閃劇のリベリオン過去ログ Ⅷ

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―― 十刀剣武祭会場・運営本部 ――


BGM♪



メタナイト「……(薄暗い本部内。一頭身という小さな体を利用して物陰に潜み、行き交う役員たちの人目を盗んで奥へと突き進む)」

メタナイト「プシュゥ…(自動ドアを過ぎ、人気の無い廊下へと出る)タッタッタッ…(なるほど、ここまではフーナたちの言っていた通りの道筋だ。彼女たちの情報に感謝しなければ。)(曲がりくねった複雑な道を、脳内に叩きこんだ情報を頼りに突き進む)……ここか。(そして、役員ですらも立ち入りを禁止された禁断の部屋への扉を発見する)……オートロックがかかっているか…止むを得ん。(ザンッ、ザンッ ! ! )(扉を無理矢理切り開き、中へと忍びこむ)」


ひときわ灯りの少ない暗い部屋…そこには書類や謎の機材が放り込まれたダンボールが一面に点在しており、地面には複雑な計算式を記した用紙が散乱していた。


メタナイト「……(床に散乱したそれら、そして部屋中の様子を隈なく確認し、自分のいるこの部屋が、運営本部と隔離された別空間であるかのような異質な雰囲気があると察知する)」


ダンボールの山の隙間から、唯一明るい場所が顔を出す。蛍光灯に照らされた一つのデスク、その上に山積みの書類と、二冊の分厚い書物が置かれていた。


メタナイト「…むっ。(灯りのもとへと歩み寄り、デスクを前にする)……これは…研究ノートか?そしてこっちは…日記…なのだろうか?(デスク上にある書物を一冊ずつ、数分かけて読み通す)」

メタナイト「…… …… …… ……ッ…!!? …なんだと……(二冊に記されていた驚愕の真実を目の当たりにし、思わず絶句する)……間違いない…これらは『クロリアー』に関する史実だ…(私が今まで掻き集めてきたあらゆる情報にも提示されていなかったもの…それら以上に罪剣に関する真実が濃く、詳細に記されている……そして…―――)」

メタナイト「……(…それから、この日記によれば…運営…いや、「運営側に罪剣を提供したこの人物」の目的は、罪剣の潜在能力を最大限に引き出すこと…つまり、大会優勝者に"研究材料として"罪剣を与えることで、データを入手しようと企んでいるのか……)…ググッ…(憤りの余り強く拳を握りしめる)……人の命を…罪剣の恐ろしさを軽んじている…っ…絶対に、取り戻さなければ………―――――?(辺りを見渡し、更に奥へと続く扉を発見する)」


プシュゥ……(開放すると、長い一本道の廊下へと出る。その奥から、この世の摂理を歪めるほどの凶暴な邪気が漂っている)


メタナイト「ッ………!(凄まじい気だ…意識を保たなければ、気を吸われてしまいそうだ…)(覚悟を決め、廊下へと足を踏み出す)」


プシュゥ…―――――(その扉の先にあったのは、黒い台…その上に、強烈な邪気を放つ一本の剣―――鞘に収まったまま横たわった―――『クロリアー』が眠っていた)」


メタナイト「――――!!(見つけた…あれが……!)(嵐の如く迫る凄まじい邪気に抗うようにじりじりと詰め寄り、クロリアーを前にする)……疑うまでもない、これは間違いなく本物だ… 本当に此処にあったとはな。(始めて目にする実物に驚きつつ、思わず目を奪われるが…)」


――― 驚いてくれたかな ―――(メタナイトの背後から、幼い少年の声―――)


メタナイト「――――ッ!?(突如投げかけられたその声に反応し思わず飛び退く)貴様…何者だ……(明かなる敵意を含んだ眼で、その人物と対峙する)」

アウシュビッツ「―――― 私はアウシュビッツ。察しの通り、そこにあるクロリアーを研究している者だよ。(背後に両手を回した白衣の少年。幼子の様な無邪気な笑みを浮かべつつも、クロリアーとは似て非なる邪な面を含んだ邪悪な笑みが重なっている)」

メタナイト「……ッ…(この少年…なんだ……今まで対峙したことの無い、この重圧感は……っ……)(不気味に嗤う道化の様な少年を前に、仮面の奥で表情が強張る)…そうか、あのノートと日記を記したのは…貴様か。(警戒態勢を切らさず、いつでも腰元の宝剣を引き抜けるよう柄に手を添える)」

アウシュビッツ「……君はメタナイトだね。ああ、知っているとも。世の平定のために『英雄』たちの架け橋となって、陰ながら彼らに協力している伝説の剣士様だ。(始めて出会うはずの剣士の前に、さも彼をよく知る旧知の仲の様に語りかける)」

メタナイト「……!?(何故自分の名を、そしてその行動理念を知っているのか…初めて目の当たりにする少年に対し、ただならぬ警戒心を掻き立てる)」

アウシュビッツ「驚くのも無理はない。何故なら私は科学者としてあらゆる事象を探求し、その「答」を知り尽くしているのだから。…君が此処に来たのは概ね察しがつく。クロリアーが欲しいのなら…良いよ、持っていくといい。(にこりと微笑む)」

メタナイト「……!!?(どういうことだ…この少年…いや、この男の考えが全く読めない……翻弄されているのか…しかし…確かに目的は罪剣の奪還だ。たとえ相手がだれであろうと、あれを誰かの手に渡らせるわけにはいかん………だが…―――――)(背後の罪剣をよそ目に、尻込みする)」

アウシュビッツ「…まあ、その剣を扱えるだけの「不屈の精神」を、君が持ち合せていたらの話だけどね。」

メタナイト「…ッ……!(図星を突かれたように動揺する)」

アウシュビッツ「その様子だと、どうやら君ですらその剣を扱えないみたいだね。(クククと狡猾に嗤う)…がっかりしたよ。なら君にそれを渡すわけにはいかないな―――――― 失 せ て い た だ こ う か 。」


BGM♪



ズ ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア … ッ … ! ! ! ! (アウシュビッツの背後から無数の黒い霧――砂鉄が――生命のようにうねりを上げながら噴出され、今にもメタナイトに襲いかかろうと牙をむき出す)


メタナイト「くッ……!(しかたない…実力行使だ…!!)( ズ ァ ッ ! ! )(瀬戸際に立たされ、止むを得ないと判断し宝剣ギャラクシアを勢いよく振り抜いた)……(敵の能力は未知数だ…ましてや、このクロリアーと共にしているだけで異常であることも分かる…!一筋縄でいかないだろう……)(敵の様子を冷静に窺いつつも、迂闊に手を出せない緊張状態に冷や汗が滴る)」

アウシュビッツ「君はあの罪剣の『真実』を知ってしまった。知ってしまった以上は仕方ないが…君を研究材料として洗脳し、その体が壊れるまで使い尽してあげよう。ククク…ッ…!(両腕を広げ、血のように真っ赤に染まった瞳を輝かせながらゆっくりと迫る)」


………ズ ゥ ン ッ … ズ ゥ ン ッ … … ズ ゥ ン ッ … ! ズ ゥ ン ッ … ! ! (その時、天井から何かが瓦解する地響きが聞こえる。音は次第に大きく反響し、それに伴い天井から土埃がぱらぱらと滴り落ちる。そして――――) ――――― ズ シ ャ ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ン ッ ! ! ! ! (黒い何かが瓦礫と共に二人の中間に降り立ち、真っ暗な部屋に土煙が舞い、地面に散乱した書類や段ボールが吹き飛んでいく)


メタナイト「……?(この音は…何かが落ちてくる…?……!!)(音が近づく度に警戒心を強め、そして…)――――――ッ!!?(な、なんだ…ッ…!?)(天井を突き破ってきた物体が床に落下する前に飛びのき、土煙の中静かにその正体を窺う)」

アウシュビッツ「(落下物に微動だにせず、衝撃によって靡いた髪を振って身嗜みを整える)…まったく…次から次へと…不法侵入者が絶えないね。(ふくについた埃を払う様に白衣を靡かせ、土煙の中で蠢く『それ』を見据える)」

エルキドラ「―――― シ ュ ゥ ゥ … ッ …(煙の名から姿を現した影――とある剣豪との試合を終えたばかりの謎の選手だった。骸仮面から蒸気を吹きだし、歪に輝き出す赤い片目の眼光の軌道が怪しく揺らめく)」

メタナイト「こいつは…(十刀剣武祭出場者…エルキドラか…!何故そんな奴が此処に……――――まさか…ッ…!)…我々以外にクロリアーを狙っていたのは…貴様か…ッ……!(驚愕の連続に耐えきれず、全身が痙攣したかのように身震いする)」

アウシュビッツ「流石はクロリアー。そのネームバリューから数多の強者を引き寄せる魅力を持つか…やはりこの大会の運営陣と手を組んで正解だった。おかげで質の高い人材を幾つも得られそうだ。(満足そうに口角を上げ、エルキドラに対し掌を突きつける。すると背後の砂鉄が渦を巻きながら、エルキドラへと襲いかかった)――――機械相手なら私の足元にも及ばない。故に先ずは君からいただくとしよう。(悪魔のような形相で嘲笑う)」

エルキドラ「ス …(懐より一冊の黒い手帳を取り出す)――――― 邂逅録(レクスィコン) ―――――」


グ ギ ュ ア ア ァ ァ ァ ア ア ア … ッ … ! ! ! (エルキドラへと向かっていく砂鉄が、その黒い手帳の中へ引きずり込まれる様に吸収されていく。そして、開いたページの中に、一つの紋章が刻まれる)


アウシュビッツ「――――――!(吸収能力か…だが、数万と言う能力者に対して万能たる私の手にかかれば、対抗策などいくらでも――――)―――――!?(再び能力を行使しようと掌を突きつけるが、何も機能しないことに驚愕を露わにする)……ッ…!?(磁力操作が発動しない…?……まさか――――――)(血走った眼でエルキドラを睨みつけた、その時だった…)」

エルキドラ「 ズ ブ シ ャ ア ァ ッ … ! ! (瞬間的にアウシュビッツの懐に潜り込み、鋭利な片手でその心臓部を貫いた。その手に掴んでいたのは心臓ではなく、彼の核とも呼べる人工臓器「セルシオ」だった)」

アウシュビッツ「 ガ フ ァ ッ… ! ! ? (今のは…能力を無効化するものではない…―――― "能力を奪うもの"だったか…!!)ギギ…ッ…ギュゥゥゥ―――――ン………(激しく吐血し、人工臓器を失った人型の殻は完全に機能停止した)」

メタナイト「……ッ…!?なんだ…何が起こっている……!?(突然の出来事に整理が追いつかず、ただただ目の前で起こる出来事を見ているだけで精一杯だった)」

エルキドラ「…強大なエネルギー反応を感知。(ノイズ混じりの声と共に背後へ振り返り、メタナイト…ではなく、彼の傍にあるクロリアーに目を付ける)  ダ  ァ  ン  ッ  !  ! (勢いを付けた跳躍でクロリアーのある台の上に着地し、邪悪な気を放つその剣をゆっくりと拾い上げる)」

メタナイト「……!!しまった、クロリアーが…!!(我に返ったかのようにぴくりと微動し、ギャラクシアを頭上にいるエルキドラに突き付ける)」

エルキドラ「…ク…カカカ…!良し…良し…ッ…!良し良し…良し良し…ッ……―――― 良 し 良 し 良 し ィ ッ ! ! ! ! ( ズ ギ ャ ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! )(クロリアーを力強く握りしめ、台が地面にめり込むほどに勢いを付けた大跳躍で再び天井を突き破り、上の世界へと跳び立った)」

メタナイト「ぐッ…!!(エルキドラの跳躍による衝撃に腕を構えて耐える)……!不味い…これは……――――――」

フーナ「――――メタナイト!!(遅れて部屋に傾れ込む)はぁ…はぁ…っ……今、すごく大きな音が聞こえたけど…一体何が…」

スカーフィ「かぅ~…迷路みたいで迷って、走りつかれよぉ~~…(更に遅れて、疲弊した状態でやってくる)」

メタナイト「フーナ、スカーフィ!!(一旦ギャラクシアを鞘に納め二人と合流)…非常に不味い事態が起きた…――――クロリアーが奪われてしまった…!!」

フーナ&スカーフィ『ふぇ…――――ええええぇぇぇ~~~!!??』

メタナイト「我々以外にクロリアーを狙っていた者にたった今奪われた…奴はそれを外へと持ち出した…これが何を意味するか分かるな…!?とにかく急いで外へ出るぞ!!――――再び世に罪剣による惨劇が起きてしまう…ッ!!!(急いで部屋を後にする)」

フーナ「わ、わかった…!行こう、スカーフィ!!(慌ててメタナイトの後を追う)」

スカーフィ「かぅ!?も、もう行くのぉ~~!!?(だらしなく舌を出しながら、覚束ない足取りで二人の後を追った)」



その頃、地上では…次の試合が行われようとしていた…――――


キリギリス「さあ、それでは始めましょうかァッ!!第六試合!!氷冬 vs 雛菊だあああああぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!!第一回百刀剣武祭で相見えたこの二人…果たして、次に勝利を得るのはどちらかあああああぁぁぁーーーーーッ!?!?!?選手はステージへどうぞォッ!!!」

氷冬「フゥー…(深呼吸で白い吐息を吐きだし、盤上へと駆け上がる)」

雛菊「 ス … (優雅な足取りでステージへと登る)……お久しぶりです、氷冬さん。こうしてまたお会いできて嬉しいです。(優しく微笑みかけながら)」

氷冬「ええ、私もよ雛菊。…あの後、貴方の言葉に感化されて…もう一度自分を見つめ直すことが出来た。おかげで、ようやく大切なものを、目指すべき夢を見直すことが出来たわ。貴女には、感謝してもしきれないほどよ。(不敵に笑んで応える)」

雛菊「私の言葉…ですか…ふふっ、いえ…所詮は受け売りの言葉です。でも、先人の言葉で変わった貴女は…本当に強いお方です。私にも、大切なものや、叶えるべき夢があります。…氷冬さん、今度は、あの時以上に全力で刀を振らせていただきます。(納刀された蕨の柄に手を添え)」

氷冬「ええ、そうでなくちゃ…――――― "頂"は目指せない…!(こちらも四刀の柄に手を添え、身構える)――――――(そのために、死に物狂いで修行に励んだもの…この、愛すべき刀たちと共に……!)」

キリギリス「では、両者構えてェ……試合 ――――――――」

氷冬/雛菊『―――――――!(互いに睨み合いながら姿勢を低くし、抜刀態勢に入る)』

キリギリス「 開s―――――――」


――――――― ド ギ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ン ッ ! ! ! ! (試合開始の合図が鳴り響こうとしたその時だった―――会場の中央部にある巨大モニターの上部が大爆発し、周囲に瓦礫が吹き飛んだ)


氷冬/雛菊『――――――!!!(突然起きた爆音に目を見張った)』

キリギリス「なッ…何事だああああぁぁぁ~~~~ッ!?!?!?!?」


きゃああああぁぁぁーーーッ!!! うわあああっ!!な、なんだ…何が起こったんだ…!? お、おい見ろ…!あのモニターの上で爆発が…!! なんやなんや!?何が起こったんや!? (会場一帯がその爆音によってざわつき始める)


モララー「んだぁ……?(訝しむ様に目を細めて、爆発によって生じた黒煙を見据える)」

八頭身ギコ侍「むっ―――― 何事…!?(控室から慌てて飛び出て、現場の様子を窺う)」

エー「エゴさん、負けた腹いせに爆破テロを起こすのはどうかと…(白目)」

エゴ猫「いや俺じゃねえウルァ!事故だろ、どう見ても!!?(大汗)」

ウラー「んー…何が起こったウラね…(汗)」

ウララー「……!おい、爆煙の中を見てみろ…!何かいるぞ……!!(立ちこめる黒煙の中を指差す)」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ … ッ …  !  !  ! (湧き上がる焔と黒煙の中に、一つの影――――陽炎のように揺らめく影の手に、一本の剣。影の頭部から迸る歪な赤い眼光に反応するように、剣の中央部に埋め込まれた赤い宝玉もまた輝きを帯びる)



エルキドラ「――――   ズ   ォ   ン   ッ   !   !   ――――(黒煙を斬り裂いて大衆の目の前に姿を露わにする)」


BGM



大剣使いの男「あれは…第五試合で柊木雪に敗れた…!(見覚えのあるその姿に目を見開く)」

氷冬「――――――ッ!!!(エルキドラ…ではなく、彼が手にしているその剣に酷く絶句する)…あれって、まさか……―――――『 クロリアー』…!!?」

雛菊「えっ――――!?(氷冬に釣られて頭上のエルキドラを凝視する。そして、彼の手に握られているものが、紛れもない罪剣であると認識し仰天する)」

サビスケ「!!?(…い、一体これは…どうなっている…!?アウシュビッツさんはどうした…契約はどうなったのだ…!?何故、クロリアーが選手の手に…!!?)(物陰から事態を確認し、愕然としている)」

ぼうれい剣士「クロリアーだと…ッ…!!?なっ……何故…ッ…(吃驚する)」

カイ「――――――――!!(クロリアーを手にしたエルキドラを見て)………おい………どういうこったこれは…………  まさか、あいつら……しくじったのか…………!?」

モララー「…おいおい…まずぃじゃねえのか…これ…(会場の様子から只事ではないと判断し、苦笑しながら表情を歪ませる)」

エルキドラ「強大なエネルギー反応を感知。データ解析へシフト。(手にしたクロリアーを真っ直ぐに構えると、瞳の中で0と1の数字の羅列が高速スクロールを始める)」


ポ ワ ン … ――――― ギ ュ ォ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ … ッ … ! ! ! ! (クロリアーの鍔の中央に埋め込まれた赤玉が不気味な輝きを帯び始め、やがて力強く発光する)


エルキドラ「良し良し…良し良し…ッ……!!良 し 良 し 良 し 良 し 良 し ッ … ! ! ! !(その紅蓮の閃光に包み込まれていくように、全身が真っ赤に染まっていく…)」


――――――   ズ     ォ     ァ     ッ     !     !     !     !   ――――――(刹那…天より真っ赤な閃光がエルキドラの頭上に落下し、彼のいた足場は崩れ、会場に更なる傷跡を残した)


う、うわあああああぁぁぁぁああ~~~~ッ!!!!きゃーーーーーーッ!!! 逃げろォッ!!! 避難するだァーッ!!!! ここにいちゃあぶぬぇーーーッ!!!!(閃光の落下と共に、会場にいた数万の観客が一斉に慌てて逃げ出す)


氷冬「くッ……!(衝撃に耐えまいと力強く踏み込んで身構える)あの感じは…――――(持ち主と剣が、一つになろうとしている…?……いや、違う…あれは――――)」

エルキドラ「ウォ…ォォォオ…ッ…オ…ッ……―――――― ウ オ オ オ オ オ オ ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ !!!!(紅蓮の閃光の中で、もがき苦しむ人間の様に、何度も何度も身体を捻りながら狂ったように動き出している)」

氷冬「――――― " 持 ち 主 が 剣 に 呑 ま れ て い る "…!!(絶望した表情で、悶え苦しむエルキドラ…そして彼の手中にあるクロリアーを見つめる)」


ギ ュ オ ン ッ ――――――――― ド  ギ  ュ  ア  ア  ア  ア  ア  ア  ァ  ァ  ァ  ァ  ァ  ン  ッ  !  !  !  !  ! (凝縮された紅蓮の閃光が、今、弾け飛び―――― 解 き 放 た れ た )


――― …… ―――


――― ……い ―――


――― ……たい ―――


――― ……したい ―――


―――    殺     し     た     い     ―――



×××「  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ  …  ッ  …   !   !   !  (閃光が消滅した時、エルキドラがいた個所には巨大な黒い球体が浮遊していた。文字通りただの球体であるそれは異質な気と金属を掻き鳴らす様な歪な残響を奏で、会場に残った者たちの前に君臨する――――)」


氷冬「なに…あれ……っ…(エルキドラもクロリアーもいない、代わりに現れたその異質な物体に目を見開き、じっと凝視する)」

雛菊「っ……!(球体を目前に刀を身構える)……(感じる……様々な邪念が交り合うかのような、この邪な気を……)」

白亜「はむ…うむうむ………ほぅ、これは…(寄宿舎のロビーにて。テレビ中継で十刀剣武祭の試合をお菓子をつまみながら観戦していたが、思わぬ事態に更なる興味をそそられたかのように目を見張る)」

メタナイト「はぁ…はぁ……―――――ッ…遅かったか…(遅れて氷冬たちのもとへ到着する)」

フーナ「氷冬…!!(スカーフィを連れて、メタナイト共に彼女のもとへ)」

スカーフィ「あうぅ…ち、ちかれた……(到着するや否やだらしなくステージにうつ伏せに倒れ込む)」

氷冬「メタナイト…それに、フーナ、スカーフィ…!!(仲間と合流し束の間の安堵を取り戻す)…まさか…クロリアーを奪ったアイツ(エルキドラ)を追って…?」

フーナ「うんっ…だけど……(伏し目がちになり、そして、上空に浮かぶ黒い球体を恐る恐る見上げる)」

モララー「……でけぇな…(がらんどうになった客席で一人、足を組みうまい棒を銜えながらその球体を見上げた)」

ソードプリム「そんな…今まで、この刀剣武祭を滅茶苦茶にした奴なんていなかったのに…! 」

プルスト「――――――――――――!?(人気の消え失せた客席に立ち、眼前の物体を凝視して)(………何だ………これ…………何だ………この――――――――   凄まじいほどの、殺意の波長は――――――――――――   !!)(物体の放つ恐ろしいまでの”殺意”に、怖気づきかけた瞬間、会場にフーナ達の姿を見つけ)あれは――――――――   フーナ!!スカーフィ!!!(会場に向けて、声を上げる 」

フーナ「はっ――――!(聞き覚えのある声に、その方向へと振り返る)……プルストさん!(プルストさんも此処へ…!?)(驚きつつも半ば安堵したように彼を見る) 」

謎の魔剣士「――――――――私の力が必要なようだな。(黒衣の銀長髪な男が呟きながら再び会場に現れる) (声‐小野大輔) 」

メタナイト「……聞いてくれ、氷冬。(上空に浮かぶ黒い球体から目を離さず、隣の彼女に語りかける)……我々はクロリアー奪還のために、様々な情報を得てきた… クロリアーは最強の剣ではあるが、その剣を手にした者の精神を喰らい…邪の道へと誘う悪魔の剣だった… それが、クロリアーが「罪剣」と言われ、恐れられる由縁だった… だが…"罪剣は初めから、列記とした剣ではなかったのだ"…!」

氷冬「……!?…どういうこと…?(怪訝そうに問いかける)」

メタナイト「…大昔、悲運の最期を遂げた兵士がいたそうだ。経歴は不明だが…その死に際に、自らを死に追いやった運命そのものを酷く憎んだそうだ… そしてその憎悪は、彼の剣へと伝わり…永い永い年月をかけて、彼の怨念は精神として剣に宿り、現代になって…『クロリアー』というひとつの剣へと完成したのだ…!!この世のすべてを憎んだ彼の怨念は自然の摂理や神の思想をも歪め…それが剣という形となって誕生したのだ…!」

メタナイト「そして…それからは、以前話した通りだ… クロリアーを手にした者たちはその怨念に精神を乗っ取られ、凄惨な大事件を巻き起こした……そんな剣を抑え込むために、「陽」の力は不可欠だった。だが…ッ!!その「陽」の力でクロリアーを抑え込むのにも、ついに限界がやってきたのだ…!」

×××「 グ グ グ グ グ ッ … ! ! ! (球体内部でドス黒い波動が渦巻き、それに呼応するように、綺麗な球体を描いていた体が変質していく…)」

メタナイト「…「陽」によって破壊衝動を、殺戮衝動を抑え込まれたクロリアーに蓄積された憎悪は格段に膨れ上がり…次に手にした者を、"クロリアーが自らの意思で取り込み"、暴走を起こそうと企んだのだ…!『あれ』が…その結果だ…!!(上空に浮かぶ黒い球体に視線を移す)」

エー「えーっと…これは…不味いですね…不味くないですか…? 」

ウラー「不味いウラね。 」

ウララー「不味いな。 」

エー「では、もしもの時はエゴさんを囮に我々でとんずらこきましょう。 」

エゴ猫「エゴハァーンッ!?!?!?Σ(゚Д゚ ; ) 」

プルスト「シュタッッ―――――(客席から会場に降りて)………フーナ……これは一体………   !ピクッ―――――(メタナイトの口から発せられた、”クロリアー”の名を聞いて)………クロリアー………今、クロリアーと、言いましたか………?」

フーナ「はい、そうです…っ… 罪剣クロリアーが得体の知れない何かに奪われ、今…あんな状態に…(上空の球体を見上げながらプルストに)」

×××「 ブ ワ サ ァ ッ ! ! !   ブ ワ サ ァ ッ ! ! !  (球体からクロリアーの刃を思わせる鋭利羽が連なる四対の翼が生える)」

氷冬「……クロリアー…ッ…(…そこまでして、憎んだすべてを滅ぼしたいの…?そこまでして……どうして……)(ただただ愕然と、黒い球体――― クロリアーを見上げる)」

カイ「カチャッッ(右耳の通信機を起動させ)………おい、シグマ、今どこにいる………今すぐ、会場に来い―――――――――   今、ヤバい事になってんだ………!!(会場に浮かぶ球体を凝視しながら 」

謎の魔剣士「長きに亘る怨念よ………己は何を企む………(×××のほうへ囁くように問いかける) (声‐小野大輔) 」

ベジータ「もう駄目だ…お終いだぁ…!みんな…殺される…!orz 」

×××「 ド シ ュ ア ァ ッ ! ! ! (その後、球体真下から先端が鋭い鎖尾までもが生える)」

メタナイト「……ケイオスに蔓延る負の感情の結晶体である罪剣『クロリアー』の…真なる力が顕現された姿……!(変質していく球体…クロリアーを見据える)」

×××「 キ ュ オ ォ ン ッ ! (頭上に赤い光輪が出現し、球体だった初期状態から神々しくも禍々しい、まさに天使と悪魔が合体した様な超越存在として形成されていく…)」

メタナイト「…ありとあらゆるすべてを破壊するまで、決して暴走を止めないだろう… …その『意思』が呼び起こした存在……もしも名付けるなら―――――――――」









































―――――――― " 大 罪 剣 《 ゼ ロ リ ア 》 " ――――――――





×××→ゼロリア「――――― ギ ュ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ッ゛  !  !  !  !  !  !  ! (黒い球体に、無数の目が開眼。"大罪"の覚醒が、今、万象を戦慄させる―――――)」




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最終更新:2017年07月31日 13:02