ミドビィ「さて、これさえ抜ければあとは…スムーズに事は進むだろうね。フフフ……。(モニターに映る
政府軍を見上げて怪しく笑んだ) 」
レイヴン「…仰せのままに。(地面に溶け込み消え失せる) 」
ミドビィ「ああ、それと…
新世界の『エッガーエンジンズ』にいる“彼”にも伝えておいてくれないか?今回の件を。 」
レイヴン「仰せのままに。 」
ミドビィ「じゃ、レイヴンは…大広間にゲートをつくっておいてくれ。とびきりでかいのを頼むよ? 」
×××××「はっ…。(×××と共に去る) 」
×××「では、こちらは全兵に連絡しにまいります。行きますよ。(背後にいる×××××と共に去る) 」
メガイター「はーい。じゃ、私も荷造りしに行って来るね。(ぴゅーと走っていく) 」
ミドビィ「引っ越し作業は時間がかかるものだ…だから、実行は明日だ。明日までに何とかここを蛻の殻にしておかないとね。 」
×××「アンダースタンド、了解いたしました。(被っているシルクハットを深く被る) 」
ミドビィ「先程も言った通り、こちら側から応答しなければ向こうは攻めてこない。故に、僕がそれを引き受けよう。寧ろ、これは
未来軍の総帥である僕の役目なんだけどね。 」
×××「…ミドビィ様は? 」
ミドビィ「ああ、先に新世界の第二基地へ行っておいてくれ、ゲートはレイヴンがつくってくれる。他の兵たちもかき集め、この本部に残っているあらゆるデータと兵器をすべて回収した後(のち)、君たちは先に兵を連れてあちらへ移動してくれ。 」
×××××「了解いたしました。では、我々は……。 」
緑髪の少女→メガイター(擬人化)「……はーい。(無愛想な顔で応答) 」
×××「我が軍が劣勢を強いられている以上、これしか回避できる策はないと思います。メガイター、共に来てもらいますよ? 」
緑髪の少女「チェ……。(そっぽを向く) 」
レイヴン「不止(とめず)、ならば貴様一人で向かえ。我々はミドビィ様の指示に従い、ここを出る。 」
緑髪の少女「うーん…でも真っ直ぐから挑まないなんてなんだかイヤだな。面白くない~…。 」
ミドビィ「元より“僕ら”を討ちとろうとしている前提だからその心配はない。彼らも命張って戦いを挑んでいるんだから、今さら躊躇なんてしないだろう。彼らに限って、ね。 」
×××××「しかし奴らも警戒するのでは…? 」
ミドビィ「まず、僕らの応答を受け取った彼らがこの本部内へ攻めてくる。しかしその頃には僕らは既に新しい本部へ移動している。彼らが攻め入った途端に全建物内の出入り口はコンピューター操作によって完全に塞がり、僕が持っている起爆スイッチで大爆発の餌食になるのさ。なんとも単純且つ容易い方法だろう…!まさに、『伏兵返し戦略』。 」
×××「そのようなことが可能なのですか…? 」
ミドビィ「まあ大まかに簡単に話せば…新世界にある第二基地へ引越しするついでに、奴らを一掃するんだよ。 」
×××××「…何故(なにゆえ)に? 」
ミドビィ「ここを彼らに明け渡そうと思う。 」
緑髪の少女「どうすんの?(傾げる) 」
ミドビィ「ああ、そうだね。だから今回…君たちに集まってもらった。この事態を抜けだす為のある策を思いついたんでね。 」
×××××「しかしこれでは、我々は何もできないことになります。 」
×××「故に大将がいる、という訳ですか…。 」
ミドビィ「敵は僕らから攻めない限り動きはしない。だから向こうはそれを想定した最善の準備を整えた上で包囲したのだろう。君等能力者の強大な力を持っていたとしても、向こうには大将がいるかもしれない。いや、いる。僕の計算上……ましてや
シルヴィ軍の意思を受け継いだ軍勢がまだ存在しているのなら、向こうもかなり警戒しているだろうね。 」
×××「それこそ奴らの思う壺でしょう。仮にこちら側から攻めていったとして、兵力差で負ける。はたまた、奴らの中に『中将』共…それから『三大将』の誰かが交じっていれば尚更。 」
緑髪の少女「敵は雑魚ばっかじゃん。何で迎え撃たないの? 」
ミドビィ「今我が本部は…政府の軍勢によって完全に包囲されている。まさに四面楚歌って状況なんだよね。 」
レイヴン「侮れませんね…。 」
ミドビィ「というよりは…僕らの降伏を待っているんだろう。無益な争いを避ける為に適した方法じゃあないか。まるでかつて、僕がいたシルヴィ軍の策のように…。 」
緑髪の少女「じゃああいつらは…このまま私たちを包囲して殺そうとしているの!? 」
ミドビィ「秀吉は高松城を水攻めによって包囲し…和睦(争いをやめて仲直りすること)を結んで宗治を切腹させた。今の状況も、それに似たようなものだ。 」
×××××「その人物なら…この世界にもいたな。」
ミドビィ「分からないのも無理はない、か。…地球という星で起こった戦だよ。戦国時代、豊臣秀吉という有名な戦国武将が……いや、当時はまだ羽柴秀吉だったな。まあいい、その人が清水宗治という人物の守備する備中国高松城を攻略した戦いだ。 」
×××「……?(傾げる) 」
ミドビィ「ところで君たちは…『備中高松城の戦い』ってご存知かな? 」
緑髪の少女「だからああして…私たちを囲んで邪魔しているんだね。」
ミドビィ「さて、議題へ入ろう。先程も言った通り…政府はついに僕等にも目をつけた。ましてや僕らは『シルヴィ軍』の遺志を受け継いだ巨大組織。彼らにとって、捨て置くことすらできない強大な悪なんだろうね。 」
レイヴン「……。(無言) 」
ミドビィ「悪は徹底的に……その時、政府の者が耳にしたんだろうね。或いは…住民共がそれを耳打ちしたのか…まあ何だっていい。どうせあれはかなり大きい事件だった。政府が見捨てるわけがないだろう…ましてや、生まれ変わった彼らなら。 」
緑髪の少女「え……。(唖然とした表情) 」
×××「あの兄弟ですか…確か、街中でやられたと報告は受けているけど、あれでかなり公になった故…誰もが我らの存在を知ったのでしょう。 」
ミドビィ「単純な話…恐らくMr.兄弟が口を滑らしたんだろうね。 」
緑髪の少女「……でも、私が知りたいのは…“どうやって私たちのを知ったのか”ということだよ!? 」
ミドビィ「そう、だから彼等は…どんな小さな組織でも危険視しているのさ。レイヴンの言っていた“徹底的”…政府はこれを掲げている。つまり、悪の行いは絶対に見逃さないのさ。(緑髪の少女に) 」
レイヴン「故に、政府は今の時代に大きく貢献した。「悪を徹底的に葬る」、それを掲げて。 」
ミドビィ「極端な話、悪を征伐する組織がこのままでいいのかと、彼等はそれを思い感じただけの事さ。 」
×××「問い…? 」
ミドビィ「…彼らが大きく前進したキーワードは、今の“新時代”にある。あらゆる全ての常識が通用しなくなった今の時代、悪は一方的に増え続けるだろう。流石に、彼らも拙いと思い感じたのだろう。悪が増え続けることで彼らの存在に“問い”が生まれるからね。 」
×××××「(×××の背後に立っている)……身ども(一人称)には分かりません。」
ミドビィ「過去何度も起こってきたケースに、政府はいつも頭を抱えていた。それは何故だと思う?政府がまだ弱かったからだ。彼らにとって、『僕ら』は悪だ。あちらにとって悪は無視できぬ存在。じゃあ何故…今になって彼等は立ち上がったんだと思う?今まで正義を説きながら何もしていない、常に引っこんでいては悪を野放しにしていた彼らが…何故今になって動いたのか? 」
緑髪の少女「え…っ!?じ、じゃあ…あいつらはどうやって私たちを…!? 」
ミドビィ「侮れない存在へと濃くなっていったね…政府は。…彼等は逸早く僕らの計画を察知したらしい。それも、まだ一歩も進んでいない段階からね。 」
×××「(少女とは反対の席に座ってモニターを確認する)政府の軍勢…前々から我が基地を包囲しているようですが…。ミドビィ様、あれは? 」
ミドビィ「今からその事を話そうとしていたんだよ。まあとにかく、これを見てくれたまえ。(モニターに巨大な建造物を取り囲む政府の大軍勢が映る) 」
緑髪の少女「ところでところでミドビィ様?ウチらの基地が変な奴らに囲まれているのは何で?(白い半透明の回転椅子でくるくる回りながら) 」
ミドビィ「とりあえず幹部はほぼ全員…そろった訳だ。始めようか。(白い半透明のテーブルに手を着く) 」
レイヴン「……。(無言) 」
ミドビィ「ご名答だよ、流石はレイヴン、冴えているじゃないか。…それと、よく無事で帰還してきたね。いや…君なら当然か。(怪しく笑む) 」
レイヴン「不問(問わず)…恐らく、今回の会議の議題でしょうか。 」
ミドビィ「なるほど…厄介な勢力が一つ崩れたか。フフッ…ああ分かった、だが、その必要はないよ。 」
レイブン「つい先週、新
デデデ城が姉小路の軍によって壊滅しました。…故に、これからはこの本部にいさせていただきます。 」
ミドビィ「なんだい? 」
レイヴン「ミドビィ様、話の前に…お一つよろしいですか?(被っている水兵帽を脱ぎ捨てる) 」
ミドビィ「やあ、レイヴン。来たね。 」
レイヴン「(本部内にて黒い渦が展開され、その中から姿を現す) 」
サングラスの男「まぁたまにはこういう事をするのもいいかもしれないもんだな…(鞘を指でくるくると回す)この譲ちゃんに触れさせない勢いで俺は身体ぁ張ってんだ…ちったぁ相手してくれよ、政府軍さんよ
カズネ「上から… …ッ!!(月を盾状に変化させた血刀で防ぎ、そこから針を出して反撃) 」 ピカチュウの中の人「(カズネの後ろに立ち、突きを日本刀で弾こうとする) 」
アーティル「ふん… (サングラスの男に向けてほくそ笑む)刀の破壊と所有者の抹殺…貴様の場合それが同時に重なって手っ取り早い。今すぐに終わらせてやる“マンドルク”ッ!!(刀で自らの体を傷つけ、それと同時に身体能力を活性化させる)ドンッ!!(爆発的な脚力で空へ浮かぶ)“フライセント”!!――――ドンッ!ドンッ!ドンッ!(見えない速さ(マンドルクにより魔法による効果もあまり意味をなさない模様)で虚空を蹴って空中を移動し、カズネの背後の頭上に現れる)はああぁぁああっ!!!(刀を握り、斜め急降下からの突きを繰り出そうとする) 」
モッカ「(アーティルを真剣で斬りつける) 」
サングラスの男「それは俺の台詞だぜぇ…どうやら俺が知らない間に政府軍っつー存在はかなり腕を上げていたようだな…(黒い帽子を鞘の底であげる) 」
ピカチュウの中の人「チッ!(カウンターを刀で弾くも後ろにのけぞる) 」
カズネ「あ 貴方も 凄い 速さ…なのね うん… 私の刀は 体の中に…ある 」
アーティル「しまっ――――――ズシャァッ!!(直に一閃を受け宙へ吹き飛ばされるが、すぐに体制を整え直す)なるほど、今時の悪とは侮れんなぁ…。 」
アーティル「―――――ッ!!?(防がれまた退ける)なるほど…本部の情報に誤りはなかったようだ。その刀…やはり体内に潜ませていたんだな?故にわれらの眼からも優に逃れることができた…そう、あの時貴様と初めて会った時も、だ。ガキィンッ、カンッ!!(中の人の太刀筋を読み切っているのか、完璧に防いでからのカウンター斬りを繰り出す) 」
サングラスをかけた男「――そこかっ!(アティールの位置を特定したや否や、アティール目がけ目にも留まらぬ速さの居合い斬り) 」
ピカチュウの中の人「(アーティルを後ろから斬る) 」
カズネ「…ッ!!(魔術の効果もあり、ギリギリ血刀で一閃を防ぐ) 」
カズネ「一体 何処から…(杖をしまい血刀を構え、あたりを見渡す) …?(近くに近づかれて) 」
アーティル「――――――――取った…っ!!!(ジグザグ状に移動した後(のち)、カズネの真横に出現し一閃する) 」
サングラスをかけた男「速いなぁ…速すぎて”目で追うのがやっとだぜ”…(少し表情が強張るが鞘からはまだ抜刀していない)まぁ狙いがこっちだっていうなら…(バックステップでカズネの付近に移動) 」
ピカチュウの中の人「・・・!速いな・・・(刀を構える) 」