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数々の乱入者を退け駆け抜けていく
肆々玖たち一行。
長い永い迷宮の通路をを駆け抜けて、ついに――――
― カーディナルゾーン・第三区画 ―
ミツキ「……!あれ…っ…?なんだか開けた場所へ来たっぽい…?ということは…もしかしてミツキたち、先に次の区画へ到達できた…ってことォ…!?やりましたよ先輩!やはり先輩の持ってる業運が引き寄せた結果なのですね!やっぱり先輩と一緒に来て正解でした!ミツキ、どこまでもお供しますからね…♪ 」
ザリ…チャリ…――――――(ようやく第三区画へと到達した一行の前方より、彼らの出現を待ち構えていたかのように現れる影が複数。その姿を現し始める――――)
ヴァロナ「―――――― ザ リ ッ (一人は、ペストマスクに素顔を覆い隠した黒衣の人物。既に右手に握られた汎用霊装『 Etc.《エトセトラ》 』の凍てついた刀剣が握りしめられ、やってきた
ヒサメたちを始末しようと殺意を剥きだしていた) 」
21号「――――― チ ャ リ ッ … (一方は、白銀の髪を揺らす人造人間の少女。獰猛な鉤爪を垂れるような構えで態勢を維持しつつ肆々玖たちを迎えるが…)…………(しかし、隣のヴァロナとは異なり、最初に出会った頃の殺意はあまり感じられないように見受けられる。それどこか、彼らと合いそうになった視線を自ら逸らし始めていた) 」
肆々玖「運と言うには曰く付きだろう。あと、地獄までは付いてこなくて良い。俺の行く先はどうせ多分そこだ。(前に並び立つ影を見据え、ゆっくりと呼吸する)……迷っているのか?あんたは。(そして、逡巡を見せた21号を真っ直ぐ見据える) 」
ヒサメ「アンラッキ――――――♪ 色男<ルシオン>の側近じゃん。最短ルートを精鋭で固めて順当にすり潰す、常套手段だし普通にハズレ引いたんじゃないかな。ウサギとカメってこういう時に思い出すべき奴だったんだなぁ(赤青、対になる二刀を回転させ逆手持ちにし両腕を前に突き出す。床を向き垂直に立てられた刃を介してヴァロナを視界に収め、スコープで照準を定めるようにして目を細める) 置いてきて……あーいや、預けてきて正解だったかもだ。先に、キミは、『無かったことにしたい』 」
21号「………"迷って"…いる…?21号が……?(自らに渦巻く不可思議な感情に言い当てられた言葉に、胸元に視線を落とす)……分からない。だけど…貴方たちを始末する… それが21号の使命… だから……―――― ジ ャ キ ィ ン ッ (交差した両腕を振り抜き、鋭利な黒爪を長く突出させる) 21号、アナタたち、始末…する。それしか、考えられない…(構えられた戦闘態勢。しかし尻すぼみになっていく弱弱しい声音に闘志も殺意も追いつていないように感じられた) 」
ミツキ「先輩といっしょなら、例え地獄でも天国でも……って、ひぃぃっ!?ちょ…っ、聞いてないんですけどー!?(待ち構えた精鋭にわざとらしく驚愕を表現しつつ、溜息をつきながら改まった表情で自身のレイピア型固有霊装を手に取り始める) 」
ヴァロナ「………―――― チ ャ キ リ ッ (迸る冷気は対峙する者の闘争心でさえも凍てつかせるように、無駄も躊躇もない殺人剣の構えを取る黒衣の人物がヒサメにその切っ先を突きつける) 」
ミツキ「で、でもぉ…?相手はたった二人だしぃ…戦力差で言っても圧倒的にこっちが有利なわけで―――― 」
ザッ ザッ ザッ ザッ (軍靴のような進撃する音が、次第に強く反響されていく。何かが、大群が、迫ってきているのを感じる―――――)
ヴァロナB群『 ザッ ザッ ザッ (―――― それは、彼らを騒然とさせる光景 )』
ヴァロナC群『 ザッ ザッ ザッ (―――― 暗黒より次々と現れるのは )』
ヴァロナD群『 ザッ ザッ ザッ (―――― ペストマスクと黒衣に全身を覆った集団 )』
ヴァロナE群『 ザッ ザッ ザッ (―――― その全員が様々な色を宿したマスクと固有霊装の刀剣を所持していたのだった )』
ミツキ「………………ウソでしょ………… 」
ヒサメ「―――――(瞳が凝縮、瞳孔が開き明確な嫌悪感を顕にする。) うーーーわ……ハハッ、やっぱり科学の力って……きっっっっしょくわる……… 」
肆々玖「そうだな、こいつ等はニルともう一度突き合わせたくない―――終わらせよう。”暁の祈祷<ルエゴ・アルバ>”ッ……"フェーズ:2<セグンド>"!!(呼吸は曙色を帯びて、激しく輝き―――身に纏う。)……数が並んでも、やるべき事をやるまでだ。 」
ヴァロナ『 ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ (黒衣の軍勢が、蟻の大群が如く、獲物を貪りに迫る―――――)』
最終更新:2025年05月19日 00:32