穏紅狼と牧師の真似事

穏紅狼と牧師の真似事

天草四郎
では次の方、来てくれ
穏紅狼
やはり駄目だ……私の才能は枯れつくしてしまったのか……
天草四郎
とりあえずは事情を聞こう、ほら、そう落ち込むんじゃない
穏紅狼
新しい作品が全く浮かばんのだ、これっぽっちも、全く……
穏紅狼
それに、かろうじて浮かんだ物も全く笑いを獲得する事が出来ぬ駄作！
穏紅狼
果てには他の者の作品を己の物だと言い張り、(プレイヤー)に諭される始末だ
天草四郎
なるほど、流石は(プレイヤー)だな、その後はどうした
穏紅狼
諭された直後は何とか出来そうな気ではあったが、やはり、駄目であった……
天草四郎
生みの苦しみとの言葉があるぐらいだ、新たに何かを生みだすのは容易い事ではないだろう
天草四郎
俺が一緒に考えてやるのは難しそうだが、道に行き詰った時は基本に立ち返ればどうだ
穏紅狼
基本、か
天草四郎
ああ、その趣味を始めた当初の事を思い出してみるんだ、何を思い、何を生みだしたかをな
穏紅狼
初めは……己が得た知識、言葉を何の気なしに組み合わせてはほくそ笑んでいただけだ
穏紅狼
しかし、この城に来て以来……そうだ、他者を己の作品で笑わせる快感を知ったのだ
穏紅狼
それ以後は、いかに他者を笑わせられるかを追求し、今に至る気がする
天草四郎
では、他者の目を気にせずに己が面白いと思う物を作りだす事が解決の糸口になりそうだな
穏紅狼
私も話をしながらそう考えていた……フフ、聞きしに勝る牧師具合であるな
天草四郎
最近は真似事にもなっていないような気がしていたが、そういって貰えると助かる

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