数論

数の種類

種類 記号
自然数 N 1,2,3,...
整数 Z 0,±1,±2,...
有理数 Q 1.5,2/3,...
無理数 なし π,e,\sqrt{2},...
実数 R 0,π,\sqrt{2},...
複素数 C 1±i,3±2i,...
N∈Z∈Q∈R∈C

整数の組


有界

実数の部分集合Aに対し、
Aのどの元よりも大きい実数が存在するとき
Aは上に有界であるという。
Aのどの元よりも小さい実数が存在するとき
Aは下に有界であるという。

また、関数f(x)について、
定義域をA、値域をf(A)=\{f(x)|x\in A\} とすると、
f(A)が有界のとき、f(x)を有界関数という。

上限下限



範囲




証明

漸化式がらみの証明

(1)漸化式を解いて一般化する
(2)漸化式を漸化式のまま変形してa_1の状態まで示して用いる
(2つの漸化式がある場合はそのままで示せる場合多し)
(3)どうしても無理なら数学的機能法で処理する
(2つの仮定があるのなら、これらは同時に示さないと解けない場合多し)

存在証明

(1)数式で表して証明
(2)一般的に表せない場合は背理法で矛盾を示す

不等式証明

(a)相加相乗
a>0,b>0のとき、a+b\ge 2\sqrt{ab}
(b)平均値の定理
\frac{f(b)-f(a)}{b-a}=f'(c)(a<c<b)
(c)微積分
(d)二項定理


(1)帰納法
a_{n+1}=\frac{{a_n}^2+1}{2a_n}(a_1>1)
これの範囲を証明する。
数学的帰納法より、
a_{k}>1 \Longleftrightarrow~ a_{k}-1>0とすると、
a_{k+1}-1= \frac{{a_k}^2+1}{2a_k}-1 = \frac{(a_k-1)^2}{2a_k}>0
なのでa_n>1は証明される。
(2)帰納法強化版
a_1,\frac{2^n}{n!}=\sum_{k=1}^{n+1}a_ka_{(n+1)-(k-1)}\iff a_n=\frac{1}{(n-1)!}
これの証明では帰納法を用いるが、n\le l以下全てこの仮定が成り立つとして計算する。
すると、
 \frac{2^l}{l!} = 2a_{l+1} + \sum_{k=2}^{l+1} \frac{1}{(k-1)!} \cdot \frac{1}{(l-k+1)!}
 \frac{2^l}{l!} = 2a_{l+1} + \sum_{k=1}^{l-1} \frac{1}{k!} \cdot \frac{1}{(l-k)!}
 \frac{2^l}{l!} = 2a_{l+1} + \frac{1}{l!}\sum_{k=1}^{l-1} \frac{l!}{(l-k)!k!} = 2a_{l+1} + \frac{1}{l!}\sum_{k=1}^{l-1} _lC_k = 2a_{l+1} + \frac{1}{l!}(2^{l}-2)
 \Longleftrightarrow~ a_{l+1}=\frac{1}{l!}


偶数であることを証明

a,bは整数とする。
abの少なくとも一つが偶数であることを証明
⇔ab=2Nを示せばよい。

無限数存在することを証明

漸化式を作り、これが単純増加であることを示す。
数の組の場合は、どれか一つの要素で示せればよい。

互いに素の証明

kan+kb+1とan+b(nは任意の整数)は互いに素。
なぜならば、\frac{kan+kb+1}{an+b}=k+\frac{1}{an+b}より
1とan+bは互いに素であるから、kan+kb+1とan+bも互いに素である

また、\frac{a}{b}=\frac{a}{c}+dが成り立つ時、
aとcが互いに素ならaとbも互いに素である。(a=km,b=knとおいて背理法で矛盾)

互いに素の活用

互いに素な整数a,bを考えると、
ある整数n,mについて、
an=bm\iff n=kb,m=ka
がいえる。

一般化

素数

p≧5のとき、
pは2の倍数でも3の倍数でもないことから、
一般的にp=6±1 の範囲としてあらわされる。
また、素数がp=(a+b)(a-b)であらわされるとき、
a-b=1となる。

奇数

奇数は累乗しても奇数である
f(x)=\frac{1}{2}x^pにおいて、
xが基数のとき、f(x)は必ず分数になる。
(例)
2n=a^2+7が成り立つ時、aは奇数である

偶数

ある偶数a_1
必ず他の数a_2を用いて、
a_1=2a_2とあらわされる
したがって、任意の偶数a_kについて
a_k=2a_{k+1}が成り立つわけであるが、
これを延々と繰り返せばある奇数に帰着する。

素数倍

素数をsとして、xを有理数とする。
sx^2=Nならば、
s\frac{p^2}{q^2}=N
よって、q^2=1,s
だと分かるが、\sqrt{s}は整数でない。
よって、q=1よりxは整数だと分かる。

有理数

有理数は必ず、二つの互いに素な整数p,qを用いて、
n=\frac{p}{q}とあらわせる。

倍数証明

abの倍数であることを証明するには、
a=bNの形を導いて、Nが整数であることを示せばよい。

対数

\log_b a=\frac{1}{\log_a b}

積と差の大小

a,bは0<a≦bを満たす自然数であるとすると、
a+b>ab⇔a=1
a+b=ab⇔(a,b)=(2,2)
a+b<ab⇔a≧2,b≧3
証明
3つめについて、b≧3とするとき、
ab-(a+b)≧2b-(2+b)=b-2>0

2つの文字式の関係

x^2+xy+x^2x-y
(x^2+xy+x^2)-(x-y)^2=3xy
より3の倍数になる。


ガウス記号

正確に表せない数値はガウス記号で表す。
[3]=3,[3.5]=3,[4]=4
が成り立つような式である。
このとき、
[x]≦x<[x]+1
⇔x-1<[x]≦x
ガウス記号の極限はこの挟み込みで行う。

不定方程式

文字数を減らす
( )( )= の形に持ち込む。

分数型

\frac{a}{x}+\frac{b}{y}=\frac{q}{p}
\iff qxy-pay-pbx=0
\iff \left(x-\frac{pa}{q}\right)\left(y-\frac{pb}{q}\right)=\frac{p^2ab}{q^2}


三乗数型

a^3-b^3=mn
\iff (a-b)(a^2+ab+b^2)=mn
\iff m=a-b,n=a^2+ab+b^2
故に、
n=(m+b)^2+(m+b)b+b^2
\iff 3b^2+3mb+m^2-n=0
このbは解の一つなので、
D=-3m^2+12n \ge 0
m^2 \le 4n
したがって、この条件を満たすようにm,nを選択したものには、
a,bの実数解が存在する。

今、a-b=p,a^2+ab+b^2=q
上の条件によって求められたとすると、
3ab=-p^2+q
だとわかる。したがって、
3ab=-p^2+q,a-b=p
より、
a=\frac{3p \pm \sqrt{-3p^2+12q}}{6}


(1)
m^3+1^3=n^3+10^3
\iff (m-n)(m^2+mn+n^2)=3^3\times 37
(2)
\frac{2}{x}+\frac{1}{y}=\frac{1}{4}
\iff xy-4x-8y=0
\iff (x-8)(y-4)=2^5
(3)
a+b+c+d=0,ad-bc+p=0,a\ge b\ge c\ge d ,pは素数
d=-a-b-cより、
p=(a+b)(a+c)=p×1
(4)
b(b+1)-(a-1)a=mn
\iff (b+a)(b-a+1)=mn
(5)p,q素数,r整数
\frac{1}{p}+\frac{1}{q}=\frac{1}{r}
\iff (p+q)r=pqより
rが整数である限り、成立しえない
(6)p,q素数,r整数
\frac{1}{p}-\frac{1}{q}=\frac{1}{r}
\iff (q-p)r=pq
よって、q-p=1 \iff p=2,q=3,r=6のときのみ成立

素数倍証明

共通因数を持つのであれば、kl,ml(lは素数)などと置いて考える。

因数

x!pで割れる回数
p^n&lt;x&lt;p^{n+1}とするとき、
1,2,3,..,xの中に、p^k(k=1~n)で割れる数が何個ずつあるかをそれぞれのkで調べ、
 それをまとめて足す。


数値の切り抜き

平均値の定理

\frac{f(b)-f(a)}{b-a}=f&#039;(c)(a&lt;c&lt;b)
また、
\lim_{a\to b}\frac{f(b)-f(a)}{b-a}=f&#039;(b)

a_nb_n+a_{n+1}b_{n+1}の分断は、
a_nb_n+a_{n+1}b_{n+1}=(a_n+a_{n+1})\frac{a_nb_n+a_{n+1}b_{n+1}}{a_n+a_{n+1}}=AB

困難な大小比較

a&gt;0,b&gt;0がわかっているとき、
a&gt;b(n,m>0)を示すことは、
a^2&gt;b^2を示すことに等しいので、
a^2-b^2&gt;0を示せばよい。

総乗

累乗で式が与えられている場合は、
logで解体する。
\prod f(x)=\sum \log f(x)

二数による整数表現

互いに素な二つの自然数p,q(p<q)と整数a,bを用いると、
全ての整数Nは
N=ap+bq
で表せる。また、a\ge 0,b\ge 0のとき、
a=mとすると、
b=0でN=pmより、pの倍数の数を全てを表せる。
b=1でN=pm+qより、pの倍数+qの数を全てを表せる
b=2でN=pm+2qより、pの倍数+2qの数を全て表せる
...
a=p-1でN=pm+(p-1)qより、pの倍数+(p-1)qの倍数を全て表せる
以上より、この条件下では、N\ge q(p-1)を満たす整数の全てを満たせる。



ax+by=1

互いに素な整数a,bに対してこのようになる整数x,yが必ず存在する。

証明
(1)x≠yとする。x-y=kA(Aは特定の整数、kは不特定の整数)であれば、xとyをAで割ったあまりは等しい。
これは、x=AQ_1+R,y=AQ_1+Rと変形できることからもわかる。
いま、Aと互いに素な数nを考えると、nx=A(nQ_1)+nR,ny=A(nQ_2)+nRより、
n(x-y)=kAとなる。このとき、nとAは互いに素より、x-y=k'Aとなる。
以上より、R(nx)=R(ny)⇒R(x)=R(y)

(2)(1)の対偶より、R(x)≠R(y)⇒R(nx)≠R(ny)
ここで、x=Ap+r_x,y=Aq+r_yを考えると、
(0\le r_x\le A-1),(0\le r_y\le A-1)を満たしており、
それぞれ0~A-1までの全ての値をとりうる。
また、その過程においてr_x \ne r_yであれば
r_x \ne r_yR(nx)\ne R(ny)と書きかえることができる。
よって、R(0),R(n),R(2n),...,R((a-1)n)は全て異なり、
したがって、この中のいずれか一つが、仮にそれをx=kとおけば、
R(kn)=1を満たす。

(3)(2)より、xがx=Ap+1 を満たすA、つまり、互いに素であるAで割った時、
nx=Aq+1 を満たすn,qが必ず存在する。


乗数と1桁の数

x^n:a,b,c,...とする。
2:2,4,8,6
3:3,9,7,1
4:4,6
5:5
6:6
7:すべて
8:8,4,2,6
9;9,1
10:0

したがって、4^n-1&gt;\frac{3}{2}\cdot 10は、
左辺の一の桁は3,5で、右辺は0なので、左辺に+1しても差支えがないとわかる。
よって、4^n&gt;\frac{3}{2}\cdot 10を調べれば十分である。

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最終更新:2013年04月13日 15:31
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