このSSはドラマにかなり影響します
物語の進展と共に、一番下に書き加えられていきます。
実はカレンダーを見間違えて日付間違えたとか言えない・・・!
平成60年、俺に恋人が出来た。
まさか、こんな剣聖崩れのオッサンにロマンチックな恋をしてくれる人がいるなんてなぁ・・・ハハハ。
笑えるけれど、笑えないな。
今や俺は日本以外の全国から見てA級戦犯だ、いつ命を狙われようと文句の一つも言えやしない。
そんな俺に恋をするだなんて、どんな刺激を求めてるんだよ・・・笑えないな。
ともかく可愛くて、平和的思考で、料理もうまい。
こんないいとこ無しのオッサンには文句の一つも言えやしねぇぜ。
俺は程無くして、結婚した。
元よりあっちが想ってくれてたし、こっちも自然と引き寄せられていったから至極当然か。
平成61年、再び戦争に駆り出される。
政府にはもう嫌だときっぱり言ったのだが、俺の妻を引き合いに出された。
あっちは俺が断れば今すぐにでも殺すつもりらしい、参ったな。
こいつらに人権とかそういう思想はねぇってのか、やっぱり役人ってのはこすい上に汚い奴らだ。
俺は渋々、戦争に赴いた。
戦地で当然のように、当たり前のように。
飛び交う弾丸を、魔法を、全て弾いて。
体へと飛来する血粉末を、埃を、全て弾いて。
悠々と中心を、堂々と歩いて行った。
手が疲れる、めんどくさい。
今回もただ真正面から突っ込んで指揮官を斬り捨てた。
はぁ、たったこれだけの事が何故あいつらに出来ないのか。
俺はその後何度も戦争に駆り出された。
ロシアだのインドだの、どこの国の戦争でも。
ひどく酷使しやがる、こっちが手を出せないからっていい気になりやがって。
俺一人居れば勝てない戦争は無いだのなんだの、ぎゃーぎゃー祭り立てやがって。
帰って来たら来たで英雄として騒がれて、ぴーぴー五月蝿くて買い物すらも普通にできやしない。
平成64年
そうして数年、俺は戦地を連れまわされた。
いつかKill Them Allしてやるぞクソ役人共、それと黙認してやがるクソ政府。
と思ってたらその矢先に大統領とか重要所の奴らが色々と暗殺された、どうやらスパイがずっと息を潜めていたらしい。
それからというものの、そのスパイが俺の家の情報を撒きやがった所為で今や逃亡生活待ったなしだ。
クソったれが、開放されたと思ったらこれだよ。
幸いこの国のマザークリスタルと科学エネルギー制御施設を破壊される事は無かったらしい。
あの二つが無くなれば、魔術と科学の文明レベルは0に逆戻りだ。
だからこそシステムは万全だがな、どうせ壊される事なんてあるまい。
平成70年
やっと逃亡生活とおさらばできた、俺が
追跡者を皆殺しにし続ける事はや六年。
どうやら無駄と判断したらしい、にしては判断が遅すぎやしねぇかと。
まあいい、これでやっと平穏な暮らしが取り戻せるんだ。
今や日本は全世界を征服したらしいからな、俺のおかげで。
なのに逃亡への助力なんてこれっぽっちも無かったぞ、何故だ。
ふざけやがって、誰のおかげで制服できたと思ってやがるんだよクソファッキンイエローモンキーズ。
遠まわしに自分を卑下してる気がするが、仕方ない。
そしてこんな無茶苦茶な生活になっても俺を支え続けてくれている俺の妻、光月(ぴかづき)に感謝だな。
最大の心の癒しだよ、愛してるぜマイハニー。
平成75年
平和ボケしそうなこの年この頃。
子供が出来た。
ついに俺もお父さんかーはははやべーよ「できちゃった♡」とか聞いてねーよ確かにあんだけやったら危ないかなーとか思ってたけどさーでも突然それ!?”!|+‘~=‘*LI`(文字が汚くて読めない・・・)
でも可愛いから許す、きっと生まれてくる子供も光月に似て可愛い女か俺に似てかっこいい男になってくれるはずだ。
どっちにせよ護身術として俺の剣術を1から10まで叩き込んでやらないとな、まさかまた剣を握る事になるなんてなぁハハハ。
平成76年
全世界のマザークリスタルと科学エネルギー制御施設が一斉に破壊された
そんな筈は無い、と否定したいが否定のし様がない
折角慰月が生まれたのに何だってんだ
破壊されて開放された魔力と科学エネルギーが暴走して行き場を無くし、互いに混ざり合って禁断反応を起こして日本帝国の各主要都市がどんどん森林化しているらしい
中継が止まった、ここは幸いにも田舎だからそうすぐに被害は及ばない
そう、思っていた。
思いたかった。
平成77年
世界は広大な森林に埋め尽くされた、緑の星と化したのだ。
暴走したエネルギーの禁断反応は海の半分を侵食しているらしい。
有り得ない、と否定したいが俺はこの目で確かめてしまった。
否定のし様も無い。
今は近くに住んでいたご近所さんとで小さな集落を作って暮らしている。
科学文明も魔術文明も、全世界同時に0に戻った。
何年かかったか知らないが、山のような努力は全てパアだ。
ざまあ味噌漬けお茶漬けの元だぜ、クソ役人共。
とか言ってらんねぇ、俺ら市民にまで被害があったんじゃあな。
こんな状況でも、光月は笑顔だ。
その笑顔に、俺は元気付けられる。
やっぱり愛してるぜマイハニー、そしてマイボーイ・・・?ガール・・・?慰月。
何故だ、慰月が男なのか女なのかわからない。
アレを確認しようとしたところ、なんだかご都合主義的な闇に包まれていた。
平成78年
集落を追い出された。
俺が剣聖崩れとバレた所、速攻だった。
なんでか知らないがあの集落、元ドイツ人やらアメリカ人やらの軍人ばっかだった。
俺はそういえば他の国から見たらA級戦犯だったな。
仕方なく、近くにとても清んだ川の流れているいい場所に小屋を建てた。
こんな即興のお粗末なデキの家でも、光月は笑顔で満足してくれた。
その眩しい笑顔に俺はやっぱり癒された、愛してる。
慰月はやっぱり性別がよく分からない。
平成81年
今日は慰月と光月が二人で散歩に行った。
どうして俺は連れて行ってくれないんだと聞いたら、「秘密のお話だから、無月さんはだーめっ♡」だってよ。
可愛いから許す。
なんか慰月がこの日から笑顔が多くなった。
平成83年
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だこれは嘘だそんなはずは無いこれは嘘だ嘘だ有り得ない嘘だこれはきっと現実ではない嘘嘘嘘嘘嘘嘘
光月が、殺された。
慰月を庇って、殺された。
殺したのは、あの集落の奴らだった。
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す全員皆殺しにしてやる
俺の心は、刃は、正気は、奴らの鮮血で真っ赤に染め上げられた。
あんなことがあったのに、慰月は笑顔を保っている。
腹立たしくなって、八つ当たりしてしまった。
母の死をなんとも思ってないのか、と逆上して。
あの時気付いていたのに、涙が流れた跡があったのに。
俺は、親失格だ。
平成84年
慰月にこう言われた。
「僕はね、おかーさんにね、こう言われたんだ。」
「他人を憎んだら、争いの種が連鎖していって、また新しい争いが生まれる。」
「だからね、どんな時でも恨まないで、笑顔を保って。」
「笑顔は他人を幸せにするから、その幸せは広がって、争いをなくしてくれる。」
「そう言われた、だからね・・・僕は笑顔を振りまくよ。」
そう、慰められた。
慰月・・・、殴ってごめん。
馬鹿なお父さんを、許してくれ。
平成86年
この年から、俺は慰月に剣術を教え込んだ。
様々な人が集まって、電力というローテクノロジーに戻って使って運営している民間学校のようなものに通わせているが。
勉強なぞはロクにできず、できているのは対人コミュニケーションぐらいのものらしい。
なんだよ、面接官対策でもやろうってのか。
こんな世界にそんな大層なご役職、有るわけないだろ。
どうにも男女だの女男だのバカにされているらしい。
必要最低限の護身ができるように、剣術の指導を始めた。
ししょーと言われるのがなんだかむずがゆくて、心地よい。
平成89年
なんでや。
俺はあれだけ返しの技ばかり教えたつもりなのに。
気がついたら慰月の技は攻撃主体になっていた。
なんでや。
聞いたら「チャンバラしてる内にこーなってた」と言われた。
こやつあんの学校でチャンバラなんぞやっとったのか、畜生ぬかった。
チャンバラで培った技術がまさか俺の剣術を侵食するだなんて、どれだけチャンバラやってやがんだこのガキ。
気分は時代劇であっさり斬り捨てられる武士の気分だ、一本やられた。
平成90年
仕方ないから必要そうな知識を一通り詰め込んでやった、飲み込みの速さが凄くて助かったが少々気味が悪いっつーかキモい。
なんで高校ぐらいまでの必要そうな知識を一年で詰め込めるんだよアホか。
俺の苦労返せ、勉強に必死になった俺の努力返せ。
どうでもいいけどまだチャンバラやめてないらしい、ああどんどん俺の守備的剣術が攻撃的にアレンジされていく。
どうしてこうなった、俺は身を守る為の剣術を教えた筈なのに。
平成93年
この年まですごく平和に過ごしてきた。
俺の激動の人生のお釣りがついに来たか、という感じだ。
おせーよ、せめて光月の命を返せ。
・・・ああ、視界が霞んでくる。
俺の、妻。
風見光月。
・・・悲しくて、悔やみきれなくて。
平成94年
変な穴を見つけた。
穴の底には違った景色が映っていた、また違った世界にも見えた。
なんせ森林に覆い尽くされていないのがその証拠だ。
ってああっ!慰月がいない!これ書いてる間にどこ行きやがった!
・・・もしかして、この穴に飛び込んだ・・・とか、ない、・・・よな?
もし数ヶ月待って帰ってこなかったら、俺も飛び込もう。
俺に残された、最後の、守るべきモノなのだから。
掛け替えの無い、俺と光月の宝物。
頼む、無事でいてくれ・・・。
平成82年
慰月は、人じゃない。
そう、光月に言われた。
信じられたものではない、何故なら俺と光月の間・・・正真正銘人間の間に出来たのだから。
始めはそう思っていた。
見てしまったのだ。
背中に纏わり付く科学の鎖を、背中を走る魔術の息吹を。
あれは、俺が、政府の人間だった頃に確かに見たものだ。
慰月は、人間ではない。
マザークリスタルコアであり、科学エネルギー制御コアだった。
俺に何が出来る?
俺に、何が?
平成91年
どうして、と聞かれた。
どうして今更、剣術なんて教えたの。
それは、いつかお前が護るべきモノができた時の日のために教えたんだ。
じゃあ、それまでこの剣は傷付けるだけの剣だねと言われた。
自分が生きる為だけに振るわれる、傷付ける剣だと。
俺の振るってきた剣は、確かにそうだ。
今は慰月だけだ・・・。
どうか、死なないでくれ・・・。
そう言うと、渋々だけれど頷いてくれた。
生きる為に剣を振るいたがらないなんて、どうしたものか。
ああそうか、お母さんとの約束か・・・。
平成・・・年
慰月がどうして性別が分からないのか真面目に考えてみた。
分からない、だから一番分かりやすい方法として。
裸の付き合いをしてみた、風呂で。
あの部分が、まるで砂嵐を起こしたテレビのように見えない。
触っても、どちらの感覚も無かった。
サラシをはずしてやった。
やはり砂嵐のようだ、感覚は無い。
普通にぶたれた、痛かった。
本当に女か男か分からないだなんて、冗談だと言って欲しい。
子供を疑うのは親として最底だが正直、人間の肌とは思えない。
魔術干渉と言えば昔はそれでケリがついたが、今は魔術の文明レベルが0、即ち水の泡になってしまった・・・って自分しか読まないのに何で当たり前の事確認してんだ俺。
そんな世界で魔法を使えるモノなどいない、魔術文明レベル0フィールドでの実験では有名な大魔法使いや賢者でさえ不可能だったのだ。
どういう事なのか、科学と魔術の文明レベルが0になっていなければ分かっていたのかもしれない・・・。
頑なに背中を隠していたが、何だったんだ?
見ようとしたら今度は本気でぶたれた。
見たら何も無かった。
けど本気で何度もぶたれた。
なんでや。
殴られ損だよ畜生。
平成・・・年
各国のマザークリスタルと科学エネルギー制御施設について。
政府の犬として使われてるのをいい事に、勝手に極秘資料室に潜入して資料を漁って知ってしまった。
最初は好奇心だったが、もはや好奇心で済むものではない。
マザークリスタル、科学エネルギー制御施設共にコアがあるらしい。
ただのコアならいい、しかしそのコア。
人間らしい、何でもマザークリスタルコア適正の高いものと科学エネルギーコア適正の高いものを勝手に拉致して使ってるらしい。
全くもって非人道的な話だ、ふざけてやがる。
何でも数百年に一回はコアの存続の為に適正の高い赤子を病院で密かにチェックして、政府が拉致しているそうだ。
まあ、俺には関係ないだろう、子供どころか恋人すらいやしねーしな。
平成|=/:^
あんなものを見た後だから無理も無いのだが、思い出した。
マザークリスタルと科学エネルギー制御施設についてだ。
子供の頃に、学校で見学会があったのだ。
見学の際に、限られた数名の子供は声が聞こえていた。
「助けて、おとーさん、おかーさん。」という声が。
かく言う俺もその一人だった。
聞こえた奴はどうやら俺以外は夜も眠れなかったらしい、俺はそういうのを信じない人間だったからぐーすか寝てた。
当時はただ不気味だっただけだったのだが、今は違う。
中に人間が入っているとしたら、あの声に納得がいく。
どうやら俺は随分と踏み込んでしまったらしい。
暗殺されてしまってもやむなしじゃねぇか。
ま、家族はもう俺しかいないから迷惑なんざかけずに死ねるからいいんだがな。
どうせ死ぬつもりも無いし、この世界の人間じゃあ殺せやしないだろ・・・。
平成80年
慰月は暗い思考の持ち主だ。
俺に似てしまったのか?いや俺はそんなに暗くない。
どうせなら光月に似て欲しかったが、だめだったらしい。
割とすぐにへこたれるし、割とすぐに弱音を吐く。
それに思考がネガティブだ、物事の最悪の場合から考える。
こんなんで大丈夫なのか俺は不安になる。
#/>|}・_年
書類には続きがあった。
コア適正のある者は先天的に魔術及び科学エネルギーの関わるものの扱いが非情に上手い。
いつだったか、失踪した小学校の同級生は確かに魔法の扱いに秀でていたな。
まあ、ここまでならいいんだ・・・問題はここから。
コア適正のある者がコアを移植されると、人としての感情を次第に失っていく。
もしコアを移植されて、正しい処置を行わずコアとして稼動させなかった場合は。
暴走する、と書かれている。
過去にそういった事件はあったようだが、全て政府が隠蔽したらしい。
この時攻撃を加え続け、本体の体力を危険なレベルまで追い込むと。
腹部辺りにコアが現れる、その時コアを破壊するとどうなるか?
答えは単純だ、確実に死ぬ。
何故ならば、それは体がコアに依存しなければならない体になってしまうからである。
いかなる短い期間でも、コアを移植されるとコアは体の中で成長する。
成長しきって、初めて人間はマザークリスタル・・・及び科学エネルギー制御コアとなるのだ。
その過程で、コアは人体に膨大な魔力及び科学エネルギーを供給する。
供給されたエネルギーは体の働きの何にだって役に立つ、特にマザークリスタルコアは魔術の働きに影響する、科学エネルギー制御コアも然り。
その供給に甘んじてしまうのだ、体が。
それによって臓器は働きが悪くなり、気が付けばエネルギーナシでは生きれない程度の働きしかしなくなる。
とんでもねぇ国家だ、全国がこんなものに頼ってるだなんて。
平・・・・年
今日も戦場に縮退砲が飛んでくる。
昔は撃つだけで崩壊の危機だったのに、今やこうも安定している。
パワーバランスもおかしくなったものである、しかもそんなものを防ぐ方法も確立されてるときたものだから恐ろしい。
そんなものを弾き返す俺も俺だが。
この戦争はいつ終わる?
韓国が始まりで、そんな火種の韓国さんは既に滅亡。
今は日本の傘下にまるっと収まった。
犬猿の仲のような時代もあったが、今はもう日本の一部だ。
マザークリスタルと科学エネルギーのエネルギー供給はどの国も足りてはいなかった。
そんなもの巡って、もうこの戦争が始まってから百年近いそうだ。
俺はそんな百年戦争に投じられた核弾頭か、・・・笑える。
たかが俺一人に何ができるのか、せいぜい相手の指揮官を潰して帰ってくる程度だ。
突然駆り出された戦争、俺にはさっぱり分からない。
=・・・・年
ごく稀に、どちらのコアにも強い適正を持った人間が生まれるそうだ。
うん百年に一人の逸材で、そんな逸材がコアになるとどっちのコアになっても長持ちする。
それにエネルギーの供給量もケタ違いだそうだ、以前にアメリカが戦争で勝利したのもそれがあったそうだ。
世界・・・何次戦争だ?もう何回もやってる戦争だから一々覚えてらんねぇ。
しかしそんな逸材にもデメリットがある、それはコアとして成長するまでが非情に長いらしい。
普通コアとして使えるようになるまでに必要な期間はコアを移植されてから五年。
ところがどっこい、両方に強い適正を持つ人間はおよそ二十年かかる。
それまで待てば、50年ぐらいはエネルギーパラダイス。
供給量が余って余計に使う事もできるぐらいにエネルギーを供給するようだ。
・・・狂ってやがる、どこの国も。
問題として、もし暴走を起こしたら?
答えは一つ、全世界で協力しなければならない。
それは何故か?それは強い適正を持っている、って事は即ち科学武装も魔術の呪文もとんでもなく強いってこった。
体のコアから無尽蔵に供給される科学及び魔術エネルギー、それによって生成される武器やらに最高の適正を持つ。
エキスパートに、世界最高の武器を与えてるのと同じだ。
そんな奴が暴れ出すんだ、一国家じゃとても押さえ込めやしない。
運が悪けりゃこっちも被害をこうむる、だから一時的に・・・いかなる状況でも休戦して全国で当たる。
でもないと、押さえ込めない程に強いらしい。
まだ記してなかったが、コアの両立は不可能だ。
成長しきった時に、運が悪ければもっと速くから。
互いに体の中で禁断反応を起こし始める、と記されている・・・禁断反応について詳しくは知らない、もし起こるなら、未曾有の被害が起こるだろうと記されていた。
互いに混ざり合わない二つの物質、互いに反発しあう。
もちろん苦しい、しかも暴走反応だって起こす。
すぐに死ぬのは火を見るよりも明らかだ。
だがその間に、魔法と科学の力を振り回す。
命尽きるまで、だ。
それまでに、何人、いや何千・・・何万の人が死ぬのか。
諸説によると縮退砲も余裕で使うとされている、・・・この地球以外に行ったらどうなってしまうのか。
00080905566135
・・・に、・・・・みた。
・・は、正直・秘・設だ。
バ・・ら、いくら・・といえ・・も処・もの・。
なぜ、・・・・のか俺にも・・・・・。
だが直感的に、行かなければならない気がした。
呼ばれている気が、したのだ。
そ・・お・・しい、施・だった。
・・が、液体の入った・・・・に入れられていた。
・には、目が見えない、と苦しんでいる子や、・が動かないと騒いでいる子もいた。
今の僕には、・・・・っているのか分からない。
・・きっと、・が大人になれば・・・きっと分かってしまうはずだ。
・・に居た・達が、一体どう・て苦しんでいるのか。
先生に、心配された。
お前だけどうし集合場所に集合するのが遅かったんだ、と。
頭を殴られそうになったけど、竹刀で手を叩き落とした。
余計に怒られた、けど癖だから仕方なかった。
平成77年
子供の頃のあの時、液体の入ったカプセルに入れられていた子達の事を思い出した。
なぜ思い出したのか分からないが、何か胸騒ぎがした。
過去に俺が政府の犬だった時代の事も多くを思い出した、まるで何かを報せるように・・・。
何だ?俺は俺に何を報せようとしている?自分の事なのに頭が付いて行かない。
後にこのページを見た俺が何かの答えに在りつけるように、俺は必要そうなキーワードを纏め上げておく。
マザークリスタル・科学エネルギー制御・コア・人間・適正・植え付ける・処置・暴走・死・供給・万能・人格・喪失・機能不全・寿命・破壊・死
子供・液体漬け・視覚聴覚消失・四肢制御不能・身体機能低下・両コア適正・コア両立不可能
幾つか足りない気がするが、まあいい。
だがあと少しで、点が繋がる気がする。
何が足りない?何が点になる?
よく考えろ未来の俺、ヒントらしい単語はくれてやったぞ。
平成 年
朧げな記憶ではあったが、今確かに思い出した。
俺は聞いた事がある、それも直接だ。
子供の頃、あの声に導かれるように俺は施設に潜入したんだった。
よくもまああの時はバレなかったものだ、いや得てして監視の目を避けたのだが。
俺は運命を感じて、再びあの施設に潜入した。
全く無茶をする、これがバレたら政府の役職なんて即効でクビだ。
まあ、そんなヘマはしないんだがな、認めたくは無いが俺のダメ親が残した光学迷彩装置は世界一だ。
多分書いてないだろうが子供のときもこれで潜入した、・・・って何で説明してんだよ、読んでるのはどうせ俺だろ?
やっぱり、昔と何一つ変わりない。
その施設の多くは液体の入ったカプセル、の中に入れられた人間。
苦しむもの、叫ぶもの、助けを呼ぶもの、許しを乞うもの、狂うもの、・・・様々だ。
資料によると、コアを植え付けられるとたまに糸が切れたような音が響くらしい。
すると何かの「喪失」が起こる、何を喪失するかは個人により様々だそうだ。
正気を喪失したもの、心を喪失したもの、記憶を喪失したもの、筋力を喪失したもの、挙げだすとキリがない。
この裏側真っ黒黒スケな国家は、いつまで続く・・・?
・・・・・・
報告書。
A国にて実験を行っていた所、面白い結果が得られた事を報告する。
暴走状態となったコア移植済みの、それも適正の極めて高い者に限る話だ。
コアを半分のみ破壊してみた所、なんと生存した。
極めて珍しいケースである事は間違いないのだが、適正の高さによってはコア半分ならば自分で制御可能になるらしい。
これを知っている国は死に物狂いで軍事利用の試みを始めるだろう。
もちろん、自我も戻るので、反逆は大いに有り得る。
知性の無い獣と比べて知性のある獣の方がいくら弱くても恐ろしいに決まっておろうに。
少なくともリスクが高いので、様子見を強く推奨する。
馬鹿げた報告書だ、人の命を何だと思ってやがる。
年
探した、俺は必死になって探した。
慰月を救う方法、血眼になって探した。
記憶を1から10まで全て吐き出して、探した。
辿り着いた結論を、述べる。
まずは慰月の体力を極限まで削る、これは俺には不可能だ。
俺は守り専門、攻撃に秀でている訳ではない。
これから導き出される結論は、俺じゃあ慰月を救えない。
この手帳を見ている誰か、もし俺以外の誰かが読んでいるなら
俺の代わりに、慰月を救ってくれ。
体力を極限まで削ると、コアが出現する。
問題の一つはこのコアへの対処方法。
コアが一つだけだったのなら、半分破壊してやるだけで済むのはひとつ前の記録に書いてある通りだ。
二つとも破壊する、これだけは絶対にしてはいけないのが分かる。
何故ならば、恐らく既に体の働きをあの二つのエネルギーが幾らか代わりに行っているであろうからだ。
二つとも残さず破壊する、これでは鈍った臓器の働きが本来働くべき仕事量をこなし切れずに臓器不全になりすぐ死ぬだろう。
じゃあ、どうする?
これが謎だ。
片方を破壊して、片方を残すべきなのか?
どちらとも半分ずつ破壊するのか?
・・・分からない。
確立としては、後者の方が良い気がする。
そこのさじ加減は、これを読んでいるお前に任せる。
慰月を、救ってくれ。
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最終更新:2024年04月11日 01:39