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全長 | 80~130cm |
重量 | 0.7~1.2kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 13~17世紀 |
両手用の強力な刺突剣。
フランス語では「エストック(もしくはエストク)」、英語では「タック」、ポーランドやロシアでは「ノッカー」と呼ばれている。
またその性能から「メイル・ピアシング・ソード」とか「パンツァー・スティッチャー」などとも呼ばれる。
かなり呼び名や異名があるが、それだけ広く使われたことを意味している。
チェインメイルを貫通するために作られた刺突専用武器で、針のような刀身が特徴である。
この武器は先端の断面図は円形であるものの、刃元にだんだんいくと四角形になっていき、場合によっては更に六角形やひし形になることもある。
針のようでレイピアの強度を彷彿させるものの、かなり頑丈に作られており、折れにくい。
その強度は、初期の頃のプレートメイルすら貫通させるほどであるので、侮れない。
貫通効果が重視された武器なので、特別刀身が長い必要が無かったせいか、全長は思ったより長くは無い。
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1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:ポイント(Point) |
3 | 柄:ヒルト(Hilt) |
4 | 鍔:ガード(Guard) |
5 | 握り:グリップ(Grip) |
6 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
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メイル・ブレイカー系の短剣が多く流行したときに作られた、大型のメイル・ブレイカーといえる。
鎧の強化等ですぐに廃れたが、どういうわけか17世紀頃にポーランドやロシアで「ノッカー」と言う名称で使われ続けていた。
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完全に刺突だけを視野に入れた武器である。
騎兵の補助武器として使われていたが、下馬したときの主力武器としても使われた。
騎兵、歩兵でも問わずに使えると言うのは使い勝手の点ではいいと言える。
また、グリップは「バスタードソード」のように片手半ぐらいの長さがあり、片手でも両手でも使うことが可能である。
刺突剣の割にタフで、かつ使い勝手のいい優秀な武器だと言える。
2008年 11月3日更新
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