(5月25日 05:00)
二〇〇八年の労働災害による県内の死傷者数(休業四日以上)は前年比6・6%増の二千三十五人で、過去五年で最多だったことが二十三日までの栃木労働局のまとめで分かった。中でも派遣労働者は前年より十五人多い八十四人に上り、〇四年の約二十倍。同労働局は「慣れない職場で十分な安全教育を受けないまま働く派遣労働者が増えている」と分析している。
同労働局によると、本県の労働災害による死傷者数は近年横ばい傾向で、増加に転じたのは三年ぶり。
業種別では製造業が六百二十三人と全体の約三割で、建設業など大半の業種で増加。事故形態では「転倒」「挟まれ・巻き込まれ」「墜落・転落」の三つで半数近くを占めた。
一方死亡者数は過去最少だった前年より十二人多い二十六人。過去二番目に少なかったが、前年はなかった「崩壊・倒壊」「爆発」「転倒」「感電」が原因で七人が死亡した。
全国的には死傷者、死者とも前年より減少する中、大幅増となった本県。理由について同労働局は「本県は派遣労働者の割合が大きい」と指摘する。
製造業への派遣を可能にした〇四年三月の改正労働者派遣法の施行後、県内の派遣労働者数は急増。それに伴い、〇四年は四人だった労働災害の死傷者も年々増え続けている。
また同労働局が昨年実施したアンケートで、回答のあった八百七事業所のうち、危険性の改善を図るリスクアセスメントを行っている事業所は、約四割にとどまった。
「不況の影響で安全対策経費を削減する事業所もある」と同労働局。「今後はリスクアセスメントをはじめ、派遣労働者への安全教育の徹底などを呼び掛けたい」としている。