2010.6.23 08:26
広島県のマツダ工場で、従業員らが乗用車にはねられ、1人が死亡、10人が重軽傷を負った事件で、工場敷地内にブレーキ痕がなかったことが22日、県警への取材で分かった。死亡した浜田博志さん(39)は頭や首の骨を折り、ほぼ即死状態だったことも判明。県警は、殺人未遂容疑などで逮捕した派遣社員、引寺(ひきじ)利明容疑者(42)が、強い殺意を持って無差別に浜田さんらをはねたとみている。
マツダによると、引寺容疑者は今年3月25日に6カ月契約の期間社員として採用。4月1日に宇品工場に配属されたが、14日に退社。実働したのは実質8日間だったという。
引寺容疑者は調べに対し「4月にマツダの工場を辞めた。会社に恨みがあり、殺すつもりでやった」と供述。一方で、会社側は「引寺容疑者とトラブルはなかった」としており、県警で詳しい動機を調べている。
県警によると、引寺容疑者は22日午前7時35分ごろ、マツダ社製のファミリアを運転し、広島市南区の宇品工場の東正門を突破。敷地内の道路を暴走し、4カ所で19~50歳の男性計7人をはね、重軽傷を負わせた。その後、工場内の橋を渡って北東側の広島県府中町にある本社工場に移動。2カ所で22~26歳の男性3人をはねて軽傷を負わせ、最後に浜田さんをはねて、北正門から外に出た。
走行距離は10キロ近くで時間は約8分。単純計算で時速約75キロに達する。「時速50~60キロ程度は出ていた」との証言もあり、県警は浜田さんがかなりの速度ではねられたとみている。
県警は22日午後、殺人容疑などで広島南署に捜査本部を設置。広島市安佐南区の引寺容疑者の自宅アパートを家宅捜索した。