ツララ「(黒の国の外れにあるとある橋の上で、水面に映る自分の顔を静かに、儚げに見つめている)…"緑"の王が、まさかの槭さんだった… 同胞の方々はみな戦死し…その上、王も倒れてしまった… …これから我が国はどうなってしまうんだろう…(呟く) 」
火咎病「・・・・そこにおったか。(テコテコと歩いてくる) 」
ツララ「ピョク―――(火咎病の声に振り返る)…火咎病さん……(その時、ツララの眦に小さな滴が光っていた) 」
火咎病「・・・、戦のことは粗方聞いた。儂が他の任務へ行っている時に、とんでもないことだ・・・。 」
ツララ「バッ―――(苦痛のあまり、火咎病の胸に飛び込み、静かに滴を落とした)……私は… 私たちは… これからどうすれば… もう、以前のような繁栄を失いかけている今… 私たちは…一体どうすれば…… 」
火咎病「――――ッ!・・・心配するなツララ。先々代の王の時代に比べればこの程度、ピンチの内にも入らぬ。ほれ、剣士がいつまでも泣いていてどうする?お主は、どっしりと構えておればよい。(ポンポンとツララの頭をなでながら) 」
\信じられない……まだ息がある…ッ/\冬のナマズみたいに動かないが生きてるぞ…!医療班!タンカを早く!!/(二人の近くで声とタンカが走る音がする)
ツララ「はい……はいっ…!(彼の励ましを受けながら、しばらく嗚咽した)……ぁ…ごご、ごめんなさい… こんなの、黒の人間として、らしくないですよね…(恥ずかしげに苦笑しながら、涙を腕で拭う) 」
火咎病「うむ、それでよい。・・・・・ん?何事だ? 」
ツララ「ん…(火咎病につられ音のした方へ振り返り) 」
殆ど身体の組織が焼けこげ、辛うじて生命維持に必要な機能だけが残っているレオハルトと思わしき醜体が搬送され目の前を横切った
ツララ「―――――――ッ?!(『レオハルト』さ――)(突然の衝撃的な光景を目の当たりにしたためか、唇が振え出して言葉に出すことができないでいた) 」
火咎病「・・・・ッ!!なんということを・・・・・ッ!!(レオハルトらしき醜体を目の当たりにし驚愕にゆがむ。死体をいやほど見慣れてきた彼さえも絶句している) 」
ツララ「ッ…―――――クラ…(途端体が傾く…) 」
火咎病「――――!お、おいツララ・・・!(体を支える) 」
ツララ「はぁ……はぁ…… …っ…すみません…。(火咎病に支えられ、自分の額に手を添える)……これまで、私たちは…多くの仲間たちを失いました… 彼、彼女らのために…私ができること、成し遂げられることを…見つけたい…。 」
火咎病「あぁ、それがよい。・・・時間はかかるだろうが、それが一番いい。(儂も、もっと早くにそれに気づいておれば・・・・かつてのあの日・・・"彼女"を・・・。) 」
ツララ「(しばらく冷たい風に吹かれたまま沈黙が過ぎていく…)……そろそろ戻りましょう。レオハルトさんが心配です―――――(踵を返し、火咎病と共にそばを後にしようとしたその瞬間――――) 」
ギ ュ ァ ァ ァ ァ ァ (突如、夜空が摩訶不思議な音を立てながら渦を巻くように歪みはじめた。やがてその歪みは徐々に赤みを増していく――――― 一瞬で元に戻った直後、そこには一つの『影』が在った…)
火咎病「ぬ!!?何だ・・・何が起こった!!? 」
ツララ「ふえ…?―――――――!!!(ふと夜空を仰ぐとそこに歪んだ空があったの見て目を見開き、それに警戒を払いながらじっと凝視する)あれは…なんでしょうか…? 」
炬「くそ……くそ……!桜庭……どうしてだ、あいつはまだ生きていた筈なのに…どうしてこうッ…どいつもこいつも離れて行って––––(空に現れた影に身の毛がよだち本能的に物陰に背を付けて隠れる)…!? 」
赤黒の道化師「 ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ (歪なオーラを醸し出すその道化は、ふわりと宙に浮かんだまま二人を俯瞰していた。足から黒い霧のようなものが噴出しており、醜悪なデザインをした大鎌を肩にかけている) 」
火咎病「(な、なんだ奴は!?今まで巡り会うた者共とは、わけが違う)・・・・・・・・何用かな、道化師よ。 」
―――嗚呼…遂に出会ってしまった… 『奴』に出会ってしまった… もうあいつらは絶望から逃れられない―――
ツララ「まさか…敵襲…ッ!? バッ(咄嗟に四刀の柄に手をやり、いつでも抜刀できるように身構える)……あの姿… 初めて見ました。一体、何処の国の方でしょうか…?(道化師から視線をそらさず) 」
――― 舞台に招かれたあいつらはもう、お終いだ… 願わくば、奇跡的に生き延びてくれ… 『奴』の魔の手から… ……『幻影の道化師』(ファントマ・パペット)から…―――
赤黒の道化師→幻影の道化師「 ギ ャ ン ッ (大鎌を下ろすと同時に一瞬で二人の間に割り込んでおり、大鎌を振って二人を纏めて薙ぎ払った) 」
VS 幻影の道化師(ファントマ・パペット)【※所属不明※】
ツララ「え―――――――きゃあッ…!!(あまりの速さに目が追いつけず、容易く薙ぎ払われてしまう)くッ… こんな…時に…! ジャキンッ!!(四刀を抜刀し、道化師に構える)たとえ貴方が何者で…何が目的だろうと… 立ちはだかる敵は殲滅するのみです! (その場で回転斬りを繰り出し、道化師に斬撃波を放った) 」
火咎病「(鎌が振るわれる寸前に刀でガードするも、その圧倒的な力により見事に吹っ飛ばされる)・・・うぐ、ぐ・・・なんじゃあのチカラは・・・、桁違い、全てが桁違いではないか・・・・!! 」
幻影の道化師「……(ツララの放った斬撃波を前にして微動だにしない) 」
ス―――――――ズキャアアァァンッ!!!(ツララの放った斬撃波はなんと、幻影の道化師をの身体をそのまますり抜けて岩石に直撃した)
ツララ「――――――!!?(攻撃が…効いていない…!?)そんな… ……!火咎病さん!(火咎病に注意を促し、苦い表情を浮かべたまま刀を強く握りしめる) 」
火咎病「―――なんと!!(奴は霊体か?だが、そちらからは物理干渉が可能などという・・・。)これは、いかんな・・・・。 」
幻影の道化師「ス… ブンッ!(ダダァンッ!!!)(大鎌を振り上げて空を切り裂く。するとその動作と同時に"大鎌から銃弾がいくつか発砲され"、二人を襲った) 」
火咎病「ぐふぅう!!?(どうなっている、あの大鎌は!?いやそれよりも・・・ここは迎撃ではなく、撤退戦じゃ。ならば・・・!!)―――ツララ、お主は早々に国へ戻れ。殿は儂が務める・・・! 」
ツララ「……!この程度の砲撃…!(優れた動体視力で銃弾を弾き返していきながら、徐々に道化師との距離を詰めていく)……!し、しかし…ッ!敵は得体の知れない存在…ここは二人で応戦した方が…! 」
火咎病「まだわからんか!得体がしれぬからこそだ!よいか、早々に黒の者どもに報告し作戦を練ろ!―――心配するな、儂もすぐに戻る。 」
ツララ「……!火咎病さん……――――――わかりました。 どうか、ご武運を…(刀を納刀し、躊躇いの色を浮かべながらも踵を返しある方角へと走り去っていった) 」
幻影の道化師「 ォ ォ ォ ォ ォ (歪な表情の描かれた赤黒の道化の仮面…それは、これから火咎病自身に起こる悲劇を予知し、それを嘲笑っているかのようであった) 」
火咎病「(走り去るツララを背後に道化師と向き合う)――――おう、化け物。老骨相手じゃ不満じゃろうが、相手をしてもらうぞ?(刀を逆手に構える) 」
幻影の道化師「――――――――― ズ ァ … ! (互いに静かに対峙した後、先制し、残像ができるほどの素早い速度で蛇行しながら火咎病に襲いかかる) 」
火咎病「(これでいい、これでいいのだ・・・・。老害は死に、若者が生きる。それこそ常であり尊守されるべきこと。かつての儂が・・・できなかったことだ・・・・立場を優先し・・・・"彼女"を犠牲にした・・・。もう、あの過ちは犯さぬ・・・決して!!) 」
屍忍達「(バッと地面や陰から現れ、その速度にひけを取らぬほどの速さで道化師に斬りかかる) 」
幻影の道化師「―――――― ザ キ ィ ン ―――――――(火咎病を突き抜け、彼の背後に静かに降り立つ) 」
――――ブシャアァァ…ッ…!!!(屍忍達、そして火咎病の身体に一閃が刻まれ、血飛沫をあげながら、真っ二つに切断されてしまった)
火咎病「―――――ッ!!(真っ二つにされ、一瞬意識が飛ぶが・・・・ニィイっと笑むと同時にぐちゃぐちゃと音を立て体が元に戻る、反魂師ならではの仕込みである)詰めが・・・甘い!!(彼の背後を刀で一閃) 」
幻影の道化師「スル――――――ガシッ(案の定、火咎病の一閃は身体をすり抜け…すり抜けた直後にその刀を握った手を掴む。そして―――)―――――ズグンッ…!! ド ッ ギ ン ッ ! (胸部を貫き"心臓を強く握りしめた") 」
火咎病「なにぃい!!?(―――こやつ、やはり・・・"物理干渉が通用しない!?")――――――――ッ!!!!(心臓を握りつぶされた瞬間、彼は完全なる・・・"この戦いにおいての"圧倒的敗北を悟る。結果論として、ツララが逃げ切ったことに満足し、表情は勝利の笑みにも近いものを表す)――――ドサァ・・・。(そして、何かを語ることはなく力なく倒れる) 」
生と死の狭間、その意識の中で、彼は己の人生を振り返る。
幻影の道化師「グッ グッ ドグシャァ…ッ…!!(そのまま手を引き抜く。その手には火咎病の『心臓』がしっかりと握られており、彼の鮮血で全身がより赤く染まり上がり、更なる不気味さを増していた) 」
ギ ュ ァ ァ ァ ァ ァ ァ (幻影の道化師、そして地に倒れた火咎病の遺体がある空間が激しく捻じれる)
火咎病「(空間がねじれる寸前、永遠にさえ感じる彼の精神時間の中・・・、彼はふと、過去を振り返る)・・・・・・・・・・・。(あぁ・・・この音、この匂い・・・思い出す。かつての儂の・・・いや"俺"がまだヤンチャしまくっていたころじゃったな・・・・若い力を存分に使い毎日が嵐のように・・・・。そして、隣には・・・彼女がいた・・・・。) 」
火咎病「(―――歳は、とりたくないな。あんなに愛しかったのに、あんなに幸せだったのに・・・もう忘れてしまったよ・・・"覚えにくい、愛しい名前"。なんだったかなぁ・・・いや、いい・・・・今更、許してはくれまいよ・・・。あの時、確かに・・・見捨てたのだから・・・立場を優先し、彼女の想いを踏みにじってしまったのだから・・・。今の儂に、彼女と同じ所へ行くなど・・・・)(空間の捻じれによりどんどん体は消えていく。それこそゆっくり・・・まるでスローモーションか何かのように) 」
火咎病「(ふふふ、これで、い・・・い。儂の咎は、俺の過ちは・・・・・・地獄の底へ、持っていくとしよう。 」
火咎病「(・・・・・、変だな・・・そろそろ、消えていい頃なのに・・・。歳をとると・・・ここまで時間が遅くなるのか・・・・) 」
――― ………ぐ、…ん……………かぐ……や………… ――― (その時、火咎病の意識の先から呼びかける声)
火咎病「・・・・?・・・――――――――ッ!?(声の聞こえた方に目を向ける) 」
アリス・マーガトロイド「―――――――火咎病。(視線の先には、慈愛に満ちた微笑をたたえた"彼女"が立っていた) 」
火咎病「――――ッ――――――ッ!!?(おおきく目を見開き彼女を凝視する)そ、そんな・・・・どうして、どうして・・君が・・・・?(ワナワナと震えながら崩れかけている体を懸命に動かしゆっくり歩み寄る) 」
アリス・マーガトロイド「 何を決まりきったことを言ってるのよ。(こちらからも歩み寄り、手を伸ばせば触れ合える距離で立ち止まる)――――私はね、最初からずっと…あなたのそばに居たわ。(目を細めて笑み、そっと火咎病の頬に手で触れる)まさか、この私が認めた一流の反魂師が気が付かなかったとでも言うのかしら(クスッといたずらっぽく笑う。しかし、察知できないのも当然―――。) 」
火咎病「(彼女のその手が肌に触れた瞬間、彼の中で何かが砕ける。――そして)―――――シュル(眼帯をワナワナとはずす、かつて自分が咎として残した抉れた目が露わになる、そしてその眼からポロポロと涙が出てくる)・・・・儂は、君を見捨てた。だから、もう愛する資格などないと、思ってた・・・・・この70年近く、ずっと・・・・・。 」
アリス・マーガトロイド「………見捨てられたなんて思ってたら、私はここには居なかった。もう、いいのよ。(微笑を壊さぬよう気を張っていたが、火咎病の目、涙をを見て堪え切れなくなり、一筋の雫が頬を伝う)そう…もう……いいの――――その『咎』は、もう降ろしていいのよ。愚者だっていい、私は『愚』かにも真っ直ぐ筋を貫き通すあなたを…愛しているの。………今でも。(切なく、張り裂けそうな想いを抑え込んでいるような表情) 」
火咎病「・・・・そ、うか・・・。(まるで憑き物がとれたかのように、表情が和らぎ、そして―――――、かつての、若い姿に)君は変わらないな・・・俺は、身も心もあんなにヨボヨボだったのに・・・。そうだ、そんな君だったからこそ、俺は、生まれて初めて愛を知ったんだ・・・(ボトボトと大粒の涙を零しながら)・・・はは、は、は・・・やっと、思い出せた。―――いっぱい話したいことがあるけど、ちょっと休んでからでいいかい?70年も陰鬱だったからさ、疲れちゃって・・・・。 」
アリス・マーガトロイド「………えぇ、隣で待っててあげる。ずっと、隣で。(かつての姿になり、大粒の涙を流す様子を見て感極まり、同じように涙が止め処なく溢れ出てくる) 」
火咎病「――――あり、が、と・・・う・・・・・。――――アリ、ス。(こうして、彼の意識、精神、魂の鼓動は完全に停止。空間の歪みと共に消えていった。―――これは、ほんの数秒に起きた愛と生との狭間で苦しみ続けた老爺の、――――ただのなんでもない、どこにでもありふれている、一つの幸せの時間だった。) 」
――――― 第 四 戦 終 了 後 ―――――
DAVE「(―――――――例の裏路地にて。) ……(この間はさんざんな目に遭ったけど……とにかく右手が治ってよかった。尤も…私の右手が“機械”になってしまった以上、二度と痛みを感じることはできなくなってしまうのだが――――……) 」
ツツー…… ピ シ ャ ン (DAVEの靴に液体が触れるような感触が伝わり、鉄の匂いが鼻をくすぐる)
DAVE「――――……?(足元を見、匂いの原因を確認) ―――(……ほう、これはこれは……―――面白いものを見せてくれるじゃないか)(どことなく、嗤っているかのようにも見える) 」
サイラス「–––––……フゥー(DAVEの視線に先にあったのは煙草を片手で口に銜え緑の組織員の隠密の首根っこを片手で鷲掴みにし壁に押し付ける彼の姿。頭部から大量の血を流し既に絶命しているに死体を品定めするように見つめている)……どうしてこう、隠密ってのは身体の作りが脆く出来てんだ?これなら黒に就いて遊んでる方が……(ぎょろりと爬虫類のような眼をDAVEヘ向け沈黙) 」
DAVE「―――……(冷酷な眼を、ただ……―――――沈黙の状態で
サイラスへと向け) (フン――……殺人鬼か?)…貴様、そんなところで何をしている……随分と楽しそうじゃないか、私も混ぜてくれよ(挑発するような響きを含ませながら) 」
サイラス「(何もにも感心のないような光の射さない溝沼のような瞳を向け首を鳴らし鷲掴みにした死骸を背後へ放り投げる。その先には同じ緑の仮想国の雑兵が多数、中には他の仮想国の雑兵の遺体に白骨が混ざった山が詰み上がっており……)……お前正気か(あたかも自分が正気であるかのような言葉を発する)お家にマミーとパピーは、身寄りになる親戚とかはいないのか?失せなガキ、死にたがりと遊んでも楽しくもなんともない 」
DAVE「―――“死にたがり”?(耳をピクッと動かし) ――――成程な。貴様から見て私は“そのように”映っているのか……(目を伏せ、そして口を開き) ―――“勘違いするな”。私は別に、“死”を望んでいるだけの“殺戮人形”のような『志』を持っているという訳ではない――――――………(
サイラスの方へと歩み寄り) ―――貴様はいつも自分が優勢であるから踏みにじられた側の気持ちは分からんだろうな。―――ならば私が今ここで“じっくりと”教え込んでやろう。ガラクタの心境の一つや二つ、味わっておいた方が身のためなんじゃないのか?(怖いもの知らずな様子で彼を嘲り嗤う) 」
サイラス「ヒャーッ!!(唐突に撃たれたかのような痙攣をし両腕を広げ仰け反り、顔面にパックリと斬りつけられた傷のように口が裂けて笑う)おっまえ…あれだ、三時のおやつはチョコならとことん甘い奴が良いってクチだろ!っはァーこれだからお子様はァ(煙草を貪り食うように租借し飲み込む)……気持ちは分からんでも無いさ、ああ辛いだろうな、何もわからず一瞬で殺してやった方が幸せかもな、もしかしたら家族が居て、もしかしたらあの世なんて物があってお互いを引き裂かれた夫婦や親子っていうのはそりゃもう心臓が破裂して潰れたような心地だろうさ、俺にはよーっくその気持ちがわかる…–––だから良いのさ、この背徳感たまんねえぞ 」
DAVE「――フン……(背徳感―――……共感できない訳ではない、だがしかし―――――)(理由は不明だが、少し癪に障った様子で) ……つまりは今の私の気持ちを露骨に表現するとだな……―――“死ね”(掌を前に突き出すと、紺のセーラー服の袖口から鋭い刃を現し) 」
サイラス「お前が死ねバカ、ヴァァァァァーっか(眼を大きく見開き口をぽかんと開けて感情を感じさせない表情で)ちったァそのくそ生意気なツラ歪ませてくれよ、生きている内に……そうそう、崖にしがみついているぐらいの必死な感じで 」
DAVE「はっはっは……奇遇だな、私も“同じようなこと”を考えていたところだ。(腕を下ろす。――――両袖からは刃が突き出しており) 貴様のその余裕綽々な表情を歪ませてみたいものだ 」
サイラス「そう思うんだったら来いよ、ホラ来いよー(犬を呼ぶように手拍子)俺をビビらせてみたいんだろ、望むとこだやってみてくれよ、表情筋が鈍っちまうよーほらほら 」
DAVE「(―――――チッ、何様のつもりだ…コイツ……)(
サイラスの様子を見て目つきが変わり) ―――……ッ!(一気に
サイラスの方まで駆け出し、“足”を狙って刃による斬りつけを仕掛ける) 」
サイラス「スゥ……(DAVEの初動を一目見た瞬間手をポケットに突っ込み)セーフ……ッとォ!(予備動作を殆ど視覚認識させる暇もなく剣を踏みつける)…どうした、おタクの包丁床にキスしてるぜ 」
DAVE「……――――――ッ!?(一瞬の動作に、何が起こったのかよく理解できず)(コイツ…―――今までの“ヤツラ”とは訳が違――――ッッ) ―――――“第一段階”は合格ということにしておいてやる(踏みつけられていない剣の方で、
サイラスの靴目掛けて突き刺すよう試みる) 」
サイラス「ほぉん、そりゃ随分偏差値低いんだぁ……ッな!(DAVEの踏みつけた剣を足でスライドさせるようにして彼女の身体ごと引っ張り、結果彼女が振り下ろした剣の切っ先は第一段階で足に切り掛かった腕へ向かう) 」
DAVE「―――クソッ……畜生めがッ!嘗めるな――――――(振り下ろした腕を間一髪で別の方向へと転換させ、一旦
サイラスから身を離し距離を取る) ―――あくまで第一段階は、な。(剣を手で弄び、クルリと時計の長針のように扱い) 」
サイラス「(首に手を添えコキコキと鳴らす)はっはっは、その焦りようじゃ次の第二第三段階も期待できそうにねーなぁ…まぁいい、俺は遊ぶのは好きだが他人のルールに従って遊ばれるのは嫌いなんだねな(トンッと床を蹴ると同時にまるで彼の居た空間そのものが移動してきたかのように、DAVEの前に佇んでおり)–––––退屈だ、消 え ろ 」
DAVE「私が焦っているとでも言いたいの――――――……ッ!!(目前に佇む
サイラスを見て、) …何……―――ッ?!(剣を構え直すが、時既に遅し――――――――……………) 」
サイラス「(腕を突き出す際の挙動のみで待機に穴が空き周囲に衝撃派が発生する威力のブローを容赦なくDAVEの腹部に叩き込む)精々断末魔ぐらいは喘ぎな 」
DAVE「―――ッ!!…うがァ…ッ!!……ひぐッ……っ…!!!(腹部を殴られ、悲痛な叫びを上げ) (な…何……ッ…私が、負ける…だとッ……!?こんな、こんな奴に…ッッ……)(立ち竦み、刃を無意識のうちに納め腹を抱える) 」
サイラス「伊達におじさんっていう年まで生きちゃいないんだよ……潜って来た修羅場の数も、そもそも積み上げてきた墓標の数も、何もかもが違う(間髪入れずDAVEの頭を掴み追い打ちを仕掛けるように膝内を先程のブローを当てた部位に仕掛ける) 」
DAVE「……――ひっ(掴まれ、恐怖で動けなくなり) …えぐッッ―――……!!(意識を保っていられるのも儘ならない様子で) (クソッ……!クソッ…クソッ、クソッッ……!なんて屈辱的なんだ…ッッ…許せ、許さ…な―――……ッ) 」
ジャック「(
サイラスの後を追ってみた・・・そしたら・・・
サイラス、すごく怒ってる。怒った
サイラス・・・こわい。下手に加勢しようとしたりしないほうがいい・・・。)(陰に隠れながらオロオロ) 」
サイラス「『許せない』ってツラしてんな。だがご生憎様、俺は誰の許しもいらないしそうやって憎んでくれた方が都合がいいのよね(雑巾を叩きつけるようにDAVEを床に投げ捨て更に蹴りを銜える)……はい、じゃあそろそろトドメでいいかな?まあ二三分は他より長く楽しめたな 」
DAVE「あ”ぁ”ッ――――――!………(投げ捨てられ、蹴られ―――……彼女は自分がもう長くは生きていられないと悟る。) (…いやッ……どうせ、どうせ死ぬのなら――――――……)(トドメというワードに敏感に反応し、全身に力を込め“誰でもいいから助けて”と必死に念じる) 」
―――と、その時。DAVEの祈りは届いてしまったのか、弾丸が
サイラスの上半身目掛けて容赦なく向かってくる――――――。
サイラス「––––!(動物並の直感で振り向き弾丸を指でつまんで抑え、その拍子にDAVEを離してしまう)……おい、お前またか……ああ?おい…俺の盤上に土足で何度上がり込むんだ?(弾丸が飛来して来た方向に眼をやり歯噛み) 」
エヴァド「―――(左手には銃を構えており、右手を自身の腰に添え
サイラスを見据えている) ―――――君にとってこの世がたとえお遊びだとしても、私にそのつもりは一切ない。誰が何と言おうが主張をぶつけようが私は知らない。―――ただ、このような機会を与えられたと宗教観における神々に対し感謝の念を送るとすれば―――――……私はその“機会”を無駄にはしたくない。ここで敢えて君に告げよう。―――これ以上、罪のない人達を巻き込むのはやめたまえ。私から見て“不愉快”だ――――――………(今まで誰にも見せたことのないような“人間らしい”一面をその場にいる者達に見せ) 」
サイラス「(反面、愉快そうな笑みを浮かべ両腕を広げる)おー!ようやく化けの皮が剥がれて来たな、お前も晴れて中立的立場の聖人から偽善者の仲間入りって訳だ(筋張らせた腕を鳴らし、笑ってこそいるが青筋を浮き上がらせて)……だがお前が聖者だろうと人間だろうと、そこに生まれた意思をぶつけてこようと関係ない。障害は殺すぜエヴァド、元から邪魔臭かったしなァ 」
DAVE「……ぁ…………(―――エヴァ…ド……アイ、ツ…は――――――……ッ)(朦朧とした意識の中、エヴァドと
サイラスの二人を見―――……気を失う。) 」
エヴァド「はっ……よく言うよ。言葉や暴力ではいくらでも相手のことを“抑え込める”。けど―――――……(瞼を降ろし、何かを言おうとしたが少しの間口を噤む。再び口を開いたときには、全く別の話題へと切り替わっており―――……) ―――――君の“世界”は……君に関わってきた者達も“それ”の一部として含まれてしまっているものではないのかね……―――一つの作品を作り上げるのには多数の人材を必要とするが、果たして“監督者”はそれぞれ役割を果たす者達をきちんと定義づけることもせずに仕事を与えるだろうか。それとも、君はこの言葉の意味さえ分かり得ないのかい?―――失望したくない、やめてくれ(銃を構えながらも) 」
サイラス「てめえこそ俺の言った事わかってんのか?いい加減気付け、”邪魔”なんだよ。てめえらは法とか倫理観とかそういうもんに引き蘢って綺麗な人間を演じながら俺には罵声を浴びせつつ殺されてろってんだ。いいか、俺は面倒は嫌いなんだ、テメーらが主張に主張をぶつけて争ってる様は最高だが何も保たない俺にテメーの主張をぶつけるのは無駄だからやめろってんだよ 」
エヴァド「……どうやら君には話が通じなかった様だ。これ以上の議論は不毛―――……これが“最後”だ、
サイラス―――――……そのまま私に“殺されてくれ”(本来の彼であれば“絶対に言わないような言葉”を
サイラスへ向け銃弾のように撃ち、銃器に弾を詰める) 」
サイラス「チッ…最期の最期まで腹の立つヤローだ、直にその舌を寿司のネタにしてや……(銃に球を詰める動作を見て踏み出そうとした足が止まり)何……?–––––– 」
DAVE「――― ん… ぁ………―――――――――………ッ……!(意識が戻ったのか、目を開け―――……“再び”、“凶器”を握り直した――――――。) 」
「 謎の報道【\ピーンポーンパーンポーン!!/ ──────混沌世界の諸君、こんな時間に突然変なアナウンスが流れ始めたらフツーはドン引きするよな?……─────なァ?】 」
「 謎の報道【けど今日は別にお前達に戦えって言いに流してるんじゃないんだぜ、そこんとこ分かってくれよ。───本題に移る。】 」
「 謎の報道【俺達が今日、そして今アナウンスを流しているのには訳がある。尤も、今まで一度たりとも無意味な報道を流したことなんてなかったけどさ。まぁあれだ、気まぐれってやつだよ。そう深く考えないでくれ】 」
「 謎の報道【昨日の深夜1時。俺達の仲間の一人がある一人の人間を死に追いやったんだけどよ、その事件の首謀者は誰なのかってのを是非とも当てて欲しいんだ。……────────そろそろ少しくらい明かしてやってもいいかと思ってな、ほんっとこんなチャンス滅多にないぜ?つまりその首謀者とやらが俺達のリーダーってわけ。これ当てられたらお前らの今までの鬱憤を晴らせるかもしんねぇな。感謝しろや】 」
「 謎の報道【ちなみに死亡時刻は正確には1時30分。詳しい情報は書類が完成出来次第発行するから待っててくれ。あー、でも……一つだけ現時点で明言しても差し支えのない情報があるとすれば─────────…… 被 害 者 は “ エ ヴ ァ ド ” と か い う 奴 ら し い ぜ 。 ……―――――】 」
~黒の国・城・大食堂~
アウシュビッツ「(豪華な装飾の施された、非常に長いダイニングテーブル…その中央席で優雅に食事を嗜んでいる) クイ… (召使いの淹れた高価なワインを飲んだあと、遠い反対側にいるある人物に声をかける)…それで、私に何か用ですか。『ツララ』さん。 」
ツララ「(テーブルの反対側に佇んでおり、恐縮しきった顔で見つめ合っていた)前回の、緑との交戦にて我が国は大きな打撃を受けました。そして悲劇は積み重なり…先日の件…所属不明の敵と交戦した『火咎病』さんの血痕が、戦地に残っていました…。以上の事から、我々は同胞を、そして以前のような猛威を失いかけており、このままでは最悪…―――我が国「Onyxis」の全滅は免れないでしょう。 」
アウシュビッツ「…それで?(ナフキンで口元を拭い、ワインの入ったグラスを静かに置く) 」
ツララ「つまるところ、この危機的状況を打破するためには……
アウシュビッツさん、貴方の力が必要なのです…! 」
アウシュビッツ「なるほどやはり、私に協力を要請するのですね。確かにこの国は今、崩壊の一途を辿っている。これまで数多の激戦に赴き刃を掲げてきた。軍事産業を活かし多くの兵器を開発、使用し…さらには白の加護を受けてきたが故に、全国の中では最も難攻不落、故に最強と謳われてきました。そんな国が現在、嘘のように急激な衰退化に陥っている。…そもそもどうしてこうなったのか、貴女はそれをご存知なんですか。 」
ツララ「ッ… ……それは…わかりません。ただ私たちは!『王』の言葉を信じ、我が国の誇りを重んじ、戦ってきた…! 我が国がここまで追いつめられたのは!緑の卑劣なる陰謀が原因―――――― 」
アウシュビッツ「―――― " そ れ だ " ――――(唐突に大きな声をあげて間を挟んだ) 」
ツララ「……!やはり、
アウシュビッツさんも…緑の、あのような卑劣な手口さえなければ… 我が国は今まで通り、繁栄を維持し―――――(
アウシュビッツが自分の意見に賛同してくれたものだと思い、更に続けようとするが…) 」
アウシュビッツ「君は実に愚かだな、ツララさん。Onyxisが何故ここまで追いつめられるようになってしまったのか…それは―――ピッ(手元のナイフをとりその切っ先を遥か先に居るツララに向ける)―――『国の誇り』などという青臭い戯言をいつまでも抱いていたからだ。 」
ツララ「え…… …
アウシュビッツさ… それは…いったい、どういう……(同じ仲間であるはずの者から、予想外の言葉を受け困惑する) 」
アウシュビッツ「(ナイフを置く)いいかい、先程私が言ったことをもう一度思い返してごらん。この国は軍事産業を活かすことで多くの兵器を開発し…そして『白』の加護を受けてきたが故に、全国の中で最も難攻不落、故に最強と謳われてきた…と。わかるかな、それはつまり――――『黒』が『白』に仕えているから前者は最強でいられるのです。虎の威を借る狐のようにね。しかし緑と交戦する以前…この国は、国の誇りを重んじるということで『白』の力に頼らない勢力と、今まで通り『白』に仕える勢力に二分された。 」
ツララ「ゴク…(息を呑む) 」
アウシュビッツ「前者の勢力は後者と『白』を徹底的に非難し、そして彼らの力を借りないことを決定付けた。前者の勢力には言わずもがな、『王』の二条さんがいました。彼女は自らのやり方で、『白』に頼らないオリジナルとしての力を発揮するために率先垂範して行動に出た。彼女の圧倒的な力を信じる者たちはみな当然のようについていった。君もそうだよね。 」
ツララ「はい… 『王』の情熱的な愛国心に私は、いえ、私たちは心を揺すぶられ、共に歩むことを決めました。 あの方なら…この国をさらに発展させていくことができる、最高の『王』だと信じたがために…! 」
アウシュビッツ「―――だがその結果が"これ"だ!(両出を広げて高らかに声をあげ、ツララを現実に引き戻した) 」
ツララ「――――――ッ……(惨通に満ちた表情にへと一変し、まるで
アウシュビッツを睨むかのように見つめ返した) 」
アウシュビッツ「戦場に連れ出されるどころか役目さえも全て失脚され、「何もしなければ良い」と無常の牢獄に投げ入れられた『あの後者』の人間たちは、あの戦いの後に口を揃えてこう言った。――――「 馬 鹿 な 奴 ら だ 」とな。そう、とても愚かだ。目に見えないものを愚直に信じ、高みの空に浮かぶ雲を掴むかのような青臭い理想を望んだ始末が、この国の崩壊を誘った。知らずの内に君たちは自分の首を絞めていただけに過ぎないのだ。 」
ツララ「…!!…ちがう……! 」
アウシュビッツ「君は私が『後者』の人間であることを知っていたはずだ。何せこの国独自の軍事産業を大きく発展させてきたのは…紛れもないこの『私』なのだから。その私を失った、否、私を捨て去ったことこそ、君たち勢力…【子供】の敗因の一つだ。あの戦いの時、私が造り上げた兵器を下手くそに扱ってくれたね。もしもあの場に私が居合わせたら…あの兵器だけで『緑』を容易く沈めていただろう。……これで理解したかな。より強大な力を生まれながらに持っていながら、君たちは訳の解らない矜持を掲げていたがためにそれを無駄にしたのだ。 」
ツララ「…違う… 我らの『王』の言ったこと、やったことに間違いなんてありません…ッ! 私たちはようやく本当の力に目覚めることができた…『王』が私たちを導いてくれたからです!(ずいと一歩踏み出す) 」
アウシュビッツ「(ふっと鼻で嘲笑する)…【子供】に理屈は通じないか。…ああ、そういえば、私の力を借りたいと言っていたね。国の復興のためにと。 」
ツララ「…いいえ、もう結構です。(一度俯き、顔をあげて
アウシュビッツを睨みつけた)私は――――貴方にはもう頼らない。私の命は『王』の為に。『王』が成そうとしていたことを、私が、私たちが成してみせます。この国を新たに立ち上げてみせます…!どこの力にも従わず、屈しない!純粋に最強と呼ばれる国にしてみせる…!! 」
アウシュビッツ「そうかい…フフッ、精進することだね。(ワインを一口飲む) 」
ツララ「失礼します。(お辞儀をせず大食堂を後にした) 」
アウシュビッツ「(ツララが出ていったのを確認しグラスを置いた) 彼女も薄々気づいていることだろう。私がいなければこの国の産業は崩壊する。その上『白』の加護を自ら振り払うとなれば、他国が一斉に『黒』に攻め込むだろう。それに――――――その中に『白』も存在するのだからね。(愉悦を含んだ残酷な笑みを浮かべ、高い天井に浮かぶシャンデリアを仰ぐ) 」
召使い「失礼します、閣下。(一人の男性の召使いが
アウシュビッツの傍に近寄る) 」
召使い「『白』の国より…『
エクロシア』様が面会を申し出ております。いかがいたしましょうか。 」
アウシュビッツ「(あの方か、ということは…)ああ、私の自室へ迎え入れてくれ。(ナフキンで口を拭う) 」
召使い「かしこまりました。(一礼し、その場を後にする) 」
アウシュビッツ「スッ―――スト…(幼いが故に身体が小さく、従来の椅子から飛び降りる)(…国の事などどうでもいいのだ。大事なのは軍事産業の拡大…もっと言えば潤沢な金だ。金は決して私を裏切らない。それを投資してくれる『白』は私にとって最高の客、消費者だ。)フフフ…―――――お金が私を待っている…♪ コツ コツ コツ コツ (身に纏っている白衣を靡かせながら大食堂の奥へと歩みを進めた) 」
報道【――――ピピピッ … えー、もしもしもしもし…みなさん、聞こえていますかー?】
報道【こちら世間でおなじみの絶対的権力者の“EmPtIeS”でーーっす!―――今日は皆さんに“と~っておきの情報”を知らせに来ましたっ!!】
報道→EmPtIeS【えっとですねー、なんだかこのまま行くとなんだかんだで“黒”と“白”の仮想国がぶつかり合いをはじめちゃいそうな気がするんです!し て る ん で す !!(強調) そこで私達からの提案がありまして~……その提案の内容と言うのが、ズバリ!!】
EmPtIeS【―――次に“黒”と“白”が戦争状態になる前に、もしも他組織の人達が武力を行使した争い事を勃発させた場合には……】
ななななーんとっ! ――― “ 黒 ” の 組 織 を 私 達 の 手 で 『 壊 滅 』 さ せ ち ゃ い ま す 。 ―――
EmPtIeS【キャハハッ!い~やぁ、我ながらにいい策だと思うね!これは『監視集団』である私達にしかできないことだと思うのよー、いやマジで♪ ――――皆さん私達のコト見縊ってたでしょ?……―――――“報道”さん達は決して皆さん達に干渉しないって、そう思ってたでしょ?】
EmPtIeS【甘っちょろいこと考えるのやめなさいな、私達は『黒幕の一員』なんだよ?いつ何をしでかしてもおかしくないの、いつどこで命が飛んでも不思議じゃない世界なんだから。 ……それについては皆さん達が一番よく知っているはずだよねぇ?……とにかく、『 覚 悟 し と き な 。 』(急に低く、威厳のある口調になり)】
EmPtIeS【あっちなみにね、“黒”と“白”が争い合う分には構わないよ?つまりはその他の仮想国の人達に対する“一時休戦命令”ってワケ!あーでも、今現在“黒”は“白”の支配下にあるんだっけー…こりゃ本当にドンパチ起こるかどうか分かんないわー、不安だわー。不安過ぎて怖いわ―】
EmPtIeS【まぁそんな不安で夜も眠れそうにない私の為にも戦ってちょーだいよ、じゃなきゃかの不憫組織“Onyxis♞”ちゃんが今度こそ本当の犠牲組織になっちゃうかもしんないしねー♪ほんとほんと、『壊滅』させるこっちの身にもなってよね?ちょーシビアなんだからさー。『ご愁傷様』ってカンジぃー?きゃははははっ!! ……そうだ、念のため言っておくけど“無色”さん達にこのルールは適用されないよ。あくまで“赤”、“青”、“緑”、“黄”の人達が気を付けていればいいだけ!“金”は―――……あっ滅んじゃったんだっけ、こりゃー本日二度目の『ご愁傷様』だわ!!ちょーウケるんですけど】
EmPtIeS【っつー訳で!黒の国の者達よ!国もろとも崩壊させられたくなかったら他の組織の人間が暴動を起こさないようしっかり警戒しなさい!そして勃発しそうなら防ぎなさい!!命賭けて!!! ……悔しかったら早く犯人を捜して私達を殺しにおいで♪ ―――所詮人間なんざ『暴力』を使って自分の『正しさ』を押し付けることしかできねー様なちっぽけな存在なんだ。殺られるもんなら殺り返す、10倍返しってのを見せてやるぜ。】
EmPtIeS【あっ犯人と言うよりは首謀者だっけ?まーそんなことどっちでもいいか!多分そこ大して重要な点じゃないよねー、うんうん。 ……でもよくよく考えたらこの提案、“黒”に恨みを持ってる国にとっては美味しい話じゃね?だって勝手に皆の見えないところで『本気の殺し合い』始めりゃいいだけだもん… もちろんだけど『演技』とか『冗談』とかは禁物よー、まぁ結局『私達』が判断するんだけどさ…… とにかくとにかく!黒組織ちゃん達はせいぜい頑張ってねー♪ ―――要約するよ?本日より“♚Chess♛”と“Onyxis♞”以外の組織には“一時的な休戦”を命じます。】
EmPtIeS【これは“ジョーカー”や既に“滅んだ組織”以外の仮想国の者達に適用されます。なおこの命令に背いた場合には“Onyxis♞”が容赦なく“壊滅させられます”。いかなる理由であれ異論は認めません。理不尽だと思うのであれば徹底的に周囲に目を向け警戒心を絶やさず国としての纏まりを図り、暴動を阻止すること。――――以上。 ザ…ザザ――――――………プチッ】 」
―― 白の仮想国 謁見の間 ――
アルヴィス「(座の高い椅子に囲まれた円卓の中央、競り上がって来た足場に片膝をつき静かに目を開け自身を囲む面々の誰とも顔を合わせず顔を上げる)––––本日は貴重なお時間を頂き光栄の至りでございます 」
彼を囲み見下ろすのは白の仮想国、Knightの地位に座す面々。それぞれ頬杖をつく、張り付いたような笑みを浮かべる等態度は様々だが……––––誰一人として、彼に良い感情は抱いていない
Knight 1「なに気にされるな。それより父上は残念だったな……ライヒトゥーム卿には兼ねてより世話になった。ご存命の内に何も恩義に報いる事はできなかった––––これから先、この地位でやっていくのは何かと『大変』であろう、助力できる事が『もしもあれば』手間は惜しまん、何でも申せ 」
主我「(その中で、腕を組みながらも正しく座しており、威厳溢れる姿勢でアルヴィスをじっと見ている) 」
アルヴィス「お心遣い感謝致します……が、今は個人の感傷に浸っている場合ではありませんので(顔を上げ面々を流し目で見つめふと主我の姿が視界に入り一瞬視線が止まる)……… 」
Knight 2「ハッ、大方飼い犬に手でも噛まれたのではないか?拾った野犬にしつけなど馬の耳に念仏も同然だからな。主我卿は如何お思いか、あの野良犬、信用に値するか(小声でせせら笑いながら主我に耳打ち) 」
主我「・・・『お前には期待しているぞ』、俺は新たなる力に、協力を惜しまん。(どこか、含みのある言葉をかける) 」
主我「信用に値するかは、今後しだいであろう、・・・俺としては、ライヒトゥーム卿の忘れ形見という事もあり、期待はしているが・・・。 」
Knight 3「ハッ……葬儀に悔恨の言葉一つ述べ上げなかった者がよく言うわ(表情を顰め囁き、すぐに笑みの仮面を被って掌を合わせる)あー……時にアルヴィスく…いやアルヴィス卿、お父上の地位、及び財産は全て君に引き継がれる訳だが……そのなんだ、君はそれらをどのように活かし我々に従事してくださると言うのかね 」
Knight 2「ふん……負の遺産で無ければいいがな(前髪を弄りながらことあるごとに舌打ちそし) 」
主我「それを今後より見定めるのだ、影であるならば、日の光の下に晒せばすぐに解る。 」
アルヴィス「(目を丸くし暫く主我に視線を止めるが直にKnight 3の言葉で我に返る)……私は父の意思を継ぎ、今後もこの国の富と兵力を養うべくOnyxisの軍事力強化、及びクーデター派の抑制を重点に女王陛下のお役に立つつもりです。『本来なら』そうするべきなのでしょう 」
主我「・・・。(前々より思っていたが、実に凡庸な妥当案だ。) 」
Knight 1「……含みのある物言いだなアルヴィス(頬杖を付き眉間に皺を寄せ身を乗り出す)君はあくまで世俗的にKnight相当の地位を得ただけで正式に認められた訳ではない。お父上の御意向にそぐわぬ行動、そう、君個人の考えで特権を下手に振りかざすのはいささか思い上がりというものでは無いか 」
主我「そう頭ごなしに静止なさるではないぞ、卿・・・一つ、聞いてみるのも悪くは無いと、俺は思う。 」
アルヴィス「お言葉ですが、黒の組織は並ならぬ一枚岩。私から見れば衰退したとは言えあれらは叩けば叩く程強固に結びつき結束が強くなる類の輩でしょう、窮地に陥った今こそ侮れず飼いならす事も難しい、さながら飼い犬が狼に成り代わるよう……そこで私は、彼等が『後にクーデターを起こす』前提で政策を勧め、徹底的に掌握した上で兵器や兵力を完全に手中に収め、我々の国家をより強固にする事が必要なのだと考えますが……ご不満でしょうか 」
Knight 1「しかしだな主我卿……ッ!見ろ、口を開けばこれではないか!少々失言が過ぎるのではないか!(肘掛けを拳で殴り思わず席を立って声を荒上げる) 」
主我「・・・いや、これはそう悪くは無い構想だ、現に先日の戦は聞くに兵器を使用したようではあるものの、戦法自体は従来の『黒』のものとそう変わらぬものだったらしいではないか、これはつまり、未だに我ら『白』を受け入れきれておらぬ確たる証拠になる・・・とあらば、内に何を考えているかなど想像も安かろう。 」
ザワ…ザワ…ザワ……(円卓は静けさを失い肩を並べる騎士が互いに顔を合わせ様々な苦言が飛び交う
Knight 2「(主我の隣で苦い顔をし腕を組むが平静は失わない様子)確かに……卿の言う通り理はあるが、これは我々国家の歴史や!Onyxisという『従属』を従えているという他国に示す我々の威厳性を損なう行為でもあるのだぞ!少なくとも一騎士の一存、いや、まだルークでしかない彼に意見する資格があるのか! 」
主我「一つ、俺の意見を出すならば・・・威厳や誇りだけで国を守れるものではあるまい、というのが俺の自論だ、ただこの意見を鵜呑みにするというのは、考え物だがな。(その様子は、殆ど受け入れるといっても差し支えないようであったとアルヴィスの目には映る) 」
アルヴィス「(罵声や動揺が飛び交う中、さり気なく主我に視線を向けつつ顔を上げ、混乱した場に冷水を浴びせるように声を張り上げる)資格が!……あれば良いのですね。なら示して見せましょう。 ––––近々、黒の仮想国Onyxisは確実に範囲を翻し我々に刃を向けるでしょう。私を出陣させてください、確実に一人、敵将を打ち取ってご覧に入れましょう 」
主我「・・・良いだろう、その心意気を買おうじゃないか、・・・結果を出して見せろ、それが『証明』になる。 」
Knight 2「(主我の言葉を聞き、鼻息を荒くしてただ首を縦に振るしかできず目を細める)……はぁ、良かろう。主我卿に免じて卿の言葉にひとまずは信を置いてやる……だが良いのか卿よ、黒の仮想国は貴公にとってかつての同胞であろう? 」
アルヴィス「………(イナ……君とは最後の最後まで、お互い近い様で遠い理想を抱いたまま…理解しあう事は無かったな。けど……––––––理想を叶えるのは、生き残った僕の方だ)……構いません、立ちはだかるなら斬って捨てる。しごくシンプルな思想に私は従うだけです 」
主我「元居た場所との決別の覚悟は済ませているらしいな・・・好い、ならば、その覚悟を、後に訪れる戦いで証明するがいい。 」
―― Onyxis♞ 天守閣・医療施設 ――
二条「(病室のベッドに座り込み、頭に手を当て)……私は……何時まで、寝ていた………?今の、”報道”は…… 」
二条「(背中に手を伸ばし)…づっ……斬られたのは……はは、夢である訳が無い……私は、あの後止めを刺される事も、捕らえられる事も無く……この国に戻って来た、という訳か…… 」
兵士「ガラッ(扉を開け、病室へと入ってくる)…おぉ、これは御屋形様…目をお覚ましになられましたか。お加減はいかがですか? 」
ウィンガル「ふ…… これが、黒国の末路だというのか……足掻いた割りに、散り際は、虚しいものだな。(声‐木内秀信) 」
二条「……(身体は、動く…な、最低限戦う事は出来るだろう…)…私の身体はいい、それよりも状況の確認がしたい……緑の国との戦闘の後、何があったか全て教えてくれ ……まだ、まだ終わっていないよ、ウィンガル…無様を晒しても、私は生き残り、お前達も健在……道を間違えはすれど、何も…終わってはいないよ 」
ウィンガル「―――――――何か勘違いしているようだが…………二条よ、貴殿(あなた)のことだ。(声‐木内秀信) 」
兵士「は…それではご説明いたします―――――(暁の自害のこと、槭との戦いが未決着のまま、槭が二条を黒の国まで運んできたことなどを説明する)――――そして現状は、ただいまの放送をお聞きした通りです 」
二条「……そうだな、結局私は……間違っていたんだろう、な……だが、今言った通り……私はまだ生きている、間違いは……正さなければならない。私にはその責任がある…そうだろう? ………そう、か…暁が腹を切り、槭が……(声のトーンが下がり、眉を顰める、が)……分かった、混乱が伝播する前に手を打たなければな(やや強引に毅然とした表情を作り、はっきりと兵士に告げる) 」
兵士「はっ…!槭殿は地下牢に入っています。御屋形様のお沙汰を待つ次第とのこと……いかがなされましょう 」
ウィンガル「あなたはもはや失墜の危機にすら瀕し、今や離反者も絶えない……"潮時"だったのだ。(二条に)(声‐木内秀信) 」
二条「……分かった、会わせてくれ 」
兵士「では、こちらへ…… 」
―― Onyxis♞ 地下牢 ――
兵士「――――槭殿。御屋形様がお目見えだ(牢の前に立ち、その奥に声をかける) 」
槭「ん……(ぼーっと壁を見ていた顔を牢の向こう側へと動かす)はいはい、ご足労どうも(格子の際へ) 」
二条「……手間を掛けさせた様で、悪かったな…こうして牢に入る所まで、折込済みだったのか(ただ牢の前に立ち、無表情を維持しながら槭に問いかける) 」
槭「いやぁ、せめて座敷牢くらいは用意して貰えると思ったんですがね…こんな冷たい地下牢に放りこまれるとは予想外で(二条とは対照的に冗談めかして笑う) 」
二条「そう、だな……そこは寝辛いだろう、後で移動させるように頼んでおこう……(槭の笑みにも動じず、ただ能面の様に張り付いた表情のまま) 」
槭「……そんな必要は、無いんじゃないですか(ふぅと息を吐いて)俺はアンタを裏切り、アンタを斬った。良いんですよ、処刑しても。この場で斬り捨てても。当然、覚悟はできてます……まさか意味も無く飼い殺しなんてしないでしょう? 」
二条「(強い語調で槭の言葉に被せる様に言葉を吐く)お前はは…(が、僅かに声が掠れ、語調が弱まって行く)暁の最期を看取ったのか、腹を切る様を、最期の言葉を……聞いたのか 」
槭「えぇ。看取ったと言いますか、あまりに唐突だったものですから……馬鹿ですよね、なんであそこであいつが腹を切っちまうかなぁ(灰色の天井を見上げて) 」
二条「……暁の、最期についてだけ…今聞いておきたかった、お前は……(表情を消し、事務的な口調に戻り)”上客”として扱う。”緑の王”として…軟禁する、座敷牢も用意してやろう 」
槭「それも、無駄です(苦笑を浮かべ)緑の国は他の国みたいに王様のことを想っちゃくれませんよ、もっとドライなんです。指導者の下、各自がやるべきことをやり、やりたいことをやる。俺がここに捕えられてると分かったら…いや、もうたぶん分かってるだろう。だとしたら、今頃もう新しい王が立てられてるんじゃないですかね 」
二条「……それでも、お前が”王”だった事に変わりはない、お前の処遇は今話した通りとする……話は終わりだ。『報道』のお陰で忙しくなる……今後の方針も決まったからな、生きて此処にいる以上、私にはまだ戦う責任がある(振り向き、兵士に座敷牢の用意をさせるよう指示を出す) ……世話をかけたな(去り際に微かにそう告げ、牢から離れる) 」
槭「……参ったなぁ、結局一番面倒な選択肢を選ばれた……(牢から離れて行く二条を見送る)ま……冷たい石床と不味い飯から解放されたと思えば、生きてるのもそう悪くない、か…… 」
最終更新:2019年06月26日 19:48