–––悪魔城––– 【戦闘ログ⑤】



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50番、まるで味気がないわね。例えるならお茶っぱのないお湯。そんな呼んでて喉が渇くだけの兎を弟子にする気はないわ 」

ハイエロファントなんてどーよ、タロットの5番。ククク、我ながらいい、法皇を従える悪魔王ってなんかすごくない? 」

それぁ重すぎるってながったるいし。というわけで俺はミッキーラビッドを推奨したい、絶対金運上がるぜ 」

却下。重苦しいのも受け売りを考えたのも耳障り。弟子の名前ぐらい自分で決めるわ 」

あの、さっきから何の話を…… 」

何って、名前よ。他ならぬそこでビロードみたいに転がってるあなたの名前 」

名前……私の–––––––––––– 」



ー悪魔城 2Fー


クイント「ごほっごっぽ!ウゲェ青汁にメントス入れてかき混ぜたみたいな味ね、ゲロルわー(淡い虹彩を放つ液体入りの瓶。それを年季の入った埃まみれの柱に背を預け一思いに飲み込み、心なしかやつれたようにも見える顔を上げ肩で呼吸する)ゼェ……やーもー。味の割にはすごい効き目、余裕のよっちゃんでHP全回復(ジャケット、スカートを脱ぎノースリープのインナーにホットパンツという動きやすい服装になり、露になった肌に刻まれたいた絆のが瞬く間に修復されていく) 」

クイント「–––––まっ、目的が目的なだけに私を追ってくるようなこともないでしょう。兎鍋が好物なら話は別ですけど(伏見がちに微笑を浮かべ、肩をすくめる) 」

陸也「そうかい、俺兎鍋とかよく食うんだけど?ほら、旅人だしよ。(下の階層から上がってきて、クイントと対面する)・・・あれ、スカート脱いでる。 」

クイント「だから旅人って嫌いですよー。ほら、テントで寝たりとか不衛生ですし?ああ、スカートですか。脱いどけばパンチラジャネーシっていうね、ていうかホッパンですしねー(両腕を広げだらけきった笑みを浮かべ首を横に振り)……––––––チラッ(片目を開けふと視線だけ陸也にやり)>>ギャ"ァ"ー"オ"!!<<(目玉を飛び出させアメコミチックな悲鳴をあげ飛び跳ね距離を置く)なななな……ッ!?な、なんで?なんで!? 」

陸也「えーコレでも俺毎日ちゃんと体拭いたりしてるぞ?・・・いや別に脱いで丸出しにしてくれるならそれはそれで眼福だからありがとうございますなんだけど。(両手を合わせて拝む)なんで?何でってそりゃ・・・そりゃあな・・・(思わせぶりなタメ) 」

クイント「 ヤ メ ロ ォ ! (思わせぶりなタメを見逃さずその先を言わせまいと声を張り上げる)拷問する気でしょうERO映画みたいに!晩年発情期みたいなあんたはやっては捨てを無限ループするんでしょう人でなし!悪魔の子めッ!! 」

陸也「―――は?(予想の斜め上の反応にドン引き)・・・ねーよこの被害妄想スケベ兎め!!(クワッ)そんな爛れた関係に興味ねーよ、もっと男女の関係っていうのは穏やかに、それでいてゆっくりと育まれるべきでそんな階段飛ばしに―――何語ってんの俺。(クールダウン) 」

クイント「え、ああそうなの(いやお前に言われたくねーよ!ってツッコミたいデスケド……)じゃっ、一体なぜこのような場所へ?こっちとしては背骨砕かれそうになったりレールガンで脅されたりハニートラップに遭遇したり散々で、あんまり穏やかな心持ちじゃないんデスケドー(腰に手を当て、ジト目でJKよろしくまくしたてるように) 」

陸也「何故って、そりゃあな―――(今度こそ思わせぶりなタメから)そ こ に 女 の 子 が い そ う な 気 が し た か ら だ ! !(集中線) 」

クイント「–––––(女の子=キャロルと判断し目の色が変わる。表情こそ変えないが明る様に穏やかな様子ではなく)–––––へぇ、それだけです? 女の子ならその辺に……っていうかあなたからはリア充オーラがしますしね、ここに来ても私みたいな暴力女にボコされてレンジでチンってされるのが関の山ですけど 」

陸也「その辺っていうか俺の目の前にな、ほら一人いるじゃねえか。(関節をポキポキと鳴らす)訳も分からず突っ込んだが、見てみりゃどこぞの人相書きで見たことのある『悪魔城』ときたもんだ、放浪者的に―――これを逃す訳にゃいかんでしょうよ?(好奇、その感情だけが瞳の奥で渦巻く)・・・あ゛?リア充?何言ってんだ鍋に放り込んで兎鍋にするぞ(何やら、逆鱗に触れたらしい) 」

クイント「わははー、こっわぁ~…★(スイッチが入った陸也とは対照的にケラケラとからかうような笑みを浮かべたまま、構えを取らずゆっくりと歩み寄り薄く目を開け)ま、否定はしませんケド。まずは話し合いしましょーよ。お互いのことをよくわかってないじゃないですか、無益な争いって虚しいでしょ? 」

陸也「あ゛?・・・。(話し合い、と聞いて停止する)・・・いや、知る必要なんてねぇ。(そして、ばっさりと切る)俺はあんたの敵だ、そうだろう?それに俺が先へ進もうってんならあんたはどうする? 」

クイント「––––––(一定の距離を保ちながら陸也に真っ向から対面し腕を組みつつ、冷淡に眼を細める)なるほど、ともすれば私はあくまで––––––––––– カチャッ ゴガギィンッ!! (咄嗟に自身をコンパスのようにして片足立ちにし上体を傾け、片足を陸也に向けヒールから弾丸を射出、これを刹那的に行う)平和的解決<一方的虐殺>を目指しますね 」


–––––– VS 【 グラナートファミリエ構成員 クイント 】 ––––––



陸也「それでいい、それで。(首をゴリゴリと鳴らす)敵同士、ぶん殴るのにそれ以上の理由なんざいらねぇだろ!(瞬時に自身へ『強化』を付与)スーッ・・・とぉっ!!(シュパパッ、と素早く手を動かして飛んでくる弾丸を掴み取る)―――おー、やれば出来るじゃん・・・憧れてたんだよなこういうの 」

クイント「トッ ト ン (射撃の反動を生かして二度バク転し間合いを離し笑みも余裕もない鋭い眼差しで瞬時に対象の動きを補足する)はっ、なら敵同士眉間の穴が増えても文句はなしですね ゴガギィンッ!!(ヒールを思い切り地につけ、靴仕込み銃の暴発による反動を利用し後方へ跳ね上がり) トンッ トンッ ギュオァッ!!(立ち並ぶ柱という柱を次々と飛び渡りながら陸也を中心に円を描くように指導しつつ指先から青黒い魔道弾を放っていく) 」

陸也「ったく、よく跳ねる兎じゃねぇか、活きが良すぎるんだよ!(『強化』のおかげで流れる時間を数段遅めた世界を視る中で、移動先とそこに飛来する弾丸を予測しながら動き、安全地帯を走り抜けていく)ちょっとは、落ち着けって・・・のぉッ!!!(そして、柱の側に立って『強化』をかけながらぶん殴り、ドミノ倒しの如く直線状に立ち並ぶ片側の柱をへし折る)修理費はソッチ持ちな! 」

クイント「なん––––– (強化……!デタラメにも程が……)ッ! ゴガギィン!! (空中で口仕込み銃を蹴りと同時に虚に放ち大きくアーチを描きながら倒れかかる柱を回避しガーゴイルを模した石像の頭部に着地)––––力比べ<レスリング>は遠慮したいんですよ、"非戦派"なんで、これでも––––ねッ!(自身の体を抱くように右腕をくの字に曲げ五指に光が灯り扇状に腕を振るうと同時に青白い魔法球が尾を引きながら放たれ、壁、床などに衝突しては跳ね回り暴れ狂う) 」

陸也「ちょっとは節操なく飛べなくなったんじゃ―――うぉっやっべ!!(五つの跳弾に、『強化』を『頭』へ付与し、脳内で演算をしながら移動する)くそ、出し惜しみはあんまできnゲフッ!(しかし、どこか『抜け』があったのか、背中に魔法球がクリーンヒット―――したかに思えたが、一瞬『障壁』のようなものが現れて威力が低減される)っべぇ、いてーじゃねぇか・・・っても『あれ』がなけりゃもっと痛いのか、相変わらず得体は知れないが役に立つな。 」

クイント「 ! (魔法球がヒットしても意識を保つ様を見せつけられ一瞬動揺を見せ、眉間に皺を刻む)–––––(反撃してこない辺り飛び道具は持たない…かといってこちらも決め手に欠ける……軽くジリ貧ね)ス––––(ここで初めて掌に魔法陣らしき光源を出現させ、それが消失すると同時に腕を斜めにただ振り払い、陸也に背を向け崩れていない方の柱の陰へ向かって駆け出す) 」

陸也「拙いな、あいつ徹底的に近接戦闘をやらないつもりか。(一時的に『強化』を解き、体力の消耗を抑えながら逆サイドに立ち並ぶ柱へ向かい)どうせ邪魔ならとっととシンメトリーにしてやろう、・・・せいやッ!!(腰を深く落とし、『強化』フルスロットルで真っ直ぐにぶち抜き、先程のリプレイが如く直線状に並ぶ柱をへし折っていく!) 」

 ┣¨ プ  ン … (陸也の攻撃で見事に柱は崩れ去る。だがそれと同時に鈍い水音が響き、彼の踏み込んだ床が水面のように波紋を広げ液状化しており足がズブズブと沼と化した床の深みに絡め取られていく) 」


陸也「ぐぇッ!(足を取られ、床に目を向ける)これは―――『魔法』か、しかも設置型・・・!?(自身へ『強化』を施し、襲い来るであろうクイントへの対策と現状の打破を同時に考え始める) 」

クイント「 トン  トン  ヒュオ–––––– ドフォォッ!!(壁→宙を舞う柱の瓦礫→天井の順に飛び移り、最後に天井に蹴りを入れ急降下し陸也の死角に着地)言ったでしょう、力比べに興味はないと(今度は広げた両手に緑と青の魔法陣を出現させ、両腕を前に突き出し魔法陣を重ね合わせ、先端が鋭利に尖った高圧の水弾を射出していく) 」

陸也「うぉぉぉぉやべぇ!『風神拳』ッ!!(地面に向かって思いっきり『風神拳』を放ち、風圧で脱出しながら水弾を回避する)くそっ、こうなったら―――(何をするのか、取り出したるは『釣り竿』) 」

クイント「残念、傘でも持ってなければ水を防ぐする術はないわ(弾いた水弾は細かい水滴となって陸也の体を僅かに濡らし、透かさず右手に青白い魔法球を出現させ、左手で前方に青い魔法陣を出現させる)(釣竿……?何をする気かは知らないけれど秘策があったとしても––––)【"アイシクル・散"!】(魔法陣に向かって右手から魔法球が変貌した氷柱を飛ばし、それが魔法陣を介して凍てつく純白の息吹に変わり水滴で濡れた陸也を凍らせようと襲い掛かる) 」

陸也「水?冷気?―――うおっやべっ『強化』ッ!!(飛んでくる氷柱が冷気に変わったのを見て、自身に纏わり付く水分へ『強化』を付与、ものすごい速度で乾いていく)っとぉ・・・こーんなことだってできるんだぜ、それじゃ今度は俺の反撃だ―――『空間釣り』ッ!!(戦闘中、唐突に放たれた釣り針―――が、クイントの近くの空間で『引っかかり』)此度は大物―――どっせぇぇぇぃッ!!!(『空間』を、クイントごと自分の近くへ引っ張り寄せる!) 」

クイント「チッ! ただただ厄介な……(万能性、それこそが彼の戦闘スタイル。どうする、明る様に不利な–––)–––––!!? え……嘘、そんな……!?(前触れもなく不可思議な現象によってあっけなく"釣り上げられ"目を丸く小さく縮小させ、陸也の間合いに限りなく近く) 」

陸也「来たッ―――『昇龍―――(釣り竿をバックパックのスペースに戻し、強引に引き寄せた間合いから渾身の一撃を放とうとするが・・・) 」

陸也「―――(クイントを眼前に、瞳が収縮し、一瞬焦点がぶれて・・・)―――破』・・・ッ!!!(龍の顎をもぶち抜く『昇龍破』が、その威力を大きく落としてクイントへ放たれる) 」

クイント「–––––!!(焦点がブレる一瞬を見逃さず、咄嗟に自身の腹部に手を添え緑色の魔法陣を展開させ––––) ズァオッ!! (その場に停滞する空気弾が陸也の拳とクイントの間に割って入り、衝撃を和らげさせるも烈風に煽られる木の葉のように吹っ飛び)っく……!(意識ごと吹っ飛びかけるが、カッと目を見開き空中で一回転し着地)––––––。(衝撃が効いているのかそのまま硬直するが、『非難』を込めた視線を送り)––––––なんですか、アナタ。ふざけてるんですか(冷淡な眼差し、声で陸也を突き刺さんと口を開き、服の埃を払いながらよろめきつつも立ち上がる) 」

陸也「スタッ。(独特のポージングをしながら着地するが、その拳は震え)―――せいだ、・・・俺のせい、俺が、俺のせい、・・・違う、俺じゃない・・・おれは、助け、助け・・・。(クイントを、虚ろな目で見ながら、何かをつぶやき続ける。先程までの飄々とした雰囲気は全て霧散し、触れれば崩れそうなほどの脆さを見せる) 」

クイント「––––––。……。(陸也の唐突な変貌に対し、拍子抜けと言わんばかりに目を丸くするが、直ぐにまたある種の羞恥に対する怒りの籠った眼差しを向け)ハズレ……か。貧乏くじを掴まされましたね、ボスの言う"奇跡"の一端がこの有様、見るに堪えない醜態(肩をすくめ呆れ気味に吐息をこぼすも、靴音を鳴らして陸也に歩み寄り)コツ コツ コツ––––– 」


パ   ァ  ン   (破裂音にも似た、顔面に対する平手打ちによる銃声が鳴り響く) 」


陸也「ぐぉえッ・・・(力の抜けた体が、打ち込まれた衝撃のままに地面へ叩きつけられる)あ゛ぁ・・・色、が―――『また』なのか・・・、俺は、依葉・・・。(目だけが、何かを語ろうとし、ただ、涙ではなく血が流れていく。) 」

クイント「––––––。––––––––––……。(ただ冷徹にその様を見下し、トドメをも躊躇わないと言わんばかりに指先に魔力を込める)………–––––~~~~~~!!(だがやがて、目を閉ざし理性を追い払うように首を横に振りながら片膝をつき、指先を陸也の額につけ金色の粒子が舞う。痛みも何もない、ただ陸也の流血がピタリと止まり痛みが引いていく) 」

クイント「無抵抗の雑魚をボロ雑巾にしてやったなんて……–––––【50番】のすること。全く、名付け親ほど足かせになるもんはないですよね(自虐的に肩をすくめ視線をあらぬ方へそらす) 」

陸也「―――より、は・・・。(乾いた声で、何もない虚空へ手を伸ばし、―――『強化』によって失われた体力が意識を拒絶し、力なく臥す)―――(ただ、流れた血の色は『無色』だった。) 」




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陸也「ビクリ(体が痙攣し、ゆっくりと起き上がる)―――・・・。(そして、辺りを見渡す) 」

クイント「(倒壊した柱、吹き抜けの天井を介し三階まで続く螺旋階段と順に視界に移り、腕を組んだまま背に上体を預けるクイントの姿がそこにある)おっと、てっきりくたばってるとばかり。供養程度に死化粧を施してただけなんですけどネー 」

陸也「あ゛―――『色』が、・・・。(クイントを認識したのだが、見えにくそうにしている)・・・あんた、は・・・敵じゃ、なかったのか。 」

クイント「ホトケは敵の中に入りませんね、燃えるゴミです(ふいと不機嫌気味に顔を背け)で、どうなんです(容体を伺うようなニュアンスで)またぶっ倒れるようなポンコツなら戦う価値もない、点数稼ぎにならないしダストシュートにぶち込みますが 」

陸也「・・・上等だこの野郎、そんな喧嘩売られて買わないような――― ド ク ン (空元気を振り絞り、立ち上がって拳を握りしめ―――られない。)・・・。(そして、彼の纏う雰囲気が一変―――いや、『なくなった』。) 」

クイント「私はともかくとして、あんまり待たせるようだとお師匠様に飽きられますよー(腰に手を当てくいくいと指を折って「かかってこい」と言わんばかりに)手間かけさねいでくださいね、 "手間だった<治した>"んですから 」

陸也「―――クソ、うるせぇ、・・・わかってる、ッ!!(一瞬、ふらりと倒れかけるが、そこから『強化』をかけて急襲する)・・・ズズズズズ(一気に距離を詰める中で、彼の体から『色』がなくなっていく・・・それは実に異質だ。) 」

クイント「  ト ッ  トン (急襲を仕掛ける陸也、異質な変色を瞬時に視界に収めとりわけ焦る様子もなく瞬時に右へサイドステップ→柱の瓦礫を蹴り前方へ跳躍し陸也の資格へ回りこみ間合いを保ったまま歩を止める)なーんだ、メンタル以外は全然活きがいいじゃないですかー(クスクス)で。もう仕切り直していいんです? 」

陸也「それでいい・・・ああクソが、またこの感覚か・・・!(何かに苛立ちながらも、ゆっくりと陸也から『色』がなくなっていく)『メンタル以外は』ってのが余計だな、その減らず口にジッパーを取り付けてやるよ。(ザリ、と強く踏みしめて構える。―――この時、クイントには彼の体に宿る『守護』と共に得体の知れない『何か』が強まっていくのが視える) 」

クイント「私を黙らせたければ、世界で最も歩かず世界で最も賢い魔法使いを連れてくることです(陸也の変調、そこから発せられるオーラに皮膚がピリピリと刺激を受け、瞳の色を赤く染め、妖艶な口元に指を添え)–––––– 次は治さないわ(バックステップを踏み、たった一度の跳躍で羽ばたいているかのようにふわりと後方へ舞う) 」



陸也「そもそも敵に情けかけられてる時点でなんか、こう・・・ッ―――(手を構え)おかしいんだっつうの!(指の力で『空気弾』をはじき出し、クイントを狙う。その最中で、止まることなく体から色が失われていく) 」

クイント「(陸也の変化、言動は全て赤い瞳とウサギの耳で冷静に認識するが反応を示さず)【––––紀幻眼・オーバーフュージョンルナライト––––】(赤い瞳をカッと見開くと同時に、空気弾がクイントの肉体を抉り)グニョンッ(空間ごと水に垂らした絵の具のように捻れ、空気弾を飲み込み消失) ブォ ンッ (同時にクイントが存在した対局方向、陸也の死角に移動し至近距離で指先から青い光彩を放つ黒球を3発雨がつ)呪え<ガンド>!! 」

陸也「・・・お向かいさんも本気って訳か、やりにく・・・ッ!!(言葉を耳にし、咄嗟に体をずらすが一発命中―――しかし以前のような『守護』が、以前よりも一層強まって『ガンド』を防いでしまう)ぉぉおおおッ!!(そして、振り向きざまに裏拳を放つ) 」

クイント「(裏拳による反撃の余波で前髪が靡き、咄嗟に顎を引き裏拳が頬を掠め、それだけで伝わる激痛と衝撃に表情を苦悶で歪める)ッ–––––!!(その後勢いのままにバク宙し逆立ち、光の筋が走り強化魔法によって発光する両足をを広げ、腕を軸にコマのように回転し遠心力を乗せた強烈な蹴りを、青白い奇跡で輪を描いて薙ぎ払うべく放つ)トンッ ヒュォ––––– ふッ!! 」

陸也「―――『強化』・・・『ダブルドライヴ』!!(クイントの攻撃へ対応するため、自身へ付与された『強化』を更に強め)ぉぁあッ!!(身をかがめ、払われた脚を回避しながらそれへアッパーを放つ) 」

クイント「!!(反射神経にまで拍車を……) ┣¨ ゴ ァ ッ !! (アッパーカットと強化をかけた蹴りが衝突し火花を散らせて力負けし全身ごと蹴りが跳ね返されきりもみ回転しながら上空へ浮く)っつァ"ァ"……–––––ア"ァ"ァ"!!(が、あえてそれを利用し回転したまま片足を降り出し勢いをつけ急降下すると同時に顔面めがけギロチンが如く踵落としを繰り出す) 」

陸也「―――奇しくもこれは、俺への試練なのか(ゆっくりと、一瞬の時間の中で無限に広がるような意識の中、振り下ろされる踵落としを見据え)・・・覚悟を決めろ、『昇龍―――ッ(そして、その時ちょうど。彼の体から『すべての色が喪われた』。) 」

『色のない世界』『染まりゆく真理』 『明滅する心』『不条理の沼』 ―――『おはよう世界』、ちょっとだけ・・・ちょっとだけだ。・・・君に『こんな枷』は必要ない、それと・・・『これ』もだ、だから僕は消失させよう・・・久しぶりだが、僕にできるのはこれだけだ。 」


陸也「―――(そして、無限に等しい時間が流れる『意識』は、『表』へ戻され、急速に色を取り戻し・・・)―――破』ァ!!!(以前とは桁違い、迷いの一つすらも『消失した』かのような、本来の威力の『昇龍破』が放たれ、クイントの踵落としを迎え撃つ) 」

クイント「–––––––––(空間そものが圧となって色を帯びて迫るような威力を前に瞳孔を小さくし、意識が飛ぶ) 」

–––––––お師匠様。おかゆができましたよー……ってウォァー!? 何起き上がってるんですか寝ててくださいよ!ほら冬のナマズみたいにおとなしくして! 」

キーキー喚くな、鼓膜が傷つ。私にとって研究実践のサイクル以上の苦い良薬はないのよ。あとおかゆ嫌い 」

いやいやいやせっかく作ったんだし食べてくださいよー… ね?ね? あ、お料理本って一応あったんですねーここ、まあ私はあなたの弟子ですからこんなの必要ないですけど 」

何よそれ、まるで私の弟子が一つの肩書きみたいね。子が親を自慢するみたいなそれよ、あんたの 」

–––––(親子…… )ねえ、お師匠様、私たち火星の兎狗沙のうち何人が名前を持ってるか知ってます? 」

さぁ、星の外にまでは情報採取に行く交通費も惜しいからね 」

“指で数えるほど”なんです。 指で数えるほどの兎と、鍋に打ちこめばみんな溶けて混ざるような掃き溜めの兎。そんなもんなんですよ、私達 」

へぇー、何泣いてほしいの。病人にさせることじゃないわね 」

––––––お師匠様。 ちゃんと続けてくださいね、私も頑張りますから。 そうすれば私もお師匠様を忘れない、お師匠様も私を忘れない。この名はずっと、残るんですから 」

––––––…… 面倒な弟子を持ったわ。なんだってこんなこと始めたのかしら 」

クイント「     ………………–––––––––ッ!!!!!(昇竜波を食らう直線、目尻から水滴が雫になって舞い)ギリィッッッ キュィィィイウウ––––(歯を食いしばりエンジンに酷似した高音を響かせ魔眼が一層強く瞬き)ズァ  オ  ッ !!!!(踵落としは地にクレーターを作り、すれ違いざまに腹部を浅く抉られ鮮血が舞い、着地と同時に力なく崩れ……) 」

–––––––じゃ、今日はこう書き記しておくかしらね。【弟子一号、料理を覚えるが記念すべき最初の昼食がおかゆである。まるで年老いた母親を気遣う娘のような健気さで心底腹が立った、とりあえず私はお前が思っているよりは長生きするだろう】 」


『イン・アンリアル・ネーム<我が名は浮世にありて>』 」


クイント「 オ   ン  ……(陸也を挟むように【もう一人】。 倒れ伏した方のそれとは反対側の腹部を浅く抉られた、鏡合わせのような存在が駆け出し、クロスレンジに入っていた)お"お"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"–––––ッ!!!!(魔力消費量が過度である影響からか目から口から赤が伝いながらも喉が焼ききれんばかりの雄叫びを上げ、前方に展開した魔法陣を貫通し、雷を帯びたただの正拳突きを、全身全霊、文字通り視力を振り絞った一歩の踏み込みと同時に真っ直ぐに撃つ) 」

––––– じゃあ私はこう書きますね…… 改めて思い知る。我が師はツンデレでありろくでなしのメタクソニート思考で…… であればこそ、ニオ・ラーゲルフェルトであり、さればこそ!我が名はクイントであると!空の向こうで私を笑う同胞共に胸を張って、また笑ってやるのだと!

陸也「―――あぁ、『躊躇する必要なんざ無い』な、・・・スーッ・・・。(息を吸い込み、腰を深く落として、)―――『粉砕強撃』!!(空間を揺るがし、地面を震わせ、空気を押しつぶす。自身の体力を多く犠牲にして放つ必殺の拳で迎え撃つ。) 」

クイント「      –––––––––(散りゆく寸前に脳裏を過ぎったのは、ただ白いだけの陽だまりで日記のページが音を立てて舞う様)––––– (こんな無価値な自分に何を捨てられようか、何を代償にすれば欲することを許されるのか)–––––お師……匠… (答えは宙を舞っていた。 情景が浮世に戻ると、確かに一度、彼の顎に手が届いた実感を得た刹那、迎え撃つ一撃でその姿が遠く小さくなり、意識ごと遠く小さくなり視界が暗く暗転し–––– 床にビロードのうさぎのように転がった) 」

陸也「・・・あ゛ぁ、・・・『何か亡くした気がする』。(躊躇せず、拳を振り抜いた事に違和感を覚えながら、荒い呼吸を整えつつ、戦闘用の『強化』を解除してから治癒のための『強化』を・・・)流石に、情けをかけてもらっておきながら仁義にもとる行為はできんな・・・多分生きてるだろ。(自分だけではなく、クイントにも同じものを付与した。)―――つうかこんな場所に放置は流石にできんな、これは大義名分だ、大義名分・・・そう大義名分。(クイントを背負って、自分へ言い聞かせるような独り言をしながら先へ進んでいく) 」













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最終更新:2020年09月27日 22:55