ロングソード 後期型

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ロングソード 後期型 - (2009/08/15 (土) 04:00:30) の編集履歴(バックアップ)


ロングソード 後期型 ~Long Sword~

基本スペックと定義


全長 80~95cm
重量 0.9~2.0kg
地域 ヨーロッパ
年代 11~16世紀

西洋(ヨーロッパ圏)の中世で最も有名な剣と言えば、間違いなくこの「ロングソード」だろう。 和訳すると「長い剣」を意味しているため、広義では長い剣の総称になる。 ここでは日本での「ロングソード」、本場西洋での「ナイトソード」「ホースマンズソード」について記述をしようと思う。 ロングソードの定義は以下の通りである。

・まっすぐな両刃の刀身を持ち、全体的なシルエットが「十字」になるようにヒルト(鍔:つば)がついている ・馬上から使うことを目的とした騎士(ナイト)用の剣 ・全長が80cm以上、95cm以内の剣

これらの定義に加え、後期型は更に以下の特徴がある。

・刀身は鋼鉄製である ・前期型と比べて細身の刀身に変わっている

これらの条件を満たしたものが、ロングソード(後期型)と呼ばれている剣である。

部位別の呼称


剣身:ブレイド(Blade)
切先:ポイント(Point)
柄:ヒルト(Hilt)
鍔:ガード(Guard)
握り:グリップ(Grip)
柄頭:ポメル(Pommel)

時代背景


ロングソード(前期型)が使われ続けて数百年。 製鉄技術も進化し、鋼鉄(鋼)を作る技術が生まれると同時に、ロングソードのデザインもそれに沿って変化していった。 素材の硬度が飛躍的に上がったので、刀身を肉厚にする必要がなくなったため、上記CGのように刀身も細く鋭くなったことが最大の変更点である。 その他は柄や鍔が刀身に合わせて全体的にシャープになり、前期型と比べて全体的にスマートになっている。 また、貫通力が飛躍的に上昇したことで、血溝(樋)を作って抜きやすくする必要がなくなったので、血溝があるものはあまり無いようである。 ロングソードはこのように、長い歴史とともに進化していった、歴史ある武器なのである。

使用用途


前期型と同じく、馬上から歩兵に対する攻撃が主流である。 また、この後期型になると バスタードソード と同じように斬撃・刺突の両方に優れた細身の刀身になるので、攻撃に幅が出来ている。 斬撃をする場合、ロングソードの剣術には縦振りの攻撃が、バランス上の問題で存在せず、肩の上に乗せてそのまま横に薙ぎ払う斬撃がよく使われたという。 騎兵は総じて馬の疾走力を生かしたチャージアタックを使って戦ったと言う。 後期型はその形状から、この横に薙ぎ払う攻撃でのチャージアタックを多用したのではないかと思われる。

決闘用の武器


あまり資料がないのだが、レイピア誕生以前には決闘用・儀礼用として用いられたといわれている。 前期型でもここでも書いてあるように、騎士たちの誇りとプライドのシンボルとして腰から下げている武器であったので、当然と言えよう。 また、打刀が戦争時のときと日常生活のときとで装飾に違いがあるように、ロングソードも同様に宮廷内での装飾は豪華なものだったと言う。 これらは別記の剣でも総合的に言えることだが、日常用として腰から下げている剣の装飾は非常に重要である。 装飾の豪華さ次第でその人物の財力や権力が分かる、ステータス的な存在だったからである。

逆に戦争用は威力重視なので、戦闘に邪魔な装飾類はほとんど見られない。 特にロングソードは必要最低限の装飾しかなかった上、盛大に戦時中に使われたせいか、現存しているロングソードはほぼ原型が残っていない。 博物館に保管されているものすら、刀身が錆びたり折れたり朽ち果てたりして、柄(ヒルト)以外はろくな形状を残していない。

2007年 9月30更新  2008 8月21日 画像差し替え+追記

参考文献


・ウェブサイト wikipedia

・文献

新紀元社        武器事典          市川定春      著
新紀元社        武器と防具 西洋編     市川定春      著
新紀元社        図解 近接武器       大波篤司      著
ダイヤグラム・グループ 武器―歴史、形、用法、威力 田島優 北村孝一 著
幻冬舎コミックス    図説 武器だもの      武器ドットコム    著
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