平成20年 10月 決算特別委員会(第8回)-11月06日
P.485~
浅見健二委員
 開の浄水場の問題についてお伺いします。
 原水に発がん性物質が含まれているということで、議会に提案されて、住民合意と納得のいく上でとの議決でした。そもそも水道水質基準から見て何ら問題のないものを休止にする理由はないと思います。地下にそのような物質があるというなら、その物質の除去を優先させるべきでないかと思います。
 さらに、故渡辺市長が、「子々孫々までこの水が飲めるよう行政が責任をもって給水を保証する」と言い、また、久保田市長自身も、平成15年4月14日付の日産車体株式会社小畠社長当てに、「旧社宅居住者に水道給水を続けてまいりたいし、今後も給水事業を継続していく責任がございます」とし、その上で、「地域に対する社会還元としての水道用地の無償寄附をすることについてご検討いただきたくお願いするものでございます」と、開浄水場の継続と無償寄附を申し出ているではありませんか。そして、それを受けて日産車体は水道用地として寄附をいたしますということになったのであります。
 老朽化を理由にしたり、ポンプの費用にしても、190万円という見積もりが、実際、71万4,000円であったり、いかにも維持費が高くつくような説明をし、休止ありきが前提だとしか思えません。裁判中にポンプが故障して現水道水が供給できないことがあってはなりません。少なくとも裁判中の保証は最低すべきであると思いますが、お答えを願いたいと思います。
杉村亮一水道部長 開浄水場についてのご質問に、順次、お答えをいたします。
 まず、開浄水場の移管につきましては、昭和51年当時、府営水道の供給水量が限界に達しているという状況のもとで、開地域の水道問題の解決を図る目的から、当時の市長が大変なご苦労のもと、三者三様の負担の覚書を締結し、今日に至ったものでございます。このことにつきましては、当時の市長の発言でもありましたように、「宇治市の上水道の一環として進めていくものでなくてはならない。行政上、しこりが残るのであれば、手を引かせてください」ということでも明らかなように、宇治市の水道事業として行っていくとの考えでの発言でありますことをご理解いただきますようお願いいたします。
 次に、開浄水場用地につきましては、日産車体より簡易水道用地のうち約200坪を無償貸与する使用貸借契約を昭和51年12月に締結いたしまして、その後、平成15年に日産車体が地域の所有地を整理される中で、水道用地として寄附していただいたものでございまして、水道の安定的な運営の上、貴重なお申し出であったというふうに考えております。
 次に、ポンプの購入についてお答えを申し上げます。
 ポンプの購入につきましては、平成18年度で購入いたしましたポンプは、過去の購入単価を参考に予算化をいたしまして、その金額をもって入札いたしましたところ、結果として71万4,000円の単価となったものでございます。190万円のことにつきましては、この見積もりをとったわけでございますけども、直接、ポンプメーカーに購入単価の見積もりを求めたところの金額であり、特に問題ないと考えております。
 また、今現在、裁判中でございますけども、その間、ポンプが壊れたときの対応ということでございますけれども、今まで申し上げておりますように、断水をさせるわけにはいきませんので、早期に府営水に切りかえるということになるかと考えておりますので、よろしくご理解いただきたいと存じます。
桑田静児水道事業管理者 先ほども部長がお答えをいたしましたが、まず、当時の市長、51年当時のですが、宇治市の上水道の一環として進めていかなくてはならないということも当時の議事録に残っておりますし、また、公営企業としましては、企業の安定化を保つためにはその時々に合わせまして個々の施設の対策を行うことが必要ではないかと考えておるところでございます。
 3番目の裁判中のポンプについてでございますけど、このことは前にもお答え申しましたように、現在、開の浄水場のポンプをかえるべき予算もございませんし、平成19年の予算委員会、それと、この20年度の予算委員会、この2回の予算のときにもいろいろ議論いただいて、開浄水場については休止ということに決まっておりますことから、それと、先ほど申しましたように、かえるべきポンプの予算もございませんことから、開の浄水場が、このポンプが停止になりましたら速やかに府営水に切りかえるというふうになろうと思いますので、どうぞご理解をお願いいたします。
川原一行委員 端的に質問します。開の浄水場の問題です。
 1つは、開浄水場は老朽化しているというのが廃止の最大の理由でした。何が根拠で老朽化しているのか、これがクエスチョンワンです。
 2番目、開浄水場は昭和53年に築造され、その後、幾多の施設改良を経て現在に至っております。しかし、一部の施設においては、築造当時のままで使用されている。そのために施設管理は比較的良好であるが、機械電気設備において、法定耐用年数を超過している可能性もあるため、機能診断調査を実施するというように市の基本計画はなっております。
 それでは、質問。機能診断調査を実施したのか、この点。
 3番目、神明浄水場は昭和18年に築造された施設であり、土木建築構造物としての法定耐用年数を大きく超過している。浄水施設としての機能維持を図るために早急に更新するという計画は出されているわけですが、なぜ早期に更新をしないのか、これが実務型の具体的質問です。
 そしたら、市長に聞きます。回答をいただいて、次の時間を待っていると、多分、もう時間がないと思いますので、私、このように市長に直接聞きたいと思うんですね。
 市長の理論は、都市経営論といいますか、効率論というか、これはずっといつも効率論を述べています、基本的には。私は問いたい。あなたの基本的な理論からしても、開の浄水場というのはもう完全に減価償却もできていますし、現存する立派な施設ですよ。それは、一定の設備投資さえすれば、必ず近く減価償却もでき、存続できる立派な市の財産なんですね。これを一気になくすると、廃止するということは、あなた方の理論からいっても、私は矛盾するというように思うんですよ。この点が1つね。
 それからもう一つ、この開の問題でさまざまな角度から、きょうも浅見委員からも鋭い質問がありました。そのとおりだと私は思います。角度を変えますと、この開の浄水場の問題の一番のボタンのかけ違いといいますか、問題のところは、やはり市は、住民の開の浄水場の問題に対する意識を甘く見ていたんじゃないかというような、これ、私は思うんです。それはなぜかといいますと、何よりもあの施設は、戦前、昭和17年です。旧日本国際工業という、日国と言いますけども、ここの日産車体の前身の社宅の給水としてあの位置に掘られて、今日まで至っているという経過があるわけですね。その間、昭和40年代から50年代にかけて10数年にわたって開の住民と日産車体とがずっと存続をめぐって裁判を行ったり闘争をやった。その結果、昭和53年に、きょうもありましたように、新規の施設として、宇治市は日産から借り受けて、その後で投資をやってきた、こういう経過になったわけですね。そういう点で、開の住民の皆さんにとりましては、非常にみずからの水源を守り抜いたということと、それから、格別の地下水に対する思いを持っておられるわけですね。この住民感情というのはぬぐい去ることはできない、深いものだというように私は思うんですよ。この感情といいますか、この市民感情というのは、私はごく当たり前のものじゃないかというように理解するんですね。
 そうすると、平行線をたどっているこの問題での基本的な方向というのは、やはり胸を開いて、そして、要するに、住民自治といいますか、民主主義の基本といいますか、話し合いによってやっぱりきっちり解決していこうという、こういうことが必要でないか。
 市長は、市民が主役ということを言いますね。私たちはよく住民は主人公ということを言いますけども、同じ内容だと思うんですね。そういう点からも、やっぱりこれは、方向としては、この計画を市長が撤回するというしかないというふうに私は思うんですが、この点で市長の見解を聞きます。
久保田勇市長 開の水道問題でお答えを申し上げます。
 開の水道問題につきまして、川原委員の方から、私の都市経営論ということとあわせてお尋ねでございますけれども、当然ながら、私どもの都市経営という観点から、この開の浄水場の休止というのは、当然、理にかなっているというふうに思っております。
 まず1つには、宇治市全体の水道事業の一環として考える必要がある、このことが大前提であります。委員の方から今おっしゃいました内容、仮にやるとすれば、まず、老朽化した施設改修、これをすべて投資することになります。そのことの跳ね返りは、宇治市水道会計全体に入るわけでございまして、そのことから、私は、1つには、私ども6つの休止の理由をお示しをさしていただきました。そのことからも、そのことは、当然、合致しているというふうに考えております。
 そしてまた、例えば水道事業。水道事業者は安全な水を供給する責務を負うわけでございますけども、私は、やはり安全な水ということになりますと、曝気ができているからいいというふうなものではないというふうに考えております。そして、いわゆる終戦直後の経過も存じております。また、昭和50年代の経過も存じておりますけども、その当時というのは、やはり水道事業が逼迫する中で選択がそのことしかなかった。また、その時点では今のような水質問題はなかったというふうに認識をいたしております。行政としてそのことがわかりながら、ずっと以前からこの汚染はあったやないかということでありますけれども、わかればわかった時点で、できる限り早く、例えば、本来、もっと早く休止をすべきだというふうに私は考えております。
 そして、例えば、これは、今、地域の方で出ている話でありますけども、弁護士さんから、例えば、私どもはあの浄水を供給することは非常に割高になるというふうに考えております。しかしながら、かつて議論の中でも、議員の方からも、地下水の方が安いということをお示しいただいております。私は、そうであれば、宇治市水道事業として全市を管で結んでいる以上、私はこの水を飲みたい、どこの水はだめだ、そして、府営水はまずいというふうな論議は、私はナンセンスだというふうに思っております。そして、やはり宇治市全体に安全・安心な水を責任をもって供給するという水道事業の務めからいきますと、私は、それほど地下水、安くできるというのであれば、例えば、用地を無償貸与して、施設は無償譲渡して、どうぞ自主運営をやってみてくださいということも1つの手ではないかというふうに思っております。
 しかし、水道事業として一番重要なことは、やはり、まず、私ども、その議案を提案させていただきました。委員の方から、今、いろいろ経過を言われましたけれども、結果、修正案が出たとかいろんなことはございますけれども、議会で議決をされたということは、当然ながら、これは行政として一番の重みであります。そのことに従いまして私どもは精いっぱい今日まで取り組んできたところでございます
平成20年10月 決算特別委員会(第3回)-10月21日



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 平成18年 12月 建設水道常任委員会(第9回)  12月21日-09号     
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最終更新:2009年03月11日 10:21