サディの一人旅

サディの一人旅》


これは、様々な世界を旅する「彼女」の旅物語―――


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ガタン、ゴトン……ガタン、ゴトン……(各地にて起こる群雄割拠の大戦乱。善も悪も力を振るい、己が信念をぶつけ合う最中、のどかな山間部に敷かれたレールを走る電車に揺られながら、一人の女性が目的地へと向かう) 」


サディ「(小麦色の肌の上にセーターと革のパンツをまとった金髪と眼鏡の女性。本名『サディ・ネーゼロッテ』。世界中で起きている紛争や雌雄を決める決戦には興味を持たず、気の向くままに旅をする)…………ウト、…ウト………(もうすぐで目的地につくというものの眠気が襲う。眠気の心地よさと窓から見える紅葉に目を細めながら時間が過ぎるのを待つ) 」

アナウンス「次は○○駅~○○駅~。お降りのお客様は左側のドアから…………------(アナウンスの声が鳴り響く。そろそろ目的地だ) 」

サディ「パチ……(眠りかけたころに聞こえたアナウンス。頭を軽く振って眠気を振るい払って降りる準備をする)ハァ…………(膝に置いたままにしていた本を閉じ、飲みかけの缶コーヒーを手に取ってキャリーバッグをもう一方の手で引く)プシュ、プシュ~……ウィーン(乗客は自分だけ。スムーズに下車して駅へと降りる。ガラガラと音を立てながら閑散とした街中へとおもむく)旅館、旅館…………あった。あそこ。(秘湯があると知る人ぞ知る旅館の前へたどり着いた) 」


この土地において100年近く根付いた伝統をずっと守り続けた旅館。最近改装したという噂があったが、昔ながらの外観は損なわれていない。暖簾をくぐり、従業員の挨拶を横目にカウンターにて予約のそれを告げる。そして部屋に案内される。部屋は上の階の奥の間。一番高い部屋だ。


サディ「はぁああぁぁあ、綺麗。(荷物を置いてさっそく広縁へと向かいイスに座る。紅葉と海。ふたつの色合いが重なる光景に再び時間の緩慢さを感じ取る。このまま眠ってしまうのもいいかと思い、しばらくそのままでウトウトした) 」

サディ「(腕と足を組みつつ精神が弛緩していくのを感じながら、思考を徐々に鈍らせた。しかし……)スンスン……、ん、おん、…せん。(鼻腔をくすぐる温泉独特の臭い。そして今回の目的)ごはんまで時間あるし、先に温泉入っちゃいましょう。(ノソノソと立ち上がり準備にかかる。この旅館名物の温泉だ。廊下に出て階段を降り、奥の奥へ。そこに設けられる女湯のほうへと暖簾をくぐった) 」


シュルシュル、パチン、パサァ…………(脱衣所にて身に着けた衣服を脱ぐ音。今サディ以外に脱衣場に客はいない。なので別に気兼ねなくあられもなく、普段やるように大ざっぱに脱ぎ始める)


サディ「ん?……あれ着物かしら? もう誰か入ってるのね。(赤い着物が綺麗にたたんで棚においてあるのを見つける)……(面倒くさそうにタオルを巻いて入浴場へと向かった)ガララ……(熱湯であるがゆえに、気温差も相まっておびただしい湯気が立ち上っている)わぁ……(これまでの経歴からは考えられないくらいに表情を緩ませ瞳を輝かせる) 」

サディ「(湯に入る前にしっかりと体を清め、足先からゆっくりと入っていく。じんわりと身体の真っ芯へと昇る熱さに心地よさを感じながら、胸元まで浸かった)~~~~~~~~~…………っ。(旅の疲れ、特に肩の凝りにじんわりと効くのがよくわかる)…くは…………はぁあ♡(大きく、甘い吐息をもらす)チャプ、チャプ…(水音とたまに聞き取れる紅葉の揺れ。都会の喧騒や戦いの熱気とは無縁の境地を感じながら首筋に丁寧に湯を当てていく) 」


「あら、ほかにもいたんですね」(霧のように立ち上る湯気の中から女性の声。少女のようなあどけなさかと思えば、陶器の破片のように綺麗で鋭く、鈍重な茶器のように荘厳さを秘めた声だ)


梓「………ごきげんよう(裸身のまま湯気の中から姿を現す。タオルを巻くことなく生まれたままの姿を、ありのままにさらしていた) 」

サディ「(自分のプロポーションには自信があるほうだったが、もうひとりの客、梓の肢体を見て一瞬目を見開く。裸の美。芸術においてはよくテーマとして彫刻に絵画に表現されるが、こうして同性であっても目を見張るものだった)…………どうも。アナタも湯治? ここ、気持ちいいわよねえ。旅にはうってつけの場所だわ。(チャプチャプと湯を手で揉んでみる) 」

梓「ここのお湯は肩こりと腰痛によく効くそうですよ。…………私も肩こりでして。あと、ここのお料理は味の細部までよく作りこまれてて舌にあうのです。それに一番いいのは…………。 」

サディ「繫忙期と違ってほかの旅館よりもお客が少ない。だから安心して旅館の中を歩けるってところね 」

梓「チャプ、チャプン(乳白色の乳房を浮かすように深くつかりながら上を見上げる)……ここ、風呂上がりの牛乳もおいしいらしいですよ? なにやら特別な製法のらしいので。一般より値段は高いですが。 」

サディ「別にお金には困ってないし、節約気にして旅してるわけじゃないの。じゃあその牛乳2本もらっちゃおうかしら(牛乳好きだし、と流し目でぺろりと舌を出しつつ) 」

梓「(うなじまで浸かるようにして目を閉じる。しかしどうしても胸が水面から浮き出てしまうので置いておいたタオルを乗せる)羨ましいですね。お金持ちは。……ここのどぶろくも飲んでみては? お値段はりますけどアナタなら問題ないでしょう。 」

サディ「あら、それはおいしそうね。ふふふ、飲みたくなっちゃった。…………私は先に上がるわね。じゃあごゆっくり(湯舟から出ると同時に梓に習いタオルを外した)ふぅ、解放感♪(脱衣場で浴衣に着替え、広間へと行く)カポン、ゴクゴクゴクッ…(瓶入りの牛乳を2本,) 」

サディ「あら、それはおいしそうね。ふふふ、飲みたくなっちゃった。…………私は先に上がるわね。じゃあごゆっくり(湯舟から出ると同時に梓に習いタオルを外した)ふぅ、解放感♪(脱衣場で浴衣に着替え、広間へと行く)カポン、ゴクゴクゴクッ…(瓶入りの牛乳を2本、間髪入れず飲み干し)プハァ…………ふぅ。最高。(ふと、広間にあるテレビのニュースが目に映る) 」


リューズ島の事件、黒い雨の謎、組織と組織、そして特殊部隊との戦闘etc..世界情勢は常に不安定でありとてもこの旅館のように安心できるとは思えない。 」


サディ「……………………(1分ほど目を向けていたが虚無を見るような目で、特に感情の起伏はなく。辟易するまでもない。そのまま自分の部屋へと戻った)……ごはんまでの時間つぶしに、あったこれこれ(エーテルに関する書物を取り出す。彼女の専門分野でありこれを科学的に編纂する作業を行う。タブレットと万年筆とメモ帳を取り出して静かな時間に身をゆだねる) 」


時間は過ぎ、日が水平線の向こう側へと沈みかける。茜色が彼女の集中に遮りを生んだ。それは空腹の訪れでもあった。 」


仲居A「失礼いたします。お食事をお持ちいたしました(襖越しにもわかる。料理独特の美味を思わせる気配。サディは微笑みながら仲居に来るように告げながらテーブルを片づける) 」

サディ「(天ぷらや茶碗蒸しを主とした品々。思った通りの、定番通りの和食。風呂上がりに頼んでおいたどぶろくも来たことで、舌鼓を打ち始める)サクサク、ムシャ……グビ……ふぅ(メシが舌になじむ。口に残る風味をどぶろくで流し込む)……フゥウウウウウウウウ。(甘い。風呂上がりに火照った身体に、牛乳とはまた違ったジンとくる感覚に吐息を漏らした) 」

サディ「はぁ、食べた食べた。(空になった器とどぶろく二本を床に置き、窓から吹き抜けるゆるやかな季節の風にあたる)…………。(再び広縁へと行きイスに座るとタブレットを動かす。------それに呼応するようにキャリーバッグが小さく点滅する) 」


時刻は22時過ぎ。客はまばらゆえに広間も廊下も静けさが染み渡る。そんな中サディはまた広間へとおもむく。 」


梓「あら、またお会いしましたね(また入浴でもしたのかホカホカとしている。うちわであおぎながら、サディに顔を向ける。浴衣のサイズ、主に胸部のサイズが合わないのか艶美な谷間とその乳白色からしたたる雫が見えてしまっているも、本人は気にしていないようだ) 」

サディ「(対する彼女もまた小麦色の谷間をさらすも、彼女にはさすがに負ける。だが特段劣等感を感じることはない。むしろ「大きい」という宿命を持った女同士、そのシンパシーを感じていた)隣座るわね。ここの料理もう食べた? おいしかったわ。………前のホテル、一流シェフだなんだって看板があったけど全然ダメだったわ。ワインもお肉もソースも全部ダメ。やっぱりこういう場所の料理が一番よ。 」

梓「それは災難でございましたね。私、審美には多少自信はありますがそういった経験は何度もあります。中には思わず無礼討ちしたくなるほどでした。 」

サディ「無礼討ち。穏やかじゃないわねえ。(剣士か……) 」

梓「………アナタは今日きたばかりの方ですよね? どれほど滞在を? 」

サディ「2泊3日よ。アナタは? 」

梓「明日の早朝にはここを発ちます。今度は西へ向かってみようかと。 」

サディ「あらそう、残念ね。気が合いそうだから一緒に観光でもどうかとおもったんだけど。 」

梓「それはなんと嬉しい申し出。もしまたご縁があれば是非とも色んな場所を回りましょう。………では、私は部屋に戻ります。失礼しますね(その一礼に布こすれの音ひとつなく。そそと立ち上がり奥の廊下へと歩いて行った) 」

サディ「…………なんか、不思議な人ね。私も人のこと言えないだろうけど。(梓を見送りながらその裏に秘める気配に目を細めた)さ、私も明日は早めに起きなくちゃだし。あ~でもせっかくだからもっかいお風呂入ろうっと(第一日目、ゆったりとした時間はだれにも阻まれることなく穏やかに過ぎていった) 」



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最終更新:2023年09月29日 15:11