己が信念と闇

己が信念と闇(おのがしんねんとやみ)/》

2010年12月20日

ただ一つの戦闘が起きた。
世界的にみればかなり小さい内戦だろう…しかし
その戦闘には「人間の意志」という橋が掛かっていた…




ただ自分のやりたいようにレインドはその場で戯れて…
すると一つの黒光る闇がすっと…音も無く静寂を纏って現れた
どす黒い闇が…

人間が嫌い
彼はダークマターと名乗った
彼は問う
「私は、全てを滅ぼす人間が嫌いだ。これまでに、人間共は何を破壊しつくしたと思う? 」
「 自然…生物…か?」
「 人間が壊したもの…環境や下等生物か… 」

思い浮かぶものは全て自然に関する物

「その通りだ・・。全ては己を楽にする為、己の命を救うため・・・いわば、欲望。人間が欲望を生み出したことにより、全てが失われる。 欲望と憎悪は這い寄る暗黒となりて肉体を蝕み、精神を侵蝕する。理性は外れ、記憶は無意識領域に封じ込まれる。後に残るのは、空っぽな本能のみ・・・。」

長い発言の中にはたった一つの単調で簡潔な意味が込められていた
彼はレインドにゆっくり…一歩一歩近づき


黒い光線を放った


間一髪。驚きをみせながらレインドは避ける
戦闘開始
彼はただ己が武力だけで戦う。
そしてエリーとの約束を守るため、体の一部品たらずとも失わないように宣言した

お互いの体がぶつかる。まるで鉄と鉄をぶつける様な鈍い音が二人の体で鳴り響く
ダークマターは能力の一つであるタナトスを発動
突起物がレインドを襲う

だが発想力を活かした戦いが復活した
彼は近くにあった棒で突起物が襲ってくる前に弾性エネルギーを使って飛び跳ねたのだ
そう…彼は能力などに頼らず己が武。己が信念のみで戦っていた…

お互いの体に傷が出来る。
レインドは左上半身と下半身
ダークマターは弱点を突かれ完全に弱まっていた

…だがレインドは負傷した彼を攻撃しようとはしなかった。
「人間とは…これほどしぶとい生物であったか・・?そして何故・・・何故私にかかって来ようとしない?命を狙われているのだぞ?見せてみろ・・・人間の欲と言うものを・・。 」
ダークマターが挑発するように攻撃しないことを問うと彼は


……アンタが……アンタがいい奴だからだ

その発言にはダークマターは勿論。周囲は一瞬だが静まった。

「人間の欲を潰す…要するにこの世界を護る為にアンタは今戦ってるだろう…本当の極悪人ってのは…なんの前ぶりもなく全てを無に返す…だがアンタは違う。俺等人間と同じ…『慈悲』があるのが…今戦っていて分かった 」

人間を護る為に殺す
彼には一切の私欲がなかったのだろうか。ダークマターを叩くことはしなかった

「愚かな…私が…いい奴・・だと・・!?人間共にとって、私は敵ではないのか・・?確かに私は、この世の人間による欲を潰す為に生れてきた。それなのに・・・・人間に、今まさに・・・目の前にいる人間に・・・・。」
「愚かしい・・・愚かしいぞ人間・・・。何故命を狙われているというのに・・・おのれの命よりも・・・・他人を気にするようなことは・・・・!」

彼は人間の優しさに耐えられなかったのか…それとも理解不能だったのか…
レインドに問い続けた。



「人間の可能性は無限大だ。俺は幾度もいろんな奴と戦ってきたんだ…アンタの目的は私欲とかそんなんじゃない…だから…俺にはアンタを倒すことは無理だ 」

人間として…彼は慈悲を保っていた
ダークマターは彼の言葉を胸に抱き、かなでの光に包まれながら消えて行った…


登場人物

  • ダークマター(NEX)
突如として現れたごく普通のダークマター。
他のダークマターと比べてかなりの威圧感を感じるが、外見はこれと言って変わりない。
人間が何よりも嫌いで、森で動物狩りに来ていた人間たちを抹殺していた。
口調は他のに比べて淡々としており、『欲望』という言葉を前置きに話すことが多い。またその欲望についての独り言もつぶやく。
人間が嫌いな理由は、その欲望意思がどの生物よりも強いからだという。
「NEX」というのはコードネーム的なものである。
大戦争編」で倒されたメタルゼロ(ゼロ)の後継ぎとして他のダークマター族を引き連れている。
欲な人間たちを抹殺する為、レインドに襲い掛かるが、戦っていく内に彼の発言を聞いて更正。
最後は闇の世界で頭を冷やしてくると彼に告げ、帰っていった。
今後はレインドや奏のような者になりたい為、初めから人生をやり直すつもりらしい。
+ 技一覧
ビーム
他のダークマターと同じ技。

タナトス
背中についているヒレみたいな突起物が宙に浮き、相手に目がけて高速で飛んでいく技。

イビルゲート
二つの輪がついた青い光弾を相手に放つ技。威力はビーム以上。


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最終更新:2021年02月01日 01:14