概要
通称『
罪剣』。「皇帝の雫」の意味を持つ長剣。
剣に魂が宿り、剣鍔の中央に埋め込まれた赤玉が喋りだすことがある。
剣を持った者を操ることから呪いの剣として恐れられているが、鞘に納まっている際はその呪いを受けない。
ケイオスの怨念や憎しみ、恐怖などの負の感情が具現化された剣。
剣を振った時に必ず残像が生み出されるが、その残像の色は所持者の負の気持ちによって異なる。
所持者の心が完全に晴れない限り折れない、何者にも決して折られないという特徴もあり「
カオス界最強の剣」と謳われている。
「皇帝の雫」の由来は「皇帝の涙」から来ており、皇帝が涙する時は決まって「妃が死ぬ」などと言った家族に対する哀れみなどの感情である。
非常に恐ろしい剣だが、不屈の精神、正義感を持つことでその呪いに抗うことができる。
劇中で起きた出来事
マイテイ国の戦時下、国へと繋がる道の最中に、道外れの大樹の根元に鞘ごと突き刺さっていたのを
ゼウルスが拾う。
それと同時に敵国の兵士が彼を取り囲み攻撃を仕掛けたが、彼が鞘を抜いただけで兵士を駆逐する。
兵士は一瞬にして全身に怪我を負ったが、致命傷には至らなかった。
当時のクロリアーは人は殺さず、人を斬りつける為の非殺傷武器であった。
ゼウルスは
シリーラによる『陽』と呼ばれる力でクロリアーの呪縛から脱出。鞘に納め、今後一切使わない様に金庫に封印した。
その後マイテイの紛争が彼方此方で起きた時、
カイル自ら戦争鎮圧を決心。ゼウルスはカイルにクロリアーを渡し、戦痕を残さぬ様に命じた。
クロリアーで紛争を鎮圧する為、精神を売ったカイルはクロリアーそのものと化したが、ゼウルスの時と同様に敵を殺めることなくたった一人で駆逐した。
以来「殺さずのカイル」と呼ばれたが、一部のマニアには「峰打ちクロリアー」とも称された。
紛争は全て鎮圧されたが、精神を奪われたカイルはクロリアーの暴走を止められなかった。
血を吸えなかったクロリアーは、「陽」をぶつけられた怒りと不殺生による不満が爆発し、王席にいるカイルの妻シリーラを斬殺。
その際にシリーラによる正の感情によってカイルはクロリアーから解放された。
剣は一生使われまいと、大海原の海底に沈められた。
その後、『クロリアー編』が勃発。
リンクがクロリアーを拾ったことにより戦闘が始まるが、レインドがクロリアーの呪いを解いたことでリンクは救われる。
事が無事解決した後はリンクから
レインドにクロリアーが授与された。
しかし
海郷橋の戦いにて
アキナガが人質と引き換えにクロリアーを渡す事をレインドに要求したことで所有者が交代する。
その後はアキナガのコレクションの一つとして愛でられていたが、
マイテイ神殿炎上戦にてその所有者が爆死。
クロリアーはアキナガのもとから離れていくが、以来その在処は行方不明となった。
そして、『
閃劇のリベリオン』にて2017年度十刀剣武祭の優勝賞品の一つとして本物のクロリアーが再び現世に姿を現す。
かつてクロリアーを研究していた
アウシュビッツが、罪剣の潜在能力を最大限に引き出す「不屈の精神」の持ち主を選出するために刀剣武祭を利用することを企み、
大会実行委員長のサビスケと手を組んだことがすべての始まりだった。
しかし、
エルキドラの暴走によりクロリアーは…(下記の「大罪剣《 ゼロリア 》」の項を参照)。
歴史
|
+
|
... |
遥か昔、ダイアナ国に『バーババッハ』という男がいた。彼はその国の一兵士で、諜報員という役割を勤めていた。
国王が第2世代(カイルは第4世代)の時期だったマイテイ国ではダイアナ国と紛争中であり、その最中に彼はマイテイ国に工作員として潜入する。
市民として城下街で暫く身を潜めていたが街娘と恋に落ち、敵国捜査を放棄する。ダイアナ国には連絡を入れていないため、死亡疑惑が出ていた。
家庭を持ち、なんとか職に手をつけ養おうと唯一出来た親友からガラス加工技術を伝授してもらい、
ガラス細工の小物売りとしてマイテイ国民として生活していった。
それから三年の月日が経ち、子宝にも恵まれ理想的な生活を送るも、
ダイアナ国の物見がマイテイ兵士長宛てに「バーババッハは裏切り者」である旨を記した文を送付したことがきっかけで
即座に捕縛され、城下で拷問を受け、死刑宣告が出るまで公衆の前で縛られる。
バーババッハの斬首を課せられた彼の妻は、彼が持っていた剣を持つ。
恋に溺れ、妻に真実を打ち解けていなかったその過去をようやく理解し、その『罪悪』が蓄積された分のしかかる。
妻はその剣で縄を切る。それが彼女の愛の証明であり、同時に『愛故の罪』である。
しかしその罪に向き合えなかったバーババッハは彼女の持つ剣を奪い取り、剣を振り回しながらマイテイ国を抜け出す。
住民を蹴り倒し、門番を押しのけ死に物狂いで逃亡を図るが追っ手の弓矢についに倒れてしまう。
その矢が職を与えてくれた親友が製造したものであり、生を与えてくれた親友に対する『憎悪』がこの時に増長する。
もともと彼自身、出来た人間ではなかった。
ダイアナと戦争するマイテイ国が悪い、自分を諜報員として送り込んだダイアナが憎い、自分を惚れさせた妻が恨めしい、
その癖長く自分に罪悪感を植え付けたその言動が腹立たしい、
自分と妻とを離れなくした子を呪いたい、密告したダイアナを滅ぼしたい、職をつけさせた親友を殺したい、
その親友の製造物で殺される憎悪、何故自分が死ぬんだという恐怖、全てを壊したい…
「楽しかった」「幸せだった」「自分が悪かった」などという感情はなく、全ては自己防衛な人間の最も汚染された精神が気を伝わり、やがて彼の剣に伝わる。
怨念は精神として剣に宿り、肉体が死んだ彼は『陰』の感情として、兵士の剣『クロリアー』として存在することになる。
彼が死没したマイテイ国に繋がる道中に剣は沈み、彼の死体はやがて木へと変化する。
100年以上の長い時を経て、木の根元に刺さるクロリアーをゼウルスが拾いあげたのだった。
|
大罪剣《 ゼロリア 》
|
+
|
... |
ケイオスに蔓延る負の感情の結晶体であるクロリアーの真なる力が顕現された存在。
暴走したエルキドラがクロリアーのデータを取り込もうとした瞬間、"クロリアーの意思"でエルキドラと合体したことで、その意思が具現化され姿を現す。
第一形態として大型の黒球体にクロリアーの刃を思わせる鋭利羽が連なる四対の翼を持ち、
頭上に赤い光輪、球体真下から先端が鋭い鎖尾を生やしている(参考画像は こちら)。
平時は姿を隠しているが、その球体部分からは無数の眼球が開眼される。
斬撃を光線状に解き放つ基本攻撃“零”から四方八方に光刃を飛ばす“雫”や翼で受け止めた衝撃を跳ね返す“震”、
数多の眼球から無数の零を解き放つ“霊”、加えてエルキドラの放電能力から引用した“雷”、対象者の動きを封じる光輪を放つ“霞”など壮絶な攻撃を繰り出す。
球体に負荷がかかると全身が砕け、中に潜んでいた本体が姿を露わにする。
アッシュモーブの短髪に紅瞳が煌めき、全体的に露出度の高い黒い服装を見に纏った可憐な少女の姿をしている(参考画像は こちら)。
具現化された意思(球体時の姿)に対し擬人化された意思であるため、人間と同じ言語を発せられ感情もあるが、
クロリアー本来が持つ負の象徴が全面的に浮き彫りになっており、視界にあるものすべてを凄惨な破壊力をもって滅ぼそうと牙を剥く。
空間を司る本体と、時間を司る三種の神器『時時刻刻』を併用し、時空間を歪曲させあらゆる次元を滅ぼす力を発揮する。
ソラリス同様に、「過去・現在・未来」の時空間に同時に存在する超次元生命体であり、それぞれが存在しうる限り、ゼロリアが消滅することはない。
現在のゼロリアを軸に、過去と未来のゼロリアが時空を越えて現在に干渉し、協力し合うことで超越的な能力を発動する。
球体時の技も使用する他に、触れた者の精神を浸食する呪いの力も健在している。
絶望した現実世界を滅ぼす為に、異空間へと乗り込んだ氷冬たちと対峙する。
時空を超越した圧倒的な力で彼女たちを退けるが、互いに互いを思いやりながら戦う彼女たちと交戦する中で、
また「陽」の力をレインドから授かった者たちと刃を交えることで、憎悪で塗り固められた心に罅が割れ、
孤独という「鍵穴」を晒してしまい、氷冬の救済という「鍵」によって戦いは一度終結する。
その後、隔絶空間で向き合った氷冬に現実への絶望を嘆くが、彼女に抱きしめられる。
現実を憎んだすべての発端は"孤独になりたくなかった"が故であり、それを彼女に見透かされる。
共に孤独だった氷冬の優しい言葉に己の過去を振り返りながら、その過去、自身がまだ「バーババッハ」であった頃の話を静かに語り始める。
物語る最中、本来持ち得ていたかけがえのない"愛"を見失っていたことに気付き、多くの罪に囚われた存在(クロリアー)となった時の心情を明かす。
孤独を恐れていた己の弱さから人々の絆や愛を奪ったが、生前の最期に齎された非情な現実を、他人にも与えていた負の連鎖に己の過去を投影するが、
その恐怖からなる震えを、氷冬、そして彼女の身に宿されたシリーラの「陽」が抱擁することで、ようやく自分の過ちに気付き始める。
"罪を司る剣"クロリアーは、自らの罪と向き合うことで"罪を断ち切る剣"へと変わったのだ。
氷冬を通じ、人間たちと和解する。
ゼロリアが少女の姿をしているのは、バーババッハが愛し、同時に憎んだ妻と子供が重なり、
憎悪の対象として最も鮮明だった人物として具現化したためであったことが明かされる。
しかし、自らの罪と向き合うことで絶望していた過去を、人生を、家族を、親友を、
そして自分自身をも愛せられるようになり、氷冬たちのとの出会いからはじめて憎悪から救われる。
本来の役目を終え、還るべき場所へと消えていく最中、氷冬、そして自身に関わってくれたすべての者たちに感謝の言葉を残し、完全消滅した。
|
+
|
... |
時時刻刻(ノルニエル)
空間支配を司るゼロリア本体が操る、時間を司る三種の神器の総称。罪を司る剣「クロリアー」には存在しなかった能力を持つ剣と刃。
すべての剣身内部に複数の歯車が施され、歯車が回転を帯びる度に効果を齎す。それぞれが三位一体となることで真価を発揮する。
だがメタナイト曰く、もともとゼロリアは唯一存在であるが故に、それぞれの時空間に存在を確立させるためには、
それぞれの時間に適応した神器を一つずつ分け与える必要があり、故に過去・現在・未来にゼロリアが同時に存在していたとしても、
それぞれの手元に神器を三種類揃えることは不可能である。
そのため、それぞれの時空間に存在するゼロリアが協力し合いながら戦うことになる。
しかし神器を破壊されると、それに伴って本来の力を失ったゼロリア自身も消滅する。
名称は運命を司る三姉妹の名称より。
"過去"を司る、短針を模した短剣。
"未来"を司る、長針を模した長剣。
"現在"を司る、時計を模した輪剣。
弓の様に扱うことで殺傷能力の高い光矢を放つことが出来る。
技一覧
ヴェルザンディが司る時空転換能力。
時空間を歪めて影響を及ぼし、その効果は幻術魔法の“時空転換”を遥かに超越する。
転換能力の応用により、視界転換や重力転換、更にはベクトル転換による攻撃回避や反撃を可能にする。
- 憤怒ナル権能『X'Caliber』(エクスカリバー)
スクルドとウルドが司る反撃能力。
攻撃圏内の相手に時空を超えた不可避の反撃を繰り出す。
- 嫉妬ナル権能『∞'Finity』(インフィニティ)
ヴェルザンディが司る制御能力。
対象者の空間を抜き取り、弱体化或いは無力化を促す力。
また回復能力を使用した際は逆に生命力が削られる呪いにかかる。
カイルの固有能力から引用したものと思われる。
スクルドが司る移動能力。
自らの時間を加速化することで超高速移動を繰り出す。
その神速移動から、相手には時間停止能力だと錯覚される。
ヴェルザンディが司る操作能力。
広範囲内にある無機物を自在に遠隔操作する。
劇中では、無数の光矢によるオールレンジ攻撃を繰り出す描写があった。
- 暴食ナル権能『D'Mension』(ディメンション)
ヴェルザンディが司る空間断裂能力。
この力で空間から空間へと移動したり、相手の攻撃を受け流す回避としても機能する。
また断裂空間から黒い瘴気が湧き出し、自らのクローンを生み出して手駒にすることができる。
ゼウルスの固有能力から引用したものと思われる。
ウルドが司る回復能力。
自らの時間を遡ることで受けた傷や痛みを消失させる。しかし神器を修復することは不可能である。
リンクの固有能力から引用したものと思われる。
|
|
能力
クロリアーを手にした者は剣に秘められた強大な力が本人の精神に流れ込み、特別な能力を顕現する。
下記はクロリアー所持者の固有能力一覧。
- ゼウルス:空間断裂。および技発動後、異空間より瘴気発生。
- リンク:超速再生。およびせんべいの味がさらに美味しくなる。
- レインド:不明(恐らく、シリーラの加護により該当しないと思われる)
最終更新:2018年09月01日 20:28