「この間はごめんなさいね」
結果として数日拝借することになってしまった萌黄色の戦装束。
まつのもとに返して、洗っておいたからとつけ加えながら濃姫は苦笑いを浮かべた。
――いつもの装いと違う格好だったから閨で燃えた、などと言えるはずもない。
まつはなぜか一瞬顔を赤くしてから、濃姫の衣装を「洗濯しておいた」と言いつつ差し
出した。
お茶でも、と勧めるまつに、寄り道するとまたお叱りを受けるからと丁重に断りを入れ、
濃姫は帰路につく。
結果として数日拝借することになってしまった萌黄色の戦装束。
まつのもとに返して、洗っておいたからとつけ加えながら濃姫は苦笑いを浮かべた。
――いつもの装いと違う格好だったから閨で燃えた、などと言えるはずもない。
まつはなぜか一瞬顔を赤くしてから、濃姫の衣装を「洗濯しておいた」と言いつつ差し
出した。
お茶でも、と勧めるまつに、寄り道するとまたお叱りを受けるからと丁重に断りを入れ、
濃姫は帰路につく。
後日。信長は何を思ったか、懇意の商人を呼び寄せると南蛮の女中服を買い求めたのだが、
これはまた別の話である。
これはまた別の話である。
おわり