― 西国 町外れ ―
ルーベンス「……(膝を抱え観察していた蟻の行進からレインドへ視線を移し口を動かしながら身振り手振りで言葉を伝える)『怪我はしてない?』 」
レインド「あぁ、平気だよ……今日出発予定だったが、また夜遅くなる…今日も此処で休もう(頭に手を乗せ、神を軽くワシャワシャしながら小さく笑い、近くの切り株に腰かける)…旧友に会ってな、ちょっと色々と話し込んでたらこの様だ…すまねぇ 」
ルーベンス「(目は虚ろだが口元は綻んでいる)『レインドにも旧友なんて居たんだ?』 」
レインド「それはちょっと失礼じゃあねーか?(優しい苦笑でルーベンスの目を見つめ、すぐに視線を地面に映す)あまりいい再会ではなかったけれどな……はぁ…疲れちまった… 」
ルーベンス「『おつかれさま』(両手を背中に回しレインドに小走りで近寄る)じー… 」
レインド「……あぁ…?どうした?(じーっと見られて困った様な笑顔でルーベンスに視線を送る) 」
ルーベンス「んっ(手に握った細長い紙切れをレインドに押し付ける)…んっ! 」
レインド「あ、あぁ?どうしたってんだよ(はいはいと言う様な表情で押し付けられた紙切れを見つめる)……これは…… 」
\かた たたきけん (5かいぶん)/
レインド「…ッハハハ…ハハ!(ここ一番純粋に嬉しいという笑顔でその紙切れを見つめ、目を閉じた笑顔になる)なんだよこれ、ハハハ! 」
ルーベンス「(❀╹◡╹)じー(目を輝かせながら待機) 」
レインド「いやぁ……ありがとな、ルーベンス(ニッと笑ったままルーベンスの頭に手を起き、髪を梳かすように3回撫でる)早速、使おうかな? 」
ルーベンス「(直様レインドの後ろに回り込み小首を傾げたまま待機)(❀╹◡╹)じー 」
レインド「ハッハハ…はい(紙切れ一枚をルーベンスに渡す)お前力強いんだから、本気でやんなよな?(苦笑しつつ前を向き、若干猫背になって肩を差し出す) 」
ルーベンス「\ハッ!/(本気でやった結果を想像し、冷や汗をかきながら指で肩を慎重に叩いて行く) 」
レインド「うまいうまい(少し笑いながら体の力を抜き、首を回して行く) 」
ルーベンス「……(マッサージ慣れてきたところで突然指を止める) 」
レインド「んー?(終わるにしちゃ早過ぎるな…)どした、ルーベンス? 」
ルーベンス「あ……ありが……と……」
レインド「…お前………あぁ…気にすんな(声を発したルーベンスに対して優しい笑顔で応え、体を振り返らせてルーベンスをそっと抱き寄せて胸に誘い込む)それだけ言えりゃ十分だ… 」
ルーベンス「──…なさい…ごめん…なさい…っ僕が、僕がもっと…強かったら…僕が…っ! 」
レインド「……あぁ……でも大事なのは強さじゃない…俺達は傷つけ合い、ぼろぼろになる…… だが、傷ついた分だけやっと輝けるんだ……過去を振り返っても仕方ない、でも……今は思う存分泣いていい…泣いていいんだ… 」
ルーベンス「(顔を埋め伏せた瞳が濡れ頬を雫が伝う)…レインド…、独りにしないで、独りにならないで…!僕を、自分を孤独にしないで…! 」
レインド「………あいよ……(フッと笑い、少し強めにルーベンスを服に皺が出来る程に抱き寄せる)心配する事ねぇって……今の俺にはお前しかいないんだからさ 」
ルーベンス「(徐々に目が虚ろになって行く)ありがとう…ごめんね、我儘言って、情けなくて……でも、ありがとう…本当にありがとう… 」
レインド「気にすんな…礼を言うべきはこっちなんだからよ……さて、しんみりしちまったかな…?(ルーベンスを解放し、それでいてニッと笑う)これからも我がまま、ドンドン言ってくれ。全部応えてやる、全部だ! 」
ルーベンス「今は…何もないよ、平気……あ、でもレインド…あまり怪我、しないで 」
レインド「怪我…あ、あ~…そうだな、無駄な心配かけちまうのは幾ら何でも自分勝手だもんな(申し訳なさそうに笑いながら頬をポリポリ) 」
ルーベンス「(首を何度も縦に振って頷く)凄く心配、いざとなれば僕自身危険でも戦う覚悟ある…だから、無理だけはやめて 」
レインド「あぁ……わかった…最早、俺だけの命じゃあないんだ。そんなコトしない。約束するよ………(切り株から立ち上がり、集まっている枝木に木と木の摩擦で火を起こす) 」
ルーベンス「そっか……よかったぁ…(火を見つめながら集めておいた牧を拾い上げ放り込む) 」
レインド「それよりお前……この旅が終わったらどうするんだ?きっと俺は
リチャードを倒したら、その後、本当に戻れなくなるかもしれない… 」
ルーベンス「……レインド、
灰色の戦士に入った時のこと、覚えてる? 」
レインド「灰色の戦士に入った時………あ~…戦名に覚えてるよ…(焚き火の前に腰を下ろし、楽な姿勢でルーベンスの言葉に耳を傾ける) 」
ルーベンス「僕は…覚えていないんだ。自分が生まれた日の記憶がないように……気付いたらあれが当たり前の日常で、皆が兄弟で親だった 」
ルーベンス「そう…かもね(苦笑しつつ同じ色をした瞳を向ける)……灰色の戦士が壊滅してから、ずっと考えていた事があるんだ 」
レインド「(黙ってルーベンスの言葉を待ち、炎に視線を送る) 」
ルーベンス「僕は『灰色の戦士』を継いで行きたい 」
レインド「……(ルーベンスの一言を聞き、然程驚いた様子は無く視線を炎から逃がす)……なぜ? 」
ルーベンス「確かに組織は崩壊したよ、もう従来の灰色の戦士は受け告げないと思う…けど思い出して、灰色の戦士が存在したのはなぜ?どんなl人達がいた? 」
レインド「……(灰色の面々を脳裏に思い浮かべ、無言の返答) 」
ルーベンス「彼等は正義という形の犠牲になったんだと思う。大衆が黒といえば黒にされ、居場所を失う、人で成り立つ世界は言い返せば人の意思によって真実なんて関係なく善悪が定義付けられる、だから彼等は十字架を背負わされたんだ 」
レインド「…まさしくその通りだな……(猫背だった姿勢は更に前のめりになり、ハァと一息)…あまり他人の過去を聞いちゃいなかったが…どいつもこいつも、本当、悲しい罪を無理矢理押し付けられたにすぎねぇからな… 」
ルーベンス「うん…だから、灰色の戦士はまだ終わってなんかない、僕には灰色の戦士の一人としてそうした人達を受け入れる義務があるはずだ 」
レインド「……成る程……今度はルーベンスが過去の自分達に手を差し伸べるって訳か…… 」
ルーベンス「うん…僕は皆に助けてもらった、皆が居たから生きようと思えた。もうその皆はいないけど、僕は僕ができる形で音を返して行きたい 」
レインド「……今頃…
シルダッタ達、喜んでるんじゃあないかな。一番新しい隊員が、こんな立派になってるんだ…(小さく笑いながらゆっくりと寝転がる) 」
ルーベンス「僕なんかまだまだだよ(苦笑)…でもね、先に散って行った皆に恥じらいなく誇れる戦士に、僕はならないとって思うんだ 」
レインド「……もしそうなったとしたら……きっと…皆ちゃんと…灰色じゃあなくて、白色になれると…いいな…(灰色の戦士の名の由来を思い出し、小さく呟く)……というか、ルーベンス、案外結構喋るんだな? 」
ルーベンス「ずっと溜め込んでたからね…最初に声を発するのがとってもこわかったな…(身体を丸めて横になる)……白色の戦士…か 」
レインド「…(あの時の俺も、声を発するなんてしなかったか…)罪はその潔白の人が黒に染められるコトだからな…自分達は胸張って、白色だって事、言えるだろ?(ニッ) 」
ルーベンス「……そう、だね!いいかもしれない、白色の戦士!(歯を見せて笑う)…たくさん話して疲れたかもしれない…先、寝るね…おやすみレインド 」
レインド「あぁ…お休み……(ルーベンスはこの先の事を考えていた…俺のこの未来…果たしてやるべきことはあるか…) 」
クリツサ村への経路
ルーベンス「(道端の缶詰を拾って表記を見る)(消費期限切れ……ロクな食べ物がないなぁ…) 」
レインド「どうした、ルーベンス…(旅路の途中、アスファルトの中央線を踏みながら、立ち止まり、肩を小さく動かしながら振り返ると、ルーベンスに声をかける) 」
ルーベンス「…今とてもひもじい、ので、拾ったものでも良いから綱食べようと思った……レインド、消費期限守ってる場合じゃないっていう状況なのかな、今(じーっと缶詰を見つめる) 」
レインド「…貸してみろ(ルーベンスに寄り、彼女の手元から摘まむように缶詰を取ると、なんの躊躇もなく蓋を粉砕して中の具を口に含む)…美味くはねぇが、傷んじゃあいないな…元々保存食なんだ、そう腐んねーから食えるぞ(ルーベンスの手元に缶詰の底面を乗っける) 」
ルーベンス「本当!?(目を輝かせて缶詰を手に取り口を開ける)やった!いただきまー…… じー(中身を口に含まずレインドを見上げる) 」
レインド「(感覚が狂ってきたか、空腹とか感じられなくなってきやがったな、俺の体……)(目線を定めるわけでもなく、ルーベンスと顔を合わせながらも横目で考え事に耽る表情 」
レインド「……ん?どうしたルーベンス……嫌いな食べ物だったか? 」
ルーベンス「レインド、食べないの……(小首を傾げ上目遣い) 」
レインド「…こういうのは(ルーベンスと目線を合わせるため、腰を落とし、軽くその滑らかな髪を梳かすように撫でる)育ち盛りの奴が食うべきなんだよ、今のうちにしっかり食っときな 」
ルーベンス「(撫でられくすぐったそうに目を細める)…でも、レインドはまだ具合が悪そうにわた…僕には見える、健康を保つためには栄養を取らないと 」
レインド「そういうのは自分の顔つきに見てから言うんだな(へっと笑い、手を離し、態勢を戻してアスファルトの先を眺める)それに既にいくつか病にはかかってんだ。お前みたいに若けれりゃいいが、俺ぐらいになったら下手なもん食う訳にはいかねぇんだよ(勝負に追い詰められたような苦い表情で頭を掻く) 」
ルーベンス「……わかった(缶詰の中身を口に含み顔を上げる)じゃ、僕がレインドの負担を減らせるようにもっと頑張るね(自然と笑みが零れる) 」
レインド「よく言うぜ…頼りにしてるからな、ルーベンス(ハッと笑い、ルーベンスを見下ろす)…だが道程が程遠いな…クリツサ村… 」
ルーベンス「!(頼りにしてるという言葉に脳内でエコーがかかる) …うん、もう随分歩いたけど景色もずっと一色単で変わらないしね 」
レインド「しょうがない…恐らく何処かの山路へと繋がるはずだが………(歩いていた足を止め、その眼に映った田んぼの景色を眺める)……何があったか分からないが……かなりの範囲で消滅してるみたいだな…(アオVSシルダッタ戦にて行われた燃焼仕切った田んぼが目の前に広がっている)道路のど真ん中には(ソラの)血痕か…キナ臭くなってきたぞ 」
ルーベンス「野盗に襲われた…のかな、何かで焼かれたみたいだね…この血痕何処かに続いているのかな 」
レインド「……古くはないが、血痕の跡がここだけだ、止血されたんだろう…ここら辺に何かあるかも知れない。一番近くの山路探すぞルーベンス 」
ルーベンス「了解…(レインドについて行きながら血痕の方へ振り向く)……ッ(今思えば、あれが最後のクエスト、だったのかもしれない……似てるな、あの時の光景と) 」
レインド「……(そろそろ日没帯か……感じるのは「レスター」の野郎が持ってたあのウイルスの気配……)ルーベンス、一旦進むのはやめるぞ、そろそろ日が落ちる(付近のバス停の木製待合室の下へと移動し、座れるものかどうか確認) 」
ルーベンス「うん、歩きっぱなしだったしね…今日もお疲れ様(お構いなく床に座る) 」
レインド「…久々に今日は地面以外で眠れるぞ、ルーベンス…(人一人が横になれるスペースのベンチを発見し、無機質な声質で応える)電球も一個…まぁ田舎なりの設備だな 」
ルーベンス「一人寝れるか寝れないかって感じだね、レインドが寝なよ、僕は野宿慣れてるし(壁にかかっている猟銃を手に取る)……狩人の家、だったのかな 」
レインド「…… 獣が出やすい区域なんだろう、山々、田んぼ…それも手入れされてねぇんだ。人も一人として見ない以上、きっと何かあったんだろうよ…それとベンチはルーベンスが使え、人より高い位置に寝るのは気が引けるってもんよ…(へっと笑う) 」
ルーベンス「えーっ…僕二段ベッドは下派なんだけどー(嘘)……何か、かー 」
レインド「年上の、男の面子ってもんがあるんだよ…(はははと下向きに笑いながら)その何かは明日調べるぞ、リチャードの野郎に近づける手掛かりがあるはずなんだ 」
ルーベンス「面子…ねぇ(ベンチの上に腰を下ろす)…うん、また明日ね… 」
レインド「ま、床でこうして寝てれば(地面に寝っ転がり、ルーベンスの方へと体を横にする)目の保養になる…まぁスカートじゃあないから何が見えるとかそういうのねぇんだけれどさ…(← 」
ルーベンス「(うつ伏せになり真顔のまま頬杖をつく)ヘ ンターイ! 」
レインド「冗談に決まってんだろ(ハッと笑い、すぐに上半身を起こす)だが目の保養になるのは本当だ、女沙汰なんて散々だったが、こうしているとルーベンスの存在は本当に有難いよ… 」
ルーベンス「……僕は、仲間なら誰が一緒に居ても嬉しかったよ、
ロディだってそうだ…だから、生きててくれたレインドには本当に感謝してる 」
レインド「お互い様ってか?俺も誰であろうがこんなんだろうな……この旅終わったら、ロディに会えるといいな… 」
ルーベンス「なぁ知ってるか?…懐かしいね、このフレーズ… あの日は宿舎に居なかったんだよね… 」
レインド「あぁ、だからこそ生きているはずだ…それに彼奴は賢い、何処でも生きていけるだけの知恵も、実力もあるから、然程心配はしちゃいねーさ(へらへら) 」
ルーベンス「そう…だよね……うん、きっとそう…(
ジェクサー、アンティ、
ライクス、リーダー、シルダッタの顔がフラッシュバッグする)…皆、今どうしてるのかな…怪我してないといいな… 」
レインド「………(彼らは皆死んだ、という認識のため、返答はせずに目を伏せる)ーーッ……(何処と無く、痛みに耐える為に歯を食いしばったような顔つきをしており、右肩を握って居た左手に力が入り出す) 」
ルーベンス「……(僅かに期待していた答えが買ってこず壁側に寝返り目を閉じる)……明日も一緒に頑張ろ、レインド……僕、今日はもう寝るね 」
レインド「あぁ、おやすみ……しっかり寝ろよ(あやすような優しい口調で、振り向かずに) 」
最終更新:2014年08月27日 22:03