紅夜「男子高校生の日常②」

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男子高校生と女子力




炬「なぁケビン、女子力ってなんだと思う」

ケビン「女子力って……まー……あざとさみてーな?」

炬「あざとさってなんだ?」

ケビン「あざとs………こーあれ、可愛さみたいな?」

炬「可愛さ———————」

炬「(あれっそういえば普通に俺日頃から可愛いって言葉を使ってたけど
   それはどういう意味なんだろうか………俺は普段からとんでもないことを言ってたんじゃなかろうか)」

炬「(そも俺が可愛いっと思えた原点ってなんだ?確かあれは子供の頃——————)」


かがりくん「わぁーいうぅーさぎさんだぁー!」

うさぎ「きゅんきゅーん」


炬「(兎さんかッ!?そうか、兎っぽい女子が可愛さ→あざとさ=女子力なのか!)」

クイント「おっすー ちょっと資材借りに来たんっすけどー」ガララーッ

ケビン「おーっす。此間言ってたやつだろ? そこに置いてあるから」

炬「………」

炬「俺ァ認めん、断じて認めんからなッ」クァァッ

ケビン「なんで?」

クイント「何が?」


 =TIPS=

 一年生。文芸部
 双子の弟。主人公という名の一番目立たないし目立つ意欲のない存在

 二年生 剣道部
 双子の兄 主人公の兄という一番目立たない存在の身内という空気のような存在

 一年生。女子部
 妹。目立つ


男子高校生と氷上の悪魔




紅夜「ぐわーっ!?」スッテンコロリン

紅夜「(しまった……この歳で水たまりに滑って大胆に転んじまった……しかも通学路!恥ずかしい、これはどうしようもなく恥ずかしい!)」

炬「ん」クルリ

紅夜「(げぇーっ!見られたくねぇ奴に見られたァー! 大丈夫だよ、来るなよ!俺ぁただこうやって寝そべってたいだけなの!飽きたら起き上がるから!帰れ!じゃなかったそのまま登校してて!)」

炬「おぅっふぁッ!」スッテンコロリン

紅夜「(何がしてぇんだてめーはァー!ミイラ取りがミイラかお前ー!)」

炬「(畜生ォー!女子が見られてる側でかっこいい役回りしたかったのにぃいぃーッ!ニタカのばか!トンマ!)」

ケビン「んッ」ピタッ

紅夜「(あ”ぁ”ーし”ま”った”普通に親切心で地雷踏みそうな奴が来たァーッ!)」

炬「(なんでー!?こっち見ないで!そのままその辺に転がってる空きカンみたいな感じにスルーして!後で100円あげるからッ!)」

ケビン「大丈夫かお前らァー!うちの爺さんが撒いた水のせいで、すまねぇーッ!」

炬「(なんでそういうことするのかなぁお前ー!?わざわざ視線集めないでくんねー!?)」

紅夜「(いい加減にしろよ!ていうかお前の身内かいッ!)」

ケビン「ぐわァーッ!」スッテンコロリン

「「(あのさァー!?)」」

ケビン「(くそっ二人の剣幕が怖い。何かを大幅に間違えたか……明るさまコントっぽくして二人の赤っ恥をごまかそうとしたのに!)」

エディ「あっ」

ケビン「(学内美化でMVPを取った男子エディくん!良かった、毎朝花の水を変えたりとか細かいとこまで気が回る君ならこの状況を打開するような気遣いができる筈さァー!)」


「「「(頼む!なんとか俺らをタスケテくれーッ!)」」」


エディ「———! ポク ポク ポク チーン」

エディ「ぐわぁーッ!!」スッテンコロリーン

紅夜「」

炬「」

ケビン「」

エディ「———ニッ(よし、今回は間違えなかった。友が道につまづいて恥を負ったなら、同じ悲しみを背負う。それでこそ友達だろう)」グッ

「「「(なんだよそのしてやった的なサムズアップムカつくァァァ———ッ!!!!)」」」

紅夜「(くそ……なんだっていうんだこの水たまりは、吸い込まれるように次々といらん勘違いをして知り合いが転んでいく)」

ロバート「………」

紅夜「(ア”ア”ア”ァ”ァ”ーッ!音楽の歌のおにいさんことロバート先生がこっち見てるァー!不味い、このパターンだと彼までが水たまりの毒牙にかかってしまう!)」

ロバート「…………(察し)」スタスタ

ロバート「…………遅刻するなよ」スタスタ

紅夜「…………」

紅夜「(くッッッそォーそれはそれで悔しィーッ!!)」

紅夜「—————はッ!」

心忍「あっ」

紅夜「(うあああアアアァァァァァ—————ッッッ!!!!クラスの絶滅危惧種と名高い普通に裏表なくいい子、心を忍と書いてしのぶさんに見られたァーッ!)」

炬「(なんてこった!やめろ!気を利かせるな!!その優しさは今回ばかりは何も救わない!)」

ケビン「(何事もなかったようにスルーしてくれ!悲しみのあまり死んでしまう!)」

エディ「(なんだろうこいつら顔怖い)」

心忍「……」スタスタ

「「「(た、助か————)」」」

心忍「あーもうしょうがないですねー!」クルリ ザッザッザッ

心忍「うわーやられたっ!」スッテンコロリーン

「「「(ぐぁー気使われた申し訳ねェーッ!!)」」」



————心忍さんは空気を読めるし気遣いもできて優しい



 =TIPS=

  • 湊月 炬
 二年生 テニス部
 本編と同じくボケ担当。趣味はドラクエごっこ
 最近女子のツッコミがバイオレンスで泣きたい

  • 二鷹 紅夜
 二年生 帰宅部
 炬とは中学時代からの縁。ツッコミ担当。本編とは違いテンションが高い
 普通に茶髪、本編のあれは中二病の産物


男子卒業生と女子新入生



—————それは遡ること2年前。私はこの高校の学園祭である人に出会った


アーデルハイト「あだっ!」

カオスマスター「おっと。失礼、余所見をしてました、お怪我はありませんか」

アーデルハイト「ハァーン!?あるに決まってるんだろてめーの目は後頭部にでもついt—————」

アーデルハイト「(ほわああぁぁぁ———!!?)」←女子中出身故に美男子に耐性がない

カオスマスター「本当に申し訳ない……そうだ、近くで私達の出店がありますのでそこで埋め合わせでも」

アーデルハイト「ぎゃー!にゃー!!わぁー!!!ほわっホワァーッ!!」ズダダァー

カオスマスター「ああちょっ……」


—————あれ以来、男子なんてものにはさして興味がなかったのだが。彼の姿が、微笑みが、声が忘れられず、気付けばその背を追うようにその高校に入学し


炬「あーそれ元生徒会長のヴィナミス先輩っすわ。去年度で卒業したっすよ」

アーデルハイト「」

ヴォイド「当時の副生徒会長です。彼に何か———」

アーデルハイト「コ”ナ”ク”ソ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”—————ッッ!!!!」デュクシィーンッ

炬「す”ん”は”せ”ん”ッ!!」ドダバァーン

紅夜「(今年の後輩は大物だな)」


————私は己をクソレズと偽り、先輩の難波さんを困らせる新生活に突入した。やったぜ


 =TIPS=

  • ケビン
 二年生 バスケ部
 老けて見えるのを気にしている。満足部部長。口癖は満足
 周りに気を使うが間違って地雷を踏んでしまう。待ち合わせ場所を必ず自販機の前にする

  • エディ
 二年生 サッカー部
 転校生。中学時代は荒れていたがそれは無自覚故、ビンタ一発で自分の過ちをあっさり認め厚生した
 天然で世話好き、いらんことしいなことをする。根がかなり真面目



男子高校生とスライム




炬「暇なので、ドラクエごっこをしようと思う」

紅夜「は?またやんのあれ」

ケビン「……」スッ…

ケビン「ぼうけんの しょ を えらんで ください」

紅夜「続きからやんの!?じゃあ、冒険の書14で」


 ——ロード中——


炬「何やってんだよゆうしゃべによる!こないだまでに予習しておけと言ったでしょうが!(裏声)」

ケビン「コジマ!しっかりしろコジマー!お前が死んだら誰がですスタンディングを完結させるんだー!(ダミ声)」

炬「くっ、まさかジョセフィーヌが念入りに『動き理解した?』とダンジョンIN前に研修をしたというのにこの有様とは……初心者を侮ってたわッ(地声)」

紅夜「どういう状況これェーッ!?」

ケビン「困ったでやんすな兄貴、今んとこ動けるの俺らだけでっせ(ダミ声)」

紅夜「ていうか誰だお前!?」

ケビン「ひどいっす兄貴可、愛い弟分のジミーっだすやん!(ダミ声)」

紅夜「知らねーよ俺だったら絶対お前みたいな顎しゃくれてる自分より背が高い語尾がキモいの弟分にしねぇ!10円もらってもしねぇ!」

炬「カエル の ジミー は 5の ダメージ を うけた
  カエル の ジミー は ちからつきた」

紅夜「カエルかよほんとなんで仲間になった!ていうか弱いなメンタル!!」

ケビン「未熟なのは責めはしまい。だが急がなくてはな
    このままあのダンジョンを放置すれば、魔素がこの村を覆い尽くし誰もがカエルになってしまう(裏声)」

紅夜「えっ なにそれこわい。早くなんとかしなきゃ。なぁそのダンジョンに行くにはどうしたらいいんだ」

ケビン「教えるのは構わんが……一つ頼みがある」

紅夜「(うわ出たよ本業入る前にみみっちぃお使い頼んでくるやつ)わかったなにが欲しいんだ、薬草か?」

ケビン「この金でエロ本を買って来てくれ」

紅夜「非常時になに頼んでんのこいつ!?」

ケビン「そうか……では仕方ない。実はここがダンジョンなんだ、尺の都合上」

紅夜「ガバガバかーい!」

炬「チャオズゥーッ!」 ババッ

紅夜「うわびっくりしたななななんなんだお前」

ケビン「モンスター の テンシンハン が あらわれた」

紅夜「それ雑魚扱いだけど普通にドラクエ世界じゃ強い部類じゃね?」

ケビン「太陽圏ーッ!(物理)」ビシャ

紅夜「ぐわぁてめぇ醤油差しで目潰しとか」

炬「ゆうしゃ べによる は しりょく を うしなった」

「   \ガララーッ/  お邪魔しまーす。生徒会から書類預かってますー」

炬「あ、はいはいいらっしゃーい。 おっと、ここでスライムが襲いかかって来たーッ!」

紅夜「あーっとにうざったい!かいしんのいちげきでもくらえ!」張り手パーンッ


むにんっ


ルーシー「」

紅夜「……なにこれ」ムニムニ

ルーシー「……〜〜〜〜ッ!!!!」


炬「そのご ゆうしゃ べによる を みた ものは いない」

ケビン「やったぜ」


 =TIPS=

 二年生。柔道部
 顔の作りだけはいいエロの権化。乱取りしたい

  • ロバート
 教師。音楽担当
 大塚愛が古いかどうか気になっている。多分愛妻家(希望的観測)


男子高校生と理系少女




ヴォイド「……」

ニオ「……」

ヴォイド「(なんで隣に座っといてなんも言わないんだこの人)」

ニオ「………」

ヴォイド「………(ちょっと待てその本逆さだぞ。なんでだ、隣に急に来て本を逆さに読むってなんのサインだ)」

ヴォイド「………(こちらに一瞥をやる訳でもないし、何か話しかけようって風でもない。単に俺の自意識過剰か)」

ヴォイド「………(早々に立ち去ろう、居心地が悪すぎる)」スッ……

ニオ「 ギ ン ツ 」

ヴォイド「!?(急に睨んで来た!なんだこの人本当に!)」……ッス

ニオ「……」パラ…

ヴォイド「……(帰るのをやめると元に戻る……わからねぇ、こいつ本当にわからねぇ。別に話しかけたいって風でもない……)」

ヴォイド「……本、逆さだぞ」

ニオ「………」ス……

ヴォイド「………。(カバーだけ逆さなんかぁぁい紛らわしいなっとにァァァーッ!)」

ヴォイド「………」


ー10分後ー


ヴォイド「……(日が暮れちまう。 もういい、流石に付き合いきれん。帰るぞ、俺は帰る。凄まれてもかえ……)」

ニオ「(無言背表紙チョップ)」ドゴァァァッ

ヴォイド「デジャヴッ」ドサッ

ニオ「(無言でヴォイドの鞄を物色)」ゴソゴソ

ニオ「(本を数冊抜き取って帰る)」スタスタ

ヴォイド「(そういえば……小説借りてたの……忘れてた……)」ピクピク


————『本返して』って喋るのめんどくさかった……☆



=TIPS=

  • ヴォイド
 二年生 バスケ部。生徒会副会長
 別に文学青年ではないが教養を広げるため読書をする。校内にいると色々頼まれるので川辺に行く
 よく文学少女(?)と遭遇する

  • ニオ
 二年生 帰宅部
 別に文学少女ではないが趣味で本を読んでいる。校内は男子がうるさく女子が陰湿なので川辺に行く
 正直喋るのもめんどくさい



女子高校生は異常③




女子A「いっけねー!明るさまわざとだけど缶蹴りの缶吹っ飛ばしちゃったわざとだけどー!」ギャハハー

霧島「っ!?」ビクッ

姫川「ドラァッ!!」(眼球で跳ね返す)

女子A「ゴッファァッ」ドゴォッ

女子B「ギャ女子Aの腕が折れたァー!」

姫川「余所見はいけねぇなお嬢さん。中学生か?
   デケェ図体だもんな……多くを語らなくてもわかるぜ
   だが学校は違えど、同じ地域に住む先輩だ」

姫川「もっと、現役JKを頼ってくれてもいいんだぜ」

霧島「(すごい、本で読んだ通りだ!)」


霧島「 ゴ リ ラ は や さ し い 」


      その昔、とある動物園にて、
      ゴリラ舎に3歳の子供が転落し気絶したものの、
      匹の雌ゴリラがその子供を抱き上げ、
      ほかの雄ゴリラが近づかないように保護し、
      飼育員のいるところまで運ぶ出来事があった
      そのゴリラの名は……ピンチィ
      ゴリラはやさしい

 =TIPS=

  • 姫川
 女子高校生 2年 柔道部兼文芸部部長
 愛称はピンチィだが本人はその由来を知らない

  • アーデルハイト
 女子高生 1年 帰宅部
 難波さん観察日記が最近の趣味



男子高校生とマッマ



ケビン「ぐわァァァ——ッ!!しまった、カーテンのシャーってなるあれ申請するの忘れちまったァー!」

炬「どうすんだよリーダー!カーテンのシャーってなるあれ(遮光)がないとお化け屋敷成立しないぜ!」

紅夜「なんとか借りてくるしかねーよ、予算案はこれで通すって提出しちゃったし」


ガララーッ


ソフィーナ「よくってよ!(カーテンシャー」

「「「マ……ママァーッ!」」」


姫川「あーもう学園祭も近いっていうのに部室散らかしてくんじゃねぇよ新入生なーんっとになァーッ!」

姫川「霧ちゃん!?もしもし霧ちゃん大至急かだ付けを手伝いに……あっ、業務用ポテチまだ買えてないの?そっかごめんね」

姫川「だぁぁーんし!ここぞとばかりに男子力を発揮し私を助けろぁ!」

Alvis「さっきからやってますよ!やってるけど人手足りないですって!」

ガララーッ

ソフィーナ「よくってよ!(カッポウギー」


「「マ……ママァーッ!!」」



シェン「ンンン〜〜ッ!予想外のお客さんの量で草ァーッ!」

エディ「悪い、腕が4本でもないと捌ききれないわ」

シェン「マジで?4本あったら捌けんの?」

エディ「わからない」


ガララーッ


ソフィーナ「よくってよ!(バァーンッ」

シェン「マ”ッ」

エディ「助かりますソフィーナ先輩」

シェン「……」

シェン「 マ マ を 付 け ろ デ コ ス ケ 野 郎 ッ ! ! 」パァーンッ

エディ「なんで!?」ドゴァ



男子高校生と虚無期間




炬「缶けりするやつ!この指とーまれッ!」

炬「………」

炬「ッシャーやろうぜー(裏声)ヒューヒュー!!(地声)」

炬「さぁ一年も経たないうちに開催されましたワールドカップINジャパン!
  期待の若手新生(イケメン)こと炬選手が……シューッ!!」カァァッ ン……

炬「…………」

炬「…………(体育座り」

炬「…………」

炬「りんご」

炬「ゴリラ」

炬「ラッパ、パセリ、リンゴ、ごり……」

炬「ゴリラは優しい」

炬「………。」

炬「寂しィ………ッ!!」



姫川「…………なんだあれ」

————実は蹴飛ばされていた缶は姫川の後頭部をクリーンヒットしていた。殺してやろうかという勢いで走ってきていたのだが
     想像を絶する哀愁漂う光景に『今回は見逃してあげよう』と無言でその場を後にせざるを得なかったという……







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最終更新:2018年09月24日 19:54