2010.12.7 14:03
前回は「超氷河期」の就活事情の一端を紹介した。その過酷さに驚かれた方も多いのではないだろうか。
しかし、「100社にエントリーした」「10社から内定を得た」といった、数ばかりを競うようなネット上の書き込みを見ると、違和感を覚えてしまう。筆者(29)自身の就活体験との差が大きいからかもしれない。
筆者は平成17年4月に入社した。厚生労働省の調査では、同年3月に卒業した大学生の16年10月1日時点での就職内定率は61.3%。過去最低を記録した今春卒業予定者の57.6%と比べれば高いが、過去10年間で3番目に低かった。
楽天的な性格なのだろう、当時の筆者はそれでも「なんとかなるのでは」と考えていた。もともと新聞・出版業界に絞っていたため、企業の合同説明会とは無縁で、OB・OG訪問もしなかった。初めて最終面接にたどりついたのが産経新聞で、そのまま運良く内定を得られた。念願の職業に就けることが決まり、間もなく就活は中止。結局、エントリーした社は10社に満たず、実質的な就活期間は3カ月程だった。
だから、リクルートが今年7月に公表した大学生・大学院生対象の「就職活動実態調査」結果には驚いた。1人あたりのエントリー社数で最も多かったのは21~50社で33%を占め、101社以上も11.9%にのぼった。業種や会社を絞り込み、短期集中型に重きを置いた筆者からすると、この数字には正直、首をかしげたくなった。
超就職難の今、筆者のように、楽観的に活動できる人は少ないだろう。とにかく1社でも内定を確保したいと、多くの会社にチャレンジする心理もわからなくはない。けれど、多くの企業を回るうち、1社ごとへの思い入れが希薄になり、対策も不十分にならないかと思ってしまうのだ。
いくつもの会社から不採用を申し渡され、自己否定されたような気になって鬱状態に陥る学生も少なくないと聞く。だったら思い切って発想を転換し、より絞り込んだ企業に、より“のめり込んで”みてはどうだろうか。筆者のような考えは、果たして厳しい現実にそぐわないのか、みなさんの意見をお聞かせ下さい。(佳)