減る水需要、期待の7~9月も不振 2年連続赤字の宇治市水道 収益の85%が給水量収入だが…
19年度には5年ぶりに単年度収支5700万円の赤字決算に転落、20年度も7000万円の赤字を出し、繰越し利益余剰金のやり繰りでしのいでいる宇治市水道。年間収益の85%を各家庭への配水による給水量収益で賄っているが、21年度も期待した7~9月の水使用量は最も大きかった8月でも193万㌧と前年よりさらに5万㌧程度下回った。夏場の天候にも大きく左右される水需要だが、全国的な傾向と同様に宇治市でも「エコ節水」が完全に定着。加えて人口が下降状態に入り、今後も水需要の伸びは期待できず、独立採算制を敷いている水道事業会計だけに、収益回復の打開策を探っている。
市水道部によると、5年前との比較で夏場のピーク時の水使用量は月間10万㌧前後落ち込んできたという。当時だと、年間給水収益としては29億9000万円を稼ぐ出していたが、最近は29億円あまりと、9000万円程度落ち込み、「影響は大きい」としている。
水道会計の場合、残り15%を下水道の本管を敷設する場合に水道管の移設が発生することによる受託工事収益と、宅地開発による水道加入金収益があるが、下水工事は順調に進捗が図られ、安定した収益は得られているものの、加入金収益の方は20年度には1億6000万円と激減。18年度までは年間3~2億円ペースで入っていたといい、ピーク年からみれば50%近くにまで落ち込んできたという。市内では新たな住宅開発が可能な市街地の空きスペースがほとんど姿を消し、市の水道の台所事情にも影響を与えている。
一方、水道料金は11年前に府営水道料金と前後するかたちで現行料金に改定以降、据え置きしている。8年前に府営宇治浄水場の導水管事故による大規模断水などもあり、この間、料金改定の環境も整わず見送ってきた経過もある。長期の不況下、改定は市民の台所を直撃するだけに、慎重な対応が求められ、現在策定を急いでいる水道ビジョンのなかでも、将来の水需要を充分見定めた施設のあり方や無駄の点検を実施している。
政権交代への影響や開浄水場問題など 宇治市9月定例議会
■市長「ポンプ交換する考えない」 池内議員 開浄水場休止問題で、市長見解聞く
池内議員は、天ヶ瀬ダム再開発や太閤堤のまちづくり、奈良線複線化、ウトロの住環境整備などの国と関わる事業を挙げながら、政権交代と今後の市政運営について、国への働きかけの姿勢を質した。
市長は、いずれも必要な推進すべき事業との認識を示した上で「市にとって必要な事業や財源の確保は今後も要望していく」とした。
開浄水場問題では、老朽化したポンプ停止によって、井戸水から府営水への切り替えが懸念されるため、地元がポンプ交換を求めている問題で、同議員は「市は地元提案をかたくなに拒んだが、改めて地元の思いを汲んでもらいたい」として、市長に見解を求めた。
杉村水道部長が、交換の申し入れを断わった理由を述べ「水道部の休止方針に反することになる」と伝え、「今後は裁判所の判断を注視する」と答えた。
また、地元がポンプ交換に関わって集めたカンパ金を寄付金として市に預け、市は受け取りを拒否する事態に至っているが、市長は「250万円を市に持参したとの陳述を裁判所で昨日にしており、陳述の実績づくりのための行為。返すための連絡を再三、取っているがつかない。ポンプ交換する考えはない」と、議場傍聴の住民らに伝わるよう答弁した。
結審、判決は12月9日
宇治の開浄水場の休止をめぐり市と住民が対立している問題で、住民が起こした休止の差し止めを請求する訴訟が29日、京都地裁であり、この日で結審した。判決は12月9日午後1時10分から行われる。
この日、事前の呼びかけに応じて住民125人が地裁に訪れ、法廷をうめつくした。
被告の宇治市側は最終弁論を行わず、「特殊な給水契約などありえない。給水契約はみな同じ」などとこれまでの主張を繰り返す準備書面を提出した。
住民側の意見陳述では、NPO法人地下水技術センター専務理事の殿界和夫氏が補佐人として立ち、専門家の立場から市が掲げる休止理由の批判などを行った。また、原告を代表して第二次水道問題対策委の木村正孝委員長も意見陳述を行い、訴訟に至る経過や訴えた理由などを説明した。
最後に原告側の湯川二朗弁護士が最終弁論を行い、休止決定の違法性などを訴え、結審した。【本好治央】
ポンプ交換費用、地元が提出 宇治の開浄水場休止問題 カンパで250万円集金、市は回答保留
宇治の開浄水場の休止をめぐり市と住民が対立している問題で、開地区自治連合会(海老温信会長)など地元3自治会は、老朽化が進んでいる揚水ポンプの交換費用250万円をカンパで集めた。25日、市役所に寄付金として届けたが、市はすでに寄付の申し入れを拒否する姿勢を示しており、預かったまま回答を保留した。
地元3自治会は浄水場存続による地下水供給の継続を求めている。しかし、ポンプの老朽化が進んでおり、市は「休止決定した浄水場に予算措置は取れない。ポンプが停止すれば、府営水に切り替える」と提示。このため3自治会は、ポンプ一式と工事費用を地元で負担しようと住民にカンパを募っていた。
ただ、市側はすでに7月15日付けで「休止方針に反する」などとして寄付の申し入れ拒否を表明。この日も対応した市秘書課が金を預かり、回答は控えた。
地元は「申し入れ拒否の理由として示された休止方針に、当初はポンプ問題は入っていなかった」とし、今後の市の対応について「ポンプがいつ止まるかわかならい現状の中、不安をもって生活している住民の願い(ポンプ交換)が1日でも早く叶うよう、寄付金を受け取り、交換することを願っている」とした。
なお、休止をめぐって市と地元が係争中の裁判は、29日に京都地裁で原告(地元)側の最終弁論が行われる見通し。【本好治央】
宇治市9月議会一般質問 16人が通告、28日からスタート
29日の最終弁論へ、結束固める 宇治の開浄水場問題 地元自治会などが住民集会
宇治の開浄水場問題で、地元自治会などは8日夜、開地域福祉センターで集会を開き、大詰めを迎えた市との一審裁判に向けて結束を固めた。
地元住民は現在、浄水場の存続を求めて市と係争中。29日に原告(住民)側の最終弁論などが行われ、結審する見通し。
約80人が参加した集会では、弁護士から最終弁論の説明があり、法廷で行う「原告住民の訴え」について意見を出し合った。また、当日の参加体制なども話し合い、臨戦態勢を整えた。【本好治央】
地元の申し入れ、市側は拒否 宇治市開浄水場の休止問題 老朽化に伴うポンプ交換費用の寄付
宇治市開浄水場の休止問題で、老朽化によって府営水に切り替えられることを懸念する地元自治会などが、地元負担でポンプ代金と工事費用を市に寄付しようと申し入れたことについて6日、市から回答があり、「水道事業の基本方針を変更するものであり、予算議決に反する」などとして申し入れを拒否した。
申し入れたのは開地区自治連合会(海老温信会長)と開ケ丘自治会(堀江ひさ代会長)、一里丘住宅自治会(金川幸二会長)。3団体は市方針の休止をめぐって市と係争中で、先ごろ、京都地裁を通じて市側の弁護士に寄付の申し入れ書を市長宛てで提出していた。
この日、地裁で裁判長と双方の弁護士による3者協議があり、市の回答が示された。
市は、寄付を拒否する理由として▽ポンプ交換は休止理由のひとつであり、方針に反する▽補正予算に計上することは議会に対して休止方針を撤回することになる▽予算では開浄水場の年間総排水量をゼロとしている▽議会の予算議決に反する――などとした。
これを受け、地元は「結論ありきで、理由になっていない」と市の姿勢に反発。引き続き、ポンプ交換にかかるカンパ活動を展開することにしている。
また、地元によると、裁判長は住民に対し「力及ばずだった」とコメントを出したという。【本好治央】
寄付によるポンプ交換へカンパ展開 宇治市開地区3自治会 市、きょうに裁判所へ文書回答
宇治市開地区自治連合会などの住民らは、継続して地下水の供給を受けるため、老朽化している浄水場ポンプの交換に掛かる費用捻出に向けた住民カンパ活動をきょう6日から始める。ポンプ交換実現に必要な183万7500円を目標にカンパ活動を展開。市にポンプと工事代金を特定寄付することで、継続して開浄水場の地下水を飲み続けたい、としている。
同浄水場の休止を打ち出した市と、反対住民との間で係争中で、同自治会など3団体がさきごろ、京都地裁を通じて市側弁護士に、特定寄付の申し入れ書を市長宛てに提出。きょう6日に地裁である裁判長と双方の弁護士を交えた3者協議の場で市から回答があるが、「ポンプ停止すれば、府営水に切り替える」との従来姿勢は崩さず、住民らの申し出に応じる可能性は少ないが、ポンプ交換を実現していくための寄付を住民意思として確認しており、市の返答如何に関わらず、交換実現に向けた取り組みを継続することから、カンパ活動を展開する、としている。
ポンプ交換の寄付、市に申し入れる 宇治市開地区の3自治会 裁判所通じて申し入れ書を提出
宇治市開浄水場の揚水ポンプの老朽化に伴い、市方針の府営水への切り替えを懸念する開地区自治連合会(海老温信会長)、開ヶ丘自治会(堀江ひさ代会長)、一里丘住宅地自治会(金川幸二会長)の3団体は15日、京都地裁を通じて市側弁護士に、ポンプ代金と工事費用を地元負担で実施するための寄付申し入れ書を浄水場設置者の市長宛てに提出した。8月6日までに市の返答を求めているという。
市は「休止を決めた浄水場に予算措置はできず、ポンプ交換には応じられない。ポンプ停止すれば、府営水に切り替える」との考えを示しているのに対し、市との間で係争している住民らは継続した地下水の供給を求める立場から、ポンプ取り替え代金(約260万円の試算)を負担してでも工事の実施を求めている。約75万円のポンプ代についてはすでに手立てしているが、不足分の工事代金はカンパ金を募る準備をしているという。
足で調べた「宇治名水」事情 水を考える南山城の会 宇治のわき水調査、報告書に
水を考える南山城の会(岡本恒美代表)が昨年秋から宇治市内で実施したわき水、井戸の現地調査や水質調査の結果を報告書「再発見、宇治の湧き水・地下水」(A4判42頁)としてこのほど発行した。
同会は1984年に発足し、南山城地域の河川をはじめ水環境の改善に向けた活動を展開。環境講座や学習会のほか市内30ヵ所での廃食油の定点回収や石けん利用の推進の活動も実践。98年には木幡池再生プランを作成し、宇治市のふるさと創世アイデア事業にも提案している。
休止状態にあったが昨年6月から活動を再開。昨年度は府の地域力再生プロジェクト支援事業の一つに選ばれ、「宇治のわき水・地下水」をテーマに湧水・井戸をめぐるツアーの実施、湧水、地下水についての水質調査、生物調査、地質学調査、湧水、地下水と人々の暮らしのつながりについての聞き取り調査――などの活動を進めてきた。
報告書では、かつて「宇治七名園」「宇治七名水」と呼ばれ、中宇治地域に点在した茶どころ宇治ならではのわき水や井戸の消息を調べ、現在の様子もふまえ写真や地図で紹介。
中宇治地区に伝わる21ヵ所の井戸、わき水の言い伝えや記録を掘り起こし、今年2月に実施した地下水や河川の水質分析結果についても紹介。
宇治川右岸の宇治上神社にある「桐原水」(地下水)は窒素、リン共に水質の良好な琵琶湖北湖とほぼ同レベルだったのに対し、左岸地域の浅井戸は過剰な施肥や生活排水などで窒素、リン共に濃度が高いことが分かった。
同会では今年度も中宇治地域を主なフィールドワークの対象にした地下水への取り組みを進めることにしている。
報告書に対する問い合わせや会の活動に関する問い合わせは、水を考える南山城の会の山田晴美さん(℡24―7107)。【岡本幸一】
宇治市水道部が平成19年3月、神明浄水場の取水ポンプ交換にあたり、業者との特命随意契約による取り替え業務委託費183万7500円を支出したのは違法な契約締結による公金支出にあたる――などとして、市への支出額の返還を求めて住民監査請求を27日、木村正孝さん(63)=宇治開町25の2=をはじめ開地区住民ら105人が市監査委員に提出した。
木村さんら請求人住民は、市の開浄水場を休止して府営水への切り替えをするとの方針に反対、同浄水場の継続による地下水の供給を求めて市を提訴、地裁で現在、係争中となっている。
裁判や市と開地区住民らとのこれまでの話し合いでも明らかになっているが、ポンプ購入については、当初は開浄水場の取水ポンプの老朽化に対応するために市水道部が18年9月に購入。同年度に神明浄水場のポンプに故障が生じたため、19年3月に神明浄水場に、事前に購入してあったポンプを充当した経過がある。開浄水場については、18年12月に浄水場の休止方針が決まったため、その後のポンプ交換は行われないまま、現在に至っている。
提出した監査請求書などによると、「ポンプの取替え業務に緊急性はなく、随意契約による委託契約は、地方自治法や市財務規則などにも違反する」と指摘。
さらに「随意契約で求められる緊急必要性についても、神明浄水場ポンプの故障時には、地下水との2本立てとなっている府営水への100%供給で、直ちに切り替え給水が行われており、緊急性のある事態ではなかった」と指摘。「市財務規則での随意契約による工事額上限130万円を上回る契約にもなっており、規則違反にもあたる」などとしている。
京都府、水道料金見直しへ
宇治・木津・乙訓府営3浄水場接続
京都府南部や乙訓地域の計10市町へ給水している府営水道の3浄水場系統が来春から接続されることに向け、府は27日、現行で約2倍の格差がある水道料金体系を見直す提言を8月をめどに取りまとめるよう、府水道懇話会に求めた。水道料金が安い宇治市などから、拙速な結論を急がないよう求める声が相次いだ。
宇治市の久保田勇市長は「府のスケジュール案は荒っぽい。数カ月で役目を果たせるのか疑問」など料金見直しの議論に市町の意見を十分反映するよう求めた。
木津浄水場系の京田辺市も「水道料金をどうするのかは大変な問題。作業部会で議論することはよいが、どう整合性を持たせるのか」と述べ、他の委員からもスケジュールが厳しいとの声が出た。
府は懇話会に対し、接続後の料金に反映すべき論点として、▽耐震化など整備コスト▽3浄水場系ごとに異なる料金の今後▽市町が上水道としてくみ上げている地下水の保全と府営水道との割合-を挙げた。
共産委員は、開浄水場の休止問題を取りあげ、特殊な契約行為にあったとして、府営水への切り替えではなく、今後も住民が求める地下水供給の継続を行うべきとの観点から、水道加入金の免除などの過去の問題に遡りながら問題点を指摘。「一般の給水申し込みではなかった」として、水道部を追及しながら質疑した。
杉村水道部長は「経過措置の適用により、加入金免除を行ってきたものであり、開浄水場の供給区域についても特別の扱いをしたものではなく、他地域同様の取り扱いをしたものである」などと答弁。桑田水道事業管理者は「30年も前の当時のこと。現在もそのまま尊重ということにはならない。その時々に応じた水道事業経営があり、こだわる必要はないと考える」と追及を突き離した。
府営水への切り替え方針に反対し、開浄水場の存続を求め、宇治市と係争中の開地区自治連合会(海老温信会長)など3自治会と第2次水道問題対策委(木村正孝委員長)の代表らが19日、宇治市の桑田静児・水道事業管理者に「水質問題」「ポンプ交換」の2項目で公開質問状を手渡した。
3自治会・対策委では、同浄水場の取水ポンプが今年2月6日に老朽化などを要因に一時的に停止したことで、「ポンプ故障による交換はメンテナンスの問題。係争中である以上、市の責任で現状維持を図るのが筋だ」などとしてポンプ交換と休止問題で直ちに協議を再開することを求めた要求書を2月27日に水道事業管理者に提出。坂下議長にも面談し、議員にも要望した経過がある。
質問状の提出は、未だ要求書への回答がないことや、その後の議会委員会等での水道部幹部の発言について「理解困難なうえ、黙過しえないものがある」として提出した。
質問状の中の「水質問題」では、浄水場の休止理由に、地下水に混入するトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの含有量(今年2月検査)が環境基準値を超過したことを強調しているが、「これら有機化合物は揮発性のもので、曝気装置で簡単に除去でき、飲料水としてなんら問題がない」と指摘。
当局の判断根拠の妥当性を含め、オープンな議論が必要――などとした。
「ポンプ交換」問題では、浄水場の休止理由の一つとなっている施設の老朽化に関わることで、できない」(水道事業管理者)とする委員会答弁に対し、「メンテナンスの範囲外と主張するが、平成19年3月の神明浄水場のポンプ交換の場合には「修繕」として扱われており、開浄水場のポンプ交換だけか。「メンテナンスの範囲外」とするのは理解できない――などとしている。
公開質問状の回答は今月末までを求めており、対策委によると、水道事業管理者は「弁護士と相談して回答する」と答えたという。
《2009.3.12城南新報記事》
開浄水場問題に質疑集中
水道部の審査では開浄水場の休止問題に質疑が集中し、池内委員は「地元から協議再開を求める要求書が出ている。ポンプ交換の協議に応じる姿勢は」と尋ね、杉村部長は「ポンプ交換も争点の範疇。協議再開は難しい」と拒否。川原一行委員(共産)も「話し合いの一刻も早い再開が問題解決になる」と求め、桑田静児水道事業管理者は「裁判でも話し合いは裁判に関係すること以外なら…と言われており、弁護士と整理して判断したい」と基本的には受け付けない雰囲気を漂わせた。
高橋尚男委員(自民)は水道部が休止理由の一つとしている「おそらく発がん性がある」に該当するトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの地下水への最新の含有量を質問し、同部は「今年2月に検査し、トリが0.07㎎(1㍑当たり)、テトラが0.013㎎(同)」と答え、環境基準値を超過していることを説明。高橋委員は「浄水場の近隣の井戸は府が飲用停止を指導した。その井戸水は他に使用していたとも聞いた。風評被害を恐れ、他に影響がないように府が意見(体重50㌔の人が毎日20㍑一生涯の見続けても健康への影響なし)した。私は乳幼児や高齢者への飲用を心配して結論(休止賛成)を出した」と改めて早期の休止を促した。
水谷委員(共産)は「開浄水場の動力費は05年度337万円、07年度481万円で144万円も高くついている。2年で約300万円。十分、ポンプ交換ができた」と指摘し、桑田管理者は「結果論だ」とつき返した。07年度の神明浄水場ポンプ交換のやりとりでも水谷委員は停止から40分で業者に電話した経緯を「災害等」の規定に基づいた―との答弁を引き出した上で「緊急時の規定でなく、災害時で対応するなら開のポンプ場も交換すべき」と求めたが、桑田管理者は「能力が低下しただけで、停止していない」と反論した。
![]() |
共同通信47NEWS 2009/03/11■「宇治七名水」見直そう 南山城の会 わき水や井戸調査 水環境の保全に取り組む地域住民の会「水を考える南山城の会」(岡本恒美会長)が、かつて「宇治七名水」と呼ばれた中宇治地域の井戸やわき水をいま一度見直そうと、調査を進めている。14日にも、講師を招いての現地踏査を計画、名水と地形・地質との関係を調べ、再生の可能性を探る。 同会は1984年、琵琶湖や宇治川はじめ淀川水系の汚染問題に端を発し、主に府南部の住民で結成。水道水に含まれる化学物質の調査や、廃食油を使った石けんづくりなどに取り組んできた。 近年活動は休止状態にあったが、一昨年に宇治市で持ち上がった市営浄水場の休止問題を機に、昔、地下水やわき水が人々の暮らしに果たした役割や重要性にあらためて着目。活動を再開し、調査を始めることにした。 昨年10月に同市歴史資料館の館長から七名水の歴史を学ぶ講座を企画したのを最初に、翌月には七名水のいくつかを含む中宇治地域の井戸やわき水の見学ツアーを、さらに先月は市内5カ所の井戸、わき水と宇治川で水質や生物の調査も実施。3月中にも結果を公表することにしている。京都新聞2009/03/11 |
《2009.3.5城南新報記事》
宇治市 開浄水場休止差し止め訴訟
住民権利、行政裁量権が争点
メンテナンスで話し合いも
宇治市の開浄水場休止問題で地元住民らが市を相手取って休止差し止めを求める訴えを起こした訴訟の第6回口頭弁論が4日、京都地裁(吉川慎一裁判長)で開かれた。
この日は原告(地元)、被告(宇治市)の双方がこれまで提出してきた書面を踏まえ、争点について整理。原告が主張する歴史的経過を踏まえて開きの地下水による水道水の供給を受ける権利があるか否か、被告が主張する給水契約は一般的なものであり休止は裁量権の範囲か否かの2点を争点とすることで双方が了解した。
また、原告は同日付で第5準備書面を提出。前回の裁判所から「裁量権の濫用と言うからには、その基本となる権利が必要」と指摘されたことを踏まえ、同準備書面では「原告らと被告との間で歴史的に形成されてきた本件特有の特殊な給水契約に基づき認められる権利。『特定の水の供給を受ける権利』など有り得ない旨の被告主張は全くの筋違い。原告らは一般的な給水契約における権利義務ではなく、本件特有の特殊な給水契約における権利義務を論じている」と反論した。
このほか、開浄水場の揚水ポンプが先月6日早朝に一時停止したことを踏まえ、地元の開地区自治連合会(海老温信会長)などが「ポンプの故障・交換はメンテナンスの問題であり、休止問題とは別。係争中である以上、現状維持が基本だ」とポンプ交換を要求したことを踏まえ、話し合いを再開すべきだ―と原告が法廷で主張した。
吉川裁判長は裁判に影響を与えないとの条件を付すなか、双方の弁護士で調整するように“斡旋”。地元は「係争中を理由に、話し合いを拒否する理由を裁判長が打ち消した。話し合いが再開されるものと思っている」との認識を示したが、市水道部は「代理人同士で調整する段階であり、何も決まっていない」と言葉を濁した。