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ミョウバン消臭

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タイトル:ミョウバンの体臭予防法について

投稿者名:五味院長


最近いくつかのテレビ番組で、ミョウバンの話をしたところ反響がありましたので、ここでもう一度ミョウバンによる体臭予防法について説明しましょう。

ミョウバンはご存知のように、日本では漬物の発色剤や麺のかんすいとして広く使われている食品添加物で、スーパーや薬局では100円程度で売られています。
ミョウバンとは、何かというのは、一言で説明するのは難しいのですが、簡単にいうと、カリウムやアンモニウムなどの金属とアルミニウムなどの金属が硫酸塩の形でむすばれた複合塩の総称です。

現在市販されているものは、メーカーが工場で合成したものですが、自然物としても採取されます。別府のミョウバン温泉は有名ですし、古代ローマ人は、制汗剤として日常的に使われていたと言われます。
つまりミョウバンは世界最古のデオドラント剤でもあるのです。
シーザーがクレオパトラと愛を語る時、ミョウバンを腋に塗ってからでかけた様子を想像すると楽しくなりますね。
ヨーロッパでは、このミョウバンが結晶となった天然塩を「アルム石」と呼んで古くからデオドラント剤として使用していました。
現在は、日本でも天然アルム石に殺菌作用のあるフェノール等の化学物質を配合して自然に近いデオドラント剤として販売されています。

では、なぜこのミョウバンが体臭予防効果があるか説明しましょう。

まず第一に、ミョウバンは水に溶けると酸性になるということです。
ニオイは皮膚表面の雑菌が汗の成分を分解することで発生します。
皮膚が酸性であれば、雑菌の繁殖が抑制され、結果的に臭いが抑えられるのです。
制菌作用にとどまらず、より積極的な殺菌作用もあるようです。

第二に、収れん作用、つまりミョウバンの制汗作用です。
ニオイ成分の含まれた汗をおさえれば、当然臭いも抑えることができるのです。
ところが、このミョウバンの制汗のメカニズムはあまりよく分かっていません。
アルミニウム塩が汗腺の導管周囲に炎症をおこし、導管を閉塞させるのではないか。
アルミニウム塩のゼェル状のものが導管に入って出口を塞ぐのではないか。
または汗腺の導管部の透過性が高まり汗を再吸収してしますのではないか。
さらにはミョウバンのたんぱく質変性作用で表皮の角質が角化するからではないか、などさまざまな説があります。
おそらくその全てが起こって汗を抑えているのでしょう。

第三は、皮膚上で作られたニオイそのものを消臭する作用です。
ミョウバンにはさまざまな金属が含まれていますから酸化還元反応による金属消臭が行われたり、ニオイ成分の中和による消臭も行われます。
特に、酸性の性質があるミョウバンは、アルカリ性のニオイ成分であるアンモニアに対する消臭作用は特異的で、汗くささを抑えるのには非常に有効です。

さて、それではこのミョウバンのデオドラント剤としの上手な使用の仕方を説明しましょう。

一番簡単な方法は、ミョウバンの粉末を直接腋の下に塗布することです。
焼きミョウバンならすり鉢で擦って粉にしてから塗布します。
汗を抑えたい場合にいは、これだけでも効果はあります。
しかし、上記のミョウバンの酸性という性質を利用するなら、水に溶かした溶液をスプレーなどで腋等に吹き付けるのがより効果的です。

ミョウバン水の作り方は簡単です。
市販のミョウバン(50g)を、1.5リットルのペットボトルに入れ、水道水を注いで蓋をしてよく振るだけです。
ミョウバンが溶けない場合には、1日そのまま放置すると、溶解して透明の液になります。
これを、ガーゼに浸して、腋の皮膚を拭いたり、又は、スプレー器に入れ、直接皮膚にスプレーするのもよいでしょう。
皮膚にスプレーされた水は蒸発してミョウバンが残り、皮膚も弱酸性に保たれます。

より消臭作用を強くしたい場合には、水道水の代わりに、濃い目の緑茶で溶かします。
緑茶のカテキンは強い植物消臭作用がありますので相乗効果が期待できます。
さらにその中にレモン汁をたらしてもよいでしょう。レモンの香りがマスキング効果をもたらすのです。

この原液は冷蔵庫の中に保存するなら、1ヶ月近くもちますが、100円程度のものですから1~2週間に1回程度新しいものを作るのがよいでしょう。

さらに、原液を30~50ccくらいお風呂に入れて、ミョウバン浴をするのもよいでしょう。
ニオイだけでなく、子供のあせもやアトピーにもよいようです。
ただ、あまり濃くすると酸性の作用でお風呂の金属が傷むことがありますので注意しましょう。

以上のように、ミョウバンは最も古く、最も安く、最も身近で安全なデオドラントと言えるでしょう。
ただし、なんでもそうですが、いくら安全と言っても体全体にスプレーしたり、顔に吹き付けたりはしないようにしてください。
汗をを抑えるということは、発汗作用を抑制して体温調節に影響することもあります。
また、人によってはかぶれることもありますので、自分の皮膚にあった濃度のものを使用することも大切でしょう。
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