2010.6.23 05:00
政府の新成長戦略に盛り込まれた観光立国の推進に向け、企業がいかに休暇を取りやすい環境を整備するかが注目されている。産業能率大大学院の城戸康彰教授(組織行動論)は「日本の企業文化には、自分を殺してでも会社のために尽くすという考え方があったが、働き方に対する見直しが必要だ」と訴えている。
厚生労働省によると、2009年の労働者1人あたりの有給休暇の付与日数は18.3日、このうち取得日数は8.8日。平均取得率は48.1%で、ここ数年は半分を切る状況が続いている。また、日本人の年間休日数は、フランスやドイツ、英国に比べ10日前後少ない。
城戸教授は「日本人全体の未消化の有給休暇は年間4億日で、完全取得が実現すれば、12兆円の経済波及効果と150万人の雇用創出効果が期待できるとの試算もある」と指摘、休暇取得の推進に大きな経済効果があると期待する。
その上で、休暇の取得によって、(1)業務の効率化(2)従業員の健康管理と安全確保(3)優秀な人材の確保-など、「企業にとってもメリットは多い」と強調している。
すでに休暇取得促進策に取り組む企業の成功事例もみられる。観光庁が昨年3月まとめた調査では、優秀な社員に10万円相当の旅行券を提供する例や、会社側があらかじめ有給休暇の取得日を決めてしまう例が注目を集めている。
城戸教授は「休暇が生産性向上につながるという企業風土を定着させるため、日本企業は社員にどういう働き方をしてもらいたいかという理念が問われている」と話す。観光庁も休暇をとりやすくする環境整備について、検討に乗り出している。
ソース:ソース:SankeiBiz http://www.sankeibiz.jp/business/news/100623/bsg1006230502001-n1.htm