熱運動

熱運動によって与えられる運動エネルギーは、その絶対温度に比例する。
よって、原子1個に着目した場合、以下のことが言える。
E=\frac{1}{2}mv^2=kT
次に、原子1mol、つまり原子N_A個に対して同じ考察をすると、
平均運動エネルギーを、\overline{E}、平均速度を\overline{v}と表すと、
\overline{E}=\frac{1}{2}m\overline{v}^2\times N_A=kT\times N_A
ここで、m[g]\cdot N_A=M[g/mol]より、
\overline{v}=\sqrt{\frac{2kN_AT}{M}}=\sqrt{\frac{KT}{M}}

ところで、熱運動のエネルギーとは内部エネルギーのことである。
以下で内部エネルギーを求め、上の証明をする。

内部エネルギー

半径rの球形容器を考える。
分詞の質量はm,早さはv,入射角は常にΘとする。
分子の数はN個である。

まず、分子1つが1回衝突した時の力積は、
mv\cos\theta-(-mv\cos\theta)=2mv\cos\theta

次に、次に衝突するまでに分子が移動する距離は
2rcos/theta
と表されるので、時間tの間に衝突する回数は、
\frac{2r\cos\theta}{v}:1=t:x\iff x=\frac{vt}{2r\cos\theta} 回である。

次に、すべての分子による力積を考える。
I=2mv\cos\theta \times \frac{vt}{2r\cos\theta}\times N=\frac{Nmv^2}{r}t=Ft
よって、分子による力は以下のようになる。
F=\frac{Nmv^2}{r}

また、圧力は
P=\frac{F}{S}=\frac{Nmv^2}{r}\cdot\frac{1}{4\pi r^2}=\frac{Nmv^2}{3\cdot \frac{4}{3}\pi r^3}=\frac{Nmv^2}{3V}

よって、気体の状態方程式と比較すると、
PV=\frac{Nmv^2}{3}=\frac{N}{N_A}RT\iff \frac{1}{2}mv^2=\frac{3}{2}\cdot \frac{RT}{N_A}

以上より、内部エネルギーは次のようにあらわせる。
U=\frac{1}{2}mv^2\times N=\frac{3}{2}\cdot \frac{N}{N_A}RT=\frac{3}{2}nRT
よって単分子原子に於いて、
U=\frac{3}{2}nRT
は示された。

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最終更新:2012年08月24日 01:40
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