは頬を赤く染め、両手で顔を覆う。
「で、でも、歳だって離れとるし、
そ、それよりもオラ農民だべ。相手なんかされる訳・・・」
自分で言っておきながら改めてて現実を思い知らされいつきは悲しくなってきてしまった。
相手は奥州一帯を掌握する日本に名を連ねる名武将。
それがただの農民の娘をそのような恋愛対象に見るだろうか。