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全長 | 100~110cm |
重量 | 0.5~0.8kg |
地域 | 西ヨーロッパ |
年代 | 17世紀~現代 |
刺突用の片手剣の代表格がエペである。
フランス語で「剣」を意味しており、「レイピア」と同様の細い刀身とカップ型の護拳を持っているのが特徴である。
現代においては、フルーレ、サーブルと並んでスポーツの「フェンシング」で使われる武器として知られている。
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1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:ポイント(Point) |
3 | リカッソ |
4 | 半球護拳付き柄:カップヒルト(Cup Hilt) |
5 | 半球鍔:ガード(Cup Guard) |
6 | 握り:グリップ(Grip) |
7 | 護拳:ナックルガード(Knuckle Guard) |
8 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
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製鉄技術の発展により金属鎧を貫通できる細身の剣が全盛期を迎えるときに生まれた刺突剣の一つである。
戦場で使われた武器ではなく、完全に騎士や貴族達がその名誉を守るための決闘をするための、決闘専用武器と言っていい。
この決闘はエペで突くことによって、相手の身体のいずれかから血を流させれば価値というルールであった。
よって、相手の首や腕を切り落とすとか、死に至らしめる破壊力を持たせる必要はなく、突くことが出来ればそれでいい程度のものであった。
…とはいっても、刺さりどころによってはもちろん死ぬこともあり、この決闘で死んだ貴族や若者は数多くいたという。
この決闘形式はやがて「フェンシング」というスポーツと化し、現代ではオリンピックの正式競技の一つとして上げられるほどの、ポピュラーな競技となっている。
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レイピアのように実戦的な使い方をするわけではないので、左手に短剣を持つようなことはしなかったようだ。
「GA☆TO☆CYU☆エロスターイムッ!」と、勢いよく突くわけでもなく、剣先で牽制しながら、相手の攻撃をカップガードで捌きつつ、相手の身体にひと突きを入れる。
一応刀身には刃が付いているのだが、レイピアと同様に突きを前提に作られているので、切断力はあまり期待してもいけないし、下手に使うと刀身そのものが折れてしまう可能性もある。
あくまで騎士道を重んじる騎士や貴族の決闘に用いられた武器なので、決して荒々しく使ってはいけない。
ちなみに練習用のエペ及び現代の競技用エペは、先端が丸くなっており、刺突をしても死ぬと言うことはほぼ無い。(さすがに武器での攻撃なので、当たり所次第の問題があるので0ではない)
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エペはフェンシングにおいて、武器名であり競技名である。
エペは750g以上の強さで突けば勝利、というルールであり、これはフェンシングにおいて一番重い一撃を必要としている。
他にはフルーレ(フォイル)、サーブル(サーベル)という競技もある。
エペ、フルーレは同名の細身の刀身とカップガードがある剣を使って、突きのみで判定がある。
対してサーブルは、かなり軽量のサーベルが使われて、突きだけでなく切りにも判定がある。
…が、日本ではあまり人気の無い(やっている人が少ない)スポーツだったりする。
しかし北京オリンピックにおいて、男女ともにフルーレで非常に好成績を出し、注目を浴びつつもある。
これをきっかけに日本でも人気が出るといいなぁ…と思う。
2008年 10月19日更新
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